第17章 仮想マシンのパフォーマンスの最適化


仮想マシンでは、ホストと比べて、パフォーマンス低下が常に見られます。以下のセクションでは、このパフォーマンス低下の原因を説明します。また、ハードウェアのインフラストラクチャーリソースを可能な限り効率的に使用できるように、RHEL 10 での仮想化によるパフォーマンスへの影響を最小限に抑える方法を説明します。

17.1. 仮想マシンのパフォーマンスに影響を及ぼすもの

仮想マシン (VM) は、ホスト上でユーザー空間プロセスとして実行されます。したがって、ハイパーバイザーは、仮想マシンがホストシステムのリソースを使用できるように、ホストのシステムリソースを変換する必要があります。その結果、リソースの一部が変換によって消費され、仮想マシンがホストと同じパフォーマンス効率を実現できなくなります。

システムパフォーマンスにおける仮想化の影響

仮想マシンのパフォーマンス低下の理由には、以下のようなものがあります。

  • 仮想 CPU (vCPU) がホスト上のスレッドとして実装され、Linux スケジューラーで処理される。
  • 仮想マシンは、ホストカーネルから NUMA や Huge Page などの最適化機能を自動的に継承しない。
  • ホストのディスクおよびネットワーク I/O の設定が、仮想マシンのパフォーマンスに大きく影響する可能性がある。
  • ネットワークトラフィックは、一般的に、ソフトウェアベースのブリッジから仮想マシンに流れる。
  • ホストデバイスとそのモデルによっては、その特定のハードウェアのエミュレーションにより、オーバーヘッドが著しくなる可能性がある。

仮想化が仮想マシンのパフォーマンスに与える影響の重大度は、次のようなさまざまな要因の影響を受けます。

  • 同時に実行している仮想マシンの数
  • 各仮想マシンで使用される仮想デバイスのサイズ
  • 仮想マシンが使用するデバイスの種類

仮想マシンのパフォーマンス損失を減らす

RHEL 10 には、仮想化によるパフォーマンスへの悪影響を軽減するために使用できる機能が多数用意されています。以下に例を示します。

重要

仮想マシンのパフォーマンスのチューニングは、その他の仮想化機能に悪影響を与える可能性があります。たとえば、変更した仮想マシンの移行がより困難になります。

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