第4章 開発用の追加ツールセット
C および C++ の開発用の追加ツールセットは、アプリケーションの構築、分析、最適化の機能を提供します。これらのツールセットを使用することで、開発ワークフローを定義し、アプリケーションの品質を向上させることができます。
4.1. GCC Toolset の使用 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
4.1.1. GCC Toolset とは リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
Red Hat Enterprise Linux 10 では、開発およびパフォーマンス分析ツールの更新版を含む Application Stream である GCC Toolset が導入されました。GCC Toolset は Red Hat Developer Toolset に似ています。
GCC Toolset は、AppStream リポジトリーにおいて、Software Collection の形式で、Application Stream として利用できます。GCC Toolset は、Red Hat Enterprise Linux サブスクリプション契約で完全にサポートされており、機能的に完全で、実稼働環境での使用を対象としています。GCC Toolset が提供するアプリケーションおよびライブラリーは、Red Hat Enterprise Linux システムのバージョンを置き換えず、上書きせず、自動的にデフォルトまたは推奨される選択肢になるわけではありません。Software Collection というフレームワークを使用すると、追加の開発者ツールセットが /opt/ ディレクトリーにインストールされ、ユーザーが scl ユーティリティーを使用してオンデマンドで明示的に有効にします。特定のツールや機能に関する記載が特にない場合は、Red Hat Enterprise Linux が対応するすべてのアーキテクチャーで GCC Toolset が利用できます。
サポート期間の詳細は、Red Hat Enterprise Linux Application Streams ライフサイクル を参照してください。
4.1.2. GCC Toolset のインストール リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
システムに GCC Toolset をインストールすると、メインのツールと、必要な依存関係がすべてインストールされます。ツールセットの一部はデフォルトではインストールされず、個別にインストールする必要があります。
手順
GCC Toolset バージョン N をインストールするには、次のコマンドを実行します。
# dnf install gcc-toolset-N
4.1.3. GCC Toolset からの個別パッケージのインストール リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
ツールセット全体ではなく、GCC Toolset から特定のツールのみをインストールするには、利用可能なパッケージの一覧を表示し、dnf パッケージ管理ツールで選択したツールをインストールします。この手順は、ツールセットとともにデフォルトでインストールされないパッケージにも役立ちます。
手順
GCC Toolset バージョン N で利用可能なパッケージのリストを表示します。
$ dnf list available gcc-toolset-N-\このパッケージのいずれかをインストールするには、次のコマンドを実行します。
# dnf install package_namepackage_name は、インストールするパッケージのスペース区切りリストに置き換えます。たとえば、
gcc-toolset-15-annobin-annocheckおよびgcc-toolset-15-binutils-develパッケージをインストールするには、次のコマンドを実行します。# dnf install gcc-toolset-15-annobin-annocheck gcc-toolset-15-binutils-devel
4.1.4. GCC Toolset のアンインストール リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
システムから GCC Toolset を削除するには、dnf パッケージ管理ツールを使用してアンインストールします。
手順
GCC Toolset バージョン N をアンインストールするには、次のコマンドを実行します。
# dnf remove gcc-toolset-N \
4.1.5. GCC Toolset のツールの実行 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
GCC Toolset のツールを実行するには、scl ユーティリティーを使用します。
手順
GCC Toolset バージョン N からツールのバージョンを確認します。
$ gcc-toolset-N-env gcc --versionGCC Toolset バージョン N のツールを実行するには、次のコマンドを実行します。
$ gcc-toolset-N-env toolたとえば、GCC Toolset バージョン 15 の
gccツールを実行するには、次のコマンドを実行します。$ gcc-toolset-15-env gcc --versionGCC Toolset バージョン 15 の
makeツールを実行するには、次のコマンドを実行します。$ gcc-toolset-15-env make -j4
4.1.6. GCC Toolset でシェルセッションの実行 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
GCC Toolset では、scl コマンドを明示的に使用せずに、このようなツールのシステムバージョンの代わりに、GCC Toolset ツールのバージョンを使用しているシェルセッションを実行できます。これは、開発設定のセットアップ時またはテスト時など、ツールを何度もインタラクティブに起動する必要がある場合に便利です。
手順
GCC Toolset バージョン N のツールバージョンが、このようなツールのシステムバージョンをオーバーライドするシェルセッションを実行するには、次のコマンドを実行します。
$ gcc-toolset-N-env bashたとえば、GCC Toolset バージョン 15 のツールによってこのツールのシステムバージョンをオーバーライドするシェルセッションを実行するには、次のコマンドを実行します。
$ gcc-toolset-15-env bash注記sclユーティリティーは、Red Hat Enterprise Linux 10 の GCC Toolset には使用されていません。scl enableコマンドは GCC Toolset では機能しません。