第10章 ファイルシステムおよびストレージ
以下の章では、ファイルシステムおよびストレージに関する RHEL 9 と RHEL 10 の間の最も重要な変更点を説明します。
GFS2 ファイルシステムのサポートが削除される
Red Hat Enterprise Linux (RHEL) Resilient Storage Add-On は、Red Hat Enterprise Linux 10 以降ではサポートされなくなります。これには、同様にサポートされなくなった GFS2 ファイルシステムも含まれます。RHEL Resilient Storage Add-On は、以前のバージョンの RHEL (7、8、9) で、および各バージョンのメンテナンスサポートライフサイクル中は引き続きサポートされます。
dm-vdo
モジュールがカーネルに追加される
この更新により、kmod-kvdo
モジュールは RHEL 10 カーネルで dm-vdo
モジュールに置き換えられました。さらに、Virtual Data Optimizer (VDO) sysfs
パラメーターも削除されました。
VDO sysfs
パラメーターが削除される
Virtual Data Optimizer (VDO) sysfs
パラメーターが削除されました。log_level
を除き、kvdo
モジュールのすべてのモジュールレベルの sysfs
パラメーターが削除されます。個々の dm-vdo
ターゲットでは、VDO に固有のすべての sysfs
パラメーターも削除されます。すべての DM ターゲットに共通するパラメーターには変更はありません。削除されたモジュールレベルのパラメーターを更新することによって現在設定されている dm-vdo
ターゲットの設定値は、変更できなくなります。
dm-vdo
ターゲットの統計情報と設定値は、sysfs
経由ではアクセスできなくなります。しかし、これらの値は、dmsetup message stats
、dmsetup status
、および dmsetup table
の dmsetup コマンドを使用して引き続きアクセスできます。
md-faulty
および md-multipath
モジュールが削除される
RHEL 10 では、md-faulty
および md-multipath
MD RAID カーネルモジュールは使用できなくなりました。
nvme_core.multipath
パラメーターが削除される
RHEL 10 では、RDMA および FC 経由の NVMe デバイスでの DM マルチパスの使用はサポートされなくなりました。その結果、nvme_core.multipath
パラメーターが削除され、ネイティブ NVMe マルチパスがデフォルトで有効化され、無効化できなくなりました。バグ修正と、RDMA および FC 経由の NVMe デバイスでの DM マルチパスの使用に関するサポートは、RHEL 9 のライフサイクル終了までのみ提供されます。DM マルチパスは、RHEL のいずれのバージョンにおいても、TCP 経由の NVMe でサポートされたことがない点に注意してください。