第13章 ストレージ
smartPQI (smartpqi
) ドライバーが利用可能になりました
今回の更新では smartPQI (
smartpqi
) ドライバーが、2017 から利用可能になっている新たな Microsemi ストレージアダプターハードウェア用に提供されています。この新規ハードウェアは、Red Hat Enterprise Linux 6.5、6.6、6.7、および 6.8 の aacraid
ドライバーとも使用できましたが、aacraid
ドライバーと比べると、smartpqi
ドライバーではパフォーマンスが改善され、機能が強化されています。
Red Hat Enterprise Linux 6.8 から Red Hat Enterprise Linux 6.9 に移行すると、ドライバーが
aacraid
から smartpqi
に変更されます。標準のインストール設定が使用されていれば、このドライバー変更はユーザーには透過的で、アクションは不要です。Red Hat Enterprise Linux 6.9 の起動後に新たな smartpqi
ドライバーが自動的に使用されます。(BZ#1343743)
mpt3sas
の更新
mpt3sas
ストレージドライバーがバージョン 14.100.00.00-rh に更新され、以下の PCI ID の新規デバイスをサポートするようになりました。
- 0x1000:0x00AA
- 0x1000:0x00AB SAS3516 Fusion-MPT Tri-Mode RAID On Chip (ROC)
- 0x1000:0x00AC SAS3416 Fusion-MPT Tri-Mode I/O Controller Chip (IOC)
- 0x1000:0x00AD
- 0x1000:0x00AE SAS3508 Fusion-MPT Tri-Mode RAID On Chip (ROC)
- 0x1000:0x00AF SAS3408 Fusion-MPT Tri-Mode I/O Controller Chip (IOC) (BZ#1306469)
megaraid_sas
の更新
megaraid_sas
ドライバーがバージョン 07.700.00.00-rc1 に更新され、以下の PCI ID の新規デバイスをサポートするようになりました。
- 0x1000:0x0014
- 0x1000:0x0016
- 0x1000:0x0017
- 0x1000:0x001B
- 0x1000:0x001C (BZ#1306457)
Huawei XSG1 アレイ向けの新規デフォルト設定が device-mapper-multipath
に追加されました
Red Hat Enterprise Linux 6 では、Huawei XSG1 アレイ用に
device-mapper-multipath
ツール設定で特別な設定が推奨されています。この設定がデフォルトで使用されるようになりました。(BZ#1333334)
disable_changed_wwids
multipath.conf
オプションがマルチパスで利用可能になり、データ破損が避けられます
マルチパスツールに
disable_changed_wwids
multipath.conf
オプションが追加されました。disable_changed_wwids
を yes
に設定すると、multipathd
サービスがパスデバイスを監視し、World Wide Identifier (WWID) に変更があると、WWID の変更が戻るまで multipathd
がパスデバイスへのアクセスを無効にします。
論理ユニット番号 (LUN) 上にマルチパスデバイスが存在する間に LUN がリマップされると、場合によっては I/O が間違った LUN に書き込まれる可能性があり、データ破損につながります。間違った LUN への書き込みは
multipathd
が検出し、これが LUN WWID の変更を登録して、デバイスへのアクセスを無効にします。
LUN がリマップされる時と
multipathd
にデバイス変更が通知される時のギャップのために、場合によってはデータ破損のリスクがなくなることはなく、使用中の LUN のリマップはまだサポートされていないことに注意してください。(BZ#1377532)
device-mapper-multipath
が max_sectors_kb
設定パラメーターをサポートします
今回の更新で、
device-mapper-multipath
は max_sectors_kb
パラメーターを multipath.conf
ファイルのデフォルト、デバイス、およびマルチパスセクションでサポートするようになりました。max_sectors_kb
パラメーターを使用すると、マルチパスデバイスの初回アクティベート前にマルチパスデバイスのすべての基本的なパスで max_sectors_kb
デバイスキューパラメーターを特定の値に設定することができます。
マルチパスデバイスの作成時には、デバイスはパスデバイスから
max_sectors_kb
値を継承します。手動でこの値をマルチパスデバイス向けに高めたり、パスデバイス向けにこの値を低くすると、マルチパスデバイスはパスデバイスが許可するよりも大きな I/O 操作を作成する場合があります。
max_sectors_kb multipath.conf
パラメーターを使用すると、パスデバイス上にマルチパスデバイスを作成する前に容易にこれらの値が設定でき、無効なサイズの I/O 操作が渡されることを回避できます。(BZ#1355669)
kpartx
パーティション作成を省略できる skip_kpartx
multipath.conf
オプションが追加されました
今回の更新では、デバイスにパーティションテーブルがある場合でも、パーティションを作成せずにマルチパスデバイスが作成できるようになりました。マルチパスデバイスを
skip_kpartx
オプションで設定すると、マルチパスデバイス向けのパーティションデバイスは作成されません。(BZ#1310320)
multipathd
が稼働していない場合にマルチパスデバイスを作成すると、警告が表示されます
今回の更新では、
multipathd
サービスが稼働していない場合にマルチパスデバイスを追加、一覧表示すると、警告が表示されます。(BZ#1305589)