第24章 ノード配置ストラテジーの設定


Pacemaker は、すべてのノードのリソース割り当てスコアに従って、リソースを配置する場所を決定します。このリソースは、リソースのスコアが最も高いノードに割り当てられます。この割り当てスコアは、リソースの制約、resource-stickiness の設定、各ノードにおけるリソースの過去の障害履歴、各ノードの使用率などの要因の組み合わせから導出されます。

すべてのノードでリソース割り当てスコアが等しい場合、デフォルトの配置ストラテジーにより、Pacemaker は、負荷を分散するために、割り当てられたリソースの数が最も少ないノードを選択します。各ノードのリソースの数が等しい場合は、CIB の最初の対象ノードがリソースを実行するのに選択されます。

ただし、多くの場合、リソースが使用するノードの容量 (メモリーや I/O など) の割合は、状況によって大きく異なります。そのため、ノードに割り当てられているリソースの数のみを考慮して、いつでも思想的な負荷分散が行われるとは限りません。さらに、組み合わせた要件が指定された容量を超えるように、リソースが配置されている場合、リソースが完全に起動しないか、パフォーマンスが低下して実行される可能性があります。このような要因を考慮するために、Pacemaker では次の要素を設定できます。

  • 特定のノードの容量
  • 特定のリソースが必要な容量
  • リソースの配置の全体的なストラテジー

24.1. 使用率属性および配置ストラテジー

ノードが提供する容量、またはリソースが必要な容量を設定するには、ノードとリソースに 使用率属性 を使用します。これを行うには、リソースの使用率変数を設定し、その変数に値を割り当ててリソースに必要なものを示してから、同じ使用率変数をノードに設定し、その変数に値を割り当ててそのノードが提供するものを示します。

設定に応じて使用率属性に名前を付け、設定に必要な数だけ名前と値のペアを定義できます。使用率属性の値は整数である必要があります。

24.1.1. ノードおよびリソース容量の設定

次の手順例では、2 つのノードの使用率属性を設定し、その後 3 つの異なるリソースに必要な同じ使用率属性を指定します。使用率属性で定義されているリソースの要件を満たすのに十分な空き容量があれば、ノードはリソースに適格と見なされます。

手順

  1. node1 の使用率属性を設定します。このコマンドは、CPU 容量のノード属性を設定します。この属性は変数 cpu として設定され、node1 の CPU 容量が 2 に定義されます。このコマンドは、RAM 容量の使用率属性も定義します。この属性は変数 memory として設定され、node1 RAM 容量が 2048 に定義されます。

    # pcs node utilization node1 cpu=2 memory=2048
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  2. node2 の使用率属性を設定します。このコマンドは、CPU 容量のノード属性を設定します。この属性は変数 cpu として設定され、node2 の CPU 容量が 4 に定義されます。このコマンドは、RAM 容量の使用率属性も定義します。この属性は変数 memory として設定され、node2 RAM 容量が 2048 に定義されます。

    # pcs node utilization node2 cpu=4 memory=2048
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  3. リソース dummy-small に必要な使用属性を指定します。この例では、dummy-small には CPU 容量 1 と RAM 容量 1024 が必要です。

    # pcs resource utilization dummy-small cpu=1 memory=1024
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  4. リソース dummy-medium に必要な使用属性を指定します。この例では、dummy-medium には CPU 容量 2 と RAM 容量 2048 が必要です。

    # pcs resource utilization dummy-medium cpu=2 memory=2048
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  5. リソース dummy-large に必要な使用率属性を指定します。この例では、dummy-requires には CPU 容量 1 と RAM 容量 3072 が必要です。

    # pcs resource utilization dummy-large cpu=3 memory=3072
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24.1.2. 配置ストラテジーの設定

ノードが提供する容量と、リソースが必要とする容量を設定したら、placement-strategy クラスタープロパティーを設定する必要があります。これを設定しないと、容量を設定しても効果がありません。

placement-strategy クラスタープロパティーには、4 つの値を使用できます。

  • default - 使用率の値は全く考慮されません。リソースは、割り当てスコアに従って割り当てられます。スコアが同じであれば、リソースはノード間で均等に分散されます。
  • utilization - 使用率の値は、ノードが適格と見なされるかどうか (つまり、リソースの要件を満たすのに十分な空き容量があるかどうか) を決定する場合にのみ考慮されます。負荷分散は、ノードに割り当てられたリソースの数に基づいて行われます。
  • balanced - 使用率の値は、ノードがリソースを提供する資格があるかどうかを判断する際、および負荷分散する際に考慮されるため、リソースのパフォーマンスを最適化する方法でリソースを分散しようとします。
  • minimal - 使用率の値は、ノードがリソースを提供する資格があるかどうかを決定する場合に限り考慮されます。負荷分散は、できるだけ少ないノードにリソースを集中させて、残りのノードで電力を節約できるようにします。

以下の例のコマンドでは、placement-strategy の値を balanced に設定します。このコマンドを実行すると、Pacemaker は、複雑な一連のコロケーション制約を使用せずに、リソースからの負荷がクラスター全体に均等に分散されるようにします。

# pcs property set placement-strategy=balanced
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