ネットワーク経由での RHEL の対話型インストール
ネットワークリソースを使用して複数のシステムに RHEL をインストールするか、グラフィカルインストーラーを使用してヘッドレスシステムに RHEL をインストールする
概要
Red Hat ドキュメントへのフィードバック (英語のみ)
Red Hat ドキュメントに関するご意見やご感想をお寄せください。また、改善点があればお知らせください。
Jira からのフィードバック送信 (アカウントが必要)
- Jira の Web サイトにログインします。
- 上部のナビゲーションバーで Create をクリックします。
- Summary フィールドにわかりやすいタイトルを入力します。
- Description フィールドに、ドキュメントの改善に関するご意見を記入してください。ドキュメントの該当部分へのリンクも追加してください。
- ダイアログの下部にある Create をクリックします。
パート I. RHEL インストールの準備
Red Hat Enterprise Linux (RHEL) をインストールする前に、システムが必要なハードウェアおよびアーキテクチャーの要件を満たしていることを確認してください。さらに、インストールメディアをカスタマイズしたり、環境に合わせてブート可能なメディアを作成したりすることで、インストールエクスペリエンスを最適化することもできます。RHEL システムを Red Hat に登録すると、更新とサポートにアクセスでき、システムの安定性とセキュリティーが向上します。UEFI セキュアブートを使用するシステムでは、特に RHEL ベータリリースをインストールまたは起動するときに、特別な注意が必要になる場合があります。
第1章 システム要件とサポート対象のアーキテクチャー
Red Hat Enterprise Linux 8 は、ワークロードの提供にかかる時間や労力の軽減に必要なツールを使用することで、ハイブリッドクラウドデプロイメント全体に安定性、安全性、一貫性のある基盤を提供します。RHEL は、対応しているハイパーバイザー環境やクラウドプロバイダー環境にゲストとしてデプロイすることも、物理インフラストラクチャーにデプロイすることもできるため、アプリケーションは、主要なハードウェアアーキテクチャープラットフォームの革新的な機能を利用できます。
インストールする前に、システム、ハードウェア、セキュリティー、メモリー、および RAID に関するガイドラインを確認してください。
システムを仮想ホストとして使用する場合は、仮想化に必要なハードウェア要件 を確認してください。
Red Hat Enterprise Linux では、次のアーキテクチャーに対応します。
- AMD アーキテクチャーおよび Intel 64 ビットアーキテクチャー
- 64 ビット ARM アーキテクチャー
- IBM Power Systems (リトルエンディアン)
- 64 ビット IBM Z アーキテクチャー
1.1. インストール先として対応しているターゲット
インストールターゲットは、Red Hat Enterprise Linux を格納し、システムを起動するストレージデバイスです。Red Hat Enterprise Linux は、IBMZ、IBM Power、AMD64、Intel 64、および 64 ビット ARM システムで、次のインストールターゲットをサポートしています。
- DASD、SCSI、SATA、SAS などの標準的な内部インターフェイスで接続されたストレージ
- Intel64、AMD64、および arm64 アーキテクチャー上の BIOS/ファームウェア RAID デバイス
-
nd_pmem
ドライバーがサポートする、セクターモードに設定された Intel 64 および AMD64 アーキテクチャー上の NVDIMM デバイス - DASD (IBM Z アーキテクチャーのみ) や SCSI LUN (マルチパスデバイスを含む) などのファイバーチャネルホストバスアダプターを介して接続されたストレージ。ベンダー提供のドライバーが必要になる場合があります。
- Xen 仮想マシンの Intel のプロセッサーの Xen ブロックデバイス
- KVM 仮想マシンの Intel のプロセッサーの VirtIO ブロックデバイス
Red Hat では、USB ドライブや SD メモリーカードへのインストールはサポートしていません。サードパーティーによる仮想化技術のサポートは、Red Hat Hardware Compatibility List を参照してください。
1.2. システムの仕様
Red Hat Enterprise Linux インストールプログラムはシステムのハードウェアを自動的に検出してインストールするため、特定のシステム情報を提供する必要はありません。ただし、特定の Red Hat Enterprise Linux インストールシナリオでは、将来の参照用にシステム仕様を記録しておくことを推奨します。次のようなシナリオになります。
カスタマイズしたパーティションレイアウトで RHEL をインストール
記録: システムに接続されているディスクのモデル番号、サイズ、タイプ、およびインターフェイス。たとえば、SATA0 上には Seagate 製 ST3320613AS (320 GB)、SATA1 上には Western Digital WD7500AAKS (750 GB) です。
既存のシステムに、追加のオペレーティングシステムとして RHEL をインストール
レコード - システムで使用するパーティション。この情報には、ファイルシステムの種類、デバイスノード名、ファイルシステムのラベル、およびサイズを記載でき、パーティションを作成する際に特定のパーティションを識別できます。オペレーティングシステムの 1 つが Unix オペレーティングシステムの場合、Red Hat Enterprise Linux はデバイス名を異なる方法で報告することがあります。追加の情報は、mount コマンド、blkid コマンドを実行して表示するか、/etc/fstab ファイルを参照してください。
複数のオペレーティングシステムがインストールされている場合、Red Hat Enterprise Linux インストールプログラムはそのオペレーティングシステムを自動的に検出して、それを起動するようにブートローダーを設定しようとします。追加のオペレーティングシステムが自動的に検出されない場合は、手動で設定できます。
ローカルディスク上のイメージから RHEL をインストールする
レコード: イメージを保持するディスクとディレクトリー。
ネットワーク経由で RHEL のインストール
ネットワークを手動で設定する必要がある場合、つまり DHCP を使用しない場合です。
レコード:
- IP アドレス
- ネットマスク
- ゲートウェイの IP アドレス
- (必要に応じて) サーバーの IP アドレス
ネットワーク要件が不明な場合は、ネットワーク管理者に連絡してください。
iSCSI ターゲットへの RHEL のインストール
レコード - iSCSI ターゲットの場所ネットワークに応じて、CHAP ユーザー名とパスワードと、リバースの CHAP ユーザー名とパスワードが必要になる場合があります。
ドメインに含まれるシステムへの RHEL のインストール
ドメイン名が DHCP サーバーにより提供されることを確認してください。提供されない場合は、インストール中にドメイン名を入力する必要があります。
1.3. ディスクおよびメモリーの要件
複数のオペレーティングシステムがインストールされている場合は、割り当てられたディスク領域が Red Hat Enterprise Linux で必要なディスク領域とは異なることを確認することが重要です。場合によっては、特定のパーティションを Red Hat Enterprise Linux 専用にすることが重要になります。たとえば、AMD64、Intel 64、および 64 ビット ARM の場合は、少なくとも 2 つのパーティション (/
および swap
) を RHEL 専用にする必要があります。IBM Power Systems サーバーの場合は、少なくとも 3 つのパーティション (/
、swap
、および PReP
ブートパーティション) を RHEL 専用にする必要があります。
さらに、使用可能なディスク容量が最低 10 GiB 必要です。Red Hat Enterprise Linux をインストールするには、パーティションが分割されていないディスク領域か、削除できるパーティション内に、最低 10 GiB の容量が必要です。詳細は、パーティション設定のリファレンス を参照してください。
インストールタイプ | 最小 RAM |
---|---|
ローカルメディアによるインストール (USB, DVD) |
|
NFS ネットワークインストール |
|
HTTP、HTTPS、または FTP ネットワークインストール |
|
最小要件よりも少ないメモリーでもインストールを完了できます。正確な要件は、環境とインストールパスにより異なります。さまざまな構成をテストして、環境に必要な最小 RAM を特定してください。キックスタートファイルを使用して Red Hat Enterprise Linux をインストールする場合も、最小 RAM 要件は標準インストールと同じです。ただし、キックスタートファイルに追加のメモリーを必要とするコマンド、または RAM ディスクにデータを書き込むコマンドが含まれている場合は、追加の RAM が必要になることがあります。詳細は、RHEL の自動インストール を参照してください。
1.4. グラフィックスディスプレイの解像度要件
Red Hat Enterprise Linux をスムーズにエラーなしにインストールするには、システムに次の最小解像度が必要です。
製品バージョン | 解決方法 |
---|---|
Red Hat Enterprise Linux 8 | 最小: 800 x 600 推奨: 1026 x 768 |
1.5. UEFI セキュアブートとベータ版リリースの要件
UEFI セキュアブートが有効になっているシステムに Red Hat Enterprise Linux のベータ版リリースをインストールする予定がある場合は、UEFI セキュアブートオプションを無効にしてから、インストールを開始します。
UEFI セキュアブートでは、オペレーティングシステムのカーネルが、対応する公開鍵を使用してシステムのファームウェアが検証する、認識済みの秘密鍵で署名されている必要があります。Red Hat Enterprise Linux ベータ版リリースの場合には、カーネルは Red Hat ベータ版固有の公開鍵で署名されていますが、この鍵はデフォルトではシステムで認識できません。その結果、インストールメディアの起動にも失敗します。
第2章 RHEL システムを Red Hat に登録する方法
登録することで、システムと Red Hat 間で認可済みの接続が確立されます。Red Hat は、登録されたシステム (物理マシンか仮想マシンかを問わず) に、システムを識別および認証する証明書を発行して、Red Hat から保護されたコンテンツ、ソフトウェア更新、セキュリティーパッチ、サポート、および管理サービスをシステムが受けられるようにします。
有効なサブスクリプションを使用すると、以下の方法で Red Hat Enterprise Linux (RHEL) システムを登録できます。
- インストーラーのグラフィカルユーザーインターフェイス (GUI) またはテキストユーザーインターフェイス (TUI) を使用して、インストールプロセス中に登録する
- インストール後にコマンドライン (CLI) を使用して登録する
- インストール時またはインストール後に自動的にキックスタートスクリプトまたはアクティベーションキーを使用する
システムを登録する特定の手順は、使用している RHEL のバージョンと、選択した登録方法によって異なります。
システムを Red Hat に登録すると、システムの管理とレポートデータに使用できる機能が有効になります。たとえば、登録済みシステムには、Red Hat コンテンツ配信ネットワーク (CDN) または Red Hat Satellite Server を介して、サブスクライブした製品向けの、保護されたコンテンツリポジトリーにアクセスする権限が与えられます。これらのコンテンツリポジトリーには、アクティブなサブスクリプションを持つお客様のみが利用できる Red Hat ソフトウェアパッケージと更新が含まれています。これらのパッケージおよび更新には、RHEL およびその他の Red Hat 製品のセキュリティーパッチ、バグ修正、新機能が含まれます。
エンタイトルメントベースのサブスクリプションモデルは非推奨となり、将来廃止される予定です。Simple Content Access がデフォルトのサブスクリプションモデルになりました。これにより、システムの Red Hat サブスクリプションコンテンツにアクセスする前に、そのシステムにサブスクリプションを割り当てる必要がなくなり、サブスクリプションエクスペリエンスが向上します。お使いの Red Hat アカウントでエンタイトルメントベースのサブスクリプションモデルを使用している場合は、Red Hat アカウントチーム (テクニカルアカウントマネージャー (TAM) やソリューションアーキテクト (SA) など) に問い合わせて、Simple Content Access への移行の準備をしてください。詳細は、Transition of subscription services to the hybrid cloud を参照してください。
第3章 インストールメディアのカスタマイズ
詳細は、RHEL システムイメージのカスタマイズ を参照してください。
第4章 Satellite Server を使用した RHEL のインストール
Red Hat Satellite は、複数の Red Hat Enterprise Linux デプロイメントのプロビジョニング、リモート管理、および監視に使用する一元的なツールです。Satellite を使用すると、物理ホストと仮想ホストをデプロイできます。これを行う際には、必要なネットワークトポロジーのセットアップ、必要なサービスの設定、ネットワーク上でのホストのプロビジョニングに必要な設定情報の指定などを行います。
ホストのプロビジョニングの詳細は、Satellite のドキュメント を参照してください。ドキュメントポータルから、デプロイメントに一致する Satellite のバージョンを選択し、適切な Provisioning Hosts ガイドにアクセスします。サポートされていないバージョンのドキュメントは非推奨としてマークされており、参照のみを目的としています。最も正確で最新の情報にアクセスできるように、サポートされているバージョンを表示していることを確認してください。
第5章 ネットワークベースのリポジトリーの準備
ネットワークシステムから RHEL をインストールするには、リポジトリーを準備する必要があります。
5.1. ネットワークインストール用のポート
次の表は、ネットワークベースの各種インストールにファイルを提供するためにサーバーで開く必要があるポートの一覧です。
使用プロトコル | 開くべきポート |
---|---|
HTTP | 80 |
HTTPS | 443 |
FTP | 21 |
NFS | 2049、111、20048 |
TFTP | 69 |
5.2. NFS サーバーへのインストールソースの作成
このインストール方法を使用すると、物理メディアに接続することなく、単一のソースから複数のシステムをインストールできます。
前提条件
- Red Hat Enterprise Linux 8 を搭載したサーバーへの管理者レベルのアクセス権があり、このサーバーが、インストールするシステムと同じネットワーク上にある。
- Product Downloads ページからフルインストール DVD ISO をダウンロードした。
- イメージファイルから、起動可能な CD、DVD、または USB デバイスを作成している。
- ファイアウォールにより、インストールしようとしているシステムがリモートインストールソースにアクセスできることを確認している。詳細は、ネットワークインストール用のポート を参照してください。
必ず inst.ks
と inst.repo
で異なるパスを使用してください。NFS を使用してインストールソースをホストする場合、同じ NFS 共有を使用してキックスタートをホストすることはできません。
手順
nfs-utils
パッケージをインストールします。yum install nfs-utils
# yum install nfs-utils
Copy to Clipboard Copied! - DVD ISO イメージを、NFS サーバーのディレクトリーにコピーします。
テキストエディターで
/etc/exports
ファイルを開き、以下の構文の行を追加します。/exported_directory/ clients
/exported_directory/ clients
Copy to Clipboard Copied! - /exported_directory/ を、ISO イメージが含まれるディレクトリーのフルパスに置き換えます。
clients を次のいずれかに置き換えます。
- ターゲットシステムのホスト名または IP アドレス
- すべてのターゲットシステムが ISO イメージへのアクセスに使用できるサブネットワーク
-
NFS サーバーへのネットワークアクセスを持つすべてのシステムが ISO イメージを使用できるようにするためのアスタリスク記号 (
*
)
このフィールドの形式に関する詳細は、
exports(5)
の man ページを参照してください。たとえば、
/rhel8-install/
ディレクトリーを、すべてのクライアントに対する読み取り専用として使用できるようにする基本設定は次のようになります。/rhel8-install *
/rhel8-install *
Copy to Clipboard Copied!
-
/etc/exports
ファイルを保存して、テキストエディターを終了します。 nfs サービスを起動します。
systemctl start nfs-server.service
# systemctl start nfs-server.service
Copy to Clipboard Copied! /etc/exports
ファイルを変更する前にサービスが稼働していた場合は、NFS サーバーの設定をリロードします。systemctl reload nfs-server.service
# systemctl reload nfs-server.service
Copy to Clipboard Copied! ISO イメージは、NFS 経由でアクセス可能になり、インストールソースとして使用できるようになりました。
インストールソースを設定するには、プロトコルに
nfs:
を使用し、サーバーのホスト名または IP アドレス、コロン記号(:)
、および ISO イメージを保存しているディレクトリーを指定します。たとえば、サーバーのホスト名がmyserver.example.com
で、ISO イメージを/rhel8-install/
に保存した場合、指定するインストールソースはnfs:myserver.example.com:/rhel8-install/
となります。
5.3. HTTP または HTTPS を使用するインストールソースの作成
インストールツリー (DVD ISO イメージから抽出したコンテンツと、有効な .treeinfo
ファイル含むディレクトリー) を使用したネットワークベースのインストール用のインストールソースを作成できます。インストールソースには、HTTP、または HTTPS でアクセスします。
前提条件
- Red Hat Enterprise Linux 8 を搭載したサーバーへの管理者レベルのアクセス権があり、このサーバーが、インストールするシステムと同じネットワーク上にある。
- Product Downloads ページからフルインストール DVD ISO をダウンロードした。
- イメージファイルから、起動可能な CD、DVD、または USB デバイスを作成している。
- ファイアウォールにより、インストールしようとしているシステムがリモートインストールソースにアクセスできることを確認している。詳細は、ネットワークインストール用のポート を参照してください。
-
httpd
パッケージがインストールされている。 -
https
インストールソースを使用すると、mod_ssl
パッケージがインストールされます。
Apache Web サーバー設定で SSL セキュリティーが有効になっている場合は、TLSv1.3 プロトコルを有効にすることが推奨されます。デフォルトでは、TLSv1.2 が有効になっており、TLSv1 (LEGACY) プロトコルを使用できます。
自己署名証明書付きの HTTPS サーバーを使用する場合は、noverifyssl
オプションを指定してインストールプログラムを起動する必要があります。
手順
- HTTP(S) サーバーに DVD ISO イメージをコピーします。
DVD ISO イメージをマウントするのに適したディレクトリーを作成します。以下はその例です。
mkdir /mnt/rhel8-install/
# mkdir /mnt/rhel8-install/
Copy to Clipboard Copied! DVD ISO イメージをディレクトリーにマウントします。
mount -o loop,ro -t iso9660 /image_directory/image.iso /mnt/rhel8-install/
# mount -o loop,ro -t iso9660 /image_directory/image.iso /mnt/rhel8-install/
Copy to Clipboard Copied! /image_directory/image.iso を DVD ISO イメージへのパスに置き換えます。
マウントされたイメージから、HTTP(S) サーバーの root にファイルをコピーします。
cp -r /mnt/rhel8-install/ /var/www/html/
# cp -r /mnt/rhel8-install/ /var/www/html/
Copy to Clipboard Copied! このコマンドにより、イメージに含まれるファイルが保存される
/var/www/html/rhel8-install/
ディレクトリーを作成します。他の一部のコピー方法は、有効なインストールソースに必要な.treeinfo
ファイルを省略する可能性があることに注意してください。この手順で示されているように、ディレクトリー全体に対してcp
コマンドを入力すると、.treeinfo
が正しくコピーされます。httpd
サービスを開始します。systemctl start httpd.service
# systemctl start httpd.service
Copy to Clipboard Copied! これにより、インストールツリーにアクセスできるようになり、インストールソースとして使用できるようになります。
注記インストールソースを設定するには、プロトコルに
http://
またはhttps://
を使用して、サーバーのホスト名または IP アドレス、および ISO イメージのファイルを保存するディレクトリー (HTTP サーバーの root への相対パス) を指定します。たとえば、HTTP を使用し、サーバーのホスト名がmyserver.example.com
で、イメージのファイルが/var/www/html/rhel8-install/
にコピーされた場合、指定するインストールソースはhttp://myserver.example.com/rhel8-install/
となります。
5.4. FTP を使用するインストールソースの作成
インストールツリー (DVD ISO イメージから抽出したコンテンツと、有効な .treeinfo
ファイル含むディレクトリー) を使用したネットワークベースのインストール用のインストールソースを作成できます。インストールソースには、FTP を使用してアクセスします。
前提条件
- Red Hat Enterprise Linux 8 を搭載したサーバーへの管理者レベルのアクセス権があり、このサーバーが、インストールするシステムと同じネットワーク上にある。
- Product Downloads ページからフルインストール DVD ISO をダウンロードした。
- イメージファイルから、起動可能な CD、DVD、または USB デバイスを作成している。
- ファイアウォールにより、インストールしようとしているシステムがリモートインストールソースにアクセスできることを確認している。詳細は、ネットワークインストール用のポート を参照してください。
-
vsftpd
パッケージがインストールされている。
手順
必要に応じて、
/etc/vsftpd/vsftpd.conf
設定ファイルをテキストエディターで開いて編集します。-
anonymous_enable=NO
の行をanonymous_enable=YES
に変更します。 -
write_enable=YES
の行をwrite_enable=NO
に変更します。 pasv_min_port=<min_port>
およびpasv_max_port=<max_port>
の行を追加します。<min_port> と <max_port> を、FTP サーバーがパッシブモードで使用するポート番号の範囲 (10021
と10031
など) に置き換えます。この手順は、各種のファイアウォール/NAT 設定を採用するネットワーク環境で必要になる可能性があります。
オプション: カスタムの変更を設定に追加します。利用可能なオプションは、vsftpd.conf(5) の man ページを参照してください。この手順では、デフォルトのオプションが使用されていることを前提としています。
警告vsftpd.conf
ファイルで SSL/TLS セキュリティーを設定している場合は、TLSv1 プロトコルのみを有効にし、SSLv2 と SSLv3 は無効にしてください。POODLE SSL 脆弱性 (CVE-2014-3566) の影響を受けないようにするためです。詳細は、Red Hat ナレッジベースソリューション Resolution for POODLE SSLv3.0 vulnerability を参照してください。
-
サーバーのファイアウォールを設定します。
ファイアウォールを有効にします。
systemctl enable firewalld
# systemctl enable firewalld
Copy to Clipboard Copied! ファイアウォールを起動します。
systemctl start firewalld
# systemctl start firewalld
Copy to Clipboard Copied! 前の手順で設定した FTP ポートとポート範囲を許可するようにファイアウォールを設定します。
firewall-cmd --add-port min_port-max_port/tcp --permanent firewall-cmd --add-service ftp --permanent
# firewall-cmd --add-port min_port-max_port/tcp --permanent # firewall-cmd --add-service ftp --permanent
Copy to Clipboard Copied! <min_port> と <max_port> を
/etc/vsftpd/vsftpd.conf
設定ファイルに入力したポート番号に置き換えます。ファイアウォールをリロードして、新しいルールを適用します。
firewall-cmd --reload
# firewall-cmd --reload
Copy to Clipboard Copied!
- DVD ISO イメージを FTP サーバーにコピーします。
DVD ISO イメージをマウントするのに適したディレクトリーを作成します。以下はその例です。
mkdir /mnt/rhel8-install
# mkdir /mnt/rhel8-install
Copy to Clipboard Copied! DVD ISO イメージをディレクトリーにマウントします。
mount -o loop,ro -t iso9660 /image-directory/image.iso /mnt/rhel8-install
# mount -o loop,ro -t iso9660 /image-directory/image.iso /mnt/rhel8-install
Copy to Clipboard Copied! /image-directory/image.iso
を DVD ISO イメージへのパスに置き換えます。マウントされたイメージから、FTP サーバーのルートにファイルをコピーします。
mkdir /var/ftp/rhel8-install cp -r /mnt/rhel8-install/ /var/ftp/
# mkdir /var/ftp/rhel8-install # cp -r /mnt/rhel8-install/ /var/ftp/
Copy to Clipboard Copied! このコマンドは、イメージに含まれるファイルが保存される
/var/ftp/rhel8-install/
ディレクトリーを作成します。一部のコピー方法は、有効なインストールソースに必要な.treeinfo
ファイルを省略できることに注意してください。この手順で示されているように、ディレクトリー全体に対してcp
コマンドを入力しても、.treeinfo
が正しくコピーされます。正しい SELinux コンテキストとアクセスモードが、コピーされたコンテンツに設定されていることを確認します。
restorecon -r /var/ftp/rhel8-install find /var/ftp/rhel8-install -type f -exec chmod 444 {} \; find /var/ftp/rhel8-install -type d -exec chmod 755 {} \;
# restorecon -r /var/ftp/rhel8-install # find /var/ftp/rhel8-install -type f -exec chmod 444 {} \; # find /var/ftp/rhel8-install -type d -exec chmod 755 {} \;
Copy to Clipboard Copied! vsftpd
サービスを開始します。systemctl start vsftpd.service
# systemctl start vsftpd.service
Copy to Clipboard Copied! /etc/vsftpd/vsftpd.conf
ファイルを変更する前から、このサービスがすでに実行されていた場合は、サービスを再起動して必ず編集後のファイルを読み込ませてください。systemctl restart vsftpd.service
# systemctl restart vsftpd.service
Copy to Clipboard Copied! vsftpd
サービスを有効にして、システムの起動プロセス時に開始するようにします。systemctl enable vsftpd
# systemctl enable vsftpd
Copy to Clipboard Copied! これにより、インストールツリーにアクセスできるようになり、インストールソースとして使用できるようになります。
インストールソースを設定するには、プロトコルに
ftp://
を使用して、サーバーのホスト名または IP アドレス、および ISO イメージのファイルを保存するディレクトリー (FTP サーバーの root への相対パス) を指定します。たとえば、サーバーのホスト名がmyserver.example.com
で、イメージからコピーしたファイルを/var/ftp/rhel8-install/
に置いた場合、指定するインストールソースはftp://myserver.example.com/rhel8-install/
となります。
第6章 UEFI HTTP インストールソースの準備
ローカルネットワーク上のサーバーの管理者は、ネットワーク上の他のシステムの HTTP ブートとネットワークインストールを有効にするように HTTP サーバーを設定できます。
6.1. ネットワークインストールの概要
ネットワークインストールでは、インストールサーバーへのアクセスがあるシステムに、Red Hat Enterprise Linux をインストールできます。ネットワークインストールには、少なくとも 2 つのシステムが必要です。
- サーバー
- DHCP サーバー、HTTP、HTTPS、FTP または NFS サーバー、および PXE ブートの場合は TFTP サーバーを実行するシステム。各サーバーを実行する物理システムが同じである必要はありませんが、このセクションの手順では、1 つのシステムですべてのサーバーを実行していることが想定されています。
- クライアント
- Red Hat Enterprise Linux をインストールしているシステム。インストールが開始すると、クライアントは DHCP サーバーに問い合わせ、HTTP サーバーまたは TFTP サーバーからブートファイルを受け取り、HTTP サーバー、HTTPS サーバー、FTP サーバー、または NFS サーバーからインストールイメージをダウンロードします。その他のインストール方法とは異なり、クライアントはインストールを開始するのに物理的な起動メディアを必要としません。
ネットワークからクライアントを起動するには、ファームウェアまたはクライアントのクイックブートメニューでネットワークブートを有効にします。ハードウェアによっては、ネットワークから起動するオプションが無効になっていたり、利用できない場合があります。
HTTP または PXE を使用してネットワークから Red Hat Enterprise Linux をインストールする準備を行う手順は次のとおりです。
手順
- インストール ISO イメージまたはインストールツリーを NFS サーバー、HTTPS サーバー、HTTP サーバー、または FTP サーバーにエクスポートします。
- HTTP または TFTP サーバーと DHCP サーバーを設定し、サーバー上で HTTP または TFTP サービスを起動します。
- クライアントを起動して、インストールを開始します。
次のネットワークブートプロトコルを選択できます。
- HTTP
- Red Hat は、クライアント UEFI がサポートしている場合は HTTP ブートを使用することを推奨します。通常、HTTP ブートは信頼性に優れています。
- PXE (TFTP)
- PXE ブートはクライアントシステムによって広くサポートされています。ただし、このプロトコルを介したブートファイルの送信は低速で、タイムアウトにより失敗する可能性があります。
6.2. ネットワークブート用の DHCPv4 サーバーの設定
サーバー上で DHCP バージョン 4 (DHCPv4) サービスを有効にし、ネットワークブート機能を提供できるようにします。
前提条件
IPv4 プロトコルを介したネットワークインストールを準備中である。
IPv6 の場合は、ネットワークブート用の DHCPv6 サーバーの設定 を参照してください。
サーバーのネットワークアドレスがわかっている。
以下の手順の例では、サーバーには次の設定のネットワークカードが搭載されています。
- IPv4 アドレス
- 192.168.124.2/24
- IPv4 ゲートウェイ
- 192.168.124.1
手順
DHCP サーバーをインストールします。
yum install dhcp-server
yum install dhcp-server
Copy to Clipboard Copied! DHCPv4 サーバーをセットアップします。
/etc/dhcp/dhcpd.conf
ファイルに次の設定を入力します。アドレスはネットワークカードと一致するように置き換えます。option architecture-type code 93 = unsigned integer 16; subnet 192.168.124.0 netmask 255.255.255.0 { option routers 192.168.124.1; option domain-name-servers 192.168.124.1; range 192.168.124.100 192.168.124.200; class "pxeclients" { match if substring (option vendor-class-identifier, 0, 9) = "PXEClient"; next-server 192.168.124.2; if option architecture-type = 00:07 { filename "redhat/EFI/BOOT/BOOTX64.EFI"; } else { filename "pxelinux/pxelinux.0"; } } class "httpclients" { match if substring (option vendor-class-identifier, 0, 10) = "HTTPClient"; option vendor-class-identifier "HTTPClient"; filename "http://192.168.124.2/redhat/EFI/BOOT/BOOTX64.EFI"; } }
option architecture-type code 93 = unsigned integer 16; subnet 192.168.124.0 netmask 255.255.255.0 { option routers 192.168.124.1; option domain-name-servers 192.168.124.1; range 192.168.124.100 192.168.124.200; class "pxeclients" { match if substring (option vendor-class-identifier, 0, 9) = "PXEClient"; next-server 192.168.124.2; if option architecture-type = 00:07 { filename "redhat/EFI/BOOT/BOOTX64.EFI"; } else { filename "pxelinux/pxelinux.0"; } } class "httpclients" { match if substring (option vendor-class-identifier, 0, 10) = "HTTPClient"; option vendor-class-identifier "HTTPClient"; filename "http://192.168.124.2/redhat/EFI/BOOT/BOOTX64.EFI"; } }
Copy to Clipboard Copied! DHCPv4 サービスを起動します。
systemctl enable --now dhcpd
# systemctl enable --now dhcpd
Copy to Clipboard Copied!
