30.2. Pacemaker を用いたマルチサイトクラスターの設定


次の手順で Booth チケットマネージャーを使用したマルチサイト設定を構築できます。

ここで使用するコマンド例は以下を前提とします。

  • Cluster 1 は、ノード cluster1-node1 および cluster1-node2 で構成されます。
  • Cluster 1 に割り当てられた Floating IP アドレスは 192.168.11.100 です。
  • Cluster 2 は、cluster2-node1 および cluster2-node2 で構成されます。
  • Cluster 2 に割り当てられた Floating IP アドレスは 192.168.22.100 です。
  • アービトレーターノードは arbitrator-node で、IP アドレスは 192.168.99.100 です。
  • この設定が使用する Booth チケットの名前は apacheticket です。

ここで使用するコマンド例は、Apache サービスのクラスターリソースが、各クラスターの apachegroup リソースグループの一部として設定されていることを前提としています。各クラスターの Pacemaker インスタンスは独立しているため、このリソースのチケット制約を設定するために、各クラスターでリソースとリソースグループが同じである必要はありませんが、これはフェイルオーバーの一般的な事例になります。

設定手順のどの時点でも、pcs booth config コマンドを実行して現在のノードまたはクラスターの Booth 設定を表示したり、pcs booth status コマンドを実行してローカルノードの Booth の現在のステータスを表示したりできます。

手順

  1. Booth チケットマネージャーのパッケージである booth-site を、両方のクラスターの各ノードにインストールします。

    [root@cluster1-node1 ~]# dnf install -y booth-site
    [root@cluster1-node2 ~]# dnf install -y booth-site
    [root@cluster2-node1 ~]# dnf install -y booth-site
    [root@cluster2-node2 ~]# dnf install -y booth-site
  2. pcs パッケージ、booth-core パッケージ、および booth-arbitrator パッケージをアービトレーターノードにインストールします。

    [root@arbitrator-node ~]# dnf install -y pcs booth-core booth-arbitrator
  3. firewalld デーモンを実行している場合は、Red Hat High Availability Add-On に必要なポートを有効にするために、両方のクラスターの全ノードとアービトレーターノードで次のコマンドを実行します。

    # firewall-cmd --permanent --add-service=high-availability
    # firewall-cmd --add-service=high-availability

    ローカルの状況に合わせて開くポートを変更することが必要になる場合があります。Red Hat High-Availability Add-On で必要なポートの詳細は、High Availability Add-On のポートの有効化 を参照してください。

  4. 1 つのクラスターの 1 つのノードで Booth 設定を作成します。各クラスターおよびアービトレーターノードに指定するアドレスは、IP アドレスである必要があります。各クラスターにフローティング IP アドレスを指定します。

    [cluster1-node1 ~] # pcs booth setup sites 192.168.11.100 192.168.22.100 arbitrators 192.168.99.100

    このコマンドを実行すると、設定ファイルの /etc/booth/booth.conf および /etc/booth/booth.key がノードに作成されます。

  5. Booth 設定のチケットを作成します。このチケットは、このチケットがクラスターに付与された場合のみリソースの実行を許可するリソース抑制を定義するのに使用します。

    この基本的なフェイルオーバー設定手順では、チケットを 1 つだけ使用します。ただし、より複雑なシナリオで、各チケットを 1 つまたは複数の異なるリソースに関連付ける場合は、追加のチケットを作成することもできます。

    [cluster1-node1 ~] # pcs booth ticket add apacheticket
  6. Booth の設定を現在のクラスター内の全ノードに同期します。

    [cluster1-node1 ~] # pcs booth sync
  7. アービトレーターノードから、Booth 設定をアービトレーターに取得します。以前に認証を行っていない場合は、まず設定の取得元のノードに対して pcs を認証する必要があります。

    [arbitrator-node ~] # pcs host auth cluster1-node1
    [arbitrator-node ~] # pcs booth pull cluster1-node1
  8. Booth 設定を別のクラスターに取得し、そのクラスターの全ノードを同期します。アービトレーターノードの場合と同様に、以前に認証を行っていない場合は、まず設定の取得元のノードに対して pcs を認証する必要があります。

    [cluster2-node1 ~] # pcs host auth cluster1-node1
    [cluster2-node1 ~] # pcs booth pull cluster1-node1
    [cluster2-node1 ~] # pcs booth sync
  9. アービトレーターノードで Booth を起動して有効にします。

    注記

    Booth はクラスターで Pacemaker リソースとして実行するため、クラスターのノードで Booth を手動で開始したり有効にしたりしないでください。

    [arbitrator-node ~] # pcs booth start
    [arbitrator-node ~] # pcs booth enable
  10. 各クラスターに割り当てられた Floating IP アドレスを使用して、両方のクラスターサイトでクラスターリソースとして実行されるように Booth を設定します。これにより、booth-ipbooth-service をメンバーとするリソースグループが作成されます。

    [cluster1-node1 ~] # pcs booth create ip 192.168.11.100
    [cluster2-node1 ~] # pcs booth create ip 192.168.22.100
  11. 各クラスター用に定義したリソースグループにチケット制約を追加します。

    [cluster1-node1 ~] # pcs constraint ticket add apacheticket apachegroup
    [cluster2-node1 ~] # pcs constraint ticket add apacheticket apachegroup

    現在設定されているチケット制約を表示するには、次のコマンドを入力します。

    pcs constraint ticket [config]
  12. この設定用に作成したチケットを最初のクラスターに付与します。

    注記

    チケットを付与する前に、あらかじめチケット制約を定義しておく必要はありません。最初にクラスターにチケットを付与すると、pcs booth ticket revoke コマンドを使用して手動でオーバーライドしない限り、Booth がチケット管理を引き継ぎます。pcs booth 管理コマンドの詳細は、システムで pcs booth --help コマンドで確認してください。

    [cluster1-node1 ~] # pcs booth ticket grant apacheticket

    チケットは、いつでも (この手順の完了後でも) 追加および削除できます。ただし、チケットを追加または削除した後、この手順の説明どおりに、他のノード、クラスター、およびアービトレーターノードに対して設定ファイルを同期し、チケットを付与する必要があります。

    Booth チケットを削除する詳細な手順については、Booth チケットの削除 を参照してください。追加の Booth 管理コマンドの詳細は、pcs booth --help コマンドで確認してください。

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