第18章 Ignition を使用した初回ブート時の bootc イメージの設定


Ignition ツールを使用すると、初回ブート時に bootc システムを動的に設定できます。Ignition を使用すると、少数のベースイメージを標準化し、実行時にそのイメージをカスタマイズできます。これにより、ハードウェアや環境の組み合わせごとに、イメージのバリアントを個別に作成する必要がなくなります。

Ignition は初回ブート時に、ユーザーが指定した設定ファイルを実行し、システム起動前にネットワーク、ユーザー、ストレージなどの環境固有の詳細を設定します。

18.1. Ignition を使用した bootc での動的プロビジョニングについて

Ignition は、initramfs フェーズ中に Linux システムを設定する初回ブート時のプロビジョニングシステムです。Ignition を使用すると、複数のイメージのバリアントを管理することなく、bootc システムを動的に設定できます。

Ignition は、システムの初回ブート時に一度だけ実行されます。宣言型の設定ファイルを読み込み、システムが実際のルートファイルシステムに移行する前に、指定された変更を適用します。

Ignition は、以下の設定タスクを実行できます。

  • ユーザーとグループを作成する
  • SSH 認証鍵を追加する
  • ファイルとディレクトリーを書き込む
  • systemd ユニットを設定する
  • ディスクパーティションとファイルシステムを設定する
  • ネットワーク設定を行う

    Ignition と bootc の連携の仕組み

    bootc イメージは、アトミックな更新とロールバックのために OSTree を使用します。Ignition は、initramfs フェーズ中に /var ディレクトリーを書き込み可能な状態でマウントすることで OSTree と統合します。これにより、設定変更を永続化が可能になります。

    以下の手順は、Ignition の起動プロセスを示しています。

    1. ブートローダーが ignition.firstboot カーネルパラメーターを渡します。
    2. initramfs が Ignition サービスをロードして起動します。
    3. Ignition がプラットフォーム固有のデータソースから設定を取得します。
    4. Ignition は /var を書き込み可能な状態でマウントし、設定を適用します。
    5. initramfs が実際のルートファイルシステムに移行します。
    6. 最初の起動が完了すると、システムが firstboot マーカーを削除します。
    Ignition を使用するメリット
    コアとなるオペレーティングシステムイメージを汎用的かつインフラストラクチャー全体で再利用可能にするには、Ignition を使用してブート時に環境固有の設定を注入することで、"一度だけビルドし、実行時に設定" というアプローチを実現できます。このアプローチには次の利点があります。
  • イメージの無秩序な増加の抑制: 十数種類のバリアントではなく、少数のベースイメージを維持するだけで済みます。
  • 動的な設定: ブート時に、DNS リゾルバー、NTP サーバー、ネットワークパラメーターなどの環境固有の設定を適用できます。
  • 宣言型プロビジョニング: 必要なシステム状態を JSON 設定ファイルで定義できます。
  • 初回ブート時のみ実行: Ignition は初期プロビジョニング時に一度だけ実行されます。これにより、その後の再起動時に意図せず再設定されることが防止されます。
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