6.3. ネットワークブート用の DHCPv6 サーバーの設定
サーバー上で DHCP バージョン 6 (DHCPv4) サービスを有効にし、ネットワークブート機能を提供できるようにします。
前提条件
IPv6 プロトコルを介したネットワークインストールを準備中である。
IPv4 の場合は、ネットワークブート用の DHCPv4 サーバーの設定 を参照してください。
サーバーのネットワークアドレスがわかっている。
以下の手順の例では、サーバーには次の設定のネットワークカードが搭載されています。
- IPv6 アドレス
- fd33:eb1b:9b36::2/64
- IPv6 ゲートウェイ
- fd33:eb1b:9b36::1
手順
DHCP サーバーをインストールします。
yum install dhcp-server
yum install dhcp-server
Copy to Clipboard Copied! DHCPv6 サーバーをセットアップします。
/etc/dhcp/dhcpd6.conf
ファイルに次の設定を入力します。アドレスはネットワークカードと一致するように置き換えます。option dhcp6.bootfile-url code 59 = string; option dhcp6.vendor-class code 16 = {integer 32, integer 16, string}; subnet6 fd33:eb1b:9b36::/64 { range6 fd33:eb1b:9b36::64 fd33:eb1b:9b36::c8; class "PXEClient" { match substring (option dhcp6.vendor-class, 6, 9); } subclass "PXEClient" "PXEClient" { option dhcp6.bootfile-url "tftp://[fd33:eb1b:9b36::2]/redhat/EFI/BOOT/BOOTX64.EFI"; } class "HTTPClient" { match substring (option dhcp6.vendor-class, 6, 10); } subclass "HTTPClient" "HTTPClient" { option dhcp6.bootfile-url "http://[fd33:eb1b:9b36::2]/redhat/EFI/BOOT/BOOTX64.EFI"; option dhcp6.vendor-class 0 10 "HTTPClient"; } }
option dhcp6.bootfile-url code 59 = string; option dhcp6.vendor-class code 16 = {integer 32, integer 16, string}; subnet6 fd33:eb1b:9b36::/64 { range6 fd33:eb1b:9b36::64 fd33:eb1b:9b36::c8; class "PXEClient" { match substring (option dhcp6.vendor-class, 6, 9); } subclass "PXEClient" "PXEClient" { option dhcp6.bootfile-url "tftp://[fd33:eb1b:9b36::2]/redhat/EFI/BOOT/BOOTX64.EFI"; } class "HTTPClient" { match substring (option dhcp6.vendor-class, 6, 10); } subclass "HTTPClient" "HTTPClient" { option dhcp6.bootfile-url "http://[fd33:eb1b:9b36::2]/redhat/EFI/BOOT/BOOTX64.EFI"; option dhcp6.vendor-class 0 10 "HTTPClient"; } }
Copy to Clipboard Copied! DHCPv6 サービスを起動します。
systemctl enable --now dhcpd6
# systemctl enable --now dhcpd6
Copy to Clipboard Copied! DHCPv6 パケットがファイアウォールの RP フィルターによって破棄されている場合は、そのログを確認してください。ログに
rpfilter_DROP
エントリーが含まれている場合は、/etc/firewalld/firewalld.conf
ファイルで次の設定を使用してフィルターを無効にします。IPv6_rpfilter=no
IPv6_rpfilter=no
Copy to Clipboard Copied!
6.4. HTTP ブート用の HTTP サーバーの設定
サーバーがネットワーク上で HTTP ブートリソースを提供できるように、サーバーに httpd
サービスをインストールして有効にする必要があります。
前提条件
サーバーのネットワークアドレスがわかっている。
次の例では、サーバーには IPv4 アドレス
192.168.124.2
のネットワークカードが搭載されています。
手順
HTTP サーバーをインストールします。
yum install httpd
# yum install httpd
Copy to Clipboard Copied! /var/www/html/redhat/
ディレクトリーを作成します。mkdir -p /var/www/html/redhat/
# mkdir -p /var/www/html/redhat/
Copy to Clipboard Copied! - RHEL DVD ISO ファイルをダウンロードします。All Red Hat Enterprise Linux Downloads を参照してください。
ISO ファイルのマウントポイントを作成します。
mkdir -p /var/www/html/redhat/iso/
# mkdir -p /var/www/html/redhat/iso/
Copy to Clipboard Copied! ISO ファイルをマウントします。
mount -o loop,ro -t iso9660 path-to-RHEL-DVD.iso /var/www/html/redhat/iso
# mount -o loop,ro -t iso9660 path-to-RHEL-DVD.iso /var/www/html/redhat/iso
Copy to Clipboard Copied! マウントされた ISO ファイルからブートローダー、カーネル、
initramfs
を HTML ディレクトリーにコピーします。cp -r /var/www/html/redhat/iso/images /var/www/html/redhat/ cp -r /var/www/html/redhat/iso/EFI /var/www/html/redhat/
# cp -r /var/www/html/redhat/iso/images /var/www/html/redhat/ # cp -r /var/www/html/redhat/iso/EFI /var/www/html/redhat/
Copy to Clipboard Copied! ブートローダー設定を編集可能にします。
chmod 644 /var/www/html/redhat/EFI/BOOT/grub.cfg
# chmod 644 /var/www/html/redhat/EFI/BOOT/grub.cfg
Copy to Clipboard Copied! /var/www/html/redhat/EFI/BOOT/grub.cfg
ファイルを編集し、次のように内容を置き換えます。set default="1" function load_video { insmod efi_gop insmod efi_uga insmod video_bochs insmod video_cirrus insmod all_video } load_video set gfxpayload=keep insmod gzio insmod part_gpt insmod ext2 set timeout=60 # END /etc/grub.d/00_header # search --no-floppy --set=root -l 'RHEL-9-3-0-BaseOS-x86_64' # BEGIN /etc/grub.d/10_linux # menuentry 'Install Red Hat Enterprise Linux 9.3' --class fedora --class gnu-linux --class gnu --class os { linuxefi ../../images/pxeboot/vmlinuz inst.repo=http://192.168.124.2/redhat/iso quiet initrdefi ../../images/pxeboot/initrd.img } menuentry 'Test this media & install Red Hat Enterprise Linux 9.3' --class fedora --class gnu-linux --class gnu --class os { linuxefi ../../images/pxeboot/vmlinuz inst.repo=http://192.168.124.2/redhat/iso quiet initrdefi ../../images/pxeboot/initrd.img } submenu 'Troubleshooting -->' { menuentry 'Install Red Hat Enterprise Linux 9.3 in text mode' --class fedora --class gnu-linux --class gnu --class os { linuxefi ../../images/pxeboot/vmlinuz inst.repo=http://192.168.124.2/redhat/iso inst.text quiet initrdefi ../../images/pxeboot/initrd.img } menuentry 'Rescue a Red Hat Enterprise Linux system' --class fedora --class gnu-linux --class gnu --class os { linuxefi ../../images/pxeboot/vmlinuz inst.repo=http://192.168.124.2/redhat/iso inst.rescue quiet initrdefi ../../images/pxeboot/initrd.img } }
set default="1" function load_video { insmod efi_gop insmod efi_uga insmod video_bochs insmod video_cirrus insmod all_video } load_video set gfxpayload=keep insmod gzio insmod part_gpt insmod ext2 set timeout=60 # END /etc/grub.d/00_header # search --no-floppy --set=root -l 'RHEL-9-3-0-BaseOS-x86_64' # BEGIN /etc/grub.d/10_linux # menuentry 'Install Red Hat Enterprise Linux 9.3' --class fedora --class gnu-linux --class gnu --class os { linuxefi ../../images/pxeboot/vmlinuz inst.repo=http://192.168.124.2/redhat/iso quiet initrdefi ../../images/pxeboot/initrd.img } menuentry 'Test this media & install Red Hat Enterprise Linux 9.3' --class fedora --class gnu-linux --class gnu --class os { linuxefi ../../images/pxeboot/vmlinuz inst.repo=http://192.168.124.2/redhat/iso quiet initrdefi ../../images/pxeboot/initrd.img } submenu 'Troubleshooting -->' { menuentry 'Install Red Hat Enterprise Linux 9.3 in text mode' --class fedora --class gnu-linux --class gnu --class os { linuxefi ../../images/pxeboot/vmlinuz inst.repo=http://192.168.124.2/redhat/iso inst.text quiet initrdefi ../../images/pxeboot/initrd.img } menuentry 'Rescue a Red Hat Enterprise Linux system' --class fedora --class gnu-linux --class gnu --class os { linuxefi ../../images/pxeboot/vmlinuz inst.repo=http://192.168.124.2/redhat/iso inst.rescue quiet initrdefi ../../images/pxeboot/initrd.img } }
Copy to Clipboard Copied! このファイル内で、次の文字列を置き換えます。
- RHEL-9-3-0-BaseOS-x86_64 および Red Hat Enterprise Linux 9.3
- ダウンロードした RHEL のバージョンと一致するようにバージョン番号を編集します。
- 192.168.124.2
- サーバーの IP アドレスに置き換えます。
EFI ブートファイルを実行可能にします。
chmod 755 /var/www/html/redhat/EFI/BOOT/BOOTX64.EFI
# chmod 755 /var/www/html/redhat/EFI/BOOT/BOOTX64.EFI
Copy to Clipboard Copied! ファイアウォールでポートを開いて、HTTP (80)、DHCP (67、68)、および DHCPv6 (546、547) トラフィックを許可します。
firewall-cmd --zone public \ --add-port={80/tcp,67/udp,68/udp,546/udp,547/udp}
# firewall-cmd --zone public \ --add-port={80/tcp,67/udp,68/udp,546/udp,547/udp}
Copy to Clipboard Copied! このコマンドは、次にサーバーを再起動するまで、一時的にアクセスを有効にします。
-
オプション: 永続的なアクセスを有効にするには、コマンドに
--permanent
オプションを追加します。 ファイアウォールルールを再読み込みします。
firewall-cmd --reload
# firewall-cmd --reload
Copy to Clipboard Copied! HTTP サーバーを起動します。
systemctl enable --now httpd
# systemctl enable --now httpd
Copy to Clipboard Copied! html
ディレクトリーとそのコンテンツを読み取り可能および実行可能にします。chmod -cR u=rwX,g=rX,o=rX /var/www/html
# chmod -cR u=rwX,g=rX,o=rX /var/www/html
Copy to Clipboard Copied! html
ディレクトリーの SELinux コンテキストを復元します。restorecon -FvvR /var/www/html
# restorecon -FvvR /var/www/html
Copy to Clipboard Copied!
第7章 PXE インストールソースの準備
PXE ブートとネットワークインストールを有効にするには、PXE サーバーで TFTP と DHCP を設定する必要があります。
7.1. ネットワークインストールの概要
ネットワークインストールでは、インストールサーバーへのアクセスがあるシステムに、Red Hat Enterprise Linux をインストールできます。ネットワークインストールには、少なくとも 2 つのシステムが必要です。
- サーバー
- DHCP サーバー、HTTP、HTTPS、FTP または NFS サーバー、および PXE ブートの場合は TFTP サーバーを実行するシステム。各サーバーを実行する物理システムが同じである必要はありませんが、このセクションの手順では、1 つのシステムですべてのサーバーを実行していることが想定されています。
- クライアント
- Red Hat Enterprise Linux をインストールしているシステム。インストールが開始すると、クライアントは DHCP サーバーに問い合わせ、HTTP サーバーまたは TFTP サーバーからブートファイルを受け取り、HTTP サーバー、HTTPS サーバー、FTP サーバー、または NFS サーバーからインストールイメージをダウンロードします。その他のインストール方法とは異なり、クライアントはインストールを開始するのに物理的な起動メディアを必要としません。
ネットワークからクライアントを起動するには、ファームウェアまたはクライアントのクイックブートメニューでネットワークブートを有効にします。ハードウェアによっては、ネットワークから起動するオプションが無効になっていたり、利用できない場合があります。
HTTP または PXE を使用してネットワークから Red Hat Enterprise Linux をインストールする準備を行う手順は次のとおりです。
手順
- インストール ISO イメージまたはインストールツリーを NFS サーバー、HTTPS サーバー、HTTP サーバー、または FTP サーバーにエクスポートします。
- HTTP または TFTP サーバーと DHCP サーバーを設定し、サーバー上で HTTP または TFTP サービスを起動します。
- クライアントを起動して、インストールを開始します。
次のネットワークブートプロトコルを選択できます。
- HTTP
- Red Hat は、クライアント UEFI がサポートしている場合は HTTP ブートを使用することを推奨します。通常、HTTP ブートは信頼性に優れています。
- PXE (TFTP)
- PXE ブートはクライアントシステムによって広くサポートされています。ただし、このプロトコルを介したブートファイルの送信は低速で、タイムアウトにより失敗する可能性があります。
7.2. ネットワークブート用の DHCPv4 サーバーの設定
サーバー上で DHCP バージョン 4 (DHCPv4) サービスを有効にし、ネットワークブート機能を提供できるようにします。
前提条件
IPv4 プロトコルを介したネットワークインストールを準備中である。
IPv6 の場合は、ネットワークブート用の DHCPv6 サーバーの設定 を参照してください。
サーバーのネットワークアドレスがわかっている。
以下の手順の例では、サーバーには次の設定のネットワークカードが搭載されています。
- IPv4 アドレス
- 192.168.124.2/24
- IPv4 ゲートウェイ
- 192.168.124.1
手順
DHCP サーバーをインストールします。
yum install dhcp-server
yum install dhcp-server
Copy to Clipboard Copied! DHCPv4 サーバーをセットアップします。
/etc/dhcp/dhcpd.conf
ファイルに次の設定を入力します。アドレスはネットワークカードと一致するように置き換えます。option architecture-type code 93 = unsigned integer 16; subnet 192.168.124.0 netmask 255.255.255.0 { option routers 192.168.124.1; option domain-name-servers 192.168.124.1; range 192.168.124.100 192.168.124.200; class "pxeclients" { match if substring (option vendor-class-identifier, 0, 9) = "PXEClient"; next-server 192.168.124.2; if option architecture-type = 00:07 { filename "redhat/EFI/BOOT/BOOTX64.EFI"; } else { filename "pxelinux/pxelinux.0"; } } class "httpclients" { match if substring (option vendor-class-identifier, 0, 10) = "HTTPClient"; option vendor-class-identifier "HTTPClient"; filename "http://192.168.124.2/redhat/EFI/BOOT/BOOTX64.EFI"; } }
option architecture-type code 93 = unsigned integer 16; subnet 192.168.124.0 netmask 255.255.255.0 { option routers 192.168.124.1; option domain-name-servers 192.168.124.1; range 192.168.124.100 192.168.124.200; class "pxeclients" { match if substring (option vendor-class-identifier, 0, 9) = "PXEClient"; next-server 192.168.124.2; if option architecture-type = 00:07 { filename "redhat/EFI/BOOT/BOOTX64.EFI"; } else { filename "pxelinux/pxelinux.0"; } } class "httpclients" { match if substring (option vendor-class-identifier, 0, 10) = "HTTPClient"; option vendor-class-identifier "HTTPClient"; filename "http://192.168.124.2/redhat/EFI/BOOT/BOOTX64.EFI"; } }
Copy to Clipboard Copied! DHCPv4 サービスを起動します。
systemctl enable --now dhcpd
# systemctl enable --now dhcpd
Copy to Clipboard Copied!
7.3. ネットワークブート用の DHCPv6 サーバーの設定
サーバー上で DHCP バージョン 6 (DHCPv4) サービスを有効にし、ネットワークブート機能を提供できるようにします。
前提条件
IPv6 プロトコルを介したネットワークインストールを準備中である。
IPv4 の場合は、ネットワークブート用の DHCPv4 サーバーの設定 を参照してください。
サーバーのネットワークアドレスがわかっている。
以下の手順の例では、サーバーには次の設定のネットワークカードが搭載されています。
- IPv6 アドレス
- fd33:eb1b:9b36::2/64
- IPv6 ゲートウェイ
- fd33:eb1b:9b36::1
手順
DHCP サーバーをインストールします。
yum install dhcp-server
yum install dhcp-server
Copy to Clipboard Copied! DHCPv6 サーバーをセットアップします。
/etc/dhcp/dhcpd6.conf
ファイルに次の設定を入力します。アドレスはネットワークカードと一致するように置き換えます。option dhcp6.bootfile-url code 59 = string; option dhcp6.vendor-class code 16 = {integer 32, integer 16, string}; subnet6 fd33:eb1b:9b36::/64 { range6 fd33:eb1b:9b36::64 fd33:eb1b:9b36::c8; class "PXEClient" { match substring (option dhcp6.vendor-class, 6, 9); } subclass "PXEClient" "PXEClient" { option dhcp6.bootfile-url "tftp://[fd33:eb1b:9b36::2]/redhat/EFI/BOOT/BOOTX64.EFI"; } class "HTTPClient" { match substring (option dhcp6.vendor-class, 6, 10); } subclass "HTTPClient" "HTTPClient" { option dhcp6.bootfile-url "http://[fd33:eb1b:9b36::2]/redhat/EFI/BOOT/BOOTX64.EFI"; option dhcp6.vendor-class 0 10 "HTTPClient"; } }
option dhcp6.bootfile-url code 59 = string; option dhcp6.vendor-class code 16 = {integer 32, integer 16, string}; subnet6 fd33:eb1b:9b36::/64 { range6 fd33:eb1b:9b36::64 fd33:eb1b:9b36::c8; class "PXEClient" { match substring (option dhcp6.vendor-class, 6, 9); } subclass "PXEClient" "PXEClient" { option dhcp6.bootfile-url "tftp://[fd33:eb1b:9b36::2]/redhat/EFI/BOOT/BOOTX64.EFI"; } class "HTTPClient" { match substring (option dhcp6.vendor-class, 6, 10); } subclass "HTTPClient" "HTTPClient" { option dhcp6.bootfile-url "http://[fd33:eb1b:9b36::2]/redhat/EFI/BOOT/BOOTX64.EFI"; option dhcp6.vendor-class 0 10 "HTTPClient"; } }
Copy to Clipboard Copied! DHCPv6 サービスを起動します。
systemctl enable --now dhcpd6
# systemctl enable --now dhcpd6
Copy to Clipboard Copied! DHCPv6 パケットがファイアウォールの RP フィルターによって破棄されている場合は、そのログを確認してください。ログに
rpfilter_DROP
エントリーが含まれている場合は、/etc/firewalld/firewalld.conf
ファイルで次の設定を使用してフィルターを無効にします。IPv6_rpfilter=no
IPv6_rpfilter=no
Copy to Clipboard Copied!
7.4. BIOS ベースのクライアント用に TFTP サーバーを設定する
BIOS ベースの AMD および Intel 64 ビットシステムでは、TFTP サーバーと DHCP サーバーを設定し、PXE サーバー上で TFTP サービスを起動する必要があります。
手順
root で、次のパッケージをインストールします。
yum install tftp-server
# yum install tftp-server
Copy to Clipboard Copied! ファイアウォールで、
tftp service
サービスへの着信接続を許可します。firewall-cmd --add-service=tftp
# firewall-cmd --add-service=tftp
Copy to Clipboard Copied! このコマンドは、次にサーバーを再起動するまで、一時的にアクセスを有効にします。
オプション: 永続的なアクセスを有効にするには、コマンドに
--permanent
オプションを追加します。ISO インストールファイルの場所によっては、HTTP などのサービスの着信接続を許可しないといけない場合があります。
DVD ISO イメージファイルの
SYSLINUX
パッケージからpxelinux.0
ファイルにアクセスします。ここで、my_local_directory は、作成するディレクトリーの名前です。mount -t iso9660 /path_to_image/name_of_image.iso /mount_point -o loop,ro
# mount -t iso9660 /path_to_image/name_of_image.iso /mount_point -o loop,ro
Copy to Clipboard Copied! cp -pr /mount_point/BaseOS/Packages/syslinux-tftpboot-version-architecture.rpm /my_local_directory
# cp -pr /mount_point/BaseOS/Packages/syslinux-tftpboot-version-architecture.rpm /my_local_directory
Copy to Clipboard Copied! umount /mount_point
# umount /mount_point
Copy to Clipboard Copied! パッケージをデプロイメントします。
rpm2cpio syslinux-tftpboot-version-architecture.rpm | cpio -dimv
# rpm2cpio syslinux-tftpboot-version-architecture.rpm | cpio -dimv
Copy to Clipboard Copied! tftpboot/
にpxelinux/
ディレクトリーを作成し、そのディレクトリーからpxelinux/
ディレクトリーにすべてのファイルをコピーします。mkdir /var/lib/tftpboot/pxelinux
# mkdir /var/lib/tftpboot/pxelinux
Copy to Clipboard Copied! cp /my_local_directory/tftpboot/* /var/lib/tftpboot/pxelinux
# cp /my_local_directory/tftpboot/* /var/lib/tftpboot/pxelinux
Copy to Clipboard Copied! pxelinux/
ディレクトリーにpxelinux.cfg/
ディレクトリーを作成します。mkdir /var/lib/tftpboot/pxelinux/pxelinux.cfg
# mkdir /var/lib/tftpboot/pxelinux/pxelinux.cfg
Copy to Clipboard Copied! default
という名前の設定ファイルを作成し、以下の例のようにpxelinux.cfg/
ディレクトリーに追加します。default vesamenu.c32 prompt 1 timeout 600 display boot.msg label linux menu label ^Install system menu default kernel images/RHEL-8/vmlinuz append initrd=images/RHEL-8/initrd.img ip=dhcp inst.repo=http://192.168.124.2/RHEL-8/x86_64/iso-contents-root/ label vesa menu label Install system with ^basic video driver kernel images/RHEL-8/vmlinuz append initrd=images/RHEL-8/initrd.img ip=dhcp inst.xdriver=vesa nomodeset inst.repo=http://192.168.124.2/RHEL-8/x86_64/iso-contents-root/ label rescue menu label ^Rescue installed system kernel images/RHEL-8/vmlinuz append initrd=images/RHEL-8/initrd.img inst.rescue inst.repo=http:///192.168.124.2/RHEL-8/x86_64/iso-contents-root/ label local menu label Boot from ^local drive localboot 0xffff
default vesamenu.c32 prompt 1 timeout 600 display boot.msg label linux menu label ^Install system menu default kernel images/RHEL-8/vmlinuz append initrd=images/RHEL-8/initrd.img ip=dhcp inst.repo=http://192.168.124.2/RHEL-8/x86_64/iso-contents-root/ label vesa menu label Install system with ^basic video driver kernel images/RHEL-8/vmlinuz append initrd=images/RHEL-8/initrd.img ip=dhcp inst.xdriver=vesa nomodeset inst.repo=http://192.168.124.2/RHEL-8/x86_64/iso-contents-root/ label rescue menu label ^Rescue installed system kernel images/RHEL-8/vmlinuz append initrd=images/RHEL-8/initrd.img inst.rescue inst.repo=http:///192.168.124.2/RHEL-8/x86_64/iso-contents-root/ label local menu label Boot from ^local drive localboot 0xffff
Copy to Clipboard Copied! -
このランタイムイメージなしでは、インストールプログラムは起動できません。
inst.stage2
起動オプションを使用して、イメージの場所を指定します。または、inst.repo=
オプションを使用して、イメージおよびインストールソースを指定することも可能です。 -
inst.repo
で使用したインストールソースの場所には、有効なtreeinfo
ファイルが含まれている必要があります。 -
インストールソースとして RHEL8 インストール DVD を選択すると、
.treeinfo
ファイルが BaseOS リポジトリーおよび AppStream リポジトリーを指定します。単一のinst.repo
オプションを使用することで両方のリポジトリーを読み込むことができます。
-
このランタイムイメージなしでは、インストールプログラムは起動できません。
/var/lib/tftpboot/
ディレクトリーに、ブートイメージファイルを保存するサブディレクトリーを作成し、そのディレクトリーにブートイメージファイルをコピーします。この例のディレクトリーは、/var/lib/tftpboot/pxelinux/images/RHEL-8/
になります。mkdir -p /var/lib/tftpboot/pxelinux/images/RHEL-8/ cp /path_to_x86_64_images/pxeboot/{vmlinuz,initrd.img} /var/lib/tftpboot/pxelinux/images/RHEL-8/
# mkdir -p /var/lib/tftpboot/pxelinux/images/RHEL-8/ # cp /path_to_x86_64_images/pxeboot/{vmlinuz,initrd.img} /var/lib/tftpboot/pxelinux/images/RHEL-8/
Copy to Clipboard Copied! tftp.socket
サービスを開始して有効にします。systemctl enable --now tftp.socket
# systemctl enable --now tftp.socket
Copy to Clipboard Copied! これにより、PXE 起動サーバーでは、PXE クライアントにサービスを提供する準備が整いました。クライアント (Red Hat Enterprise Linux のインストール先システム) を起動し、起動ソースを指定するように求められたら、PXE ブート を選択してネットワークインストールを開始できます。
7.5. UEFI ベースのクライアント用に TFTP サーバーを設定する
UEFI ベースの AMD64、Intel 64、および 64 ビット ARM システムでは、TFTP サーバーと DHCP サーバーを設定し、PXE サーバー上で TFTP サービスを起動する必要があります。
Red Hat Enterprise Linux 9 UEFI PXE ブートは、MAC ベースの GRUB メニューファイルの小文字のファイル形式に対応します。たとえば、GRUB の MAC アドレスファイル形式は grub.cfg-01-aa-bb-cc-dd-ee-ff
です。
手順
root で、次のパッケージをインストールします。
yum install tftp-server
# yum install tftp-server
Copy to Clipboard Copied! ファイアウォールで、
tftp service
サービスへの着信接続を許可します。firewall-cmd --add-service=tftp
# firewall-cmd --add-service=tftp
Copy to Clipboard Copied! このコマンドは、次にサーバーを再起動するまで、一時的にアクセスを有効にします。
オプション: 永続的なアクセスを有効にするには、コマンドに
--permanent
オプションを追加します。ISO インストールファイルの場所によっては、HTTP などのサービスの着信接続を許可しないといけない場合があります。
DVD ISO イメージから EFI ブートイメージファイルにアクセスします。
mount -t iso9660 /path_to_image/name_of_image.iso /mount_point -o loop,ro
# mount -t iso9660 /path_to_image/name_of_image.iso /mount_point -o loop,ro
Copy to Clipboard Copied! DVD ISO イメージから EFI ブートイメージをコピーします。
mkdir /var/lib/tftpboot/redhat cp -r /mount_point/EFI /var/lib/tftpboot/redhat/ umount /mount_point
# mkdir /var/lib/tftpboot/redhat # cp -r /mount_point/EFI /var/lib/tftpboot/redhat/ # umount /mount_point
Copy to Clipboard Copied! コピーしたファイルのパーミッションを修正します。
chmod -R 755 /var/lib/tftpboot/redhat/
# chmod -R 755 /var/lib/tftpboot/redhat/
Copy to Clipboard Copied! /var/lib/tftpboot/redhat/efi/boot/grub.cfg
の内容を次の例に置き換えます。set timeout=60 menuentry 'RHEL 8' { linux images/RHEL-8/vmlinuz ip=dhcp inst.repo=http://192.168.124.2/RHEL-8/x86_64/iso-contents-root/ initrd images/RHEL-8/initrd.img }
set timeout=60 menuentry 'RHEL 8' { linux images/RHEL-8/vmlinuz ip=dhcp inst.repo=http://192.168.124.2/RHEL-8/x86_64/iso-contents-root/ initrd images/RHEL-8/initrd.img }
Copy to Clipboard Copied! -
このランタイムイメージなしでは、インストールプログラムは起動できません。
inst.stage2
起動オプションを使用して、イメージの場所を指定します。または、inst.repo=
オプションを使用して、イメージおよびインストールソースを指定することも可能です。 -
inst.repo
で使用したインストールソースの場所には、有効なtreeinfo
ファイルが含まれている必要があります。 -
インストールソースとして RHEL8 インストール DVD を選択すると、
.treeinfo
ファイルが BaseOS リポジトリーおよび AppStream リポジトリーを指定します。単一のinst.repo
オプションを使用することで両方のリポジトリーを読み込むことができます。
-
このランタイムイメージなしでは、インストールプログラムは起動できません。
/var/lib/tftpboot/
ディレクトリーに、ブートイメージファイルを保存するサブディレクトリーを作成し、そのディレクトリーにブートイメージファイルをコピーします。この例のディレクトリーは、/var/lib/tftpboot/images/RHEL-10/ です。mkdir -p /var/lib/tftpboot/images/RHEL-8/ cp /mount_point/images/pxeboot/{vmlinuz,initrd.img} /var/lib/tftpboot/images/RHEL-8/
# mkdir -p /var/lib/tftpboot/images/RHEL-8/ # cp /mount_point/images/pxeboot/{vmlinuz,initrd.img} /var/lib/tftpboot/images/RHEL-8/
Copy to Clipboard Copied! tftp.socket
サービスを開始して有効にします。systemctl enable --now tftp.socket
# systemctl enable --now tftp.socket
Copy to Clipboard Copied! これにより、PXE 起動サーバーでは、PXE クライアントにサービスを提供する準備が整いました。クライアント (Red Hat Enterprise Linux のインストール先システム) を起動し、起動ソースを指定するように求められたら、PXE ブート を選択してネットワークインストールを開始できます。
7.6. IBM Power システム用のネットワークサーバーの設定
GRUB を使用して、IBM Power システム用のネットワークブートサーバーを設定できます。
手順
root で、次のパッケージをインストールします。
yum install tftp-server dhcp-server
# yum install tftp-server dhcp-server
Copy to Clipboard Copied! tftp
サービスへの着信接続をファイアウォールで許可します。firewall-cmd --add-service=tftp
# firewall-cmd --add-service=tftp
Copy to Clipboard Copied! このコマンドは、次にサーバーを再起動するまで、一時的にアクセスを有効にします。
オプション: 永続的なアクセスを有効にするには、コマンドに
--permanent
オプションを追加します。ISO インストールファイルの場所によっては、HTTP などのサービスの着信接続を許可しないといけない場合があります。
TFTP のルート内に GRUB ネットワーク起動ディレクトリーを作成します。
grub2-mknetdir --net-directory=/var/lib/tftpboot
# grub2-mknetdir --net-directory=/var/lib/tftpboot Netboot directory for powerpc-ieee1275 created. Configure your DHCP server to point to /boot/grub2/powerpc-ieee1275/core.elf
Copy to Clipboard Copied! この手順で説明しているように、コマンドの出力は、DHCP 設定で設定する必要があるファイル名をユーザーに通知します。
PXE サーバーを x86 マシンで実行している場合は、tftp のルート内に
GRUB2
ネットワークブートディレクトリーを作成する前に、grub2-ppc64le-modules
をインストールする必要があります。yum install grub2-ppc64le-modules
# yum install grub2-ppc64le-modules
Copy to Clipboard Copied!
