14.2. Para-virtualization の制約とサポート
このセクションでは、Red Hat Enterprise Linux 上での para-virtualized ドライバーの使用に於けるサポートの制約と必要事項に ついて概要を示します。サポートされる事項とサポートに課される 制約は以下のセクションでご覧になれます。
サポートされているゲストオペレーティングシステム
para-virtualized ドライバーへのサポートは、以下のオペレーティング システムとバージョンで利用可能です:
- Red Hat Enterprise Linux 5.1 及びそれ以降
- Red Hat Enterprise Linux 4 Update 6 及びそれ以降
- Red Hat Enterprise Linux 3 Update 9 及びそれ以降
64 bit Red Hat Enterprise Linux 5 Virtualization 上での、para-virtualized ドライバーを持つ 32 bit ゲストオペレーティングシステムの 実行はサポートされています。
以下の表では、para-virtualized ドライバーでサポートされているカーネルの変種が 示してあります。以下のコマンドを使用すると、自分のホスト上に現在インストール されている正確なカーネル改訂版を識別することができます。 出力を表と比較してサポートされているかどうか判定して下さい。
# rpm -q --queryformat '%{NAME}-%{VERSION}-%{RELEASE}.%{ARCH}\n' kernel
Red Hat Enterprise Linux 5 i686 及び x86_64 のカーネル変種には、 SMP(Symmetric Multiprocessing)が含まれており、別途に SMP の カーネル RPM を必要としません。
以下の表で、Red Hat Enterprise Linux 3 ゲスト用のプロセッサ特有のカーネル 要件に注意を払って下さい。
カーネルアーキテクチャ | Red Hat Enterprise Linux 3 | Red Hat Enterprise Linux 4 | Red Hat Enterprise Linux 5 |
---|---|---|---|
athlon | サポート有り (AMD) | ||
athlon-SMP | サポート有り (AMD) | ||
i32e | サポート有り (Intel) | ||
i686 | サポート有り (Intel) | サポート有り | サポート有り |
i686-PAE | サポート有り | ||
i686-SMP | サポート有り (Intel) | サポート有り | |
i686-HUGEMEM | サポート有り (Intel) | サポート有り | |
x86_64 | サポート有り (AMD) | サポート有り | サポート有り |
x86_64-SMP | サポート有り (AMD) | サポート有り | |
x86_64-LARGESMP | サポート有り | ||
Itanium (IA64) | サポート有り |
重要
ホストシステムは Red Hat Enterprise Linux 5.1 又はそれ以降を必要とします。
注記
以下のコマンドの出力を書き留めて記憶して置きます。この値が ダウンロードすべきパッケージとモジュールを決定する値です。
# rpm -q --queryformat '%{NAME}-%{VERSION}-%{RELEASE}.%{ARCH}\n' kernel
出力は以下に似ているはずです:
kernel-PAE-2.6.18-53.1.4.el5.i686
カーネルの名前は PAE (Physical Address Extensions の略)で、カーネル バージョンは 2.6.18 で、リリースが 53.1.4.el5 で、アーキテクチャが i686 となっています。カーネルの rpm は常に kernel-name-version-release.arch.rpm の 形式になっています。
重要な制約
Para-virtualized デバイスドライバーは、ゲストオペレーティングシステムの 正常なインストールの後で、インストールできます。これらのドライバーを インストールできるようになるには、稼働中のホストとゲストが必要です。
注記
GRUB は現時点では、para-virtualized の ブロックデバイスにアクセスできません。そのため、ゲストは、para-virtualized ブロックデバイスドライバーを使用するデバイスからはブート出来ません。 特に、MBR(Master Boot Record)を含むディスク、ブートローダー(
GRUB
) を 含むディスク、又はカーネルの initrd
イメージを含むディスクでは出来ません。 /boot
のディレクトリやパーティションを含んでいるディスクはいずれも、 para-virtualized ブロックデバイスドライバーを使用できないと言うことになります。
Red Hat Enterprise Linux 3 カーネル変種アーキテクチャの依存関係
Red Hat Enterprise Linux 3 ベースのゲストオペレーティングシステムには、 以下の表で見えるように、プロセッサ特有のカーネルと para-virtualized ドライバー RPM を 使用しなければなりません。適合する para-virtualized ドライバーパッケージをインストール できないと、xen-pci-platform
モジュールのロードは失敗します。
以下の表は、ゲストが Intel プロセッサ用にコンパイルされている場合に Red Hat Enterprise Linux 3 ゲストを稼働するのに必要となるホストカーネルを 示しています。
ゲストカーネルタイプ | 必須のホストカーネルタイプ |
---|---|
ia32e (UP と SMP) | x86_64 |
i686 | i686 |
i686-SMP | i686 |
i686-HUGEMEM | i686 |
以下の表は ゲストが AMD プロセッサ用にコンパイルされている場合に Red Hat Enterprise Linux 3 ゲストを稼働するのに必要となるホストカーネルを 示しています。
ゲストカーネルタイプ | 必須のホストカーネルタイプ |
---|---|
athlon | i686 |
athlon-SMP | i686 |
x86_64 | x86_64 |
x86_64-SMP | x86_64 |