第3章 仮想マシンの作成


RHEL 10 で仮想マシン (VM) を作成するには、コマンドラインまたは RHEL 10 Web コンソールを使用できます。

3.1. コマンドラインを使用した仮想マシンの作成

virt-install ユーティリティーを使用して、RHEL 10 ホスト上に仮想マシン (VM) を作成できます。

前提条件

  • ホストシステムで仮想化が 有効になっている
  • ディスク領域、RAM、CPU など、仮想マシンに割り当てるのに十分なシステムリソースがある。推奨される値は、仮想マシンで行うタスクやワークロードにより大きく異なる可能性がある。
  • オペレーティングシステム (OS) のインストールソースがローカルまたはネットワークで利用できる。これには、次のいずれかを使用できます。

    • インストールメディアの ISO イメージ
    • 既存の仮想マシンインストールのディスクイメージ

      警告

      RHEL 10 では、ホストの CD-ROM または DVD-ROM デバイスからインストールすることはできません。RHEL 10 で使用可能な仮想マシンインストール方法を使用するときに、インストールソースとして CD-ROM または DVD-ROM を選択すると、インストールが失敗します。詳細は Red Hat ナレッジベース を参照してください。

      また、Red Hat がサポートするのは、一部のゲストオペレーティングシステム のみであることに注意してください。

  • libvirt の system 接続を使用する仮想マシンを作成するには、root 特権を持っているか、ホスト上の libvirt ユーザーグループに属している必要があります。詳細は、仮想化のユーザー空間接続タイプ を参照してください。
  • 任意: インストールをより速く、簡単に設定するために、キックスタートファイルを利用できます。

手順

  • 仮想マシンを作成して OS のインストールを開始するには、以下の必須引数を指定して、virt-install コマンドを使用します。

    --name
    新しいマシンの名前
    --memory
    割り当てるメモリーの量
    --vcpus
    割り当てる仮想 CPU の数
    --disk
    割り当てるストレージの種類とサイズ
    --cdrom または --location
    OS インストールソースの種類と場所
    --osinfo

    インストールする OS の種類とバージョン

    注記

    --osinfo 引数に使用可能なすべての値をリスト表示するには、virt-install --osinfo list コマンドを実行します。

    osinfo-query os コマンドを実行して詳細を参照することもできます。ただし、先に libosinfo-bin パッケージをインストールする必要がある場合があります。

    選択したインストール方法に応じて、必要なオプションと値が異なります。詳細は、次の例を参照してください。

  • 仮想マシンを作成し、ローカルの ISO ファイルから OS をインストールする:

    • 次のコマンドは、demo-guest1 という名前の仮想マシンを作成し、ローカルの /home/username/Downloads/Win10install.iso ファイルに保存されている ISO イメージから、Windows 10 OS をインストールします。この仮想マシンには、2048 MiB の RAM と 2 つの vCPU が割り当てられ、80 GiB の qcow2 仮想ディスクも自動的に割り当てられます。

      # virt-install \
          --name demo-guest1 --memory 2048 \
          --vcpus 2 --disk size=80 --osinfo win10 \
          --cdrom /home/username/Downloads/Win10install.iso
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  • 仮想マシンを作成し、ライブ CD から OS をインストールして、永続ディスクは作成しない:

    • 次のコマンドは、demo-guest2 という名前の仮想マシンを作成し、/home/username/Downloads/rhel10.iso イメージを使用して、ライブ CD から RHEL 10 OS を実行します。この仮想マシンにはディスク領域が割り当てられないため、セッション中に行った変更は保持されません。また、仮想マシンには、4096 MiB の RAM と、4 つの vCPU が割り当てられます。

      # virt-install \
          --name demo-guest2 --memory 4096 --vcpus 4 \
          --disk none --livecd --osinfo rhel10.0 \
          --cdrom /home/username/Downloads/rhel10.iso
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  • 仮想マシンを作成し、既存のディスクイメージをインポートする:

    • 次のコマンドは、demo-guest3 という名前の RHEL 10 仮想マシンを作成し、既存のディスクイメージ /home/username/backup/disk.qcow2 に接続します。これは、マシン間でハードドライブを物理的に移動するのと似ています。したがって、demo-guest3 で使用できる OS およびデータは、イメージが処理された方法により決定します。また、仮想マシンには、2048 MiB の RAM および 2 つの vCPU が割り当てられます。

      # virt-install \
          --name demo-guest3 --memory 2048 --vcpus 2 \
          --osinfo rhel10.0 --import \
          --disk /home/username/backup/disk.qcow2
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      ディスクイメージをインポートする場合、--osinfo オプションを使用する必要があることに注意してください。このオプションを指定しないと、作成された仮想マシンのパフォーマンスに影響を及ぼします。

  • 仮想マシンを作成し、リモート URL から OS をインストールする:

    • 次のコマンドは、demo-guest4 という名前の仮想マシンを作成し、URL http://example.com/OS-install からインストールします。インストールを開始するには、作業中の OS インストールツリーを URL に指定する必要があります。さらに、OS は、キックスタートファイル /home/username/ks.cfg で自動的に設定されます。この仮想マシンには、2048 MiB の RAM、2 つの vCPU、および 160 GiB の qcow2 仮想ディスクも割り当てられます。

      # virt-install \
          --name demo-guest4 --memory 2048 --vcpus 2 --disk size=160 \
          --osinfo rhel10.0 --location http://example.com/OS-install \
          --initrd-inject /home/username/ks.cfg --extra-args="inst.ks=file:/ks.cfg console=tty0 console=ttyS0,115200n8"
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      さらに、ARM 64 ホスト上の RHEL 10 で demo-guest4 をホストする場合は、キックスタートファイルによって kernel-64k パッケージが確実にインストールされるように、次の行を追加します。