以下の例のように、GRUB 設定ファイル (
/var/lib/tftpboot/boot/grub2/grub.cfg
) を作成します。set default=0 set timeout=5 echo -e "\nWelcome to the Red Hat Enterprise Linux 8 installer!\n\n" menuentry 'Red Hat Enterprise Linux 8' { linux grub2-ppc64/vmlinuz ro ip=dhcp inst.repo=http://192.168.124.2/RHEL-8/x86_64/iso-contents-root/ initrd grub2-ppc64/initrd.img }
set default=0 set timeout=5 echo -e "\nWelcome to the Red Hat Enterprise Linux 8 installer!\n\n" menuentry 'Red Hat Enterprise Linux 8' { linux grub2-ppc64/vmlinuz ro ip=dhcp inst.repo=http://192.168.124.2/RHEL-8/x86_64/iso-contents-root/ initrd grub2-ppc64/initrd.img }
Copy to Clipboard Copied! -
このランタイムイメージなしでは、インストールプログラムは起動できません。
inst.stage2
起動オプションを使用して、イメージの場所を指定します。または、inst.repo=
オプションを使用して、イメージおよびインストールソースを指定することも可能です。 -
inst.repo
で使用したインストールソースの場所には、有効なtreeinfo
ファイルが含まれている必要があります。 -
インストールソースとして RHEL8 インストール DVD を選択すると、
.treeinfo
ファイルが BaseOS リポジトリーおよび AppStream リポジトリーを指定します。単一のinst.repo
オプションを使用することで両方のリポジトリーを読み込むことができます。
-
このランタイムイメージなしでは、インストールプログラムは起動できません。
このコマンドを使用して DVD ISO イメージをマウントします。
mount -t iso9660 /path_to_image/name_of_iso/ /mount_point -o loop,ro
# mount -t iso9660 /path_to_image/name_of_iso/ /mount_point -o loop,ro
Copy to Clipboard Copied! ディレクトリーを作成し、DVD ISO イメージから
initrd.img
ファイルおよびvmlinuz
ファイルをコピーします。以下に例を示します。cp /mount_point/ppc/ppc64/{initrd.img,vmlinuz} /var/lib/tftpboot/grub2-ppc64/
# cp /mount_point/ppc/ppc64/{initrd.img,vmlinuz} /var/lib/tftpboot/grub2-ppc64/
Copy to Clipboard Copied! 以下の例のように、
GRUB2
に同梱されているブートイメージを使用するように DHCP サーバーを設定します。DHCP サーバーがすでに設定されている場合は、DHCP サーバーでこの手順を実行します。subnet 192.168.0.1 netmask 255.255.255.0 { allow bootp; option routers 192.168.0.5; group { #BOOTP POWER clients filename "boot/grub2/powerpc-ieee1275/core.elf"; host client1 { hardware ethernet 01:23:45:67:89:ab; fixed-address 192.168.0.112; } } }
subnet 192.168.0.1 netmask 255.255.255.0 { allow bootp; option routers 192.168.0.5; group { #BOOTP POWER clients filename "boot/grub2/powerpc-ieee1275/core.elf"; host client1 { hardware ethernet 01:23:45:67:89:ab; fixed-address 192.168.0.112; } } }
Copy to Clipboard Copied! -
ネットワーク設定に合わせて、サンプルパラメーターの
subnet
、netmask
、routers
、fixed-address
、およびhardware ethernet
を変更します。file name
パラメーターは、この手順で先ほどgrub2-mknetdir
コマンドで出力したファイル名です。 DHCP サーバーで
dhcpd
サービスを開始して有効にします。localhost で DHCP サーバーを設定している場合は、ローカルホストでdhcpd
サービスを開始して有効にします。systemctl enable --now dhcpd
# systemctl enable --now dhcpd
Copy to Clipboard Copied! tftp.socket
サービスを開始して有効にします。systemctl enable --now tftp.socket
# systemctl enable --now tftp.socket
Copy to Clipboard Copied! これにより、PXE 起動サーバーでは、PXE クライアントにサービスを提供する準備が整いました。クライアント (Red Hat Enterprise Linux のインストール先システム) を起動し、起動ソースを指定するように求められたら、PXE ブート を選択してネットワークインストールを開始できます。
第8章 VNC を使用したリモートインストールの準備
8.1. 概要
CD、DVD、または USB フラッシュドライブから、または PXE を使用してネットワークからシステムを起動して RHEL をインストールする場合は、グラフィカルユーザーインターフェイスを使用することが推奨されます。ただし、IBM Power Systems や 64 ビットの IBM Z など、多くのエンタープライズシステムは、自動的に実行されても、ディスプレイ、キーボード、およびマウスには接続されていないリモートのデータセンター環境に置かれています。通常、これらのシステムは ヘッドレスシステム と呼ばれ、通常はネットワーク接続で制御されます。RHEL インストールプログラムには、ターゲットマシンでグラフィカルインストールを実行する Virtual Network Computing (VNC) インストールが含まれます。ただし、グラフィカルインストールの制御はネットワーク上の別のシステムで処理されます。RHEL インストールプログラムでは、Direct および Connectのつの VNC インストールモードを利用できます。接続が確立されれば、この 2 つのモードに違いはありません。選択するモードは、環境によって異なります。
- Direct モード
- Direct モードでは、RHEL インストールプログラムがターゲットシステムで起動するように設定されています。また、続行前に別のシステムにインストールされている VNC ビューアーを待ちます。Direct モードインストールの一環として、IP アドレスとポートがターゲットシステムに表示されます。VNC ビューアーを使用することで、IP アドレスとポートを使用して、ターゲットシステムにリモートで接続し、グラフィカルインストールを完了できます。
- Connect モード
- Connect モードでは、VNC ビューアーが リスニング モードでリモートシステムで開始されます。VNC ビューアーは、指定したポート上のターゲットシステムからの着信接続を待ちます。RHEL インストールプログラムがターゲットシステムで起動すると、起動オプションまたはキックスタートコマンドを使用して、システムのホスト名とポート番号が提供されます。次に、インストールプログラムは指定したシステムホスト名およびポート番号を使用して、リスニング VNC ビューアーで接続を確立します。Connect モードを使用するには、リッスンしている VNC ビューアーを持つシステムが、着信ネットワーク接続を許可できる必要があります。
8.2. 留意事項
インストールプログラムには、デフォルトで VNC サーバーが含まれています。VNC を使用してリモート RHEL インストールを実行する場合は、以下の項目を考慮してください。
VNC クライアントアプリケーション - VNC クライアントアプリケーションは、VNC Direct および Connect インストールの両方を実行する必要があります。VNC クライアントアプリケーションは多くの Linux ディストリビューションのリポジトリーで入手できます。また、Windows などの他のオペレーティングシステムにもには、無料の VNC クライアントアプリケーションを利用できます。RHEL では、以下の VNC クライアントアプリケーションを利用できます。
-
tigervnc
はデスクトップ環境から独立しており、tigervnc
パッケージの一部としてインストールされます。 -
vinagre
は GNOME デスクトップ環境に含まれており、vinagre
パッケージの一部としてインストールされます。
-
ネットワークおよびファイアウォール:
- ターゲットシステムがファイアウォールにより着信接続が許可されていない場合は、Connect モードを使用するかファイアウォールを無効にする必要があります。ファイアウォールを無効にすると、セキュリティーに影響を及ぼす可能性があります。
- VNC ビューアーを実行しているシステムがファイアウォールにより着信接続を許可されていない場合は、Direct モードを使用するか、ファイアウォールを無効にする必要があります。ファイアウォールを無効にすると、セキュリティーに影響を及ぼす可能性があります。ファイアウォールの設定の詳細は、セキュリティーの強化 を参照してください。
- カスタム起動オプション: VNC インストールを開始するにはカスタムの起動オプションを指定する必要があります。インストール手順はシステムのアーキテクチャーによって異なる可能性があります。
-
キックスタートインストールの VNC: キックスタートでは、VNC 固有のコマンドを使用できます。
vnc
コマンドのみを使用すると、Direct モードで RHEL インストールを実行します。Connect モードでインストールを設定するために追加オプションを使用することができます。
第9章 RHEL ベータ版リリースをインストールおよび起動するために UEFI セキュアブートが有効なシステムを準備する
オペレーティングシステムのセキュリティーを強化するには、UEFI セキュアブートが有効になっているシステムで Red Hat Enterprise Linux ベータ版リリースを起動したときに、署名の検証に UEFI セキュアブート機能を使用します。
9.1. UEFI セキュアブートおよび RHEL ベータ版リリース
UEFI セキュアブートでは、オペレーティングシステムカーネルが、認識された秘密キーで署名されている必要があります。UEFI セキュアブートは、対応する公開キーを使用して署名を検証します。
Red Hat Enterprise Linux 8 のベータリリースの場合には、カーネルは Red Hat ベータ固有の秘密鍵で署名されます。UEFI セキュアブートは、対応する公開鍵を使用して署名を検証しようとしますが、このハードウェアはベータ版の秘密鍵を認識しないため、Red Hat Enterprise Linux ベータ版のリリースシステムは起動に失敗します。そのため、ベータリリースで UEFI セキュアブートを使用するには、MOK (Machine Owner Key) 機能を使用して Red Hat ベータ公開キーをシステムに追加します。
9.2. UEFI セキュアブートのベータ公開鍵の追加
このセクションでは、UEFI セキュアブート用に Red Hat Enterprise Linux ベータ版の公開鍵を追加する方法を説明します。
前提条件
- システムで UEFI セキュアブートが無効になっています。
- Red Hat Enterprise Linux ベータ版リリースがインストールされており、システムの再起動もセキュアブートが無効になっている。
- システムにログインし、初期セットアップ 画面でタスクを完了します。
手順
システムの Machine Owner Key (MOK) リストに Red Hat ベータ版の公開鍵の登録を開始します。
mokutil --import /usr/share/doc/kernel-keys/$(uname -r)/kernel-signing-ca.cer
# mokutil --import /usr/share/doc/kernel-keys/$(uname -r)/kernel-signing-ca.cer
Copy to Clipboard Copied! $(uname -r)
はカーネルバージョン (4.18.0-80.el8.x86_64 など) に置き換えられます。- プロンプトが表示されたらパスワードを入力します。
- システムを再起動し、任意のキーを押して起動を続行します。Shim UEFI キー管理ユーティリティーは、システム起動時に起動します。
- Enroll MOK を選択します。
- Continue を選択します。
- Yes を選択し、パスワードを入力します。この鍵はシステムのファームウェアにインポートされます。
- Reboot を選択します。
- システムでセキュアブートを有効にします。
9.3. ベータ版公開鍵の削除
Red Hat Enterprise Linux ベータ版リリースを削除し、Red Hat Enterprise Linux General Availability (GA) リリースをインストールするか、別のオペレーティングシステムをインストールする予定の場合は、ベータ版の公開鍵を削除します。
この手順では、ベータ版の公開鍵を削除する方法を説明します。
手順
システムの Machine Owner Key (MOK) リストから Red Hat ベータ版の公開鍵の削除を開始します。
mokutil --reset
# mokutil --reset
Copy to Clipboard Copied! - プロンプトが表示されたらパスワードを入力します。
- システムを再起動し、任意のキーを押して起動を続行します。Shim UEFI キー管理ユーティリティーは、システム起動時に起動します。
- Reset MOK を選択します。
- Continue を選択します。
- Yes を選択し、手順 2 で指定したパスワードを入力します。この鍵はシステムのファームウェアから削除されます。
- Reboot を選択します。
第10章 IBM Power Systems の準備
10.1. IBM Power System LC サーバーへの RHEL インストールの準備
10.1.1. サポート対象の IBM Power System LC サーバー
以下の IBM Power Systems LC サーバーに Red Hat Enterprise Linux をインストールできます。
- 8335-GCA (IBM Power System S822LC)
- 8335-GTA (IBM Power System S822LC)
- 8335-GTB (IBM Power System S822LC)
- 8001-12C (IBM Power System S821LC)
- 8001-22C (IBM Power System S822LC for Big Data)
- 9006-12P (IBM Power System LC921)
- 9006-22P (IBM Power System LC922)
10.1.2. IBM Power System LC サーバーにおけるインストールプロセスの概要
以下を参照して、非仮想化システムやベアメタルの IBM Power System LC サーバーに Red Hat Enterprise Linux 8 をインストールします。
インストールワークフローは、以下の一般的な手順に従います。
- システム要件を確認する
- 必要なインストール ISO イメージをダウンロードする
- インストールメディアを作成する
- 前提条件に対応してファームウェアを起動する
- BMC ファームウェアに接続して、ネットワーク接続を設定する
- IPMI を使用して BMC ファームウェアに接続する
インストーラーの起動方法を選択する:
- USB デバイスからインストーラーを起動する
- ベースボード管理コントローラー (BMC) を使用してインストーラーを起動する
- Red Hat Enterprise Linux をインストールする
10.1.3. 前提条件を完了してファームウェアの起動
システムの電源を入れる前に、以下のアイテムがあることを確認します。
- イーサネットケーブル
- VGA モニター。VGA の解像度は 1024x768-60Hz に設定する必要があります。
- USB キーボード
システムの電源コードおよびコンセント
- レベル 1.8.15 以上の IPMItool ツールが含まれる PC またはノートブック。(確認中)
- 起動可能な USB デバイス
次の手順を完了します。
- システムがラックにある場合は、システムをそのラックにインストールします。詳細は IBM Power Systems の情報 (https://www.ibm.com/support/knowledgecenter/) を参照してください。
- システム背面の、シリアルポートの隣にある組み込みイーサネットポートに、イーサネットケーブルを接続します。反対側をネットワークに接続します。
- システムの背面にある VGA ポートに、VGA モニターを接続します。
- 利用可能な USB ポートに、USB キーボードを接続します。
- システムに電源コードを接続し、コンセントに差し込みます。
この時点で、ファームウェアが起動しています。電源の緑色の LED が点滅する (使用する準備ができていることを示す) のを待ちます。システムに緑色の LED インジケータライトがない場合は、1~2 分待ちます。
10.1.4. ファームウェアによるネットワーク接続の設定
BMC (Baseboard Management Controller) ファームウェアにネットワーク接続を設定して有効にするには、Petitboot ブートローダーインターフェイスを使用します。
- システムの前面にある電源ボタンを使用して、サーバーの電源を入れます。システムは、Petitboot ブートローダーメニューで電源を入れます。このプロセスは、完了するまでに 1~2 分かかります。システムから離れないでください。Petitboot を読み込むと、モニターがアクティブになり、任意のキーを押してブートプロセスを中断する必要があります。
- Petitboot ブートローダーメインメニューで、Exit to Shell を選択します。
ipmitool lan print 1
を実行します。このコマンドが IP アドレスを返した場合は、IP アドレスが正しいことを確認して続行します。静的な IP アドレスを設定するには、次の手順を実行します。-
ipmitool lan set 1 ipsrc static
コマンドを実行して、モードを静的に設定します。 -
ipmitool lan set 1 ipaddr ip_address
コマンドを実行して、IP アドレスを設定します。ip_address は、このシステムに割り当てる静的な IP アドレスになります。 -
ipmitool lan set 1 netmask netmask_address
コマンドを実行して、ネットマスクを設定します。netmask_address は、システムのネットマスクです。 -
ipmitool lan set 1 defgw ipaddr gateway_server
コマンドを実行してゲートウェイサーバーを設定します。gateway_server は、このシステムのゲートウェイです。 もう一度
ipmitool lan print 1
コマンドを実行して、IP アドレスを確認します。このネットワークインターフェイスは、次の手順を実行するまでアクティブにはなりません。
-
ファームウェアをリセットするには、
ipmitool mc reset cold
コマンドを実行します。このコマンドは、プロセスを続行する前に完了する必要がありますが、情報は返しません。このコマンドが完了したことを確認するには、システムの BMC アドレス (IPMItool コマンドで使用される IP アドレスと同じアドレス) に ping します。ping が返ってきたら、次の手順に進みます。
妥当な時間 (2 ~ 3 分) 内に ping が返ってこない場合は、以下の手順を実行してください。
-
ipmitool power off
コマンドを使用して、システムの電源を切ります。 - システムの背面から電源コードを抜きます。30 秒待ってから、電力を供給して BMC を起動します。
-
10.1.5. IPMI を使用してサーバーの電源をオン
IPMI (Intelligent Platform Management Interface) は、OPAL ファームウェアに接続する際に使用するデフォルトコンソールです。
IPMI のデフォルト値を使用します。
-
デフォルトユーザー -
ADMIN
-
デフォルトパスワード -
admin
システムの電源を入れると、Petitboot インターフェイスが読み込まれます。10 秒以内にキーを押して起動プロセスを中断しないと、Petitboot が最初のオプションを自動的に起動します。Linux を実行している PC またはノートブックの電源を入れるには、次の手順を実行します。
- お使いの PC またはノートブックの端末プログラムを開きます。
サーバーの電源を入れるには、次のコマンドを実行します。
ipmitool -I lanplus -H server_ip_address -U ipmi_user -P ipmi_password chassis power on
ipmitool -I lanplus -H server_ip_address -U ipmi_user -P ipmi_password chassis power on
Copy to Clipboard Copied! server_ip_ipaddress は、Power システムの IP アドレスで、ipmi_password は、IPMI に設定しているパスワードです。
注記システムの電源がすでに入っている場合は、IPMI コンソールのアクティベートを続行します。
このコマンドを実行して IPMI コンソールをアクティベートします。
ipmitool -I lanplus -H server_ip_address -U ipmi_user -P ipmi_password sol activate
ipmitool -I lanplus -H server_ip_address -U ipmi_user -P ipmi_password sol activate
Copy to Clipboard Copied!
キーボードの上矢印を使用して、前に実行した ipmitool
コマンドを表示します。前に実行したコマンドを編集すれば、コマンド全体を再入力しなくてすみます。システムの電源をオフするか、再起動する必要がある場合は、次のコマンドを実行して、コンソールを無効にします。
ipmitool -I lanplus -H server_ip_address -U user-name -P ipmi_password sol deactivate
ipmitool -I lanplus -H server_ip_address -U user-name -P ipmi_password sol deactivate
システムを再起動するには、以下のコマンドを実行します。
ipmitool -I lanplus -H server_ip_address -U user-name -P ipmi_password chassis power reset
ipmitool -I lanplus -H server_ip_address -U user-name -P ipmi_password chassis power reset
10.1.6. IBM LC サーバーでのインストーラー起動方法の選択
USB デバイスまたは仮想メディアから Red Hat Enterprise Linux のインストーラーを起動できます。
USB デバイスからインストールを起動するには、USB デバイスを使用したインストールへの Petitboot の設定 を参照してください。
仮想メディアを使用してインストールを起動するには、BMC Advanced System Management インターフェイスにアクセスして仮想メディアの設定 を参照してください。
10.1.6.1. USB デバイスを使用したインストールへの Petitboot の設定
システムの電源が入ると、Petitboot ブートローダーは、ローカルのブートデバイスとネットワークインターフェイスをスキャンして、システムで利用できる起動オプションを検出します。起動可能な USB デバイスの作成方法は、起動可能な DVD または CD の作成 を参照してください。
次のいずれかの USB デバイスを使用します。
- 1.0 アンペアより下にするため、1 つの USB ケーブルを使用した、USB 接続 DVD プレーヤー
- 8 GB の 2.0 USB フラッシュドライブ
手順
Petitboot を設定するには、以下の手順を実行します。
前面の USB ポートに、起動可能な USB デバイスを挿入します。Petitboot には、次のオプションが表示されます。
[USB: sdb1 / 2015-10-30-11-05-03-00] Rescue a Red Hat Enterprise Linux system (64-bit kernel) Test this media & install Red Hat Enterprise Linux 8 (64-bit kernel) * Install Red Hat Enterprise Linux 8 (64-bit kernel)
[USB: sdb1 / 2015-10-30-11-05-03-00] Rescue a Red Hat Enterprise Linux system (64-bit kernel) Test this media & install Red Hat Enterprise Linux 8 (64-bit kernel) * Install Red Hat Enterprise Linux 8 (64-bit kernel)
Copy to Clipboard Copied! 注記USB デバイスが表示されない場合は、デバイスの再スキャンを選択します。デバイスが検出されない場合は、別のタイプのものを試してみてください。
-
USB デバイスの UUID を記録します。たとえば、上記の例では、
2015-10-30-11-05-03-00
が USB デバイスの UUID です。 - Install Red Hat Enterprise Linux 8 (64-bit kernel) を選択し、e (Edit) を押すと、Petitboot Option Editor 画面が開きます。
カーソルを、Boot 引数セクションに移動して、次の情報を追加します。
inst.stage2=hd:UUID=your_UUID where your_UUID is the UUID that you recorded. Petitboot Option Editor qqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqq Device: ( ) sda2 [f8437496-78b8-4b11-9847-bb2d8b9f7cbd] (*) sdb1 [2015-10-30-11-05-03-00] ( ) Specify paths/URLs manually Kernel: /ppc/ppc64/vmlinuz Initrd: /ppc/ppc64/initrd.img Device tree: Boot arguments: ro inst.stage2=hd:UUID=2015-10-30-11-05-03-00 [ OK ] [ Help ] [ Cancel ]
inst.stage2=hd:UUID=your_UUID where your_UUID is the UUID that you recorded. Petitboot Option Editor qqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqq Device: ( ) sda2 [f8437496-78b8-4b11-9847-bb2d8b9f7cbd] (*) sdb1 [2015-10-30-11-05-03-00] ( ) Specify paths/URLs manually Kernel: /ppc/ppc64/vmlinuz Initrd: /ppc/ppc64/initrd.img Device tree: Boot arguments: ro inst.stage2=hd:UUID=2015-10-30-11-05-03-00 [ OK ] [ Help ] [ Cancel ]
Copy to Clipboard Copied! - を選択して、オプションを保存して、メインメニューに戻ります。
- Install Red Hat Enterprise Linux 8 (64-bit kernel) が選択されていることを確認し、Enter を押してインストールを開始します。
10.1.6.2. BMC Advanced System Management インターフェイスにアクセスして仮想メディアの設定
Baseboard Management Controller (BMC) Advanced Systems Management は、サーバーのシステム情報、ステータス、その他のプロセスにアクセスするために使用されるリモート管理コントローラーです。BMC Advanced Systems Management を使用してインストールを設定し、CD イメージを Power System への仮想メディアとして提供します。ただし、実際のインストールには、IPMI を経由した SOL (serial-over-LAN) 接続が必要です。
BMC Advanced Systems Management にアクセスするには、Web ブラウザーで http://ip_address
を開きます。ip_address は、BMC の IP アドレスになります。次のデフォルト値を使用してログインします。
- デフォルトのユーザー名 - ADMIN
- デフォルトパスワード - admin
BMC Advanced Systems Management を完全に使用するには、ノートブックまたは PC の Java コントロールパネルでの例外リストに BMC ファームウェアの IP アドレスを追加する必要があります。Windows システムでは、通常、コントロールパネル > Control Panel for Java を選択することで、これを配置します。
Linux システムでは、通常、コントロールセンターを選択し、Java の Web ブラウザーのプラグインを選択することで、これを配置します。
Java 用のコントロールパネルにアクセスし、セキュリティータブを選択します。Edit Site List をクリックし、Add をクリックして、BMC ファームウェアの IP アドレスを例外リストに追加します。IP アドレスを入力して、OK をクリックします。
仮想 CD/DVD を作成するには、次の手順を実行します。
- デフォルトのユーザー名およびパスワードを使用して、PC またはノートブックから、BMC Advanced Systems Management インターフェイスにログインします。
- Remote Control > Console Redirection を 選択 します。
-
Java コンソールを 選択 します。コンソールが開いたら、Open with Java Web Start を選択して OK をクリックし、Web ブラウザーで直接
jviewer.jnlp
ファイルを開くようにしないといけない場合があります。警告を承認し、Run をクリックします。 - コンソールリダイレクト画面で、メニューから、Media > Virtual Media ウィザードを 選択 します。
- Virtual Media ウィザードで、CD/DVD Media:1 を 選択 します。
-
CD イメージと、Linux ディストリビューションの ISO ファイルへのパスを 選択 します。たとえば、
/tmp/RHEL-7.2-20151030.0-Server-ppc64el-dvd1.iso
のようになります。Connect CD/DVD をクリックします。接続に成功すると、Device redirected in Read Only Mode メッセージが表示されます。 CD/DVD が、Petitboot のオプション (
sr0
) として表示されていることを確認します。CD/DVD: sr0 Install Repair
CD/DVD: sr0 Install Repair
Copy to Clipboard Copied! 注記CD または DVD が表示されない場合は、デバイスの再スキャンを選択します。
- インストールを 選択 します。インストールを選択すると、リモートコンソールが非アクティブになる場合があります。インストールを完了するには、IPMI コンソールを開くか、再アクティブにします。お待ちください。インストールが開始するまで数分かかる場合があります。
10.2. IBM Power System AC サーバーへの RHEL インストールの準備
このセクションは、IBM Power Systems アクセラレートサーバーに Red Hat Enterprise Linux をインストールする方法を説明します。
10.2.1. サポート対象の IBM Power System Accelerated サーバー
RHEL は、以下の IBM Power System AC サーバーにインストールできます。
- 8335-GTG (IBM Power System AC922)
- 8335-GTH (IBM Power System AC922)
- 8335-GTX (IBM Power System AC922)
10.2.2. IBM Power System Accelerated サーバーでのインストールプロセスの概要
この情報を使用して、非仮想化システムやベアメタル IBM Power System Accelerated (AC) サーバーに Red Hat Enterprise Linux 8 をインストールします。
インストールワークフローには、以下の一般的な手順が含まれます。
- システム要件を確認する
- 必要なインストール ISO イメージをダウンロードする
- インストールメディアを作成する
- BMC ファームウェアに接続して、ネットワーク接続を設定する
- サーバーの電源を入れる
インストーラーの起動方法を選択する:
- USB デバイスからインストーラーを起動する
- ネットワークからインストーラーを起動する
- Red Hat Enterprise Linux をインストールする
10.2.3. 前提条件を完了してファームウェアの起動
システムの電源を入れる前に、以下のアイテムがあることを確認します。
- イーサネットケーブル
- 解像度が 1024x768-60Hz に設定されている VGA モニター
- USB キーボード
- システムの電源コードおよびコンセント
この手順では、Red Hat Enterprise Linux 8 でネットワークサーバーを設定している必要があります。これを行うには、以下の手順に従って、Software Download page on the Customer Portal で Red Hat Enterprise Linux 8 をダウンロードします。
- Red Hat アカウントにログインしていない場合は、ログインします。
- Product Variant リストで Red Hat Enterprise Linux for Power, little endian のダウンロードを選択します。
- Product Variant リストの横にある Version リストで正しいバージョンを選択します。
- 製品ソフトウェア タブで、Red Hat Enterprise Linux 8.x DVD_ ISO ファイルの横にある 今すぐダウンロード をクリックします。
Red Hat Enterprise Linux 8 をダウンロードしたら、以下の手順を完了してファームウェアを起動します。
- 必要に応じて、システムがラックにある場合は、システムをそのラックにインストールします。詳細は IBM Power Systems の情報 (https://www.ibm.com/support/knowledgecenter/POWER9/p9hdx/POWER9welcome.htm) を参照してください。
- システム背面の、シリアルポートの隣にある組み込みイーサネットポートに、イーサネットケーブルを接続します。反対側をネットワークに接続します。
- システムの背面にある VGA ポートに VGA モニターを接続します。
- 利用可能な USB ポートに、USB キーボードを接続します。
- システムに電源コードを接続し、コンセントに差し込みます。
この時点で、ファームウェアが起動しています。電源の緑色の LED が点滅する (使用する準備ができていることを示す) のを待ちます。システムに緑色の LED インジケータライトがない場合は、ファームウェアの起動が正常に完了するまで 1 分から 2 分待ちます。
10.2.4. ファームウェアによるネットワーク接続の設定
BMC ファームウェアにネットワーク接続を設定して有効にするには、Petitboot ブートローダーインターフェイスを使用します。
- システムの前面にある電源ボタンを使用して、サーバーの電源を入れます。システムは、Petitboot ブートローダーメニューで電源を入れます。このプロセスは、通常完了するまでに 1~2 分かかりますが、ファーストブートまたはファームウェアの更新に 5~10 分かかる可能性があります。システムから離れないでください。Petitboot を読み込むと、モニターがアクティブになり、任意のキーを押してブートプロセスを中断する必要があります。
- Petitboot ブートローダーメインメニューで、Exit to Shell を選択します。
ipmitool lan print 1
を実行します。このコマンドは IP アドレスを返し、これが正しいことを確認したら、ステップ 4 に進みます。IP アドレスが返されない場合は、以下の手順に従ってください。このコマンドを実行して、モードを静的に設定します。
ipmitool lan set 1 ipsrc static
ipmitool lan set 1 ipsrc static
Copy to Clipboard Copied! このコマンドを実行して、IP アドレスを設定します。
ipmitool lan set 1 ipaddr _ip_address_
ipmitool lan set 1 ipaddr _ip_address_
Copy to Clipboard Copied! ip_address は、このシステムに割り当てる静的な IP アドレスです。
このコマンドを実行して、ネットマスクを設定します。
ipmitool lan set 1 netmask _netmask_address_
ipmitool lan set 1 netmask _netmask_address_
Copy to Clipboard Copied! netmask_address は、システムのネットマスクです。
このコマンドを実行して、ゲートウェイサーバーを設定します。
ipmitool lan set 1 defgw ipaddr _gateway_server_
ipmitool lan set 1 defgw ipaddr _gateway_server_
Copy to Clipboard Copied! Where gateway_server is the gateway for this system.
Where gateway_server is the gateway for this system.
Copy to Clipboard Copied! もう一度
ipmitool lan print 1
コマンドを実行して、IP アドレスを確認します。注記このインターフェイスは、次の手順を実行するまでアクティブではありません。
ファームウェアをリセットするには、次のコマンドを実行します。
ipmitool raw 0x06 0x40.
ipmitool raw 0x06 0x40.
Copy to Clipboard Copied! このコマンドは、プロセスを続行する前に完了する必要がありますが、情報は返しません。このコマンドが完了したことを確認するには、システムの BMC アドレス (IPMItool コマンドで使用される IP アドレスと同じアドレス) に ping します。ping が返ってきたら、次の手順に進みます。
注記注意: 妥当な時間内 (2 ~ 3 分) 内に ping が返ってこない場合は、以下の手順を実行してください。
-
poweroff.h.
コマンドでシステムの電源を切ります。 - システムの背面から電源コードを抜きます。30 秒待ってから、電力を供給して BMC を起動します。
10.2.5. OpenBMC コマンドでサーバーの電源をオン
システムの電源を入れると、Petitboot インターフェイスが読み込まれます。10 秒以内にキーを押して起動プロセスを中断しないと、Petitboot が最初のオプションを自動的に起動します。
Linux を実行している PC またはノートブックの電源を入れるには、次の手順を実行します。
-
デフォルトのユーザー名 -
root
デフォルトパスワード -
0penBmc
(0penBMC は、大文字の O ではなくゼロが使用されています)- お使いの PC またはノートブックの端末プログラムを開きます。
次のコマンドを実行して BMC にログインします。
ssh root@<BMC server_ip_address> root@<BMC server password>
ssh root@<BMC server_ip_address> root@<BMC server password>
Copy to Clipboard Copied! BMC server_ip_address は BMC の IP アドレスで、BMC server password は認証するパスワードです。
サーバーの電源を入れるには、次のコマンドを実行します。
root@witherspoon:~# obmcutil poweron
$ root@witherspoon:~# obmcutil poweron
Copy to Clipboard Copied! OS コンソールに接続し、デフォルトパスワード
0penBmc
を使用します。ssh -p 2200 root@<BMC server_ip_address> root@
ssh -p 2200 root@<BMC server_ip_address> root@
Copy to Clipboard Copied!
