第5章 Q35 マシンタイプへの仮想マシンの変換


RHEL 10 では、i440fx マシンタイプが非推奨になりました。このタイプは今後の RHEL メジャーバージョンで削除される予定です。また、q35 マシンタイプを使用すると、i440fx と比較して、Advanced Host Controller Interface (AHCI) や仮想入出力メモリー管理ユニット (vIOMMU) エミュレーションなど、追加の利点が得られます。

したがって、Red Hat では、i440fx を使用する仮想マシン (VM) を、q35 を使用するように変換することを推奨しています。なお、まだ定義していない仮想マシン設定を変換することもできます。

留意事項

仮想マシンのマシンタイプを変更することは、物理マシンのマザーボードを変更することに似ています。そのため、仮想マシンのマシンタイプを i440fx から q35 に変換すると、場合によってはゲストオペレーティングシステムの機能に問題が発生する可能性があります。

前提条件

  • RHEL 10 ホスト上の仮想マシンが i440fx マシンタイプを使用している。これを確認するには、次のコマンドを使用します。

    # virsh dumpxml <vm-name> | grep machine
    
    <type arch='x86_64' machine='pc-i440fx-10.0.0'>hvm</type>
    Copy to Clipboard
  • 仮想マシンの元の設定がバックアップ済みであり、その設定を必要に応じて変換や障害復旧に使用できる。

    # virsh dumpxml <vm-name> > <vm-name>-backup.xml
    Copy to Clipboard

仮想マシンが未定義である場合の手順

  1. Q35 を使用するように仮想マシンの設定を調整します。元の設定として、以前に作成したバックアップファイルを使用します。

    # cat <vm-name>-backup.xml | virt-xml --edit --convert-to-q35 > <vm-name-q35>.xml
    Copy to Clipboard
  2. 仮想マシンを定義します。

    # virsh define <vm-name-q35>.xml
    Copy to Clipboard

仮想マシンが定義済みである場合の手順

  1. Q35 を使用するように仮想マシンの設定を調整します。

    # virt-xml <vm-name> --edit --convert-to-q35
    Copy to Clipboard
  2. 仮想マシンが実行中の場合はシャットダウンします。

    # virsh shutdown <vm-name>
    Copy to Clipboard

検証

  1. 仮想マシンのマシンタイプを表示します。

    # virsh dumpxml <vm-name> | grep machine
    
        <type arch='x86_64' machine='q35'>hvm</type>
    Copy to Clipboard
  2. 仮想マシンを起動し、ゲストオペレーティングシステムにログインできることを確認します。

トラブルシューティング

  • Windows ゲストオペレーティングシステムを使用しており、変換後に仮想マシンがブートデバイスを検出できない場合は、セーフモードで起動してから仮想マシンを再起動します。
  • マシンタイプを変更したことにより仮想マシンが機能しなくなった場合は、バックアップした設定に基づいて新しい仮想マシンを定義します。

    # virsh define <vm-name>-backup.xml
    Copy to Clipboard
トップに戻る
Red Hat logoGithubredditYoutubeTwitter

詳細情報

試用、購入および販売

コミュニティー

Red Hat ドキュメントについて

Red Hat をお使いのお客様が、信頼できるコンテンツが含まれている製品やサービスを活用することで、イノベーションを行い、目標を達成できるようにします。 最新の更新を見る.

多様性を受け入れるオープンソースの強化

Red Hat では、コード、ドキュメント、Web プロパティーにおける配慮に欠ける用語の置き換えに取り組んでいます。このような変更は、段階的に実施される予定です。詳細情報: Red Hat ブログ.

会社概要

Red Hat は、企業がコアとなるデータセンターからネットワークエッジに至るまで、各種プラットフォームや環境全体で作業を簡素化できるように、強化されたソリューションを提供しています。

Theme

© 2025 Red Hat