第32章 Xen para-virtualized ドライバーのトラブルシューティング
この章では、para-virtualized ドライバーを使用する Xen ホストと完全仮想化の Red Hat Enterprise Linux ゲストで遭遇する可能性のある問題を取り扱います。
32.1. Red Hat Enterprise Linux 5 仮想化のログファイルとディレクトリ
Red Hat Enterprise Linux 5 仮想化関連のログファイル
Red Hat Enterprise Linux 5 では、xend
デーモンと qemu-dm
プロセスで書き込まれる ログファイルは全て以下のディレクトリに保存されます:
/var/log/xen/
xend
デーモンと qemu-dm プロセスで生成される 全てのログファイルを保持するディレクトリです。xend.log
- このログファイルは、通常のシステムイベントか、オペレータ由来のイベントで 生成された全てのイベントをログするために xend で使用されます。
- create、shutdown、又は destroy などの仮想マシン操作は全てこの ログファイルにログされます。
- 通常、このログファイルは問題が発生した時に最初に見るべき場所です。多くの 場合、ログファイルを眺めていき、実際のエラーメッセージの直前にログされた エントリを再確認することにより根本にある原因を識別することができます。
xend-debug.log
- xend とそのサブシステム(フレームバッファと Python スクリプト)からの エラーイベントを記録します
xen-hotplug.log
- hotplug イベントからのイベントをログします。
- オンラインに来ないデバイスや、オンライン上にないネットワークブリッジからの イベント通知はこのファイルにログされます。
qemu-dm.PID.log
- このファイルは、各完全仮想化のゲストの為に開始した
qemu-dm
プロセスによって作成されます。 PID
は、関連した qemu-dm プロセスの プロセスPID
で入れ替えるべきものです。- 任意の
qemu-dm
プロセスのPID
を 取り込むには、ps
コマンドを使用して、qemu-dm
が 所属する仮想マシンを識別できるプロセスの引数を見ることで達成できます。
virt-manager アプリケーションでの問題をトラブルシューティング している場合、それにより生成されたログファイルを確認することも良い方法です。virt-manager 用のログファイルは 、ユーザーの
home
ディレクトリ内の .virt-manager
と 言うディレクトリにあります。このディレクトリは通常、~/.virt-manager/virt-manager
となります。
注記
このログファイルは virt-manager を開始する度に 上書きされます。virt-manager での問題をトラブルシューティング している場合は、エラーが発生した後で、virt-manager を再起動 する前にログファイルを保存することを忘れないで下さい。
Red Hat Enterprise Linux 5 仮想化関連のディレクトリ
Red Hat Enterprise Linux 5 の仮想化環境でトラブルシューティングを実行している状況での 興味深いディレクトリとファイルが他にいくつかあります:
/var/lib/libvirt/images/
- ファイルベースゲストイメージ用の標準ディレクトリ
/var/lib/xen/xend-db/
- デーモンが再開始される度に生成される xend データベースを保持するディレクトリです。
/etc/xen/
- Xen hypervisor 用に多くの設定ファイルを格納します。
/etc/xen/xend-config.sxp
は xend デーモン用の主要設定ファイルです。xend-config.sxp
ファイルは、libvirt
で設定されていない他の機能と移行を有効/無効にすることができます。 それ以外の全ての機能にはlibvirt
ツールを使用して下さい。
/var/xen/dump/
- 仮想マシンで生成されたり、
xm dump-core
コマンドを 使用した時に生成されるダンプを保管します。 /proc/xen/
- 以下のファイル内に
xen-kernel
情報を格納します:/proc/xen/capabilities
/proc/xen/privcmd
/proc/xen/balloon
/proc/xen/xenbus
/proc/xen/xsd_port
/proc/xen/xsd_kva