      %packages
      -kernel
      kernel-64k
      %end
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  • 仮想マシンを作成し、テキストのみのモードで OS をインストールする:

    • 次のコマンドは、demo-guest5 という名前の仮想マシンを作成し、グラフィックスがない、テキストのみのモードである RHEL10.iso イメージファイルからインストールします。ゲストコンソールをシリアルコンソールに接続します。仮想マシンには、16384 MiB のメモリー、16 個の vCPU、および 280 GiB のディスクが割り当てられます。このようなインストールは、低速なネットワークリンクを介してホストに接続する際に便利です。

      # virt-install \
          --name demo-guest5 --memory 16384 --vcpus 16 --disk size=280 \
          --osinfo rhel10.0 --location RHEL10.iso \
          --graphics none --extra-args='console=ttyS0'
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  • 仮想マシンを作成し、グラフィカルモードで OS をインストールする:

    • 次のコマンドは、demo-guest-6 という名前の仮想マシンを作成します。この仮想マシンは demo-guest5 と同じ設定ですが、ネットワーク用にホストデバイス pci_0003_00_00_0 を提供し、グラフィカルインストール用にグラフィックスを設定します。

      # virt-install \
          --name demo-guest6 --memory 16384 --vcpus 16 --disk size=280 \
          --os-info rhel10.0 --location RHEL10.iso --graphics vnc,listen=0.0.0.0,5901 \
          --input keyboard,bus=virtio --input mouse,bus=virtio \
          --hostdev pci_0003_00_00_0 --network none
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      なお、インストールに使用できるホストデバイスの名前は、virsh nodedev-list --cap pci コマンドを使用して取得できます。インストール GUI を使用するには、インストールの開始時に、任意の VNC ビューアーを VNC ポート 5901 でホストの IP に接続できます。ただし、先にファイアウォールでこのポートを開く必要がある場合があります。次に例を示します。

      # firewall-cmd --add-port 5901/tcp
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  • リモートホストに仮想マシンを作成します。

    • 次のコマンドは、demo-guest7 という名前の仮想マシンを作成します。この仮想マシンは demo-guest5 と同じ設定ですが、リモートホスト 192.0.2.1 上に配置されます。

      # virt-install \
          --connect qemu+ssh://root@192.0.2.1/system --name demo-guest7 --memory 16384 \
          --vcpus 16 --disk size=280 --osinfo rhel10.0 --location RHEL10.iso \
          --graphics none --extra-args='console=ttyS0'
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  • リモートホストに仮想マシンを作成し、DASD 仲介デバイスをストレージとして使用する:

    • 次のコマンドは、demo-guest-8 という名前の仮想マシンを作成します。この仮想マシンは demo-guest5 と同じ設定ですが、ストレージには DASD 仲介デバイス mdev_30820a6f_b1a5_4503_91ca_0c10ba12345a_0_0_29a8 を使用し、デバイス番号 1111 を割り当てる点が異なります。

      # virt-install \
          --name demo-guest8 --memory 16384 --vcpus 16 --disk size=280 \
          --osinfo rhel10.0 --location RHEL10.iso --graphics none \
          --disk none --hostdev mdev_30820a6f_b1a5_4503_91ca_0c10ba12345a_0_0_29a8,address.type=ccw,address.cssid=0xfe,address.ssid=0x0,address.devno=0x1111,boot-order=1 \
          --extra-args 'rd.dasd=0.0.1111'
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      インストールに利用可能な仲介デバイスの名前は、virsh nodedev-list --cap mdev コマンドを使用して取得できることに注意してください。

  • virt-install コマンドの追加オプションと例は、システム上の virt-install(1) man ページを参照してください。

検証

  • 仮想マシンが問題なく作成されると、仮想マシンのグラフィカルコンソールで virt-viewer 画面が開き、ゲスト OS のインストールが開始します。

トラブルシューティング

  • virt-installcannot find default network エラーを出力する場合は、以下のようにします。

    • libvirt-daemon-config-network パッケージがインストールされていることを確認します。

      # dnf info libvirt-daemon-config-network
      Installed Packages
      Name         : libvirt-daemon-config-network
      [...]
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    • libvirt のデフォルトネットワークがアクティブで、自動的に起動するように設定されていることを確認します。

      # virsh net-list --all
       Name      State    Autostart   Persistent
      --------------------------------------------
       default   active   yes         yes
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    • そうでない場合は、デフォルトのネットワークをアクティブにし、自動起動に設定します。

      # virsh net-autostart default
      Network default marked as autostarted
      
      # virsh net-start default
      Network default started
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      • デフォルトのネットワークをアクティベートしても以下のエラーが出て失敗する場合は、libvirt-daemon-config-network パッケージが正常にインストールされていません。

        error: failed to get network 'default'
        error: Network not found: no network with matching name 'default'
        Copy to Clipboard Toggle word wrap

        この問題を修正するには、以下のコマンドで libvirt-daemon-config-network を再インストールします。

        # dnf reinstall libvirt-daemon-config-network
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      • 以下のようなエラーでデフォルトのネットワークをアクティベートできない場合には、デフォルトネットワークのサブネットとホストの既存インターフェイスで競合が発生しています。

        error: Failed to start network default
        error: internal error: Network is already in use by interface ens2
        Copy to Clipboard Toggle word wrap

        これを修正するには、virsh net-edit default コマンドを使用して、設定の 192.0.2.* の値を、ホストで使用していないサブネットに変更します。

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