BMC server_ip_address は BMC の IP アドレスで、BMC server password は認証するパスワードです。
10.2.6. IBM Accelerated サーバーでのインストール起動方法の選択
USB デバイスまたはネットワーク経由で Red Hat Enterprise Linux インストールを起動できます。
10.2.6.1. ネットワークインストール用の Petitboot の設定
システムの電源が入ると、Petitboot ブートローダーは、ローカルのブートデバイスとネットワークインターフェイスをスキャンして、システムで利用できる起動オプションを検出します。ネットワークサーバーから Red Hat Enterprise Linux をインストールするには、(BMC ネットワークインターフェイスではない) ネットワークインターフェイスを設定する必要があります。
次の手順に従って、ネットワーク接続を設定し、Petitboot にネットワークブートの詳細を提供します。
- システムの背面にある 2 つ目のイーサネットポートに、イーサネットケーブルを接続します。反対側をネットワークに接続します。
- Petitboot メイン画面で、c を選択して、システムオプションを設定します。
設定画面のネットワークフィールドに、ネットワーク情報を入力します。
- ネットワークタイプを選択します。
- ネットワークデバイスを選択します (インターフェイス名と mac アドレスは書き留めておいてください)。
- IP またはマスク、ゲートウェイ、および DNS サーバーを指定します (この値は次の手順で必要になるため、書き留めておいてください)。
- OK を選択してメインメニューに戻ります。
-
Petitboot のメイン画面で
n
を選択して、新しいオプションを作成します。 ブートデバイスを選択するか、Specify paths/URLs manually を選択して、起動オプションに入ります。
カーネルフィールドに、カーネルへのパスを入力します。このフィールドは必須です。ネットワークに、これと同じ URL を入力します。
http://<http_server_ip>/ppc/ppc64/vmlinuz
http://<http_server_ip>/ppc/ppc64/vmlinuz
Copy to Clipboard Copied! Initrd フィールドで、初期 RAM ディスクへのパスを入力します。ネットワークに、これと同じ URL を入力します。
http://<http_server_ip>/ppc/ppc64/initrd.img
http://<http_server_ip>/ppc/ppc64/initrd.img
Copy to Clipboard Copied! Boot パラメーターフィールドでは、オペレーティングシステムがインストールされているサーバーのリポジトリーパスと IP アドレスを設定します。以下に例を示します。
inst.repo=http://<http_server_ip>/<path> ifname=<ethernet_interface_name>:<mac_addr> ip=<os ip>::<gateway>:<2 digit mask>:<hostname>:<ethernet_interface_name>:none nameserver=<name_server>
inst.repo=http://<http_server_ip>/<path> ifname=<ethernet_interface_name>:<mac_addr> ip=<os ip>::<gateway>:<2 digit mask>:<hostname>:<ethernet_interface_name>:none nameserver=<name_server>
Copy to Clipboard Copied! 残りのフィールドには、デフォルトを使用できます。
- netboot オプションを設定したら、OK を選択して Enter を押します。
- Petitboot のメイン画面で、起動オプションに User Item 1 を選択し、Enter を押します。
10.2.6.2. アクセラレートサーバーで USB デバイスを使用したインストールに Petitboot を設定
システムの電源が入ると、Petitboot ブートローダーは、ローカルのブートデバイスとネットワークインターフェイスをスキャンして、システムで利用できる起動オプションを検出します。起動可能な USB デバイスの作成方法は、起動可能な DVD または CD の作成 を参照してください。
次のいずれかの USB デバイスを使用します。
- 1.0 アンペアより下にするため、1 つの USB ケーブルを使用した、USB 接続 DVD プレーヤー
- 8 GB の 2.0 USB フラッシュドライブ
Petitboot を設定するには、以下の手順を実行します。
前面の USB ポートに、起動可能な USB デバイスを挿入します。Petitboot には、次が表示されます。
[USB: sdb1 / 2015-10-30-11-05-03-00] Rescue a Red Hat Enterprise Linux system (64-bit kernel) Test this media & install Red Hat Enterprise Linux 8 (64-bit kernel) * Install Red Hat Enterprise Linux 8 (64-bit kernel)
[USB: sdb1 / 2015-10-30-11-05-03-00] Rescue a Red Hat Enterprise Linux system (64-bit kernel) Test this media & install Red Hat Enterprise Linux 8 (64-bit kernel) * Install Red Hat Enterprise Linux 8 (64-bit kernel)
Copy to Clipboard Copied! 注記USB デバイスが表示されない場合は、デバイスの再スキャンを選択します。デバイスが検出されない場合は、別のタイプのものを試してみてください。
- USB デバイスの UUID を記録します。たとえば、上記の例では、2015-10-30-11-05-03-00 が USB デバイスの UUID です。
- Install Red Hat Enterprise Linux 8.1 (64-bit kernel) を選択し、e (Edit) を押すと、Petitboot Option Editor 画面が開きます。
カーソルを、Boot 引数セクションに移動して、次の情報を追加します。
inst.text inst.stage2=hd:UUID=your_UUID where your_UUID is the UUID that you recorded. Petitboot Option Editor qqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqq Device: ( ) sda2 [f8437496-78b8-4b11-9847-bb2d8b9f7cbd] (*) sdb1 [2015-10-30-11-05-03-00] ( ) Specify paths/URLs manually Kernel: /ppc/ppc64/vmlinuz Initrd: /ppc/ppc64/initrd.img Device tree: Boot arguments: ro inst.text inst.stage2=hd:UUID=2015-10-30-11-05-03-00 [ OK ] [ Help ] [ Cancel ]
inst.text inst.stage2=hd:UUID=your_UUID where your_UUID is the UUID that you recorded. Petitboot Option Editor qqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqq Device: ( ) sda2 [f8437496-78b8-4b11-9847-bb2d8b9f7cbd] (*) sdb1 [2015-10-30-11-05-03-00] ( ) Specify paths/URLs manually Kernel: /ppc/ppc64/vmlinuz Initrd: /ppc/ppc64/initrd.img Device tree: Boot arguments: ro inst.text inst.stage2=hd:UUID=2015-10-30-11-05-03-00 [ OK ] [ Help ] [ Cancel ]
Copy to Clipboard Copied! - OK を選択して、オプションを保存して、メインメニューに戻ります。
- Install Red Hat Enterprise Linux 8 (64-bit kernel) が選択されていることを確認し、Enter を押してインストールを開始します。
10.2.7. IBM AC サーバーでの RHEL インストールの完了
Red Hat Enterprise Linux 8 インストーラーを起動するように選択すると、インストールプログラムが表示されます。
Red Hat Enterprise Linux のインストールプログラムに従って、ディスクオプション、ユーザー名、パスワード、タイムゾーンなどを設定します。最後に、システムを再起動します。
注記システムを再起動している間に、USB デバイスを取り外します。
- システムが再起動すると、Petitboot で Red Hat Enterprise Linux 8 の起動オプションが表示されます。このオプションを選択し、Enter キーを押します。
10.3. IBM Power System L サーバーへの RHEL インストールの準備
このセクションは、IBM L サーバーに Red Hat Enterprise Linux をインストールする方法を説明します。
10.3.1. サポート対象の IBM Power System L サーバー
RHEL は、以下の IBM Power System L サーバーにインストールできます。
- 8247-22L (IBM Power System S822L)
- 8247-21L (IBM Power System S812L)
- 8247-42L (IBM Power System S824L)
サポートされるすべてのディストリビューションは Supported Linux distributions for POWER8 and POWER9 Linux on Power systems を参照してください。
10.3.2. IBM Power System L サーバーへのインストールプロセスの概要
この情報を使用して、非仮想化システムまたはベアメタル IBM Power System L サーバーに RHEL をインストールします。
インストールワークフローには、以下の一般的な手順が含まれます。
- 前提条件を完了する
ASMI に接続する
- DHCP を使用した接続
- 静的 IP を使用した接続
- IPMI を有効にする
IPMI を使用してサーバーの電源を入れる
- Linux ノートブックからの接続
- Windows ノートブックからの接続
- Petitboot を設定して Red Hat Enterprise Linux をインストールする
10.3.3. L サーバーで前提条件を完了し、ファームウェアを起動
Red Hat Enterprise Linux をインストールする前に、以下の項目を決める必要があります。
- イーサネットケーブル
- VGA モニター。VGA の解像度は 1024x768-60Hz に設定する必要があります。
- USB キーボード
- システムの電源コードおよびコンセント
システムの電源を入れる前に、次の手順を行います。
- システムがラックにある場合は、システムをそのラックにインストールします。詳細は IBM Power Systems の情報 (https://www.ibm.com/support/knowledgecenter/) を参照してください。
- 電源からの出荷用ブラケットを取り外します。電源がシステムに完全に固定されていることを確認します。
- サーバーのコントロールパネルにアクセスします。
- システムに電源コードを接続し、コンセントに差し込みます。
この時点で、ファームウェアが起動しています。コントロールパネルの電源の緑色の LED が点滅 (使用する準備ができていることを示す) し、ディスプレイにプロンプト 01 N OPAL T が表示されるのを待ちます。
10.3.4. 高度なシステム管理インターフェイスへの接続
DHCP または静的 IP アドレスを使用して、Advanced System Management Interface (ASMI) に接続できます。
10.3.4.1. DHCP を使用した ASMI への接続
ASMI (Advanced System Management Interface) に接続するには、ネットワーク接続を設定する必要があります。DHCP または静的 IP を設定できます。
DHCP を使用している場合は、このタイプの接続を使用します。この手順に従って、サービスプロセッサーの IP アドレスを見つけ、ASMI Web インターフェイスに接続します。サーバーが使用している IP アドレスが分かっている場合は、手順 1 を完了してから、手順 5 の有効化に進みます。
- Power システムの背面にある HMC1 ポートまたは HMC2 ポートにつないたイーサネットケーブルを、DHCP ネットワークに接続します。
- サーバーのコントロールパネルにアクセスします。
-
上矢印
(↑)
または下矢印(↓)
ボタンを使用して function 02 にし、Enter を押します。 -
Enter を押して、カーソルを N に移動します。
02 A N< T
のように表示されます。 -
上矢印
(↑)
ボタンまたは下矢印(↓)
ボタンを使用して N を M に変更し、手動モードを開始します。02 A M< T
のように表示されます。 - Enter を 2 回押して、モードメニューを終了します。
- 増減ボタンを使用して、30 にします。
-
Enter を押して、サブ機能に入ります。
30**
のように表示されます。 -
上矢印
(↑)
ボタンまたは下矢印(↓)
ボタンを使用して、ネットワークデバイスを選択します。3000 の場合は、ETH0 (HMC1) に割り当てられている IP アドレスを表示します。3001 の場合は、ETH1 (HMC2) に割り当てられている IP アドレスを表示します。 - Enter を押して、選択した IP アドレスを表示します。この IP アドレスを書き留めておいてください。
-
上矢印
(↑)
または下矢印(↓)
ボタンを使用して、サブ機能の終了を選択します (30**)。 - Enter を押してサブ機能モードを終了します。
-
上矢印
(↑)
または下矢印(↓)
ボタンを使用して 02 にし、Enter を押します。 -
モードを N に変更します。
02 A N< T
のように表示されます。
10.3.4.2. 静的 IP アドレスで ASMI への接続
静的 IP アドレスを使用している場合は、このタイプの接続を使用してください。この接続は、ASMI へのコンソールインターフェイスを設定します。
- PC やノートブックから、マネージドシステムの背面に HMC1 というラベルが付いたイーサネットポートに、イーサネットケーブルを接続します。
- 使用している電源システムのデフォルト値に一致するように、PC またはノートブックに IP アドレスを設定します。PC またはノートブックの IP アドレスは以下のようになります。
169.254.2.140 Subnet mask: 255.255.255.0 The default IP address of HMC1: 169.254.2.147
169.254.2.140 Subnet mask: 255.255.255.0
The default IP address of HMC1: 169.254.2.147
HMC1 のデフォルト値はすでに設定されており、変更する必要はありません。IP アドレスを確認する場合は、DHCP を使用した ASMI への接続の手順に従って、コントロールパネルで IP アドレスを確認します。
PC またはノートブックで Linux を実行している場合は、次の手順を実行して IP アドレスを設定します。
- root でログインします。
- 端末セッションを開始します。
- ifconfig -a コマンドを実行します。あとでネットワーク接続をリセットできるように、この値を記録しておきます。
-
ifconfig ethx 169.254.2.140 netmask 255.255.255.0
と入力します。ethx を、eth0 または eth1 に置き換えます (使用している PC またはノートブックにより異なります)。
PC またはノートブックで Windows 7 を実行している場合は、次の手順を実行して IP アドレスを設定します。
- Start > Control Panel を クリック します。
- Network and Sharing Center を 選択 します。
- 接続に表示するネットワークを クリック します。
- プロパティーを クリック します。
- セキュリティーダイアログボックスが表示されたら、続行を クリック します。
- Internet Protocol Version 4 を 選択 します。
- プロパティーを クリック します。
- Use the following IP address を 選択 します。
-
IP アドレスに
169.254.2.140
を、そしてサブネットマスクに255.255.255.0
を 使用 します。 - OK > Close > Close を クリック します。
HMC1 が占有されている場合は、HMC2 を使用します。PC またはノートブックで、IP アドレス 169.254.3.140 とサブネットマスク 255.255.255.0 を使用します。HMC2 のデフォルトの IP アドレスは 169.254.3.147 です。
10.3.5. IPMI を有効にする
本項では、IPMI の有効化について説明します。
手順
- ファームウェアに最初に接続するときに、管理者 ID admin と、パスワード admin を入力します。ログインすると、パスワードの変更が求められます。このパスワードを記録しておいてください。
- メインメニューから、System Configuration → Firmware Configuration を選択します。OPAL が、Hypervisor Mode として選択されています。
以下の手順に従って、IPMI セッションにパスワードを設定します。
- メインメニューで、Login Profile → Change Passwords の順に選択します。
- ユーザー ID のリストから IPMI を選択します。
- (手順 2 で指定した) 管理者の現在のパスワードを入力し、IPMI のパスワードを入力して確認します。
- 続行をクリックします。
電源システムが DHCP を使用していない場合は、ネットワークアクセスを設定する必要があります。メインメニューから、Network Services > Network Configuration を選択します。ネットワークアクセスを設定するには、以下の手順を行います。
- ネットワーク設定画面で、IPv4 を選択して続行します。
- このインターフェイスを設定しますか ? を選択します。
- IPv4 が有効になっていることを確認します。
- IP アドレスの種類で、静的を選択します。
- ホストシステムの名前を入力します。
- システムの IP アドレスを入力します。
- サブネットマスクを入力します。
- ページ下部で、DNS サーバーのデフォルトゲートウェイ、ドメイン名、および IP アドレスを入力します。
- ネットワーク設定に値を設定したら、続行をクリックします。
- 設定の保存をクリックします。
- PC やノートブックに接続している場合は、PC またはノートブックからイーサネットケーブルを削除して、ネットワークスイッチに接続できます。コンソール接続を続行するには、デフォルトの IP アドレスを、サービスプロセッサーに割り当てた IP アドレスに変更します。
10.3.6. IPMI を使用して、L サーバーの電源をオン
IPMI (Intelligent Platform Management Interface) は、電源システムを設定する際に使用するデフォルトコンソールです。Linux ノートブックまたは PC を使用している場合は、ipmitool
ユーティリティーを使用します。Windows ノートブックまたは PC を使用している場合は、ipmiutil
ユーティリティーを使用します。
システムの電源を入れると、次の操作が確認できます。
- システムが起動している間、コントロールパネルのディスプレイにシステムの参照コードが表示されます。
- システム冷却ファンが約 30 秒後に起動し、動作速度まで加速します。
- コントロールパネルの電源 LED が点滅を停止し、オンのままになります。これは、システムの電源がオンであることを示しています。
システムの電源を入れると、Petitboot インターフェイスが読み込まれます。10 秒以内にキーを押して起動プロセスを中断しないと、Petitboot が最初のオプションを自動的に起動します。
10.3.6.1. Linux を実行しているノートブックまたは PC からシステムの電源を入れる
Linux を実行しているノートブックまたは PC からサーバーの電源を入れる場合は、次の手順を行います。
- 端末プログラムを開きます。
サーバーの電源を入れるには、次のコマンドを実行します。
ipmitool -I lanplus -H fsp_ip_address -P _ipmi_password_ power on
ipmitool -I lanplus -H fsp_ip_address -P _ipmi_password_ power on
Copy to Clipboard Copied! ipaddress は、Power システムの IP アドレスで、ipmi_password は、IPMI に設定しているパスワードです。
このコマンドを実行して IPMI コンソールをすぐにアクティベートします。
ipmitool -I lanplus -H fsp_ip_address -P ipmi_password sol activate
ipmitool -I lanplus -H fsp_ip_address -P ipmi_password sol activate
Copy to Clipboard Copied! ヒントキーボードの上矢印を使用して、前に実行した
ipmitool
コマンドを表示します。前に実行したコマンドを編集すれば、コマンド全体を再入力しなくてすみます。
システムを再起動する必要がある場合は、次の手順を行います。
このコマンドを実行して、コンソールを非アクティブにします。
ipmitool -I lanplus -H fsp_ip_address -P ipmi_password sol deactivate
ipmitool -I lanplus -H fsp_ip_address -P ipmi_password sol deactivate
Copy to Clipboard Copied! このコマンドを実行して、システムの電源を切ります。
ipmitool -I lanplus -H fsp_ip_address -P ipmi_password power off
ipmitool -I lanplus -H fsp_ip_address -P ipmi_password power off
Copy to Clipboard Copied! このコマンドを実行して、システムの電源を入れます。
ipmitool -I lanplus -H fsp_ip_address -P ipmi_password power on
ipmitool -I lanplus -H fsp_ip_address -P ipmi_password power on
Copy to Clipboard Copied!
DVD ドライブに DVD を挿入したり、ネットワーク内のインストーラーイメージを確認していない場合は、ここで行います。
10.3.6.2. Windows を実行しているノートブックまたは PC からシステムの電源を入れる
Windows を実行しているノートブックまたは PC からサーバーの電源を入れる場合は、次の手順を行います。
-
コマンドプロンプトを開き、ディレクトリーを
C:\Program Files\sourceforge\ipmiutil
に変更します。 サーバーの電源を入れるには、次のコマンドを実行します。
ipmiutil power -u -N ipaddress -P ipmi_password
ipmiutil power -u -N ipaddress -P ipmi_password
Copy to Clipboard Copied! ipaddress は、Power システムの IP アドレスで、ipmi_password は、IPMI に設定しているパスワードです。
このコマンドを実行して IPMI コンソールをすぐにアクティベートします。
ipmiutil sol -a -r -N ipaddress -P ipmi_password
ipmiutil sol -a -r -N ipaddress -P ipmi_password
Copy to Clipboard Copied!
キーボードの上矢印を使用して、前に実行した ipmiutil
コマンドを表示します。前に実行したコマンドを編集すれば、コマンド全体を再入力しなくてすみます。
システムを再起動する必要がある場合は、次の手順に従います。このコマンドを実行して、コンソールを非アクティブにします。
ipmiutil sol -d -N ipaddress -P ipmi_password
ipmiutil sol -d -N ipaddress -P ipmi_password
- このコマンドを実行して、システムの電源を切ります。
ipmiutil power -d -N ipaddress -P ipmi_password
ipmiutil power -d -N ipaddress -P ipmi_password
- このコマンドを実行して、システムの電源を入れます。
ipmiutil power -u -N ipaddress -P ipmi_password
ipmiutil power -u -N ipaddress -P ipmi_password
DVD ドライブに DVD を挿入したり、ネットワーク内のインストーラーイメージを確認していない場合は、ここで行います。
10.3.7. Petitboot を設定し、Red Hat Enterprise Linux をインストールする
システムの電源が入ると、Petitboot ブートローダーは、ローカルのブートデバイスとネットワークインターフェイスをスキャンして、システムで利用できる起動オプションを検出します。ネットワーク接続、またはディスクドライブにインストール DVD がない場合は、起動オプションが検出されません。
以下の例で示すように、Power Systems サーバーの場合には、Petitboot はデバイスに関連付けられている起動オプションがなくてもブートメニューが特定した暗号化デバイスのリストを表示します。起動デバイスの選択時に、暗号化デバイスは無視できます。この例では、disk、system、device は、特定のディスク、システム、およびデバイス情報を示しています。
Petitboot (v1.11) [Disk: sda2 / disk ] Red Hat Enterprise Linux (system) 8.x *[Encrypted Device: rhel device / device System information System configuration System status log Language Rescan devices Retrieve config from URL Plugins (0) Exit to shell
Petitboot (v1.11)
[Disk: sda2 / disk ]
Red Hat Enterprise Linux (system) 8.x
*[Encrypted Device: rhel device / device
System information
System configuration
System status log
Language
Rescan devices
Retrieve config from URL
Plugins (0)
Exit to shell
手順
- Petitboot メイン画面で、DVD ドライブから Red Hat Enterprise Linux 8 を起動しているのを確認します。
- Red Hat Enterprise Linux インストーラーの起動オプションを選択して、Enter を押します。
- インストールプロセスが開始します。
Petitboot ウィンドウが表示されてから 10 秒以内にキーを押して起動プロセスを中断しないと、Petitboot が最初のオプションを自動的に起動します。
第11章 64 ビット IBM Z での RHEL インストールの準備
次のセクションは、64 ビットの IBM Z アーキテクシャーに Red Hat Enterprise Linux をインストールする方法を説明します。
11.1. 64 ビット IBM Z へのインストールの計画
Red Hat Enterprise Linux 8 は、z13 以降の IBM メインフレームシステムで実行します。
IBM Z へのインストールプロセスでは、ユーザーが 64 ビットの IBM Z の操作に慣れていること、また 論理パーティション (LPAR) および z/VM ゲスト仮想マシンをセットアップできることを前提としています。
Red Hat Enterprise Linux を 64 ビット IBM Z にインストールする場合、Red Hat は Direct Access Storage Device (DASD)、Fibre Channel Protocol (FCP) ストレージデバイス、virtio-blk
および virtio-scsi
デバイスをサポートしています。FCP デバイスを使用する場合、Red Hat は信頼性を高めるためにマルチパス設定で使用することを推奨します。
DASD は、デバイスごとに最大 3 つのパーティションを許可するディスクです。たとえば、dasda
には、dasda1
、dasda2
、および dasda3
のパーティションを設定できます。
インストール前に決めること
- オペレーティングシステムを LPAR、KVM 上で稼働するか、z/VM ゲストのオペレーティングシステムとして稼働するか。
ネットワーク設定。64 ビットの IBM Z 向けの Red Hat Enterprise Linux 8 は、以下のネットワークデバイスに対応しています。
- 物理および仮想の OSA (オープンシステムアダプター)
- 物理および仮想の HiperSockets
- 物理 OSA 対応の LCS (LAN チャネルステーション)
-
virtio-net
デバイス - コンバージドイーサネット上 RDMA (RoCE)
-
z/VM 仮想マシンのマシンタイプとして
ESA
を必ず選択してください。他のマシンタイプを選択すると、RHEL がインストールされなくなる可能性があります。IBM のドキュメント を参照してください。
SWAPGEN ユーティリティーを使用して FBA (Fixed Block Architecture) DASD 上のスワップ領域を初期化する場合は、FBAPART
オプションを使用する必要があります。
11.2. IBM Z サーバーのブートメディアの互換性
次の表は、64 ビット IBM Z サーバーに Red Hat Enterprise Linux (RHEL) をインストールする場合にサポートされるブートメディアオプションの詳細情報を示しています。各ブートメディアとさまざまなシステムタイプとの互換性の概要と、zipl
ブートローダーを使用するかどうかを示しています。この情報は、特定の環境に最も適したブートメディアを決定するのに役立ちます。
システムタイプ/ブートメディア | zipl ブートローダーを使用 | z/VM | KVM | LPAR |
---|---|---|---|---|
z/VM Reader | いいえ | はい | 該当なし | 該当なし |
SE または HMC (リモート SFTP、FTPS、FTP サーバー、DVD) | いいえ | 該当なし | 該当なし | はい |
DASD | はい | はい | はい | はい |
FCP SCSI LUN | はい | はい | はい | はい |
FCP SCSI DVD | はい | はい | はい | はい |
該当なしは、そのシステムタイプにブートメディアが適用されないことを示しています。
11.3. IBM Z サーバーでサポートされる環境とコンポーネント
以下の表は、64 ビット IBM Z サーバーに Red Hat Enterprise Linux (RHEL) をインストールするときに、さまざまなシステムタイプでサポートされる環境、ネットワークデバイス、マシンタイプ、およびストレージタイプに関する情報を示しています。これらの表を使用して、さまざまなコンポーネントとお客様固有のシステム構成との互換性を確認してください。
ネットワークデバイス | z/VM | KVM | LPAR |
---|---|---|---|
Open Systems Adapter (OSA) | はい | 該当なし | はい |
HiperSockets | はい | 該当なし | はい |
LAN チャネルステーション (LCS) | はい | 該当なし | はい |
virtio-net | 該当なし | はい | 該当なし |
コンバージドイーサネット上 RDMA (RoCE) | はい | はい | はい |
該当なしは、そのコンポーネントにブートメディアが適用されないことを示しています。
マシンタイプ | z/VM | KVM | LPAR |
---|---|---|---|
ESA | はい | 該当なし | 該当なし |
s390-virtio-ccw | 該当なし | はい | 該当なし |
該当なしは、そのコンポーネントにブートメディアが適用されないことを示しています。
ストレージタイプ | z/VM | KVM | LPAR |
---|---|---|---|
DASD | はい | はい | はい |
FCP SCSI | はい | はい[a] | はい |
virtio-blk | 該当なし | はい | 該当なし |
[a]
構成に基づき条件付きでサポート
|
該当なしは、そのコンポーネントにブートメディアが適用されないことを示しています。
11.4. 64 ビット IBM Z サーバーへのインストールプロセスの概要
Red Hat Enterprise Linux の 64 ビットの IBM Z へのインストールは、対話形式または無人モードで行うことが可能です。64 ビットの IBM Z へのインストールは通常、ローカルメディアからではなく、ネットワーク経由で行われるという点で他のアーキテクチャーと異なります。インストールは次の 3 つのフェーズで構成されます。
インストールの起動
- メインフレームへの接続します。
- ブートパラメーターのカスタマイズ
- インストールプログラムを含むメディアから IPL (initial program load)、つまり起動を実行します。
インストールシステムへの接続
- ローカルマシンから SSH でリモートの 64 ビットの IBM Z システムに接続し、Virtual Network Computing (VNC) を使用してインストールプログラムを起動します。
- RHEL インストールプログラムを使用したインストールの完了
11.5. 64 ビット IBM Z サーバーに RHEL をインストールするためのブートメディア
メインフレームとの接続を確立したら、インストールプログラムを含むメディアから IPL (initial program load)、つまり起動を実行する必要があります。このドキュメントでは、64 ビットの IBM Z に Red Hat Enterprise Linux をインストールする最も一般的な方法を説明します。通常、どの方法も、ユーザー定義のパラメーターで補われる generic.prm
ファイルのパラメーターと、カーネル (kernel.img
) および初期 RAM ディスク (initrd.img
) で構成される Linux インストールシステムを起動するために使用できます。また、initrd、カーネル、generic.prm
のファイル名およびメモリーアドレスを判断するために、generic.ins
ファイルがロードされます。
このドキュメントでは、Linux インストールシステムを インストールプログラム とも呼びます。
以下の起動メディアは、Linux を z/VM 環境でゲストのオペレーティングシステムとして実行する場合にのみ使用できます。
- z/VM リーダー
以下の起動メディアは、Linux を LPAR モードで実行する場合にのみ使用できます。
- リモートの SFTP、FTPS、または FTP サーバー経由の SE または HMC
- SE または HMC DVD
以下の起動用メディアは、z/VM と LPAR の両方に使用できます。
- DASD
- FCP チャネルを介して接続している SCSI デスクデバイス
