4.9.2. オブジェクト選択
このセクションでは、LVM オブジェクトについて表示できる情報を
pvs
、vgs
、及び lvs
の コマンドを使って一覧表示する表のセットを提供します。
便宜上、フィールド名の接頭辞は、コマンドのデフォルトと一致する場合は省略できます。 例えば、
pvs
コマンドでは、name
は pv_name
の意味で、vgs
コマンドでは、 name
は vg_name
と解釈されます。
以下のコマンドを実行することは、
pvs -o pv_free
の実行と 同等なものです。
# pvs -o free
PFree
17.14G
17.09G
17.14G
pvs コマンド
表4.1「pvs 表示フィールド」 lists the display arguments of the
pvs
command, along with the field name as it appears in the header display and a description of the field.
引数 | ヘッダ | 説明 |
---|---|---|
dev_size | DevSize | 物理ボリュームが作成される元となる背後のデバイスのサイズ |
pe_start | 1st PE | 背後にあるデバイス内の最初の物理エクステントの開始点までのオフセット |
pv_attr | Attr | 物理ボリュームのステータス: (a)llocatable 又は e(x)ported |
pv_fmt | Fmt | 物理ボリュームのメタデータ形式(lvm2 又は lvm1 ) |
pv_free | PFree | 物理ボリュームにある残りの空き領域 |
pv_name | PV | 物理ボリュームの名前 |
pv_pe_alloc_count | Alloc | 使用される物理エクステントの数量 |
pv_pe_count | PE | 物理エクステントの数量 |
pvseg_size | SSize | 物理ボリュームのセグメントサイズ |
pvseg_start | Start | 物理ボリュームセグメントの物理エクステントの開始点 |
pv_size | PSize | 物理ボリュームのサイズ |
pv_tags | PV Tags | 物理ボリュームに付けられた LVM タグ |
pv_used | Used | 物理ボリューム上で現在使用中の領域の量 |
pv_uuid | PV UUID | 物理ボリュームの UUID |
pvs
コマンドは、デフォルトで以下のようなフィールドを表示します: pv_name
, vg_name
, pv_fmt
, pv_attr
, pv_size
, pv_free
。表示は pv_name
で分別されます。
# pvs
PV VG Fmt Attr PSize PFree
/dev/sdb1 new_vg lvm2 a- 17.14G 17.14G
/dev/sdc1 new_vg lvm2 a- 17.14G 17.09G
/dev/sdd1 new_vg lvm2 a- 17.14G 17.13G
pvs
コマンドに -v
引数を使用すると、 デフォルトの表示に以下のフィールドを追加します: dev_size
, pv_uuid
。
# pvs -v
Scanning for physical volume names
PV VG Fmt Attr PSize PFree DevSize PV UUID
/dev/sdb1 new_vg lvm2 a- 17.14G 17.14G 17.14G onFF2w-1fLC-ughJ-D9eB-M7iv-6XqA-dqGeXY
/dev/sdc1 new_vg lvm2 a- 17.14G 17.09G 17.14G Joqlch-yWSj-kuEn-IdwM-01S9-XO8M-mcpsVe
/dev/sdd1 new_vg lvm2 a- 17.14G 17.13G 17.14G yvfvZK-Cf31-j75k-dECm-0RZ3-0dGW-tUqkCS
pvs
コマンドに --segments
引数を使用すると、 各物理ボリュームセグメントの情報を表示します。セグメントとは、エクステントの集合のことです。 セグメントの表示は、論理ボリュームがフラグメント化(分散)しているかどうかを見るのに 便利になります。
pvs --segments
コマンドは、デフォルトで以下のフィールドを 表示します: pv_name
, vg_name
, pv_fmt
, pv_attr
, pv_size
, pv_free
, pvseg_start
, pvseg_size
。この表示は、物理ボリューム内で pv_name
と pvseg_size
で分別されます。
# pvs --segments
PV VG Fmt Attr PSize PFree Start SSize
/dev/hda2 VolGroup00 lvm2 a- 37.16G 32.00M 0 1172
/dev/hda2 VolGroup00 lvm2 a- 37.16G 32.00M 1172 16
/dev/hda2 VolGroup00 lvm2 a- 37.16G 32.00M 1188 1
/dev/sda1 vg lvm2 a- 17.14G 16.75G 0 26
/dev/sda1 vg lvm2 a- 17.14G 16.75G 26 24
/dev/sda1 vg lvm2 a- 17.14G 16.75G 50 26
/dev/sda1 vg lvm2 a- 17.14G 16.75G 76 24
/dev/sda1 vg lvm2 a- 17.14G 16.75G 100 26