- FCP 接続の SCSI DVD
DASD または FCP 接続の SCSI ディスクデバイスをブートメディアとして使用する場合は、zipl
ブートローダーを設定する必要があります。
11.6. ブートパラメーターのカスタマイズ
インストールを開始する前に、必須の起動パラメーターをいくつか設定する必要があります。z/VM でインストールする場合は、generic.prm
ファイルで起動する前にこれらのパラメーターを設定する必要があります。LPAR にインストールする場合は、rd.cmdline
パラメーターはデフォルトで ask
するよう設定されています。つまり、これらのブートパラメーターを入力することができるプロンプトが表示されます。いずれの場合も、必須パラメーターは同じです。
すべてのネットワーク設定は、パラメーターファイルを使用するか、プロンプトで指定できます。
- インストールソース
- インストールソースは常に設定される必要があります。
inst.repo=
オプションを指定して、インストール用のパッケージソースを指定します。
- ネットワークデバイス
インストール中にネットワークアクセスが必要となる場合は、ネットワークを設定する必要があります。ディスクなどのローカルメディアのみを使用して無人 (キックスタートベース) インストールを行う場合は、ネットワーク設定を省略できます。
ip=
-
基本的なネットワーク設定には
ip=
オプションを使用し、RoCE 設定に必要なその他のオプションを使用します。
rd.znet=
また、
rd.znet=
カーネルオプションも使用します。このオプションは、ネットワークプロトコルのタイプ、サブチャネルのコンマ区切りリスト、および必要に応じて qeth デバイス用のコンマ区切りのsysfs
パラメーターと値のペアを受け取ります。複数のネットワークデバイスをアクティベートするには、このパラメーターを複数回にわたり指定することができます。以下に例を示します。
rd.znet=qeth,0.0.0600,0.0.0601,0.0.0602,layer2=1,portno=<number>
rd.znet=qeth,0.0.0600,0.0.0601,0.0.0602,layer2=1,portno=<number>
Copy to Clipboard Copied! 複数の
rd.znet
ブートオプションを指定すると、最後のオプションだけがインストールされているシステムのカーネルコマンドラインに渡されます。インストール中に設定されたすべてのネットワークデバイスは、起動時に適切にアクティブ化および設定されるため、これはシステムのネットワークには影響しません。qeth デバイスドライバーは、イーサネットデバイスと Hipersockets デバイスに同じインターフェイス名 (
enc<device number>
) を割り当てます。バス ID は、ドットで区切られたチャネルサブシステム ID、サブチャネルセット ID、およびデバイス番号で構成されます。デバイス番号は、先頭のゼロとドットを除いたバス ID の最後の部分です。たとえば、インターフェイス名は、バス ID が0.0.0a00
のデバイスに対してenca00
になります。
net.naming-scheme=
udev
サービスは、ネットワークデバイスの名前を変更して、一貫した名前を割り当てます。net.naming-scheme=
パラメーターを使用すると、命名スキームに影響を与えることができます。詳細は、一貫したネットワークインターフェイス名の実装を 参照してください。注記Remote Direct Memory Access (RDMA) over Converged Ethernet (RoCE) デバイスを使用する場合、Red Hat Enterprise Linux (RHEL) が予測可能な名前を割り当てるか予測不可能な名前を割り当てるかは、複数の要因によって決まります。ただし、インストール中、RHEL は関数識別子 (FID) によって列挙される RoCE デバイスに常に予測できない名前を割り当てますが、インストール後に RHEL を設定して、これらの RoCE デバイスに予測可能な名前を割り当てることができます。
RoCE デバイスの命名に影響する要因と、FID によって列挙された RoCE デバイスのインストール後に一貫した名前を設定する方法の詳細は、IBM Z プラットフォームでの予測可能な RoCE デバイス名の決定 を参照してください。
- ストレージデバイス
テキストモードインストールには、少なくとも 1 つのストレージデバイスが常に設定される必要があります
rd.dasd=
オプションは、DASD (Direct Access Storage Device) アダプターデバイスバス識別子を取ります。複数の DASD の場合は、パラメーターを複数回指定するか、バス ID のコンマ区切りリストを使用します。DASD の範囲を指定するには、最初と最後のバス ID を指定します。以下に例を示します。
rd.dasd=0.0.0200 rd.dasd=0.0.0202(ro),0.0.0203(ro:failfast),0.0.0205-0.0.0207
rd.dasd=0.0.0200 rd.dasd=0.0.0202(ro),0.0.0203(ro:failfast),0.0.0205-0.0.0207
Copy to Clipboard Copied! rd.zfcp=
オプションは、zFCP (SCSI over FCP) アダプターデバイスバス識別子、WWPN (world wide port name) 、FCP LUN を受け取ってデバイスを作動させます。複数の zFCP デバイスをアクティベートするには、このパラメーターを複数回にわたり指定することができます。例: 8 版以降、ターゲットワールドワイドポート名 (WWPN) と FCP LUN は、
zFCP
デバイスが NPIV モードで設定されていない場合や、zfcp.allow_lun_scan=0
カーネルモジュールパラメーターによりauto LUN
スキャンが無効になっている場合のみ提供する必要があります。これは、指定されたバス ID を持つ FCP デバイスに接続されたストレージエリアネットワークで見つかったすべての SCSI デバイスへのアクセスを提供します。同じディスクへの複数のパスをアクティブにするには、このパラメーターを少なくとも 2 回指定する必要があります。rd.zfcp=0.0.4000,0x5005076300C213e9,0x5022000000000000 rd.zfcp=0.0.4000
rd.zfcp=0.0.4000,0x5005076300C213e9,0x5022000000000000 rd.zfcp=0.0.4000
Copy to Clipboard Copied! - Kickstart のオプション
-
Kickstart ファイルを使用して自動インストールを行う場合は、
inst.ks=
オプションで Kickstart ファイルの場所を常に指定している必要があります。無人の完全自動 Kickstart インストールの場合は、inst.cmdline
オプションを指定すると便利です。
必須パラメーターすべてを含むカスタマイズした generic.prm
ファイルの例を以下に示します。
例11.1 カスタマイズ generic.prm ファイル
ro ramdisk_size=40000 cio_ignore=all,!condev inst.repo=http://example.com/path/to/repository rd.znet=qeth,0.0.0600,0.0.0601,0.0.0602,layer2=1,portno=0,portname=foo ip=192.168.17.115::192.168.17.254:24:foobar.systemz.example.com:enc600:none nameserver=192.168.17.1 rd.dasd=0.0.0200 rd.dasd=0.0.0202 rd.zfcp=0.0.4000,0x5005076300c213e9,0x5022000000000000 rd.zfcp=0.0.5000,0x5005076300dab3e9,0x5022000000000000 inst.ks=http://example.com/path/to/kickstart
ro ramdisk_size=40000 cio_ignore=all,!condev
inst.repo=http://example.com/path/to/repository
rd.znet=qeth,0.0.0600,0.0.0601,0.0.0602,layer2=1,portno=0,portname=foo
ip=192.168.17.115::192.168.17.254:24:foobar.systemz.example.com:enc600:none
nameserver=192.168.17.1
rd.dasd=0.0.0200 rd.dasd=0.0.0202
rd.zfcp=0.0.4000,0x5005076300c213e9,0x5022000000000000
rd.zfcp=0.0.5000,0x5005076300dab3e9,0x5022000000000000
inst.ks=http://example.com/path/to/kickstart
インストール方法によっては、DVD または FTP サーバーのファイルシステムのインストールデータの場所のマッピングがあり、データがコピーされるメモリーの場所を持つファイルが必要です。
このファイルは、通常 generic.ins
と名前が付けられ、初期 RAM ディスク、カーネルイメージ、パラメーターファイル (generic.prm
) のファイル名と各ファイルのメモリーの場所が格納されています。generic.ins
の例は、以下のサンプルのようになります。
例11.2 generic.ins サンプルファイル
images/kernel.img 0x00000000 images/initrd.img 0x02000000 images/genericdvd.prm 0x00010480 images/initrd.addrsize 0x00010408
images/kernel.img 0x00000000
images/initrd.img 0x02000000
images/genericdvd.prm 0x00010480
images/initrd.addrsize 0x00010408
有効な generic.ins
ファイルは、インストーラーの起動に必要なその他すべてのファイルとともに Red Hat から提供されます。このファイルは、たとえば、デフォルト以外のカーネルバージョンをデフォルトからロードする場合にのみ変更します。
11.7. 64 ビット IBM Z のパラメーターおよび設定ファイル
このセクションでは、64 ビットの IBM Z のパラメーターおよび設定ファイルを説明します。
11.7.1. 64 ビット IBM Z で必要な設定ファイルパラメーター
いくつかのパラメーターは必須のパラメーターなので、必ずパラメーターファイルに追加してください。このパラメーターはインストール DVD の images/
ディレクトリー内にある generic.prm
ファイルでも提供されています。
ro
RAM ディスクであり、読み取り専用である root ファイルシステムをマウントします。
ramdisk_size=size
RAM ディスク用に予約されているメモリーサイズを、Red Hat Enterprise Linux インストールプログラムを格納できるサイズに修正します。たとえば、
ramdisk_size=40000
のようになります。
generic.prm
ファイルには、追加のパラメーター cio_ignore=all,!condev
も含まれています。この設定は、デバイスが多いシステムで、起動とデバイス検出を高速化します。インストールプログラムは、無視するデバイスのアクティベーションを透過的に処理します。
11.7.2. 64 ビット IBM z/VM 設定ファイル
z/VM では、CMS でフォーマットしたディスクの設定ファイルを使用できます。CMS 設定ファイルの目的は、パラメーターファイル内の領域を節約することにあります。これは、初期ネットワークや、DASD および FCP 仕様を設定するパラメーターを、パラメーターファイルから移動することにより実行します。
CMS 設定ファイルでは、1 つの変数が 1 行で表されます。variable=value
のようなシェルスタイルの構文で値が設定されます。
パラメーターファイルには、CMSDASD
パラメーターおよび CMSCONFFILE
のパラメーターも追加する必要があります。このパラメーターは、設定ファイルの場所をインストールプログラムに指定します。
CMSDASD=cmsdasd_address
cmsdasd_address は、設定ファイルを格納している CMS フォーマット済みディスクのデバイス番号です。一般的には、CMS ユーザーの
A
ディスクになります。たとえば、
CMSDASD=191
となります。CMSCONFFILE=configuration_file
configuration_file は、設定ファイル名になります。この値は小文字で指定してください。
CMS_file_name.CMS_file_type
などの Linux ファイル名の形式で指定します。CMS ファイルの
REDHAT CONF
はredhat.conf
として指定されます。CMS のファイル名およびファイルタイプは、それぞれ CMS 規則に従い 1 文字から 8 文字の長さにします。たとえば、
CMSCONFFILE=redhat.conf
となります。
11.7.3. 64 ビット IBM Z でのインストールネットワーク、DASD および FCP パラメーター
このようなパラメーターは、準備段階のネットワークを自動的に設定するために使用され、CMS 設定ファイル内で定義できます。このパラメーターは、CMS 設定ファイルでも使用できるパラメーターのみに限定されます。その他のセクションで扱われるその他のパラメーターはすべて、パラメーターファイル内で指定する必要があります。
NETTYPE="type"
type は、
qeth
、lcs
、ctc
のいずれかにしてください。デフォルトはqeth
です。以下を使用する場合は
qeth
を選択します。- OSA-Express 機能
- HiperSockets
VSWITCH およびゲスト LAN を含む z/VM 上の仮想接続
以下を使用する場合は
ctc
を選択します。- チャネル間ネットワーク接続
SUBCHANNELS="device_bus_IDs"
device_bus_IDs は、コンマで区切られた 2 つまたは 3 つのデバイスバス ID になります。ID は小文字で指定する必要があります。
各ネットワークインターフェイスに、それぞれ必要なデバイスバス ID を入力します。
qeth: SUBCHANNELS="read_device_bus_id,write_device_bus_id,data_device_bus_id" lcs or ctc: SUBCHANNELS="read_device_bus_id,write_device_bus_id"
qeth: SUBCHANNELS="read_device_bus_id,write_device_bus_id,data_device_bus_id" lcs or ctc: SUBCHANNELS="read_device_bus_id,write_device_bus_id"
Copy to Clipboard Copied! 以下に例を示します (qeth SUBCHANNEL ステートメントの場合)。
SUBCHANNELS="0.0.f5f0,0.0.f5f1,0.0.f5f2"
SUBCHANNELS="0.0.f5f0,0.0.f5f1,0.0.f5f2"
Copy to Clipboard Copied! PORTNO="portnumber"
-
PORTNO="0"
(ポート 0 を使用) またはPORTNO="1"
(各 CHPID にポートが 2 つある OSA 機能のポート 1 を使用) のどちらかを追加できます。 LAYER2="value"
value は、
0
または1
です。レイヤー 3 モード (
NETTYPE="qeth"
) で OSA または HiperSocket を動作させる場合は、LAYER2="0"
を使用します。レイヤー 2 モードの場合は、LAYER2="1"
を使用します。z/VM 環境の仮想ネットワークデバイスの場合、この設定はデバイスを接続する GuestLAN または VSWITCH の定義と同じにしてください。DHCP などのレイヤー 2 (Data Link Layer またはその MAC サブレイヤー) で動作するネットワークサービスを使用する場合は、レイヤー 2 モードを選択することが推奨されます。
OSA デバイス用の qeth デバイスドライバーのデフォルトがレイヤー 2 モードになります。以前のデフォルトであるレイヤー 3 モードを引き続き使用する場合は、
LAYER2="0"
を明示的に設定します。VSWITCH="value"
value は、
0
または1
です。z/VM VSWITCH または GuestLAN に接続する場合は
VSWITCH="1"
を指定します。実際の OSA または実際の HiperSocket を直接接続して使用する場合はVSWITCH="0"
を指定します (または何も指定しません)。MACADDR="MAC_address"
LAYER2="1"
とVSWITCH="0"
を指定している場合は、このパラメーターを使用して MAC アドレスを指定することもできます。Linux では、小文字と 16 進数の組み合わせをコロンで区切った、6 つのオクテット形式が必要です (MACADDR=62:a3:18:e7:bc:5f
など)。これは、z/VM で使用される表記とは異なります。LAYER2="1"
とVSWITCH="1"
を指定する場合は、MACADDR
を指定しないでください。レイヤー 2 モードの場合は、z/VM により固有の MAC アドレスが仮想ネットワークデバイスに割り当てられます。CTCPROT="value"
value は、
0
、1
、または3
です。NETTYPE="ctc"
の CTC プロトコルを指定します。デフォルトは0
です。HOSTNAME="string"
- string は、新たにインストールした Linux インスタンスのホスト名です。
IPADDR="IP"
- IP は、新しい Linux インスタンスの IP アドレスです。
NETMASK="netmask"
netmask はネットマスクです。
IPv4 の CIDR (クラスレス相互ドメインルーティング) で規定されているように、ネットマスクでは接頭辞の整数 (1 から 32) の構文に対応しています。たとえば、
255.255.255.0
の代わりに24
を指定したり、255.255.240.0
の代わりに20
を指定できます。GATEWAY="gw"
- gw は、このネットワークデバイスのゲートウェイ IP アドレスです。
MTU="mtu"
- mtu は、このネットワークデバイスの Maximum Transmission Unit (MTU) です。
DNS="server1:server2:additional_server_terms:serverN"
"server1:server2:additional_server_terms:serverN" は、コロンで区切った DNS サーバーのリストです。以下に例を示します。
DNS="10.1.2.3:10.3.2.1"
DNS="10.1.2.3:10.3.2.1"
Copy to Clipboard Copied! SEARCHDNS="domain1:domain2:additional_dns_terms:domainN"
"domain1:domain2:additional_dns_terms:domainN" は、コロンで区切った検索ドメインのリストです。以下に例を示します。
SEARCHDNS="subdomain.domain:domain"
SEARCHDNS="subdomain.domain:domain"
Copy to Clipboard Copied! SEARCHDNS=
の指定が必要となるのは、DNS=
パラメーターを使用する場合のみです。DASD=
DASD または DASD の範囲を定義して、インストールを設定します。
インストールプログラムは、オプション属性である
ro
、diag
、erplog
、およびfailfast
を持つ、コンマ区切りのデバイスバス ID のリスト、またはデバイスバス ID の範囲のリストをサポートします。必要に応じて、デバイス番号で先行するゼロを除くことでデバイスバス ID を短縮できます。いずれのオプション属性も、コロンで区切り、括弧で囲む必要があります。オプションの属性は、デバイスバス ID、またはデバイスバス ID の範囲の後に続きます。サポートされている唯一のグローバルオプションは
autodetect
です。ここでは、存在しない DASD の仕様をサポートして、後で追加する DASD 用にカーネルデバイス名を確保するということは行いません。永続性のある DASD デバイス名 (例:/dev/disk/by-path/name
) を使用して、後で透過的なディスクを追加できるようにします。probeonly
、nopav
、nofcx
などの他のグローバルオプションは、インストールプログラムではサポートしていません。システムにインストールする必要がある DASD だけを指定します。ここで指定した未フォーマットの DASD はすべて、インストールプログラムで後で確認してからフォーマットする必要があります。
インストール後に、root ファイルシステム、または
/boot
パーティションに必要ではないデータの DASD を追加します。以下に例を示します。
DASD="eb1c,0.0.a000-0.0.a003,eb10-eb14(diag),0.0.ab1c(ro:diag)"
DASD="eb1c,0.0.a000-0.0.a003,eb10-eb14(diag),0.0.ab1c(ro:diag)"
Copy to Clipboard Copied! FCP_n="device_bus_ID [WWPN FCP_LUN]"
FCP のみの環境では、DASD が存在しないことを示すために、CMS 設定ファイルから
DASD=
オプションを削除します。FCP_n="device_bus_ID [WWPN FCP_LUN]"
FCP_n="device_bus_ID [WWPN FCP_LUN]"
Copy to Clipboard Copied! 詳細は以下のようになります。
-
通常、n は整数値になりますが (
FCP_1
、FCP_2
など)、アルファベット、数字、下線などを使用した文字列でも構いません。 -
device_bus_ID は、HBA (ホストバスアダプター) (例: デバイス fc00 の場合は
0.0.fc00
) を表す FCP デバイスのデバイスバス ID を指定します。 -
WWPN は、ルーティングに使用される世界共通のポート名です (マルチパスと併用されることが多い)。16 桁の 16 進数の値 (
0x50050763050b073d
など) になります。 -
FCP_LUN は、ストレージの論理ユニット識別子を指し、16 桁の 16 進数の右側にゼロを加えた値 (
0x4020400100000000
など) で指定します。
-
通常、n は整数値になりますが (
zfcp.allow_lun_scan=0
カーネルモジュールパラメーターにより auto LUN スキャンが無効になっているか、RHEL-8.6 以前のリリースをインストールする場合、zFCP
デバイスが NPIV モードで設定されていないときは、ターゲットのワールドワイドポート名 (WWPN) および FCP_LUN を指定する必要があります。それ以外の場合は、device_bus_ID
値のみは必須です。
この変数は、システムで、FCP デバイスとともに使用して、SCSI ディスクなどの FCP LUN をアクティベートできます。新たな FCP LUN はインストール中に対話式に、またはキックスタートファイルを介してアクティベートできます。サンプル値は以下のようになります。
FCP_1="0.0.fc00 0x50050763050b073d 0x4020400100000000" FCP_2="0.0.4000"
FCP_1="0.0.fc00 0x50050763050b073d 0x4020400100000000" FCP_2="0.0.4000"
Copy to Clipboard Copied! FCP パラメーターで使用する各値 (
FCP_1
、FCP_2
など) はサイト固有となるため、通常は FCP ストレージ管理者から提供されます。
11.7.4. 64 ビット IBM Z のその他のパラメーター
以下のパラメーターは、パラメーターファイル内で定義できますが、CMS 設定ファイル内では機能しません。
rd.live.check
-
ISO ベースのインストールソースのテストを起動します。たとえば、ローカルディスク上、または NFS でマウントした ISO で
inst.repo=
を使用する場合などにテストします。 inst.nompath
- マルチパスデバイスのサポートを無効にします。
proxy=[protocol://][username[:password]@]host[:port]
- HTTP、HTTPS、または FTP を介したインストールで使用するプロキシーを指定します。
inst.rescue
- RAM ディスクからレスキューシステムを起動して、インストールされたシステムを修正または復元できます。
inst.stage2=URL
install.img
ディレクトリーではなく、install.img
を含むツリーへのパスを指定します。それ以外は、inst.repo=
の構文に従います。inst.stage2
が指定されていると、それがinstall.img
を検索する他の方法よりも優先されます。ただし、Anaconda が、ローカルメディア上でinstall.img
を検出すると、inst.stage2
の URL は無視されます。stage2
が指定されておらず、install.img
がローカルで見つからない場合、Anaconda はinst.repo=
またはmethod=
で指定された場所を検索します。inst.repo=
やmethod=
を使用せずにstage2=
だけが指定されていると、Anaconda は、インストール用にデフォルトで有効にされているインストール済みシステムのリポジトリーを使用します。複数の HTTP、HTTPS、または FTP ソースを指定する場合は、オプションを複数回使用します。複数の HTTP、HTTPS、または FTP のパスが指定されると、いずれかが成功するまで順番に試行されます。
inst.stage2=http://hostname/path_to_install_tree/ inst.stage2=http://hostname/path_to_install_tree/ inst.stage2=http://hostname/path_to_install_tree/
inst.stage2=http://hostname/path_to_install_tree/ inst.stage2=http://hostname/path_to_install_tree/ inst.stage2=http://hostname/path_to_install_tree/
Copy to Clipboard Copied! inst.syslog=IP/hostname[:port]
- ログメッセージをリモートの syslog サーバーに送信します。
ここで説明されているブートパラメーターは、64 ビットの IBM Z へのインストールとトラブルシューティングに非常に便利ですが、インストールプログラムに影響を及ぼすのはこれらのサブセットのみです。
11.7.5. 64 ビット IBM Z のサンプルパラメーターファイルおよび CMS 設定ファイル
パラメーターファイルを変更する場合は、配布されている generic.prm
ファイルの拡張から始めてください。
generic.prm
ファイルの例:
ro ramdisk_size=40000 cio_ignore=all,!condev CMSDASD="191" CMSCONFFILE="redhat.conf" inst.vnc inst.repo=http://example.com/path/to/dvd-contents
ro ramdisk_size=40000 cio_ignore=all,!condev
CMSDASD="191" CMSCONFFILE="redhat.conf"
inst.vnc
inst.repo=http://example.com/path/to/dvd-contents
QETH ネットワークデバイスを設定する redhat.conf
ファイルの例 (generic.prm
内の CMSCONFFILE
により指定されています)
NETTYPE="qeth" SUBCHANNELS="0.0.0600,0.0.0601,0.0.0602" PORTNAME="FOOBAR" PORTNO="0" LAYER2="1" MACADDR="02:00:be:3a:01:f3" HOSTNAME="foobar.systemz.example.com" IPADDR="192.168.17.115" NETMASK="255.255.255.0" GATEWAY="192.168.17.254" DNS="192.168.17.1" SEARCHDNS="systemz.example.com:example.com" DASD="200-203"
NETTYPE="qeth"
SUBCHANNELS="0.0.0600,0.0.0601,0.0.0602"
PORTNAME="FOOBAR"
PORTNO="0"
LAYER2="1"
MACADDR="02:00:be:3a:01:f3"
HOSTNAME="foobar.systemz.example.com"
IPADDR="192.168.17.115"
NETMASK="255.255.255.0"
GATEWAY="192.168.17.254"
DNS="192.168.17.1"
SEARCHDNS="systemz.example.com:example.com"
DASD="200-203"
11.7.6. 64 ビット IBM Z でのパラメーターおよび設定ファイルの使用
64 ビットの IBM Z アーキテクチャーでは、カスタマイズされたパラメーターファイルを使用して、カーネルとインストールプログラムに起動パラメーターを渡すことができます。
次を行う場合は、パラメーターを変更する必要があります。
- キックスタートによる無人インストール
- レスキューモードなど、インストールプログラムの対話式ユーザーインターフェイスからはアクセスできない、デフォルト以外のインストール設定を選択します。
パラメーターファイルは、インストールプログラム (Anaconda) の開始前に、非対話式にネットワークを設定するために使用できます。
カーネルパラメーターファイルは、3754 バイトと行末文字までに制限されます。パラメーターファイルには、可変長または固定長のレコードフォーマットのいずれかが使用されます。固定長レコードフォーマットは、レコードの長さまで各行を追加してファイルサイズを増やします。インストールプログラムが LPAR 環境内のすべての指定パラメーターを認識しないという問題が生じた場合は、すべてのパラメーターを 1 行に収めるか、各行を空白文字で開始および終了することを試してください。
パラメーターファイルには、ro
のようなカーネルパラメーターと、vncpassword=test
や vnc
などのインストールプロセス用のパラメーターが含まれます。
11.8. z/VM ゲスト仮想マシンへのインストールの準備
端末エミュレーター x3270 または c3270 を使用して、その他の Linux システムから z/VM にログインしたり、64 ビットの IBM Z Hardware Management Console (HMC) で IBM 3270 端末エミュレーターを使用します。Microsoft Windows オペレーティングシステムを実行している場合は、インターネットの検索で確認できる複数のオプションが利用できます。wc3270 と呼ばれる、無料でネイティブの Windows ポート c3270 もあります。
/VM 仮想マシンのマシンタイプとして ESA
を必ず選択してください。他のマシンタイプを選択すると、RHEL がインストールされなくなる可能性があります。IBM のドキュメント を参照してください。
手順
- Linux インストールに選択した z/VM ゲストの仮想マシンにログオンします。
- オプション: 3270 の接続が中断され、以前のセッションがまだアクティブであるために再度ログインできない場合は、z/VM ログオン画面で次のコマンドを入力すると、以前のセッションを新しいセッションに置き換えることができます。
logon user here
logon user here
+ user は、z/VM ゲスト仮想マシンの名前に置き換えます。RACF などの外部セキュリティーマネージャーが使用されているかどうかによって、ログオンコマンドが異なる場合があります。
ゲスト内で CMS (z/VM 同梱のシングルユーザー用オペレーティングシステム) を実行していない場合は、以下のコマンドを実行してここで起動します。
cp ipl cms
cp ipl cms
Copy to Clipboard Copied! インストールターゲットには、A ディスク (多くの場合デバイス番号は 0191) などの CMS ディスクを使用しないようにしてください。CMS で使用されているディスクを確認するには、以下のクエリーを使用します。
query disk
query disk
Copy to Clipboard Copied! 以下の CP (z/VM ハイパーバイザーである z/VM 制御プログラム) の query コマンドを使用すると、z/VM ゲスト仮想マシンのデバイス設定を確認できます。
利用できるメインメモリーをクエリーします。64 ビットの IBM Z の用語では ストレージ と呼ばれています。ゲストには少なくとも 1 GiB のメインメモリーが必要です。
cp query virtual storage
cp query virtual storage
Copy to Clipboard Copied! 利用できるネットワークデバイスを以下のタイプ別にクエリーします。
osa
- OSA - CHPID タイプ OSD、物理または仮想 (VSWITCH または GuestLAN)、いずれも QDIO モード
hsi
- HiperSockets - CHPID タイプ IQD、物理または仮想 (GuestLAN タイプ Hipers)
lcs
- LCS - CHPID タイプ OSE
たとえば、上記のネットワークデバイスタイプをすべて問い合わせる場合は、次を実行します。
cp query virtual osa
cp query virtual osa
Copy to Clipboard Copied! 利用できる DASD をクエリーします。インストールターゲットとして使用できるのは、
RW
のフラグが付いた読み書きモードの DASD のみです。cp query virtual dasd
cp query virtual dasd
Copy to Clipboard Copied! 使用可能な FCP デバイス (vHBA) のクエリー:
cp query virtual fcp
cp query virtual fcp
Copy to Clipboard Copied!
パート II. Red Hat Enterprise Linux の手動インストール
Red Hat Enterprise Linux (RHEL) をインストールするマシンをセットアップする際には、インストールメディアの起動やシステムオプションの設定など、いくつかの重要な手順を実行する必要があります。インストール ISO が起動したら、起動設定を変更し、さまざまなコンソールとログを通じてインストールプロセスを監視できます。インストール中にシステムをカスタマイズすることで、特定のニーズに合わせてシステムを調整できます。初期セットアッププロセスで、初回使用時の設定が完了します。
第12章 Kernel-based Virtual Machine の作成と仮想マシンでのインストール ISO の起動
Kernel-based Virtual Machine (KVM) を作成し、Red Hat Enterprise Linux のインストールを開始できます。
以下の手順は、仮想マシンへのインストール用の手順です。RHEL を物理システムにインストールする場合は、このセクションをスキップできます。
手順
KVM ホストで次の
virt-install
コマンドを使用して、KVM ゲストオペレーティングシステムとして Red Hat Enterprise Linux のインスタンスを使用する仮想マシンを作成します。virt-install --name=<guest_name> --disk size=<disksize_in_GB> --memory=<memory_size_in_MB> --cdrom <filepath_to_iso> --graphics vnc
$ virt-install --name=<guest_name> --disk size=<disksize_in_GB> --memory=<memory_size_in_MB> --cdrom <filepath_to_iso> --graphics vnc
Copy to Clipboard Copied!
第13章 インストールメディアの起動
起動可能なメディアを作成したら、Red Hat Enterprise Linux インストールを起動する準備ができました。
Red Hat コンテンツ配信ネットワーク (CDN) を使用すると、RHEL を登録できます。CDN は地理的に分散された一連の Web サーバーです。これらのサーバーは、たとえば、有効なサブスクリプションを持つ RHEL ホストにパッケージや更新を提供します。
インストール中に、CDN から RHEL を登録してインストールすると、次のような利点があります。
- インストール後すぐに最新のシステムで最新のパッケージを利用できます。
- Red Hat Insights に接続し、システムの目的を有効にするための統合サポートを利用できます。
13.1. HTTP を使用してネットワークからインストールを起動する
同時に多数のシステムに Red Hat Enterprise Linux をインストールする場合の最善のアプローチは、ローカルネットワーク上のサーバーから起動してインストールすることです。以下の手順に従って、HTTP を使用してネットワークから Red Hat Enterprise Linux のインストールを起動します。
ネットワークからインストールプロセスを起動するには、イーサネットなどの物理ネットワーク接続を使用する必要があります。ワイヤレス接続でインストールプロセスを起動することはできません。
前提条件
- HTTP ブートサーバーを設定しており、システムにネットワークインターフェイスがある。詳細は、関連情報 を参照してください。
- ネットワークインタフェースから起動するように、システムを設定している。このオプションは UEFI にあり、Network Boot または Boot Services のラベルが付けられる場合があります。
- 指定されたネットワークインターフェイスから UEFI が起動するように設定されており、HTTP ブート標準をサポートしていることを確認している。詳細は、ハードウェアのドキュメントを参照してください。
- プラットフォームが x86_64 である。または、KVM にインストールする。
手順
- ネットワークケーブルが接続されていることを確認します。コンピューターの電源がオンになっていない場合でも、ネットワークソケットのリンクインジケーターのライトがオンになっているはずです。
システムの電源をオンにします。
ハードウェアによっては、システムが HTTP ブートサーバーに接続する前に、ネットワーク設定と診断情報が表示されることがあります。接続すると、HTTP ブートサーバーの設定に応じたメニューが表示されます。
目的のオプションに対応する数字キーを押します。
注記場合によっては、起動オプションが表示されない場合があります。この場合は、キーボードの Enter キーを押すか、起動画面が開くまで待ちます。
Red Hat Enterprise Linux ブート ウィンドウが開き、利用可能なさまざまなブートオプションが表示されます。
キーボードの矢印キーを使用して必要なブートオプションを選択し、Enter キー を押してブートオプションを選択します。Red Hat Enterprise Linux へようこそ 画面が開き、グラフィカルユーザーインターフェイスを使用して Red Hat Enterprise Linux をインストールできます。
起動画面で、60 秒以内に何も行わないと、インストールプログラムが自動的に開始します。
オプション: 利用可能なブートオプションを編集します。
E を押して、編集モードにします。事前定義済みのコマンドラインを変更して、ブートオプションを追加または削除します。Enter キーを押して、選択を確認します。
13.2. PXE を使用してネットワークからインストールを起動
同時に多数のシステムに Red Hat Enterprise Linux をインストールする場合の最善のアプローチは、ローカルネットワーク上のサーバーから起動してインストールすることです。以下の手順に従って、PXE を使用してネットワークから Red Hat Enterprise Linux のインストールを起動します。
ネットワークからインストールプロセスを起動するには、イーサネットなどの物理ネットワーク接続を使用する必要があります。ワイヤレス接続でインストールプロセスを起動することはできません。
前提条件
- TFTP サーバーを設定しており、PXE に対応するシステムにネットワークインターフェイスがある。詳細は、関連情報 を参照してください。
- ネットワークインタフェースから起動するように、システムを設定している。このオプションは BIOS にあり、Network Boot または Boot Services とラベルが付いています。
- 指定されたネットワークインターフェイスから BIOS が起動するように設定されており、PXE 標準をサポートしていることを確認している。詳細は、ハードウェアのドキュメントを参照してください。
プラットフォームが
x86_64
である。または、KVM にインストールする。注記KVM 上の ARM プラットフォームでは、Preboot Execution Environment (PXE) でのブートは機能しますがサポート対象外です。そのため、実稼働環境では使用しないことを Red Hat は強く推奨します。PXE ブートが必要な場合は、
virtio-net-pci
ネットワークインターフェイスコントローラー (NIC) でのみ可能です。
手順
- ネットワークケーブルが接続されていることを確認します。コンピューターの電源がオンになっていない場合でも、ネットワークソケットのリンクインジケーターのライトがオンになっているはずです。
システムを切り替えます。
ハードウェアによっては、システムが PXE サーバーに接続する前に、ネットワーク設定と診断情報が表示されることがあります。接続すると、PXE サーバーの設定に応じたメニューが表示されます。
目的のオプションに対応する数字キーを押します。
注記場合によっては、起動オプションが表示されない場合があります。この場合は、キーボードの Enter キーを押すか、起動画面が開くまで待ちます。
Red Hat Enterprise Linux ブート ウィンドウが開き、利用可能なさまざまなブートオプションが表示されます。
キーボードの矢印キーを使用して必要なブートオプションを選択し、Enter キー を押してブートオプションを選択します。Red Hat Enterprise Linux へようこそ 画面が開き、グラフィカルユーザーインターフェイスを使用して Red Hat Enterprise Linux をインストールできます。
起動画面で、60 秒以内に何も行わないと、インストールプログラムが自動的に開始します。
オプション: 利用可能なブートオプションを編集します。
- UEFI ベースのシステム:
- E を押して、編集モードにします。事前定義済みのコマンドラインを変更して、ブートオプションを追加または削除します。Enter キーを押して、選択を確認します。
- BIOS ベースのシステム:
- キーボードの Tab キーを押して編集モードに入ります。事前定義済みのコマンドラインを変更して、ブートオプションを追加または削除します。Enter キーを押して、選択を確認します。
13.3. IBM Z でインストールを起動して LPAR に RHEL をインストールする
13.3.1. SFTP、FTPS、または FTP サーバーから RHEL インストールを起動して IBM Z LPAR にインストールする
SFTP、FTPS、または FTP サーバーを使用して、RHEL を LPAR にインストールできます。
手順
- LPAR に新しいオペレーティングシステムをインストールできる十分な権限を持つユーザーとして、IBM Z Hardware Management Console (HMC) または Support Element (SE) にログインします。
- Systems タブで、作業するメインフレームを選択し、Partitions タブで、インストールする LPAR を選択します。
- 画面下部の Daily の下にある Operating System Messages を探します。Operating System Messages をダブルクリックして、Linux の起動メッセージが表示されるテキストコンソールを表示します。
- Load from Removable Media or Server をダブルクリックします。
次のダイアログボックスで、SFTP/FTPS/FTP Server を選択し、次の情報を入力します。
- Host Computer - インストール元となる FTP サーバーのホスト名または IP アドレス (ftp.redhat.com など) です。
- User ID - FTP サーバーのユーザー名または、anonymous を指定します。
- Password - パスワード匿名でログインする場合は、メールアドレスを使用します。
- File location (optional) - Red Hat Enterprise Linux for IBM Z を保持している FTP サーバー上のディレクトリー (例 :/rhel/s390x/)。
- Continue をクリックします。
- 続いて表示されるダイアログボックスで、generic.ins のデフォルト選択はそのままにして、Continue をクリックします。
13.3.2. 準備した DASD から RHEL インストールを起動して IBM Z LPAR にインストールする
設定しておいた DASD を使用して、Red Hat Enterprise Linux を LPAR にインストールする場合は、この手順に従います。
手順
- LPAR に新しいオペレーティングシステムをインストールできる十分な権限を持つユーザーとして、IBM Z Hardware Management Console (HMC) または Support Element (SE) にログインします。
- Systems タブで、作業するメインフレームを選択し、Partitions タブで、インストールする LPAR を選択します。
- 画面下部の Daily の下にある Operating System Messages を探します。Operating System Messages をダブルクリックして、Linux の起動メッセージが表示されるテキストコンソールを表示します。
- Load をダブルクリックします。
- 続いて表示されるダイアログボックスの Load type で Normal を選択します。
- Load address に、DASD のデバイス番号を入力します。
- OK ボタンをクリックします。
13.3.3. FCP で接続された SCSI ディスクから RHEL インストールを起動して IBM Z LPAR にインストールする
FCP で接続された準備済みの SCSI ディスクを使用して Red Hat Enterprise Linux を LPAR にインストールする場合は、この手順を使用します。
手順
- LPAR に新しいオペレーティングシステムをインストールできる十分な権限を持つユーザーとして、IBM Z Hardware Management Console (HMC) または Support Element (SE) にログインします。
- Systems タブで、作業するメインフレームを選択し、Partitions タブで、インストールする LPAR を選択します。
- 画面下部の Daily の下にある Operating System Messages を探します。Operating System Messages をダブルクリックして、Linux の起動メッセージが表示されるテキストコンソールを表示します。
- Load をダブルクリックします。
- 続いて表示されるダイアログボックスの Load type で SCSI を選択します。
- Load address には、SCSI ディスクに接続している FCP チャネルのデバイス番号を入力します。
- World wide port name には、ディスクを含むストレージシステムの WWPN を、16 桁の 16 進数で入力します。
- Logical unit number には、ディスクの LUN を、16 桁の 16 進数で入力します。
- Boot record logical block address は 0 のままにしておきます。また、Operating system specific load parameters は空のままにしておきます。
- OK ボタンをクリックします。
13.3.4. FCP で接続された SCSI ディスクから RHEL インストールを起動して IBM Z LPAR にインストールする
SCSI DVD ドライブ を FCP-to-SCSI ブリッジに接続し、このブリッジを IBM Z マシンの FCP アダプターに接続する必要があります。FCP アダプターを設定し、LPAR で利用可能にしておく必要があります。
手順
- LPAR に新しいオペレーティングシステムをインストールできる十分な権限を持つユーザーとして、IBM Z Hardware Management Console (HMC) または Support Element (SE) にログインします。
- Systems タブで、作業するメインフレームを選択し、Partitions タブで、インストールする LPAR を選択します。
- 画面下部の Daily の下にある Operating System Messages を探します。Operating System Messages をダブルクリックして、Linux の起動メッセージが表示されるテキストコンソールを表示します。
- DVD ドライブに Red Hat Enterprise Linux for 64-bit IBM Z DVD を挿入します。
- Load をダブルクリックします。
- 続いて表示されるダイアログボックスの Load type で SCSI を選択します。
- Load address (ロードアドレス)には、FCP-to-SCSI ブリッジに接続している FCP チャネルのデバイス番号を入力します。
- World wide port name には、FCP-to-SCSI ブリッジの WWPN を 16 桁の 16 進数で入力します。
- Logical unit number には、DVD ドライブの LUN を 16 桁の 16 進数で入力します。
- Boot program selector には、数字 1 を入力し、Red Hat Enterprise Linux for 64-bit IBM Z DVD のブートエントリーを選択します。
- Boot record logical block address は 0 のままにしておきます。また、Operating system specific load parameters は空のままにしておきます。
- OK ボタンをクリックします。
13.4. IBM Z でインストールを起動して z/VM に RHEL をインストールする
z/VM 環境にインストールする場合は、以下から起動できます。
- z/VM 仮想リーダー
- DASD または FCP 接続の SCSI ディスク (zipl ブートローダーを設定済み)
- FCP 接続の SCSI DVD ドライブ
13.4.1. z/VM Reader を使用して RHEL インストールを起動する
z/VM リーダーから起動できます。
手順
必要に応じて、z/VM の TCP/IP ツールを含むデバイスを CMS ディスクのリストに追加します。以下に例を示します。
cp link tcpmaint 592 592 acc 592 fm
cp link tcpmaint 592 592 acc 592 fm
Copy to Clipboard Copied! fm を
FILEMODE
文字で置き換えます。FTPS サーバーに接続するために、次のように実行します。
ftp <host> (secure
ftp <host> (secure
Copy to Clipboard Copied! host
は、ブートイメージ (kernel.img
およびinitrd.img
) をホストする FTP サーバーのホスト名または IP アドレスです。ログインして以下のコマンドを実行します。既存の
kernel.img
ファイル、initrd.img
ファイル、generic.prm
ファイル、またはredhat.exec
ファイルを上書きしている場合は、(repl
オプションを使用します。cd /location/of/install-tree/images/ ascii get generic.prm (repl get redhat.exec (repl locsite fix 80 binary get kernel.img (repl get initrd.img (repl quit
cd /location/of/install-tree/images/ ascii get generic.prm (repl get redhat.exec (repl locsite fix 80 binary get kernel.img (repl get initrd.img (repl quit
Copy to Clipboard Copied! オプション: CMS コマンド
filelist
を使用して、受信したファイルとその形式を表示し、ファイルが正しく転送されたかどうかを確認します。kernel.img
とinitrd.img
では、Format 列の固定レコード長の形式が F と示され、Lrecl 列のレコード長が 80 であることが重要です。以下に例を示します。VMUSER FILELIST A0 V 169 Trunc=169 Size=6 Line=1 Col=1 Alt=0 Cmd Filename Filetype Fm Format Lrecl Records Blocks Date Time REDHAT EXEC B1 V 22 1 1 4/15/10 9:30:40 GENERIC PRM B1 V 44 1 1 4/15/10 9:30:32 INITRD IMG B1 F 80 118545 2316 4/15/10 9:30:25 KERNEL IMG B1 F 80 74541 912 4/15/10 9:30:17
VMUSER FILELIST A0 V 169 Trunc=169 Size=6 Line=1 Col=1 Alt=0 Cmd Filename Filetype Fm Format Lrecl Records Blocks Date Time REDHAT EXEC B1 V 22 1 1 4/15/10 9:30:40 GENERIC PRM B1 V 44 1 1 4/15/10 9:30:32 INITRD IMG B1 F 80 118545 2316 4/15/10 9:30:25 KERNEL IMG B1 F 80 74541 912 4/15/10 9:30:17
Copy to Clipboard Copied! PF3 を押して filelist を終了し、CMS プロンプトに戻ります。
必要に応じて、
generic.prm
内の起動パラメーターをカスタマイズします。詳細は、ブートパラメーターのカスタマイズ を参照してください。CMS 設定ファイルを使用して、ストレージデバイスおよびネットワークデバイスを設定する方法もあります。そのような場合は、
CMSDASD=
パラメーターおよびCMSCONFFILE=
パラメーターをgeneric.prm
に追加します。最後に、REXX スクリプト redhat.exec を実行してインストールプログラムを起動します。
redhat
redhat
Copy to Clipboard Copied!
13.4.2. 準備した DASD を使用して RHEL インストールを起動する
設定済み DASD を使用するには、以下の手順を実行します。
手順
準備済みの DASD から起動して、Red Hat Enterprise Linux インストールプログラムを参照する zipl ブートメニューエントリーを選択します。コマンドを次の形式で使用します。
cp ipl DASD_device_number loadparm boot_entry_number
cp ipl DASD_device_number loadparm boot_entry_number
Copy to Clipboard Copied! DASD_device_number を、起動デバイスのデバイス番号に置き換え、boot_entry_number を、このデバイスの zipl 設定メニューに置き換えます。以下に例を示します。
cp ipl eb1c loadparm 0
cp ipl eb1c loadparm 0
Copy to Clipboard Copied!
13.4.3. FCP で接続された準備済みの SCSI ディスクを使用して RHEL インストールを起動する
FCP で接続された準備済みの SCSI ディスクから起動するには、次の手順を実行します。
手順
FCP ストレージエリアネットワーク内に準備した SCSI ディスクにアクセスできるように z/VM の SCSI ブートローダーを設定します。Red Hat Enterprise Linux インストールプログラムを参照する設定済み zipl ブートメニューエントリーを選択します。コマンドを次の形式で使用します。
cp set loaddev portname WWPN lun LUN bootprog boot_entry_number
cp set loaddev portname WWPN lun LUN bootprog boot_entry_number
Copy to Clipboard Copied! WWPN を、ストレージシステムのワールドワイドポート名に置き換え、LUN を、ディスクの論理ユニット番号に置き換えます。16 桁の 16 進数は、それぞれ 8 桁の 2 つのペアに分割する必要があります。以下に例を示します。
cp set loaddev portname 50050763 050b073d lun 40204011 00000000 bootprog 0
cp set loaddev portname 50050763 050b073d lun 40204011 00000000 bootprog 0
Copy to Clipboard Copied! オプション: 次のコマンドで設定を確認します。
query loaddev
query loaddev
Copy to Clipboard Copied! 以下のコマンドを使用して、ディスクを含むストレージシステムに接続している FCP デバイスを起動します。
cp ipl FCP_device
cp ipl FCP_device
Copy to Clipboard Copied! 以下に例を示します。
cp ipl fc00
cp ipl fc00
Copy to Clipboard Copied!
13.4.4. FCP 接続 SCSI DVD ドライブを使用して RHEL インストールを起動する
以下の手順に従って、設定済み FCP を接続した SCSI DVD ドライブを使用します。
前提条件
- SCSI DVD ドライブを FCP-to-SCSI ブリッジに接続し、このブリッジを 64 ビットの IBM Z の FCP アダプターに接続する必要があります。FCP アダプターを設定して z/VM 環境で使用できるようにしておきます。
手順
- DVD ドライブに Red Hat Enterprise Linux for 64-bit IBM Z DVD を挿入します。
FCP Storage Area Network の DVD ドライブにアクセスできるように z/VM の SCSI ブートローダーを設定し、Red Hat Enterprise Linux for 64-bit IBM Z DVD のブートエントリーに
1
を指定します。コマンドを次の形式で使用します。cp set loaddev portname WWPN lun FCP_LUN bootprog 1
cp set loaddev portname WWPN lun FCP_LUN bootprog 1
Copy to Clipboard Copied! WWPN を、FCP-to-SCSI ブリッジの WWPN に置き換え、FCP_LUN を、DVD ドライブの LUN に置き換えます。16 桁の 16 進数は、それぞれ 8 桁の 2 つのペアに分割する必要があります。以下に例を示します。
cp set loaddev portname 20010060 eb1c0103 lun 00010000 00000000 bootprog 1
cp set loaddev portname 20010060 eb1c0103 lun 00010000 00000000 bootprog 1
Copy to Clipboard Copied! オプション: 次のコマンドで設定を確認します。
cp query loaddev
cp query loaddev
Copy to Clipboard Copied! FCP-to-SCSI ブリッジに接続している FCP デバイスで IPL を行います。
cp ipl FCP_device
cp ipl FCP_device
Copy to Clipboard Copied! 以下に例を示します。
cp ipl fc00
cp ipl fc00
Copy to Clipboard Copied!
第14章 オプション: ブートオプションのカスタマイズ
x86_64
または ARM64
アーキテクチャーに RHEL をインストールする場合は、ブートオプションを編集して、特定の環境に応じてインストールプロセスをカスタマイズできます。
14.1. ブートオプション
ブートコマンドラインに、複数のオプションをスペースで区切って追加できます。インストールプログラム固有のブートオプションは、必ず inst
で始まります。使用可能なブートオプションは次のとおりです。
- 等号 "=" 記号を使用するオプション
-
起動オプションに、
=
記号を使用する値を指定する必要があります。たとえば、inst.vncpassword=
オプションには値 (この場合はパスワード) を指定する必要があります。この例の正しい構文はinst.vncpassword=password
です。 - 等号 "=" 記号を使用しないオプション
-
このブートオプションには、値やパラメーターを指定できません。たとえば、
rd.live.check
オプションでは、インストール開始前にインストールメディアの検証が強制されます。インストールプログラムは、このブートオプションが存在すると検証を実行します。ブートオプションが存在しないと、検証はスキップされます。
特定のメニューエントリーのブートオプションを次の方法でカスタマイズできます。
-
BIOS ベースのシステムの場合:
Tab
キーを押して、コマンドラインにカスタムの起動オプションを追加します。Esc
キーを押してboot:
プロンプトにアクセスすることもできますが、必要な起動オプションは事前設定されていません。この場合、他のブートオプションを使用する前に、必ず Linux オプションを指定する必要があります。詳細は、BIOS の boot: プロンプトの編集 を参照してください。 -
UEFI ベースのシステムの場合:
e
キーを押してコマンドラインにカスタムの起動オプションを追加します。準備ができたらCtrl+X
を押して、修正したオプションを起動します。
詳細は、UEFI ベースのシステムのブートオプションの編集 を参照してください。
14.2. BIOS で boot: プロンプトの編集
boot:
プロンプトを使用すると、最初のオプションは、読み込むインストールプログラムのイメージファイルを常に指定する必要があります。ほとんどの場合、このイメージはキーワードを使用して指定できます。要件に応じて、追加オプションを指定できます。
前提条件
- 起動可能なインストールメディア (USB、CD、または DVD) を作成している。
- メディアからインストールを起動し、起動メニュー画面が開いている。
手順
- ブートメニューが開いたら、キーボードの Esc キーを押します。
-
boot:
プロンプトにアクセスできるようになります。 - キーボードの Tab キーを押して、ヘルプコマンドを表示します。
-
キーボードの Enter キーを押して、オプションでインストールを開始します。
boot:
プロンプトから起動メニュー画面に戻るには、システムを再起動して、インストールメディアから再度起動します。
14.3. > プロンプトを使用して事前定義されたブートオプションの編集
BIOS ベースの AMD64 および Intel64 システムでは、>
プロンプトを使用して、事前定義されたブートオプションを編集できます。
前提条件
- 起動可能なインストールメディア (USB、CD、または DVD) を作成している。
- メディアからインストールを起動し、起動メニュー画面が開いている。
手順
-
ブートメニューでオプションを選択し、キーボードの Tab キーを押します。
>
プロンプトにアクセスし、利用可能なオプションを表示します。 -
オプション: すべてのオプションを表示するには、
Test this media and install RHEL 9
を選択します。 >
プロンプトに必要なオプションを追加します。たとえば、Federal Information Processing Standard (FIPS) 140 で義務付けられている暗号化モジュールのセルフチェックを有効にするには、
fips=1
を追加します。>vmlinuz initrd=initrd.img inst.stage2=hd:LABEL=RHEL-9-5-0-BaseOS-x86_64 rd.live.check quiet fips=1
>vmlinuz initrd=initrd.img inst.stage2=hd:LABEL=RHEL-9-5-0-BaseOS-x86_64 rd.live.check quiet fips=1
Copy to Clipboard Copied! - Enter を押してインストールを開始します。
- Esc キーを押して編集をキャンセルし、ブートメニューに戻ります。
14.5. インストール時のドライバーの更新
Red Hat Enterprise Linux のインストールプロセス中にドライバーを更新できます。ドライバーの更新は完全に任意です。必要がない限り、ドライバーの更新を実行しないでください。Red Hat Enterprise Linux のインストール中にドライバーの更新が必要であることについて、Red Hat、ハードウェアベンダー、または信頼できるサードパーティーベンダーから通知を受けたことを確認してください。
14.5.1. 概要
Red Hat Enterprise Linux は、多数のハードウェアデバイス用のドライバーに対応していますが、新たにリリースしたドライバーには対応していない可能性があります。ドライバーの更新は、そのドライバーが対応していないために、インストールが完了できない場合に限り、実行する必要があります。インストール中にドライバーを更新することは、通常、特定の設定に対応する場合に限り必要になります。たとえば、システムのストレージデバイスへのアクセスを提供するストレージアダプター用ドライバーをインストールします。
ドライバー更新ディスクは、競合するカーネルドライバーを無効にする場合があります。この方法でカーネルモジュールをアンロードすると、インストールエラーが発生することがあります。
14.5.2. ドライバー更新の種類
Red Hat、ハードウェアベンダー、信頼できるサードパーティーは、ドライバー更新を ISO イメージファイルとして提供します。ISO イメージファイルを受け取ったら、ドライバー更新の種類を選択してください。
ドライバー更新の種類
- 自動
-
このドライバー更新方法では、
OEMDRV
というラベルの付いたストレージデバイス (CD、DVD、USB フラッシュドライブなど) がシステムに物理的に接続されます。インストールの開始時に、OEMDRV
ストレージデバイスが存在する場合は、それがドライバー更新ディスクのように扱われ、インストールプログラムはそのドライバーを自動的に読み込みます。 - アシスト付き
-
このインストールプログラムは、ドライバーの更新を指定するように促します。
OEMDRV
以外の任意のローカルストレージデバイスラベルを使用できます。インストールを開始するときに、inst.dd
ブートオプションが指定されます。このオプションにパラメーターを付けずに使用すると、インストールプログラムはシステムに接続されているすべてのストレージデバイスを表示し、ドライバー更新を含むデバイスを選択するように促します。 - 手動
-
ドライバー更新イメージまたは RPM パッケージのパスを手動で指定します。
OEMDRV
以外のラベルを持つ任意のローカルストレージ、またはインストールシステムからアクセス可能なネットワーク上の場所を使用できます。インストールを開始するときに、inst.dd=location
ブートオプションを指定します。location は、ドライバー更新ディスクまたは ISO イメージへのパスです。このオプションを指定すると、インストールプログラムは特定の場所にあるドライバー更新を読み込みます。手動でドライバーを更新する場合は、ローカルストレージデバイス、またはネットワークの場所 (HTTP、HTTPS、または FTP サーバー) を指定できます。inst.dd=location
とinst.dd
の両方を同時に使用できます。location は、ドライバー更新ディスクまたは ISO イメージのパスになります。このシナリオでは、インストールプログラムは、その場所から、利用可能なドライバーの更新を読み込み、ドライバーの更新が含まれるデバイスを選択するように求められます。
ネットワークの場所からドライバーの更新を読み込むときは、ip= option
を使用してネットワークを初期化します。
制限
セキュアブート技術を使用する UEFI システムでは、すべてのドライバーが有効な証明書で署名されている必要があります。Red Hat ドライバーは、Red Hat の秘密鍵のいずれかで署名され、カーネルで対応する公開鍵により認証されます。追加で別のドライバーを読み込む場合は、それが署名されていることを確認してください。
14.5.3. ドライバー更新の準備
この手順では、CD および DVD でドライバー更新の準備を行う方法を説明します。
前提条件
- Red Hat、ハードウェアベンダー、または信頼できるサードパーティーベンダーからドライバー更新の ISO イメージを受け取っている。
- ドライバー更新の ISO イメージを CD または DVD に焼き付けている。
CD または DVD で、.iso
で終了する ISO イメージファイルが 1 つしか利用できない場合、書き込み処理は成功していません。CD または DVD に ISO イメージを作成する方法は、システムの書き込みソフトウェアのドキュメントを参照してください。
手順
- ドライバー更新用 CD または DVD をシステムの CD/DVD ドライブに挿入し、システムのファイルマネージャーツールで参照します。
-
rhdd3
ファイルが 1 つ利用できることを確認します。rhdd3
は、ドライバーの説明が含まれる署名ファイルと、ディレクトリーのrpms
です。このディレクトリーには、さまざまなアーキテクチャー用のドライバーが同梱される RPM パッケージが含まれます。
14.5.4. 自動ドライバー更新の実行
この手順では、インストール時にドライバーの自動更新を行う方法を説明します。
前提条件
-
OEMDRV
ラベルの付いた標準のディスクパーティションにドライバーの更新イメージを置くか、OEMDRV
ドライバー更新イメージを CD または DVD に作成します。RAID や LVM ボリュームなどの高度なストレージは、ドライバーの更新プロセス中はアクセスできない可能性があります。 -
インストールプロセスを開始する前に、ボリュームラベル
OEMDRV
が付いたブロックデバイスをシステムに接続しているか、事前に準備した CD または DVD をシステムの CD/DVD ドライブに挿入している。
手順
- 前提条件の手順を完了すると、インストールプログラムの起動時にドライバーが自動的にロードされ、システムのインストールプロセス中にインストールされます。
14.5.5. アシスト付きドライバー更新の実行