/dev/sda1 vg lvm2 a- 17.14G 16.75G 126 24
/dev/sda1 vg lvm2 a- 17.14G 16.75G 150 22
/dev/sda1 vg lvm2 a- 17.14G 16.75G 172 4217
/dev/sdb1 vg lvm2 a- 17.14G 17.14G 0 4389
/dev/sdc1 vg lvm2 a- 17.14G 17.14G 0 4389
/dev/sdd1 vg lvm2 a- 17.14G 17.14G 0 4389
/dev/sde1 vg lvm2 a- 17.14G 17.14G 0 4389
/dev/sdf1 vg lvm2 a- 17.14G 17.14G 0 4389
/dev/sdg1 vg lvm2 a- 17.14G 17.14G 0 4389
pvs -a
コマンドを使用して、LVM 物理ボリュームとして 初期化されていなかったデバイスのうち、LVM が検出したデバイスを見ることができます。
# pvs -a
PV VG Fmt Attr PSize PFree
/dev/VolGroup00/LogVol01 -- 0 0
/dev/new_vg/lvol0 -- 0 0
/dev/ram -- 0 0
/dev/ram0 -- 0 0
/dev/ram2 -- 0 0
/dev/ram3 -- 0 0
/dev/ram4 -- 0 0
/dev/ram5 -- 0 0
/dev/ram6 -- 0 0
/dev/root -- 0 0
/dev/sda -- 0 0
/dev/sdb -- 0 0
/dev/sdb1 new_vg lvm2 a- 17.14G 17.14G
/dev/sdc -- 0 0
/dev/sdc1 new_vg lvm2 a- 17.14G 17.09G
/dev/sdd -- 0 0
/dev/sdd1 new_vg lvm2 a- 17.14G 17.14G
vgs コマンド
表4.2「vgs 表示フィールド」 lists the display arguments of the
vgs
command, along with the field name as it appears in the header display and a description of the field.
引数 | ヘッダ | 説明 |
---|---|---|
lv_count | #LV | ボリュームグループが含んでいる論理ボリュームの数量 |
max_lv | MaxLV | ボリュームグループ内で許容される論理ボリュームの最大数量(無制限には 0 ) |
max_pv | MaxPV | ボリュームグループ内で許容される物理ボリュームの最大数量(無制限には 0) |
pv_count | #PV | ボリュームグループを定義する物理ボリュームの数量 |
snap_count | #SN | ボリュームグループが含むスナップショットの数量 |
vg_attr | Attr | ボリュームグループのステータス: (w)riteable、(r)eadonly、resi(z)eable、 e(x)ported、(p)artial、及び (c)lustered |
vg_extent_count | #Ext | ボリュームグループ内の物理エクステントの数量 |
vg_extent_size | Ext | ボリュームグループ内の物理エクステントのサイズ |
vg_fmt | Fmt | ボリュームグループのメタデータ形式 (lvm2 、又は lvm1 ) |
vg_free | VFree | ボリュームグループ内の残りの空き領域のサイズ |
vg_free_count | Free | ボリュームグループ内の空き物理エクステントの数量 |
vg_name | VG | ボリュームグループ名 |
vg_seqno | Seq | ボリュームグループの改訂を示す番号 |
vg_size | VSize | ボリュームグループのサイズ |
vg_sysid | SYS ID | LVM1 システム ID |
vg_tags | VG Tags | ボリュームグループに付けられた LVM タグ |
vg_uuid | VG UUID | ボリュームグループの UUID |
vgs
コマンドは、デフォルトで、以下のフィールドを表示します: vg_name
, pv_count
, lv_count
, snap_count
, vg_attr
, vg_size
, vg_free
。この表示は、vg_name
で 分別されます。
# vgs
VG #PV #LV #SN Attr VSize VFree
new_vg 3 1 1 wz--n- 51.42G 51.36G
vgs
コマンドで -v
引数を使用すると、 デフォルトの表示に以下のフィールドを追加します : vg_extent_size
, vg_uuid
。
# vgs -v
Finding all volume groups
Finding volume group "new_vg"
VG Attr Ext #PV #LV #SN VSize VFree VG UUID
new_vg wz--n- 4.00M 3 1 1 51.42G 51.36G jxQJ0a-ZKk0-OpMO-0118-nlwO-wwqd-fD5D32
lvs コマンド
表4.3「lvs 表示フィールド」 lists the display arguments of the
lvs
command, along with the field name as it appears in the header display and a description of the field.