この手順では、インストール時に、ドライバーのアシスト付き更新を行う方法を説明します。
前提条件
-
インストールプロセスを開始する前に、
OEMDRV
ボリュームラベルのないブロックデバイスをシステムに接続し、ドライバーディスクイメージをこのデバイスにコピーしたか、ドライバー更新の CD または DVD を準備して、システムの CD または DVD ドライブに挿入しました。
ISO イメージファイルを CD または DVD に書き込むが、OEMDRV
ボリュームラベルがない場合は、引数なしで inst.dd
オプションを使用できます。インストールプログラムは、CD または DVD からドライバーをスキャンして選択するオプションを提供します。このシナリオでは、インストールプログラムから、ドライバー更新用 ISO イメージを選択するように求められません。別のシナリオでは、起動オプション inst.dd=location
で CD または DVD を使用します。これにより、インストールプログラムが、ドライバー更新に CD または DVD を自動的にスキャンできるようになります。詳細は、手動によるドライバー更新の実行 を参照してください。
手順
- ブートメニューウィンドウで Tab キーを押して、ブートコマンドラインを表示します。
-
起動オプション
inst.dd
をコマンドラインに追加し、Enter を押して起動プロセスを実行します。 - メニューから、ローカルディスクパーティション、もしくは CD デバイスまたは DVD デバイスを選択します。インストールプログラムが ISO ファイル、またはドライバー更新 RPM パッケージをスキャンします。
必要に応じて、ドライバー更新 ISO ファイルを選択してください。
選択したデバイスまたはパーティション (ドライバー更新 CD または DVD を含む光学ドライブなど) に、ISO イメージファイルではなく、ドライバー更新 RPM パッケージが含まれる場合は、この手順は必要ありません。
必要なドライバーを選択します。
- キーボードの数字キーを使用して、ドライバー選択を切り替えます。
- c を押して、選択したドライバーをインストールします。選択したドライバーが読み込まれ、インストールプロセスが始まります。
14.5.6. 手動によるドライバー更新の実行
この手順では、インストール時にドライバーを手動で更新する方法を説明します。
前提条件
- ドライバー更新の ISO イメージファイルを USB フラッシュドライブまたは Web サーバーに配置し、コンピューターに接続しました。
手順
- ブートメニューウィンドウで Tab キーを押して、ブートコマンドラインを表示します。
-
inst.dd=location
起動オプションをコマンドに追加します。場所は、ドライバー更新のファイルがある場所です。通常、イメージファイルは Web サーバー http://server.example.com/dd.iso など、または USB フラッシュドライブ/dev/sdb1
などに置きます。ドライバー更新を含む RPM パッケージ http://server.example.com/dd.rpm などを指定することもできます。 - Enter を押して、起動プロセスを実行してください。指定した場所で利用可能なドライバーが自動的に読み込まれ、インストールプロセスが始まります。
14.5.7. ドライバーの無効
この手順では、誤動作しているドライバーを無効にする方法を説明します。
前提条件
- インストールプログラムブートメニューを起動している。
手順
- ブートメニューで Tab キーを押して、ブートコマンドラインを表示します。
起動オプション
modprobe.blacklist=driver_name
をコマンドラインに追加します。driver_name を、無効にするドライバーの名前に置き換えます。以下に例を示します。
modprobe.blacklist=ahci
modprobe.blacklist=ahci
Copy to Clipboard Copied! 起動オプション
modprobe.blacklist=
を使用して無効にしたドライバーは、インストール済みシステムで無効になり、/etc/modprobe.d/anaconda-blacklist.conf
ファイルに表示されます。- Enter キーを押してブートプロセスを実行します。
第15章 VNC を使用したリモートインストールの開始
15.1. VNC Direct モードでのリモート RHEL インストールの実行
この手順では、VNC Direct モードで、リモート RHEL インストールを実行します。Direct モードでは、RHEL にインストールされているターゲットシステムへの接続を VNC ビューアーにより開始されることが想定されます。この手順では、VNC ビューアーを使用するシステムが、リモート システムと呼ばれます。RHEL インストールプログラムにより、リモートシステムの VNC ビューアーからターゲットシステムへの接続を開始することが求められます。
以下の手順では、VNC ビューアーとして TigerVNC を使用します。その他のビューアーの手順は異なる場合がありますが、一般的な原則が適用されます。
前提条件
- root ユーザーとして、リモートシステムに VNC ビューアーをインストールした。
- ネットワークブートサーバーを設定して、ターゲットシステムでインストールを起動した。
手順
-
ターゲットシステムの RHEL ブートメニューから、キーボードの
Tab
キーを押して、起動オプションを編集します。 inst.vnc
オプションをコマンドラインの最後に追加します。インストールしているシステムに VNC アクセスを制限する場合は、コマンドラインの末尾に
inst.vncpassword=PASSWORD
起動オプションを追加します。PASSWORD をインストールに使用するパスワードに置き換えます。- VNC パスワードは 6 文字から 8 文字に設定する必要があります。
-
これは
inst.vncpassword=
オプションの一時パスワードです。既存のパスワードや root パスワードを使用しないでください。
- Enter を押してインストールを開始します。ターゲットシステムはインストールプログラムを初期化し、必要なサービスを開始します。システムの準備ができると、システムの IP アドレスとポート番号を示すメッセージが表示されます。
- リモートシステムで VNC ビューアーを開きます。
- VNC サーバー フィールドに IP アドレスとポート番号を入力します。
- Connect をクリックします。
- VNC パスワードを入力して、OK をクリックします。新しいウィンドウが開き、VNC 接続が確立され、RHEL インストールメニューが表示されます。このウィンドウから、グラフィカルユーザーインターフェイスを使用して、ターゲットシステムに RHEL をインストールできます。
15.2. VNC Connect モードでのリモート RHEL インストールの実行
この手順を使用して、VNC Connect モードで、リモート RHEL インストールを実行します。Connect モードでは、RHEL でインストールするターゲットシステムが、別のシステムにインストールされている VNC ビューアーに接続を開始します。この手順では、VNC ビューアーを使用するシステムが、リモート システムと呼ばれます。
以下の手順では、VNC ビューアーとして TigerVNC を使用します。その他のビューアーの手順は異なる場合がありますが、一般的な原則が適用されます。
前提条件
- root ユーザーとして、リモートシステムに VNC ビューアーをインストールした。
- ターゲットシステムでインストールを開始するよう、ネットワーク起動サーバーを設定している。
- VNC Connect インストールに対して起動オプションを使用するようにターゲットシステムを設定している。
- VNC ビューアーでリモートシステムが必要なポートで着信接続を受け入れるよう設定されていることを確認している。検証は、ネットワークとシステム設定によって異なります。詳細は、セキュリティーの強化 および ネットワークのセキュリティー保護 を参照してください。
手順
以下のコマンドを実行して、リモートシステム上で VNC ビューアーを リスニングモード で開始します。
vncviewer -listen PORT
$ vncviewer -listen PORT
Copy to Clipboard Copied! - PORT は、接続に使用されるポート番号に置き換えます。
端末には、ターゲットシステムからの着信接続を待機していることを示すメッセージが表示されます。
TigerVNC Viewer 64-bit v1.8.0 Built on: 2017-10-12 09:20 Copyright (C) 1999-2017 TigerVNC Team and many others (see README.txt) See http://www.tigervnc.org for information about TigerVNC. Thu Jun 27 11:30:57 2019 main: Listening on port 5500
TigerVNC Viewer 64-bit v1.8.0 Built on: 2017-10-12 09:20 Copyright (C) 1999-2017 TigerVNC Team and many others (see README.txt) See http://www.tigervnc.org for information about TigerVNC. Thu Jun 27 11:30:57 2019 main: Listening on port 5500
Copy to Clipboard Copied! - ターゲットシステムをネットワークから起動します。
-
ターゲットシステムの RHEL ブートメニューから、キーボードの
Tab
キーを押して、起動オプションを編集します。 -
コマンドラインの末尾に
inst.vnc inst.vncconnect=HOST:PORT
オプションを追加します。 - HOST には、リッスンしている VNC ビューアーを実行しているリモートシステムの IP アドレス、PORT には、VNC ビューアーがリッスンしているポート番号を入力します。
- Enter を押してインストールを開始します。システムはインストールプログラムを初期化し、必要なサービスを開始します。初期化プロセスが終了すると、インストールプログラムは指定の IP アドレスとポートへの接続を試行します。
- 接続に成功すると、新しいウィンドウが開き、VNC 接続が確立され、RHEL インストールメニューが表示されます。このウィンドウから、グラフィカルユーザーインターフェイスを使用して、ターゲットシステムに RHEL をインストールできます。
第16章 インストール中のコンソールとロギング
Red Hat Enterprise Linux インストーラーは、tmux 端末マルチプレクサーを使用して、メインのインターフェイスのほかに複数の画面を表示し、制御します。この画面は、それぞれ目的が異なり、インストールプロセス中に発生した問題をトラブルシューティングするのに使用できるさまざまなログを表示します。画面の 1 つでは、起動オプションまたはキックスタートコマンドを使用して明示的に無効にしない限り、root
権限で使用できる対話式シェルプロンプトを使用できます。
端末マルチプレクサーは、仮想コンソール 1 で実行しています。インストール環境を、tmux に変更する場合は、Ctrl+Alt+F1 を押します。仮想コンソール 6 で実行されているメインのインストールインターフェイスに戻るには、Ctrl+Alt+F6 を押します。テキストモードでインストールする場合は、仮想コンソール 1 (tmux) で起動し、コンソール 6 に切り替えると、グラフィカルインターフェイスではなくシェルプロンプトが開きます。
tmux を実行しているコンソールには、利用可能な画面が 5 つあります。その内容と、キーボードショートカットは、以下の表で説明します。キーボードショートカットは 2 段階となっており、最初に Ctrl+b を押し、両方のキーを離してから、使用する画面で数字キーを押す必要があります。
また、Ctrl+b n、Alt+ Tab、および Ctrl+b p を使用して、次または前の tmux 画面に切り替えることもできます。
ショートカット | 内容 |
---|---|
Ctrl+b 1 | メインのインストールプログラム画面。テキストベースのプロンプト (テキストモードのインストール中もしくは VNC Direct モードを使用の場合) とデバッグ情報があります。 |
Ctrl+b 2 |
|
Ctrl+b 3 |
インストールログ - |
Ctrl+b 4 |
ストレージログ - |
Ctrl+b 5 |
プログラムログ - |
第17章 インストーラーでのシステムのカスタマイズ
インストールのカスタマイズフェーズでは、Red Hat Enterprise Linux のインストールを有効にするために、特定の設定タスクを実行する必要があります。これらのタスクには、以下が含まれます。
- ストレージを設定し、マウントポイントを割り当てます。
- インストールするソフトウェアを含むベース環境を選択します。
- root ユーザーのパスワードを設定するか、ローカルユーザーを作成します。
必要に応じて、システム設定を指定したり、ホストをネットワークに接続したりするなど、システムをさらにカスタマイズすることもできます。
17.1. インストーラーの言語の設定
インストールを開始する前に、インストールプログラムで使用する言語を選択できます。
前提条件
- インストールメディアを作成した。
- Boot ISO イメージファイルを使用してインストールソースを指定している。
- インストールを起動している。
手順
- ブートメニューから Red hat Enterprise Linux オプションを選択すると、Welcome to Red Hat Enterprise Screen が表示されます。
Welcome to Red Hat Enterprise Linux 画面の左側のペインで、言語を選択します。または、テキストボックスを使用して希望の言語を検索します。
注記言語はデフォルトで事前に選択されています。ネットワークアクセスが設定されている、つまりローカルメディアではなくネットワークサーバーからシステムを起動した場合、事前選択の言語は、GeoIP モジュールの位置自動検出機能により決定します。起動コマンドラインまたは PXE サーバー設定で
inst.lang=
オプションを使用すると、起動オプションで定義した言語が選択されます。- Red Hat Enterprise Linux へようこそ 画面の右側のペインから、お住まいの地域に合ったロケーションを選択してください。
- をクリックして、グラフィカルインストールウィンドウに進みます。
Red Hat Enterprise Linux のプレリリース版をインストールしようとしている場合は、インストールメディアのプレリリースステータスに関する警告メッセージが表示されます。
- インストールを続行するには、 をクリックします。あるいは、
- インストールを終了してシステムを再起動するには、 をクリックします。
17.2. ストレージデバイスの設定
さまざまなストレージデバイスに Red Hat Enterprise Linux をインストールできます。インストール先 画面で、ローカルでアクセス可能な、基本的なストレージデバイスを設定できます。ディスクやソリッドステートドライブなどのローカルシステムに直接接続する基本的なストレージデバイスは、その画面の Local Standard Disks セクションに表示されます。64 ビットの IBM Z の場合は、このセクションに、アクティベートした DASD (Direct Access Storage Devices) が含まれます。
既知の問題により、HyperPAV エイリアスとして設定した DASD を、インストールの完了後に自動的にシステムに割り当てることができません。このようなストレージデバイスはインストール時に利用できますが、インストールが完了して再起動しても、すぐにはアクセスできません。HyperPAV エイリアスデバイスを接続するには、システムの /etc/dasd.conf
設定ファイルに手動で追加します。
17.2.1. インストール先の設定
Installation Destination ウィンドウを使用して、Red Hat Enterprise Linux のインストール先として使用するディスクなどのストレージオプションを設定できます。ディスクは、1 つ以上選択する必要があります。
前提条件
- Installation Summary 画面が開いている。
- データが含まれているディスクを使用する予定の場合は、データをバックアップする。たとえば、既存の Microsoft Windows パーティションを縮小し、Red Hat Enterprise Linux を 2 つ目のシステムとしてインストールする場合、または以前のリリースの Red Hat Enterprise Linux をアップグレードする場合です。パーティションの操作は常にリスクが伴います。たとえば、何らかの理由でプロセスが中断または失敗した場合は、ディスクのデータが失われる可能性があります。
手順
Installation Summary 画面から、Installation Destination をクリックします。Installation Destination 画面で、以下の操作を行います。
Local Standard Disks セクションから、必要なストレージデバイスを選択します。選択したストレージデバイスには白いチェックマークが表示されます。白いチェックマークが付いていないディスクはインストール時には使用されません。自動パーティショニングを選択した場合は無視され、手動パーティショニングでは使用できません。
Local Standard Disks には、SATA、IDE、SCSI ディスク、USB フラッシュ、外部ディスクなど、ローカルで使用可能なすべてのストレージデバイスが表示されます。インストールプログラムの起動後に接続したストレージデバイスは検出されません。リムーバブルドライブを使用して Red Hat Enterprise Linux をインストールする場合は、デバイスを削除するとシステムが使用できなくなります。
必要に応じて、画面右下の Refresh リンクをクリックして、新しいディスクに接続するローカルストレージデバイスを設定します。Rescan Disks ダイアログボックスが開きます。
インストール時に行ったストレージへの変更は、Rescan Disks をクリックするとすべて失われます。
- Installation Destination 画面に戻ります。検出したディスク (新しいディスクを含む) はすべて、Local Standard Disks セクションに表示されます。 をクリックして、
オプション: 専用のストレージデバイスを追加するには、
をクリックします。Storage Device Selection ウィンドウが開き、インストールプログラムがアクセスできるすべてのストレージデバイスがリスト表示されます。
オプション: 自動パーティション設定を行う場合は、Storage Configuration で Automatic ラジオボタンを選択します。
パーティション設定はカスタマイズできます。詳細は、手動パーティションの設定 を参照してください。
- オプション: 既存のパーティション設定レイアウトから領域を解放するには、I would like to make additional space available を選択します。たとえば、使用するディスクに別のオペレーティングシステムが含まれており、このシステムのパーティションを小さくして、Red Hat Enterprise Linux 用の領域を広くする場合などです。
オプション: システムの起動に必要なパーティション (
/boot
など) を除くすべてのパーティションを、Linux Unified Key Setup (LUKS) を使用して暗号化するには、Encrypt my data を選択します。ディスクを暗号化すると、セキュリティーがさらに強化されます。Disk Encryption Passphrase ダイアログボックスが開きます。
をクリックします。- Passphrase フィールドと Confirm フィールドにパスフレーズを入力します。
- 警告
LUKS パスフレーズが分からなくなると、暗号化されたパーティションと、その上にあるデータには完全にアクセスできなくなります。分からなくなったパスフレーズを復元する方法はありません。ただし、キックスタートインストールを実行した場合は、インストール中に暗号パスフレーズを保存し、バックアップ用に暗号化パスフレーズを作成できます。詳細は、RHEL の自動インストール ドキュメントを参照してください。
必要に応じて、画面左下の 完全なディスク要約とブートローダー をクリックして、ブートローダーを追加するストレージデバイスを選択します。詳細は、ブートローダーの設定 を参照してください。
大概は、ブートローダーをデフォルトの場所に置いておくだけで十分です。たとえば、他のブートローダーからのチェーンロードを必要とするシステムなど、一部の設定ではブートドライブを手動で指定する必要があります。
- をクリックします。
オプション: 自動パーティション設定 および I would like to make additional space available オプションを選択した場合、または選択したディスクに Red Hat Enterprise Linux をインストールするのに十分な空き領域がない場合、Reclaim Disk Space ダイアログボックスが表示されます。そこには、設定されているすべてのディスクデバイスとそれらのデバイス上のすべてのパーティションがリスト表示されます。このダイアログボックスには、現在選択中のパッケージセットを使用したインストールを行う際にシステムに必要となる最小ディスク領域と、解放した領域の容量に関する情報が表示されます。解放プロセスを開始するには、以下を実行します。
- 表示された、利用可能なストレージデバイスのリストを確認します。再利用可能な領域 列には、各エントリーから再利用できる領域のサイズが表示されます。
- 領域を解放するディスクまたはパーティションを選択します。
- 既存のデータを保持しながらパーティション上の空き領域を使用するには、 ボタンを使用します。
- そのパーティション、または選択したディスク上の既存のデータを含むすべてのパーティションを削除するには、 ボタンを使用します。
- 既存のデータを含むすべてのディスク上のすべての既存のパーティションを削除し、この領域を Red Hat Enterprise Linux のインストールに使用できるようにするには、 ボタンを使用します。
Installation Summary ウィンドウで をクリックするまで、ディスクの変更は行われません。Reclaim Space ダイアログでは、サイズ変更または削除する対象としてパーティションがマークされるだけです。アクションは実行されません。
17.2.2. インストール先の設定時の特殊なケース
インストール先を設定するときに考慮すべき特殊なケースを以下に示します。
-
BIOS によっては、RAID カードからの起動に対応していないため注意が必要です。その場合は、別のディスクなど、RAID アレイ以外のパーティションに
/boot
パーティションを作成する必要があります。そのような RAID カードへのパーティション作成には、内蔵ディスクを使用する必要があります。また、/boot
パーティションは、ソフトウェア RAID の設定にも必要です。システムのパーティション設定を自動で選択した場合は、/boot
パーティションを手動で修正する必要があります。 - Red Hat Enterprise Linux ブートローダーが、別のブートローダーから チェーンロード するように設定するには、インストール先 画面で 完全なディスク要約とブートローダー をクリックして、手動でブートドライブを指定する必要があります。
- マルチパスのストレージデバイスと、非マルチパスのストレージデバイスの両方が使用されているシステムに Red Hat Enterprise Linux をインストールすると、インストールプログラムによる自動パーティション設定のレイアウトに、マルチパスのデバイスと非マルチパスのデバイスが混在したボリュームグループが作成されます。これはマルチパスストレージの目的に反することになります。Installation Destination ウィンドウで、マルチパスデバイスまたは非マルチパスデバイスのどちらかを選択してください。もしくは、手動のパーティション設定を実行してください。
17.2.3. ブートローダーの設定
Red Hat Enterprise Linux は、GRand Unified Bootloader バージョン 2 (GRUB2) を、AMD64、Intel 64、IBM Power Systems、および ARM として使用します。64 ビットの IBM Z では、zipl ブートローダーが使用されます。
ブートローダーは、システムの起動時に実行し、制御をオペレーティングシステムに読み込み、転送する最初のプログラムです。GRUB2 は、互換性のあるオペレーティングシステム (Microsoft Windows を含む) であれば起動可能で、チェーンロードを使用すれば、未対応のオペレーティングシステムのブートローダーにも読み込んだ指示を渡すことができます。
GRUB2 をインストールすると、既存のブートローダーを上書きできます。
オペレーティングシステムがすでにインストールされていると、Red Hat Enterprise Linux インストールプログラムはそのブートローダーを自動的に検出して、別のオペレーティングシステムを起動するように設定します。そのブートローダーが正しく検出されない場合は、インストールの完了後に、追加のオペレーティングシステムを手動で設定できます。
複数のディスクを搭載した Red Hat Enterprise Linux システムをインストールする場合は、ブートローダーをインストールするディスクを手動で指定することを推奨します。
手順
Installation Destination ウィンドウで、Full disk summary and bootloader リンクをクリックします。選択したディスク ダイアログボックスが開きます。
ブートローダーは、選択したデバイス、または UEFI システムにインストールされます。ガイド付きパーティションの作成時に、そのデバイスに EFI システムパーティション が作成されます。
- 起動デバイスを変更するには、リストからデバイスを選択して をクリックします。起動デバイスとして設定できるデバイスは 1 つだけです。
- 新しいブートローダーのインストールを無効にする場合は、現在起動用として設定されているデバイスを選択し、GRUB2 がインストールされないようになります。 をクリックします。これにより、いずれのデバイスにも
ブートローダーをインストールしないを選択した場合は、システムを直接起動できなくなるため、別の起動方法 (市販のスタンドアロンのブートローダーアプリケーションなど) を使用しなければならなくなります。ブートローダーをインストールしないは、システムを起動させる方法が別に確保されている場合に限定してください。
ブートローダーは、システムが BIOS または UEFI のファームウェアを使用しているか、ブートドライブに GUID Partition Table (GPT) または Master Boot Record (MBR) (msdos
としても知られている) があるかどうかによって、特別なパーティションを作成する必要があります。自動パーティション作成を使用していると、インストールプログラムがパーティションを作成します。
17.2.4. ストレージデバイスの選択
ストレージデバイス選択画面には、インストールプログラムがアクセスできるストレージデバイスがリスト表示されます。システムや利用可能なハードウェアによっては、一部のタブが表示されない場合があります。デバイスは、次のタブに分類されます。
- マルチパスデバイス
- 同じシステムにある、複数の SCSI コントローラーやファイバーチャネルポートなどの複数のパスからアクセスできるストレージデバイスです。インストールプログラムで検出できるのは、16 文字または 32 文字の長さのシリアル番号を持つマルチパスストレージデバイスのみです。
- その他の SAN デバイス
- SAN (Storage Area Network) 上にあるデバイスです。
- ファームウェア RAID
- ファームウェア RAID コントローラーに接続されているストレージデバイスです。
- NVDIMM デバイス
- 特定の状況下では、Red Hat Enterprise Linux 8 は、Intel 64 アーキテクチャーおよび AMD64 アーキテクチャー上で、(NVDIMM) デバイスからセクターモードで起動および実行できます。
- IBM Z デバイス
- zSeries Linux FCP (ファイバーチャネルプロトコル) ドライバーで接続されたストレージデバイス、論理ユニット (LUN)、または DASD です。
17.2.5. ストレージデバイスのフィルタリング
ストレージデバイス選択画面では、WWID (World Wide Identifier)、ポート、ターゲット、または論理ユニット番号 (LUN) のいずれかを使用して、ストレージデバイスをフィルタリングできます。
前提条件
- Installation Summary 画面が開いている。
手順
- Installation Summary 画面から、Installation Destination をクリックします。Installation Destination ウィンドウが開き、使用可能なすべてのドライブがリスト表示されます。
- Specialized & Network Disks セクションで、 をクリックします。ストレージデバイスの選択画面が表示されます。
ポート、ターゲット、LUN、または WWID で検索するには、Search by タブをクリックします。
WWID または LUN で検索するには、対応する入力テキストフィールドに値を入力する必要があります。
- Search ドロップダウンメニューから必要なオプションを選択します。
- をクリックして検索を開始します。各デバイスと、対応するチェックボックスが、別の行に表示されます。
インストールプロセス時に必要なデバイスが利用できるようにするには、チェックボックスを選択します。
後続のインストールプロセスで、選択したデバイスの中から、Red Hat Enterprise Linux をインストールするデバイスを選択できます。その他のデバイスの中から、インストール済みシステムに自動的にマウントするものを選択できます。選択したデバイスがインストールプロセスにより自動的に消去されることはなく、デバイスを選択しても、デバイスに保存されているデータが危険にさらされることはありません。
注記インストール後に
/etc/fstab
ファイルを変更することで、システムにデバイスを追加できます。- Installation Destination ウィンドウに戻ります。 をクリックして
ここで選択しないストレージデバイスはすべて、インストールプログラムでは表示されなくなります。別のブートローダーからこのブートローダーをチェーンロードする場合は、ここに表示されているすべてのデバイスを選択します。
17.2.6. 高度なストレージオプションの使用
高度なストレージデバイスを使用するには、iSCSI (SCSI over TCP/IP) ターゲットまたは FCoE (Fibre Channel over Ethernet) の SAN (Storage Area Network) を設定できます。
インストールに iSCSI ストレージデバイスを使用する場合は、インストールプログラム側で iSCSI ストレージデバイスを iSCSI ターゲットとして検出し、そのターゲットにアクセスするための iSCSI セッションを作成できるようにする必要があります。各手順で、CHAP (Challenge Handshake Authentication Protocol) 認証用のユーザー名とパスワードが必要になる場合があります。さらに、検出、またはセッション作成のいずれの場合も、iSCSI ターゲット側でターゲットの接続先となるシステムの iSCSI イニシエーターを認証する (リバース CHAP) ように設定することもできます。CHAP とリバース CHAP を併用する場合は、相互 CHAP または双方向 CHAP と呼ばれます。相互 CHAP を使用すると、特に CHAP 認証とリバース CHAP 認証でユーザー名やパスワードが異なる場合などに、iSCSI 接続に対する最大限の安全レベルを確保できます。
iSCSI 検出と iSCSI ログインの手順を繰り返して、必要な iSCSI ストレージをすべて追加します。初回の検出試行後は、iSCSI イニシエーターの名前を変更できません。iSCSI イニシエーターの名前を変更する場合は、インストールを最初からやり直す必要があります。
17.2.6.1. iSCSI セッションの検出および開始
Red Hat Enterprise Linux インストーラーは、次の 2 つの方法で iSCSI ディスクを検出し、ログインできます。
- iBFT (iSCSI Boot Firmware Table)
-
インストーラーは、起動すると、システムの BIOS またはアドオンブート ROM が iBFT をサポートしているかどうかをチェックします。BIOS は、iSCSI から起動できるシステム用の BIOS 拡張です。BIOS が iBFT に対応している場合は、インストーラーは BIOS から設定済みのブートディスクの iSCSI ターゲット情報を読み取り、このターゲットにログインして、インストールターゲットとして利用可能にします。iSCSI ターゲットに自動的に接続するには、ターゲットにアクセスするためのネットワークデバイスをアクティブ化します。これを行うには、ブートオプション
ip=ibft
を使用します。詳細は、ネットワーク起動オプション を参照してください。 - iSCSI ターゲットの手動検出および追加
- インストーラーのグラフィカルユーザーインターフェイスで iSCSI セッションを検出して開始し、使用可能な iSCSI ターゲット (ネットワークストレージデバイス) を特定できます。
前提条件
- Installation Summary 画面が開いている。
手順
- Installation Summary 画面から、Installation Destination をクリックします。Installation Destination ウィンドウが開き、使用可能なすべてのドライブがリスト表示されます。
- Specialized & Network Disks セクションで、 をクリックします。ストレージデバイスの選択画面が表示されます。
iSCSI ストレージターゲットの追加 画面が開きます。
をクリックします。重要この方法を使用して手動で追加した iSCSI ターゲットには
/boot
パーティションを置くことができません。/boot
パーティションを含む iSCSI ターゲットを iBFT で使用するように設定する必要があります。ただし、インストールされたシステムが、たとえば iPXE を使用して、ファームウェアの iBFT 以外の方法で提供された iBFT 設定で iSCSI から起動する場合は、inst.nonibftiscsiboot
インストーラー起動オプションを使用して/boot
パーティション制限を削除できます。- ターゲットの IP アドレス フィールドに、iSCSI ターゲットの IP アドレスを入力します。
iSCSI Initiator Name フィールドに、iSCSI 修飾名 (IQN) の形式で iSCSI イニシエーターの名前を入力します。IQN エントリーには次を含めてください。
-
iqn.
の文字列 (ピリオドが必要)。 -
日付コード (企業や組織のインターネットドメイン名またはサブドメイン名が登録された年と月。記述の順序は年を表す 4 桁の数字、ハイフン、月を表す 2 桁の数字、ピリオドの順で設定されます)。たとえば、2010 年 9 月の場合は
2010-09.