引数 | ヘッダ | 説明 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| Chunk | スナップショットボリュームの単位サイズ | ||||||
copy_percent | Copy% | ミラー化論理ボリュームの同期パーセント。これは、また pv_move コマンドで物理エクステントを移動する時にも使用されます。 | ||||||
devices | Devices | 論理ボリュームを構成する要因として背後にあるデバイス: 物理ボリューム、論理ボリューム、 そして物理エクステントと論理エクステントの開始点 | ||||||
lv_attr | Attr | 論理ボリュームのステータス。論理ボリュームの属性部分は以下のように なります:
| ||||||
lv_kernel_major | KMaj | 論理ボリュームの実際のメジャーデバイス番号(停止中の場合、-1) | ||||||
lv_kernel_minor | KMIN | 論理ボリュームの実際のマイナーデバイス番号(停止中の場合、-1) | ||||||
lv_major | Maj | 論理ボリュームの固執メジャーデバイス番号(無指定の場合、-1) | ||||||
lv_minor | Min | 論理ボリュームの固執マイナーデバイス番号(無指定の場合、-1) | ||||||
lv_name | LV | 論理ボリュームの名前 | ||||||
lv_size | LSize | 論理ボリュームのサイズ | ||||||
lv_tags | LV Tags | 論理ボリュームに添付された LVM タグ | ||||||
lv_uuid | LV UUID | 論理ボリュームの UUID | ||||||
mirror_log | Log | ミラーログが存在するデバイス | ||||||
modules | Modules | この論理ボリュームを使用するのに必要な対応するカーネルデバイスマッパーターゲット | ||||||
move_pv | Move | pvmove コマンドで作成された一時論理ボリュームの ソース物理ボリューム | ||||||
origin | Origin | スナップショットボリュームの原点デバイス | ||||||
| Region | ミラー化論理ボリュームのユニットサイズ | ||||||
seg_count | #Seg | 論理ボリューム内のセグメント数 | ||||||
seg_size | SSize | 論理ボリューム内のセグメントサイズ | ||||||
seg_start | Start | 論理ボリューム内のセグメントのオフセット | ||||||
seg_tags | Seg Tags | 論理ボリュームのセグメントに添付されている LVM タグ | ||||||
segtype | Type | 論理ボリュームのセグメントタイプ(例: ミラー、ストライプ、リニア) | ||||||
snap_percent | Snap% | 使用中スナップショットの現在のパーセント | ||||||
stripes | #Str | 論理ボリューム内のストライプ、又はミラーの数量 | ||||||
| Stripe | ストライプ化論理ボリューム内のストライプのユニットサイズ |
lvs
コマンドはデフォルトで、以下のようなフィールドを表示します: lv_name
, vg_name
, lv_attr
, lv_size
, origin
, snap_percent
, move_pv
, mirror_log
, copy_percent
。デフォルトの表示は、ボリュームグループ内の vg_name
と lv_name
により分別されます。
# lvs
LV VG Attr LSize Origin Snap% Move Log Copy%
lvol0 new_vg owi-a- 52.00M
newvgsnap1 new_vg swi-a- 8.00M lvol0 0.20
lvs
コマンドで -v
引数を使用すると、 デフォルトの表示に以下のようなフィールドを追加します: seg_count
, lv_major
, lv_minor
, lv_kernel_major
, lv_kernel_minor
, lv_uuid
。
# lvs -v
Finding all logical volumes
LV VG #Seg Attr LSize Maj Min KMaj KMin Origin Snap% Move Copy% Log LV UUID
lvol0 new_vg 1 owi-a- 52.00M -1 -1 253 3 LBy1Tz-sr23-OjsI-LT03-nHLC-y8XW-EhCl78
newvgsnap1 new_vg 1 swi-a- 8.00M -1 -1 253 5 lvol0 0.20 1ye1OU-1cIu-o79k-20h2-ZGF0-qCJm-CfbsIx
lvs
コマンドで --segments
引数を使用すると、 セグメント情報を強調したデフォルトのコラムで情報を表示します。segments
引数を 使用すると、seg
接頭辞はオプションとなります。lvs --segments
コマンドはデフォルトで以下のフィールドを表示します: lv_name
, vg_name
, lv_attr
, stripes
, segtype
, seg_size
。デフォルトの表示は、ボリュームグループ内の vg_name
と lv_name
で分別されて、論理ボリューム内では seg_start
で分別 されます。論理ボリュームがフラグメント化されている場合、このコマンドの出力がそれを示します。
# lvs --segments
LV VG Attr #Str Type SSize
LogVol00 VolGroup00 -wi-ao 1 linear 36.62G
LogVol01 VolGroup00 -wi-ao 1 linear 512.00M
lv vg -wi-a- 1 linear 104.00M
lv vg -wi-a- 1 linear 104.00M
lv vg -wi-a- 1 linear 104.00M
lv vg -wi-a- 1 linear 88.00M
lvs --segments
コマンドで -v
引数を 使用すると、デフォルトの表示に以下のフィールドを追加します: seg_start
, stripesize
, chunksize
。
# lvs -v --segments
Finding all logical volumes
LV VG Attr Start SSize #Str Type Stripe Chunk
lvol0 new_vg owi-a- 0 52.00M 1 linear 0 0
newvgsnap1 new_vg swi-a- 0 8.00M 1 linear 0 8.00K
以下の例では、1つの論理ボリュームを持つシステム上での
lvs
コマンドの デフォルト出力を示しており、その後に segments
引数を付けた lvs
コマンドのデフォルト出力を示しています。
#lvs
LV VG Attr LSize Origin Snap% Move Log Copy% lvol0 new_vg -wi-a- 52.00M #lvs --segments
LV VG Attr #Str Type SSize lvol0 new_vg -wi-a- 1 linear 52.00M