のようになります。 -
企業や組織のインターネットのドメイン名またはサブドメイン名 (トップレベルのドメインを先頭にして逆順で表します)。たとえば、
storage.example.com
のサブドメインは、com.example.storage
のようになります。 コロン (:) と、ドメインまたはサブドメイン内でその iSCSI イニシエーターを固有に識別する文字列。たとえば、
:diskarrays-sn-a8675309
です。完全な IQN は
iqn.2010-09.storage.example.com:diskarrays-sn-a8675309
のようになります。構造を理解しやすくするために、インストールプログラムにより、iSCSI Initiator Name
フィールドにこの形式の名前が事前に入力されます。IQN の詳細は、tools.ietf.org の RFC 3720 - Internet Small Computer Systems Interface (iSCSI) に記載されている 3.2.6. iSCSI Names と、tools.ietf.org の RFC 3721 - Internet Small Computer Systems Interface (iSCSI) Naming and Discovery に記載されている 1. iSCSI Names and Addresses を参照してください。
-
認証のタイプの探索
ドロップダウンメニューを使用して、iSCSI 検出に使用する認証タイプを指定します。以下のタイプが使用できます。- 証明書なし
- CHAP 秘密鍵
- CHAP 秘密鍵とリバースペア
次のいずれかを行います。
-
認証タイプに
CHAP ペア
を選択した場合は、CHAP ユーザー名
とCHAP パスワード
の各フィールドに、iSCSI ターゲットのユーザー名とパスワードを入力します。 -
認証タイプに
CHAP 秘密鍵と逆順鍵
を選択した場合は、CHAP ユーザー名
とCHAP パスワード
の各フィールドに、iSCSI ターゲットのユーザー名とパスワードを入力します。また、リバース CHAP ユーザー名
とCHAP パスワード
の各フィールドに、iSCSI イニシエーターのユーザー名とパスワードを入力します。
-
認証タイプに
-
オプション:
Bind targets to network interfaces
チェックボックスをオンにします。 入力した情報に基づいて、インストールプログラムが iSCSI ターゲットを調べます。検出に成功すると、
iSCSI ターゲットを追加
画面には、ターゲットで検出された iSCSI ノードのリストが表示されます。インストールに使用するノードのチェックボックスを選択します。
ノードのログイン認証のタイプ
メニューには、認証のタイプの探索
メニューと同じオプションがあります。ただし、ディスカバリー認証に証明書が必要な場合は、見つかったノードに同じ証明書を使用してログインします。-
探索に証明書を使用
ドロップダウンメニューをクリックします。適切な認証情報を指定すると、 ボタンが利用可能になります。 - をクリックして、iSCSI セッションを開始します。
インストーラーは iscsiadm
を使用して iSCSI ターゲットを検索し、ログインしますが、iscsiadm
は自動的にこれらのターゲットに関する情報を iscsiadm
iSCSI データベースに保存します。その後、インストーラーはこのデータベースをインストール済みシステムにコピーし、root パーティションに使用されていない iSCSI ターゲットをマークします。これにより、システムは起動時に自動的にそのターゲットにログインします。root パーティションが iSCSI ターゲットに配置されている場合、initrd
がこのターゲットにログインするため、インストーラーは、同じターゲットへのログインが複数回試行されるのを避けるために、このターゲットを起動スクリプトに含めません。
17.2.6.2. FCoE パラメーターの設定
FCoE パラメーターを適切に設定することで、Installation Destination ウィンドウから FCoE (Fibre Channel over Ethernet) デバイスを検出できます。
前提条件
- Installation Summary 画面が開いている。
手順
- Installation Summary 画面から、Installation Destination をクリックします。Installation Destination ウィンドウが開き、使用可能なすべてのドライブがリスト表示されます。
- Specialized & Network Disks セクションで、 をクリックします。ストレージデバイスの選択画面が表示されます。
- をクリックします。FCoE ストレージデバイスを検出するようにネットワークインターフェイスを設定するダイアログボックスが開きます。
-
NIC
ドロップダウンメニューで、FCoE スイッチに接続するネットワークインターフェイスを選択します。 - をクリックして、SAN デバイスのネットワークをスキャンします。
必要なチェックボックスを選択します。
- Use DCB: Data Center Bridging (DCB) は、ストレージネットワークやクラスターでイーサネット接続の効率性を向上させる目的で設計されたイーサネットプロトコルに対する拡張セットです。このチェックボックスを選択して、インストールプログラムによる DCB 認識を有効または無効にします。このオプションは、ネットワークインターフェイスでホストベースの DCBX クライアントを必要とする場合にのみ有効にします。ハードウェアの DCBX クライアントを使用するインターフェイスで設定する場合は、このチェックボックスを無効にします。
- Use auto vlan: 自動 VLAN はデフォルトで有効になり、VLAN 検出を行うかどうかを指定します。このチェックボックスを選択すると、リンク設定が検証された後、イーサネットインターフェイスで FIP (FCoE Initiation Protocol) VLAN 検出プロトコルが実行します。設定が行われていない場合は、検出されたすべての FCoE VLAN に対してネットワークインターフェイスが自動的に作成され、VLAN インターフェイスに FCoE のインスタンスが作成されます。
-
検出された FCoE デバイスが、インストール先 画面の
他の SAN デバイス
タブに表示されます。
17.2.6.3. DASD ストレージデバイスの設定
Installation Destination ウィンドウから DASD ストレージデバイスを検出して設定できます。
前提条件
- Installation Summary 画面が開いている。
手順
- Installation Summary 画面から、Installation Destination をクリックします。Installation Destination ウィンドウが開き、使用可能なすべてのドライブがリスト表示されます。
- Specialized & Network Disks セクションで、 をクリックします。ストレージデバイスの選択画面が表示されます。
- Add DASD Storage Target ダイアログボックスが開きます。0.0.0204 などのデバイス番号を指定して、インストールの開始時に検出されなかった追加の DASD を接続するように求められます。 をクリックします。
- Device number フィールドに、接続する DASD のデバイス番号を入力します。
指定したデバイス番号を持つ DASD が検出され、その DASD が接続されていない場合は、ダイアログボックスが閉じ、新たに検出されたドライブが、ドライブのリストに表示されます。次に、必要なデバイスのチェックボックスを選択して、インストール先 画面の ローカルの標準ディスク セクションで、新しい DASD が選択できるようになります (
をクリックします。DASD device 0.0.xxxx
と表示されます)。
無効なデバイス番号を入力した場合、または指定したデバイス番号の DASD がすでにシステムに割り当てられている場合は、ダイアログボックスにエラーメッセージとその理由が表示され、別のデバイス番号で再試行するように求められます。
17.2.6.4. FCP デバイスの設定
FCP デバイスは、64 ビットの IBM Z が DASD デバイスの代わりに、または DASD デバイスに加えて、SCSI デバイスを使用できるようにするものです。FCP デバイスは交換ファブリックスイッチを提供し、これにより 64 ビットの IBM Z システムが SCSI LUN を従来の DASD デバイスとして用いる使い方に加えて、ディスクデバイスとして使えるようにします。
前提条件
- Installation Summary 画面が開いている。
-
FCP のみのインストールで、DASD がないことを示すために、CMS 設定ファイルから
DASD=
オプションを削除するか、パラメーターファイルからrd.dasd=
オプションを削除した。
手順
- Installation Summary 画面から、Installation Destination をクリックします。Installation Destination ウィンドウが開き、使用可能なすべてのドライブがリスト表示されます。
- Specialized & Network Disks セクションで、 をクリックします。ストレージデバイスの選択画面が表示されます。
Add zFCP Storage Target ダイアログボックスが開き、FCP (ファイバーチャネルプロトコル) ストレージデバイスを追加できます。
をクリックします。64 ビットの IBM Z では、インストールプログラムが FCP LUN をアクティベートするために、FCP デバイスを手動で入力する必要があります。これは、グラフィカルインストールで指定するか、パラメーターもしくは CMS 設定ファイル内で一意のパラメーターエントリーとして指定することで可能になります。設定する各サイトに固有の値を入力する必要があります。
- Device number フィールドに 4 桁の 16 進数のデバイス番号を入力します。
RHEL-8.6 以前のリリースをインストールする場合、
zFCP
デバイスが NPIV モードで設定されていない場合や、zfcp.allow_lun_scan=0
カーネルモジュールパラメーターでauto LUN
スキャンが無効になっている場合は、以下の値を指定します。- 16 桁の 16 進数の WWPN (World Wide Port Number) を、WWPN フィールドに入力します。
- 16 桁の 16 進数の FCP LUN 識別子を、LUN フィールドに入力します。
- をクリックして、FCP デバイスに接続します。
新しく追加されたデバイスが、Installation Destination ウィンドウの IBM Z タブに表示されます。
16 進法で小文字のみを使用してください。間違った値を入力して
をクリックすると、インストールプログラムにより警告が表示されます。設定情報の編集と、探索の再試行が可能です。値の詳細は、ハードウェアに添付のドキュメントを参照し、システム管理者に確認してください。17.2.7. NVDIMM デバイスへのインストール
不揮発性デュアルインラインメモリーモジュール (NVDIMM) デバイスは、電源が供給されていない時に、RAM のパフォーマンスと、ディスクのようなデータの持続性を兼ね備えています。特定の状況下では、NVDIMM デバイスから Red Hat Enterprise Linux 8 を起動して実行できます。
17.2.7.1. NVDIMM デバイスをインストール先として使用するための基準
Red Hat Enterprise Linux 8 は、nd_pmem ドライバーがサポートする Intel 64 アーキテクチャーおよび AMD64 アーキテクチャーにある、セクターモードの不揮発性デュアルインラインメモリーモジュール (NVDIMM) デバイスにインストールできます。
NVDIMM デバイスをストレージとして使用するための条件
NVDIMM デバイスをストレージとして使用するには、次の条件を満たす必要があります。
- システムのアーキテクチャーが Intel 64 または AMD64 である。
- NVDIMM デバイスがセクターモードに設定されている。インストールプログラムにより NVDIMM デバイスをこのモードに再設定できます。
- NVDIMM デバイスが、nd_pmem ドライバーで対応している。
NVDIMM デバイスからの起動の条件
以下の条件が満たされる場合には、NVDIMM デバイスからの起動が可能です。
- NVDIMM デバイスを使用するための条件がすべて満たされている。
- システムが UEFI を使用している。
- システムで使用可能なファームウェアまたは UEFI ドライバーが NVDIMM デバイスをサポートしている。UEFI ドライバーは、デバイス自体のオプション ROM から読み込むことができます。
- NVDIMM デバイスが名前空間で利用可能である。
システムの起動中に高性能な NVDIMM デバイスを利用するには、/boot
ディレクトリーおよび /boot/efi
ディレクトリーをデバイスに置きます。NVDIMM デバイスの XIP (Execute-in-place) 機能は、起動時にはサポートされません。カーネルは従来どおりメモリーに読み込まれます。
17.2.7.2. グラフィカルインストールモードを使用した NVDIMM デバイスの設定
不揮発性デュアルインラインメモリーモジュール (NVDIMM) デバイスは、Red Hat Enterprise Linux 8 で使用するために、グラフィカルインストールを使用して正しく設定する必要があります。
NVDIMM デバイスを再設定するプロセスにより、デバイスに格納されていたデータがすべて失われます。
前提条件
- NVDIMM デバイスがシステムに存在し、その他の、インストールターゲットとして使用するための条件を満たしている。
- インストールが起動し、インストール概要 画面が開いている。
手順
- Installation Summary 画面から、Installation Destination をクリックします。Installation Destination ウィンドウが開き、使用可能なすべてのドライブがリスト表示されます。
- Specialized & Network Disks セクションで、 をクリックします。ストレージデバイスの選択画面が表示されます。
- NVDIMM デバイス タブをクリックします。
デバイスを再設定する場合は、リストから選択します。
デバイスがリストにない場合は、セクターモードになっていません。
- をクリックします。再設定ダイアログが開きます。
必要なセクターサイズを入力し、
をクリックします。サポートされるセクターサイズは 512 バイトおよび 4096 バイトです。
- 再設定が終了したら、 をクリックします。
- デバイスのチェックボックスを選択します。
Installation Destination ウィンドウに戻ります。
をクリックして再設定した NVDIMM は、特殊なディスクおよびネットワークディスク セクションに表示されます。
- インストール概要 画面に戻ります。 をクリックして、
NVDIMM デバイスがインストール先として選択できるようになります。デバイスが起動の要件を満たしている場合は、そのように設定できます。
17.3. root ユーザーの設定とローカルアカウントの作成
17.3.1. root パスワードの設定
インストールプロセスを完了し、管理者 (スーパーユーザーまたは root としても知られている) アカウントでログインするには、root
パスワードを設定する必要があります。これらのタスクには、ソフトウェアパッケージのインストールおよび更新と、ネットワーク、ファイアウォール設定、ストレージオプションなどのシステム全体の設定の変更と、ユーザー、グループ、およびファイルのパーミッションの追加または修正が含まれます。
インストールしたシステムの root 権限を取得するには、root アカウントを使用するか、管理者権限を持つユーザーアカウント (wheel グループのメンバー) を作成します。root
アカウントは、インストール中に作成されます。管理者アクセスが必要なタスクを実行する必要がある場合に限り、管理者アカウントに切り替えてください。
root
アカウントは、システムを完全に制御できます。このアカウントへのアクセスを不正に入手すると、ユーザーの個人ファイルへのアクセスや削除が可能になります。
手順
- インストール概要 画面から、ユーザー設定 > root パスワード を選択します。root パスワード 画面が開きます。
root パスワード フィールドにパスワードを入力します。
強力な root パスワードを作成するための要件は次のとおりです。
- 最低でも 8 文字の長さが 必要
- 数字、文字 (大文字と小文字)、記号を含めることができる
- 大文字と小文字が区別される
- 確認 フィールドにも同じパスワードを入力します。
Installation Summary ウィンドウに戻ります。
をクリックして root パスワードを確認し、脆弱なパスワードを使用して続行する場合は、
を 2 回クリックする必要があります。
17.3.2. ユーザーアカウントの作成
ユーザーアカウントを作成してインストールを完了します。ユーザーアカウントを作成しない場合は、root
としてシステムに直接ログインする必要がありますが、これは 推奨されません。
手順
- Installation Summary ウィンドウで、User Settings > User Creation を選択します。ユーザーの作成 画面が開きます。
- フルネーム フィールドに、ユーザーアカウント名 (John Smith など) を入力します。
ユーザー名 フィールドに、ユーザー名 (jsmith など) を入力します。
コマンドラインからログインするには、ユーザー名 を使用します。グラフィカル環境をインストールする場合、グラフィカルログインマネージャーは、フルネーム を使用します。
ユーザーに管理者権限が必要な場合は、このユーザーを管理者にする チェックボックスを選択します (インストールプログラムにより、このユーザーが
wheel
グループに追加されます)。管理者ユーザーは、
sudo
コマンドを実行し、root
パスワードの代わりにユーザーパスワードを使用して、root
のみが実行できるタスクを実行できます。こちらを使用した方が便利な場合もありますが、セキュリティーリスクを引き起こす可能性があります。Require a password to use this account チェックボックスを選択します。
ユーザーに管理者権限を与える場合は、アカウントがパスワードで保護されていることを確認してください。アカウントにパスワードを割り当てない場合は、ユーザーに管理者特権を与えないでください。
- Password フィールドにパスワードを入力します。
- Confirm password フィールドに同じパスワードを入力します。
- Installation Summary 画面に戻ります。 をクリックして変更を適用し、
17.3.3. ユーザーの詳細設定の編集
以下の手順では、Advanced User Configuration ダイアログボックスでユーザーアカウントのデフォルト設定を編集する方法を説明します。
手順
- Create User 画面で、 をクリックします。
-
必要に応じて、Home directory フィールドの詳細を変更します。このフィールドには、デフォルトで
/home/username
が表示されます。 User and Groups IDs セクションでは、次のことができます。
Specify a user ID manually チェックボックスを選択し、 または を使用して、必要な値を入力します。
デフォルト値は 1000 です。ユーザー ID (UID) の 0 ~ 999 はシステムが予約しているため、ユーザーに割り当てることができません。
Specify a group ID manually チェックボックスを選択し、 または を使用して、必要な値を入力します。
デフォルトのグループ名はユーザー名と同じで、デフォルトのグループ ID (GID) は 1000 です。GID の 0 ~ 999 はシステムが予約しているため、ユーザーグループに割り当てることができません。
Group Membership フィールドに、コンマ区切りの追加グループリストを指定します。グループが存在しない場合は作成されます。追加されるグループにカスタムの GID を指定する場合は、カスタムの GID を括弧に入れて指定します。新しいグループにカスタムの GID を指定しない場合は、GID が自動的に割り当てられます。
作成されたユーザーアカウントには、デフォルトグループメンバーシップが常に 1 つあります (Specify a group ID manually フィールドに設定した ID を持つユーザーのデフォルトグループ)。
- Create User 画面に戻ります。 をクリックして更新を適用し、
17.4. 手動パーティションの設定
手動パーティション設定を使用して、ディスクパーティションおよびマウントポイントを設定し、Red Hat Enterprise Linux がインストールされているファイルシステムを定義できます。インストールの前に、ディスクデバイスにパーティションを設定するかどうかを検討する必要があります。直接または LVM を使用して、LUN でパーティション設定を使用する場合の利点と欠点の詳細は、Red Hat ナレッジベースソリューション advantages and disadvantages to using partitioning on LUNs を参照してください。
Standard Partitions
、LVM
、LVM thin provisioning
など、さまざまなパーティションおよびストレージオプションが利用できます。これらのオプションは、システムのストレージを効果的に管理するうえで、さまざまな利点と設定を提供します。
- 標準パーティション
-
標準パーティションには、ファイルシステムやスワップ領域が格納されます。標準パーティションは、
/boot
、BIOS Boot
、およびEFI System パーティション
で最も一般的に使用されます。LVM 論理ボリュームは、他のほとんどの用途にも使用できます。 - LVM
-
デバイスタイプに
LVM
(または論理ボリューム管理) を選択すると、LVM 論理ボリュームが作成されます。LVM は、物理ディスク使用時のパフォーマンスを向上させます。また、パフォーマンスや信頼性を向上させる高度な設定 (1 つのマウントポイントに複数の物理ディスクを使用する、ソフトウェア RAID を設定するなど) を可能にします。 - LVM シンプロビジョニング
- シンプロビジョニングを使用すると、シンプールと呼ばれる、空き領域のストレージプールを管理でき、アプリケーションで必要になった時に任意の数のデバイスに割り当てることができます。ストレージ領域の割り当ての費用対効果を高くする必要がある場合は、プールを動的に拡張できます。
Red Hat Enterprise Linux のインストールには、少なくとも 1 つのパーティションが必要です。少なくとも /
、/home
、/boot
、および swap
パーティションまたはボリュームを使用してください。必要に応じて、その他のパーティションやボリュームを作成することもできます。
データを失わないように、先に進める前に、データのバックアップを作成しておくことが推奨されます。デュアルブートシステムをアップグレードまたは作成する場合は、保存しておくストレージデバイスの全データのバックアップを作成してください。
17.4.1. 推奨されるパーティション設定スキーム
次のマウントポイントに個別のファイルシステムを作成してください。ただし、必要に応じて /usr
、/var
および /tmp
のマウントポイントでファイルシステムを作成することもできます。
-
/boot
-
/
(root) -
/home
-
swap
-
/boot/efi
-
PReP
このパーティションスキームは、ベアメタルのデプロイメントに推奨されますが、仮想およびクラウドのデプロイメントには適用されません。
/boot
パーティション (最小限 1 GiB のサイズを推奨)-
/boot
にマウントするパーティションには、オペレーティングシステムのカーネルが含まれます。これにより、起動プロセス中に使用されるファイルと共に Red Hat Enterprise Linux 8 が起動します。ほとんどのファームウェアには制限があるため、ファームウェアを保持するための小さなパーティションを作成してください。ほとんどの場合は、1 GiB の boot パーティションで十分です。その他のマウントポイントとは異なり、LVM ボリュームを/boot
に使用することはできません。/boot
は、別のディスクパーティションに置く必要があります。
RAID カードを実装している場合、BIOS タイプは、RAID カードからの起動に対応していない場合がある点に注意してください。これに該当する場合は、/boot
パーティションは別のディスクなどの RAID アレイ以外のパーティションに作成する必要があります。
-
通常、
/boot
パーティションは、インストールプログラムにより自動的に作成されます。ただし、/
(ルート) パーティションが 2 TiB を超え、起動に (U)EFI を使用する場合は、マシンを正常に起動させるため、2 TiB 未満の/boot
パーティションを別途作成する必要があります。 -
手動でパーティション設定する場合は、必ず
/boot
パーティションをディスクの最初の 2 TB 以内に配置してください。/boot
パーティションを 2 TB の境界を超えて配置すると、インストールが成功しても、システムが起動に失敗します。この制限を超える/boot
パーティションを BIOS が読み取れないためです。
/
(10 GiB のサイズを推奨)ここは "
/
"、つまりルートディレクトリーが配置される場所です。ルートディレクトリーは、ディレクトリー構造のトップレベルです。デフォルトでは、書き込み先のパスに別のファイルシステムがマウントされていない限り (/boot
、/home
など)、すべてのファイルがこのファイルシステムに書き込まれます。root ファイルシステムが 5 GiB の場合は最小インストールが可能ですが、パッケージグループをいくつでもインストールできるように、少なくとも 10 GiB を割り当てておくことが推奨されます。
/
ディレクトリーと、/root
ディレクトリーを混合しないように注意してください。/root
ディレクトリーは、root ユーザーのホームディレクトリーになります。/root
ディレクトリーは、root ディレクトリーと区別するため、スラッシュルート と呼ばれることがあります。
/home
(1 GiB 以上のサイズを推奨)-
システムデータとユーザーデータを別々に格納する場合は、
/home
ディレクトリー用の専用ファイルシステムを作成します。ファイルシステムのサイズは、ローカルで保存するデータ量やユーザー数などを基に決定してください。こうすることで、ユーザーデータのファイルを消去せずに Red Hat Enterprise Linux 8 をアップグレードしたり、再インストールできるようになります。自動パーティション設定を選択する場合は、/home
ファイルシステムが確実に作成されるように、インストールに少なくとも 55 GiB のディスク領域を確保しておくことを推奨します。 swap
パーティション (1 GiB 以上のサイズを推奨)仮想メモリーは、swap ファイルシステムによりサポートされています。つまり、システムが処理しているデータを格納する RAM が不足すると、そのデータは swap ファイルシステムに書き込まれます。swap サイズはシステムメモリーのワークロードに依存するため、システムメモリーの合計ではありません。したがって、システムメモリーサイズの合計とは等しくなりません。システムメモリーの作業負荷を判断するためには、システムで実行するアプリケーションの種類、およびそのアプリケーションにより生じる負荷を分析することが重要になります。アプリケーションにより生じる負荷に関するガイダンスは、アプリケーション提供元または開発側より提供されます。
システムで swap 領域が不足すると、システムの RAM メモリーがすべて使用されるため、カーネルがプロセスを終了します。swap 領域が大き過ぎても、割り当てられているストレージデバイスがアイドル状態となり、リソース運用面では効率が悪くなります。また、swap 領域が大き過ぎるとメモリーリークに気付きにくくなる可能性があります。swap パーティションの最大サイズおよび詳細は、
mkswap(8)
の man ページを参照してください。システムの RAM の容量別に推奨される swap サイズと、ハイバネートするのに十分なサイズを以下の表に示します。インストールプログラムでシステムのパーティション設定を自動的に設定すると、swap パーティションのサイズはこのガイドラインに沿って決められます。自動パーティション設定では、ハイバネートは使用しないことを前提としています。このため、swap パーティションの上限がディスクの合計サイズの最大 10 % に制限され、インストールプログラムでは、1 TiB を上回るサイズの swap パーティションが作成されません。ハイバネートを行うために十分な swap 領域を設定したい場合、もしくはシステムのストレージ領域の 10 % 以上を swap パーティションに設定したい場合、または 1 TiB を超えるサイズにしたい場合は、パーティション設定のレイアウトを手動で編集する必要があります。
システム内の RAM の容量 | 推奨されるスワップ領域 | ハイバネートを許可する場合に推奨されるスワップ領域 |
---|---|---|
2 GiB 未満 | RAM 容量の 2 倍 | RAM 容量の 3 倍 |
2 GiB - 8 GiB | RAM 容量と同じ | RAM 容量の 2 倍 |
8 GiB - 64 GiB | 4 GiB から RAM 容量の半分まで | RAM 容量の 1.5 倍 |
64 GiB を超える場合 | ワークロードによる (最小 4 GiB) | ハイバネートは推奨されない |
/boot/efi
パーティション (サイズは 200 MiB を推奨)- UEFI ベースの AMD64、Intel 64、および 64 ビットの ARM は、200 MiB の EFI システムパーティションが必要です。推奨される最小サイズは 200 MiB で、デフォルトサイズは 600 MiB で、最大サイズは 600 MiB です。BIOS システムは、EFI システムパーティションを必要としません。
値が、範囲の境界線上にある場合 (システムの RAM が 2 GiB、8 GiB、または 64 GiB などの場合)、swap 領域の決定やハイバネートへのサポートは適宜判断してください。システムリソースに余裕がある場合は、スワップ領域を増やすとパフォーマンスが向上することがあります。
swap 領域を複数のストレージデバイスに分散させても、swap 領域のパフォーマンスが向上します (高速ドライブやコントローラー、インターフェイスなどを備えたシステムで特に効果的)。
多くのシステムでは、パーティションおよびボリュームの数は上述の最小数より多くなります。パーティション設定は、システム固有のニーズに応じて決定してください。パーティションを設定する方法が分からない場合は、インストールプログラムで提供されているデフォルトの自動パーティションのレイアウトをご利用ください。
すぐに必要となるパーティションにのみストレージ容量を割り当ててください。必要に応じて空き容量をいつでも割り当てることができます。
PReP
起動パーティション (4 - 8 MiB のサイズを推奨)-
IBM Power System サーバーに Red Hat Enterprise Linux をインストールする場合は、ディスクの最初のパーティションに
PReP
起動パーティションが含まれている必要があります。このパーティションには、他の IBM Power Systems サーバーで Red Hat Enterprise Linux を起動できるようにする GRUB ブートローダーが格納されます。
17.4.2. サポート対象のハードウェアストレージ
Red Hat Enterprise Linux のメジャーバージョン間でストレージ技術がどのように設定され、そのサポートがどのように変更したかを理解することが重要になります。
ハードウェア RAID
インストールプロセスを開始する前に、コンピューターのマザーボードが提供する RAID 機能、またはコントローラーカードが接続する RAID 機能を設定する必要があります。アクティブな RAID アレイは、それぞれ Red Hat Enterprise Linux 内で 1 つのドライブとして表示されます。
ソフトウェア RAID
システムに複数のディスクが搭載されている場合は、Red Hat Enterprise Linux インストールプログラムを使用して、複数のドライブを 1 つの Linux ソフトウェア RAID アレイとして動作させることができます。ソフトウェア RAID アレイを使用すると、RAID 機能は専用のハードウェアではなく、オペレーティングシステムにより制御されることになります。
以前から存在している RAID アレイの全メンバーデバイスが、パーティションが設定されていないディスクまたはドライブの場合、インストールプログラムは、アレイをディスクとして扱い、アレイを削除する方法はありません。
USB ディスク
インストール後に外付け USB ストレージを接続して設定できます。ほとんどのデバイスはカーネルにより認識されますが、認識されないデバイスもあります。インストール中にこれらのディスクを設定する必要がない場合は切断して、潜在的な問題を回避してください。
NVDIMM デバイス
不揮発性デュアルインラインメモリーモジュール (NVDIMM) デバイスをストレージとして使用するには、次の条件を満たす必要があります。
- Red Hat Enterprise Linux のバージョンが、7.6 以降である。
- システムのアーキテクチャーが Intel 64 または AMD64 である。
- デバイスが、セクターモードに設定されている。Anaconda で、NVDIMM デバイスをこのモードに再設定できます。
- nd_pmem ドライバーがそのデバイスに対応している。
さらに以下の条件が満たされる場合には、NVDIMM デバイスからの起動が可能です。
- システムが UEFI を使用している。
- システムで使用可能なファームウェアまたは UEFI ドライバーがデバイスをサポートしている。UEFI ドライバーは、デバイス自体のオプション ROM から読み込むことができます。
- デバイスが名前空間で利用可能である。
システムの起動中に高性能な NVDIMM デバイスを利用するには、デバイスに /boot
ディレクトリーおよび /boot/efi
ディレクトリーを置きます。
NVDIMM デバイスの XIP (Execute-in-place) 機能は、起動時にはサポートされません。カーネルは従来どおりメモリーに読み込まれます。
Intel の BIOS RAID に関する注意点
Red Hat Enterprise Linux は、Intel BIOS RAID セットへのインストールに、mdraid
を使用します。このセットは起動プロセスで自動検出されるため、起動するたびにデバイスノードパスが変わる可能性があります。デバイスノードのパス (/dev/sda
など) を、ファイルシステムのラベルまたはデバイス UUID に置き換えてください。ファイルシステムのラベルとデバイスの UUID は、blkid
コマンドを使用すると確認できます。
17.4.3. 手動パーティションの設定
手動パーティション設定を使用すると、要件に基づいてディスクのパーティションを設定できます。
前提条件
- Installation Summary 画面が開いている。
- インストールプログラムで、すべてのディスクが利用可能である。
手順
インストールに使用するディスクを選択します。
- Installation Destination をクリックして、Installation Destination ウィンドウを開きます。
- 対応するアイコンをクリックして、インストールに必要なディスクを選択します。選択したディスクにはチェックマークが表示されています。
- ストレージの設定 で、カスタム ラジオボタンを選択します。
- 必要に応じて、LUKS によるストレージの暗号化を有効にする場合は、データを暗号化する チェックボックスを選択します。
- をクリックします。
ストレージの暗号化を選択した場合は、ディスク暗号化パスフレーズを入力するダイアログボックスが開きます。LUKS パスフレーズを入力します。
2 つのテキストフィールドにパスフレーズを入力してください。キーボードレイアウトを切り替えるには、キーボードアイコンを使用します。
警告パスフレーズを入力するダイアログボックスでは、キーボードレイアウトを変更できません。インストールプログラムでパスフレーズを入力するには、英語のキーボードレイアウトを選択します。
- 手動パーティション設定 画面が開きます。 をクリックします。
削除したマウントポイントが、左側のペインにリスト表示されます。マウントポイントは、検出されたオペレーティングシステムのインストールごとにまとめられています。したがって、複数のインストールでパーティションを共有していると、ファイルシステムによっては複数回表示されることがあります。
- 左側のペインでマウントポイントを選択します。カスタマイズ可能なオプションが右側のペインに表示されます。
- オプション: システムに既存のファイルシステムがある場合には、インストールに十分な領域があることを確認してください。パーティションを削除するには、リストから選択して、 ボタンをクリックします。ダイアログには、削除されたパーティションが属するシステムが使用しているその他のパーティションをすべて削除するチェックボックスがあります。
オプション: 既存のパーティションがなく、出発点としてパーティションのセットを作成する場合は、左側のペインから希望するパーティションスキーム (Red Hat Enterprise Linux のデフォルトは LVM) を選択し、Click here to create them automatically リンクをクリックします。
注記/boot
パーティション、/
(ルート) ボリューム、およびswap
ボリュームが、利用可能なストレージのサイズに合わせて作成され、左側のペインにリスト表示されます。これらが標準的なインストールのファイルシステムですが、ファイルシステムとマウントポイントをさらに追加することもできます。- インストール概要 画面に戻ります。 をクリックして変更を適用し、
17.4.4. 対応ファイルシステム
手動パーティション設定を行うと、Red Hat Enterprise Linux で利用可能なさまざまなファイルシステムとパーティションタイプを利用して、パフォーマンスを最適化し、互換性を確保し、ディスク領域を効率的に管理できます。
- xfs
-
XFS ファイルシステムは、Red Hat Enterprise Linux のデフォルトのファイルシステムです。これは、最大 16 エクサバイト (約 1,600 万テラバイト) のファイルシステム、最大 8 エクサバイト (約 800 万テラバイト) のファイル、および数千万のエントリーを含むディレクトリー構造に対応する、拡張性に優れた高性能ファイルシステムです。
XFS
は、メタデータジャーナリングもサポートしているため、クラッシュに対するより迅速な復元が容易になります。1 つの XFS ファイルシステムでサポートされる最大サイズは 1 PB です。XFS を縮小して空き領域を確保することはできません。 - ext4
-
ext4
ファイルシステムは、ext3
ファイルシステムをベースとし、改善が加えられています。より大きなファイルシステム、そしてより大きなファイルに対応するようになり、ディスク領域の割り当てに要する時間が短縮され効率化されています。また、ディレクトリー内のサブディレクトリーの数に制限がなく、ファイルシステムチェックが速くなり、ジャーナリングがより強力になりました。1 つのext4
ファイルシステムで対応している最大サイズは 50 TB です。 - ext3
-
ext3
ファイルシステムはext2
ファイルシステムをベースとし、ジャーナリング機能という大きな利点を備えています。ジャーナリングファイルシステムを使用すると、クラッシュが発生するたびに fsck ユーティリティーを実行してメタデータの整合性をチェックする必要がないため、突然終了したあとに、ファイルシステムの復元に要する時間を短縮できます。 - ext2
-
ext2
ファイルシステムは標準の Unix ファイルタイプに対応しています (通常のファイル、ディレクトリー、シンボリックリンクなど)。最大 255 文字までの長いファイル名を割り当てることができます。 - swap
- swap パーティションは、仮想メモリーに対応するために使用されます。つまり、システムが処理しているデータを格納する RAM が不足すると、そのデータが swap パーティションに書き込まれます。
- vfat
VFAT
ファイルシステムは Linux ファイルシステムです。FAT ファイルシステムにある Microsoft Windows の長いファイル名と互換性があります。注記VFAT
ファイルシステムは、Linux システムのパーティションではサポートされていません。たとえば、/
、/var
、/usr
などです。- BIOS ブート
- BIOS 互換モードで、BIOS システムおよび UEFI システムの GUID パーティションテーブル (GPT) を使用するデバイスから起動するのに必要な、非常に小さいパーティションです。
- EFI システムパーティション
- UEFI システムの GUID パーティションテーブル (GPT) でデバイスを起動する場合に必要な、小さいパーティションです。
- PReP
-
この小さなブートパーティションは、ディスクの最初のパーティションにあります。
PReP
起動パーティションには GRUB2 ブートローダーが含まれ、その他の IBM Power Systems サーバーが Red Hat Enterprise Linux を起動できるようにします。
17.4.5. マウントポイントのファイルシステム追加
マウントポイントのファイルシステムは複数追加できます。XFS、ext4、ext3、ext2、swap、VFAT、および BIOS ブート、EFI システムパーティション、PReP などの特定のパーティションなど、利用可能なファイルシステムとパーティションタイプを使用して、システムのストレージを効果的に設定できます。
前提条件
- パーティションの計画が完了している。
-
/var/mail
、/usr/tmp
、/lib
、/sbin
、/lib64
、/bin
などのシンボリックリンクを含むパスにマウントポイントを指定していないことを確認する。RPM パッケージを含むペイロードは、特定のディレクトリーへのシンボリックリンクの作成に依存します。
手順
- マウントポイントを追加します ダイアログが表示されます。 をクリックして、マウントポイントのファイルシステムを作成します。
-
マウントポイント ドロップダウンメニューから、事前に設定したパスの中から 1 つ選択するか、別のパスを入力します。たとえば、root パーティションの場合は
/
を選択し、ブートパーティションの場合は/boot
を選択します。 ファイルシステムのサイズを 要求される容量 フィールドに入力します。たとえば
2GiB
です。Desired Capacity に値を指定しなかった場合、または使用可能な領域よりも大きいサイズを指定した場合、残りの空き領域がすべて使用されます。
- Manual Partitioning ウィンドウに戻ります。 をクリックしてパーティションを作成し、
17.4.6. マウントポイントのファイルシステム用ストレージの設定
手動で作成した各マウントポイントのパーティションスキームを設定できます。利用可能なオプションは、Standard Partition
、LVM
、および LVM Thin Provisioning
です。Red Hat Enterprise Linux 8 では、Btrf のサポートが非推奨になりました。
/boot
パーティションは、選択した値に関係なく、常に標準パーティションに置かれます。
手順
- 非 LVM マウントポイントを 1 つ配置するデバイスを変更するには、左側のペインから必要なマウントポイントを選択します。
- Device(s) 見出しの下にある をクリックします。マウントポイントの設定 ダイアログが開きます。
- 1 つ以上のデバイスを選択し、手動パーティション設定 画面に戻ります。 をクリックして選択を確認し、
- をクリックして、変更を適用します。
- 手動パーティション設定 画面左下で ストレージデバイスが選択されています リンクをクリックして、選択したディスク ダイアログを開いて、ディスク情報を確認します。
- オプション: ローカルディスクとパーティションをすべてリフレッシュするには、 ボタン (円形の矢印ボタン) をクリックします。この作業が必要になるのは、インストールプログラム以外で高度なパーティション設定を行った場合のみです。 ボタンをクリックすると、インストールプログラムに行った設定変更がすべてリセットされます。
17.4.7. マウントポイントのファイルシステムのカスタマイズ
特定の設定を行う場合は、パーティションまたはボリュームをカスタマイズできます。/usr
または /var
には重要なコンポーネントが含まれているため、このディレクトリーのパーティションをルートボリュームとは別の場所に設定すると、起動プロセスが非常に複雑になります。iSCSI ドライブや FCoE などの場所に配置してしまった場合には、システムが起動できなくなったり、電源オフや再起動の際に Device is busy のエラーでハングしたりする可能性があります。
これらの制限は /usr
と /var
にのみ適用され、その下のディレクトリーには適用されません。たとえば、/var/www
向けの個別パーティションは問題なく機能します。
手順
左側のペインから、マウントポイントを選択します。
図17.1 パーティションのカスタマイズ
右側のペインで、次のオプションをカスタマイズできます。
-
マウントポイント フィールドに、ァイルシステムのマウントポイントを入力します。たとえば、ファイルシステムが root ファイルシステムの場合は
/
を入力します。/boot
ファイルシステムの場合は/boot
を入力します。swap ファイルシステムの場合は、ファイルシステムタイプをswap
に設定すれば十分であるため、マウントポイントを設定しないでください。 - 割り当てる容量 フィールドに、ファイルシステムのサイズを入力します。単位には KiB や GiB が使用できます。単位を指定しない場合は、MiB がデフォルトになります。
デバイスタイプ ドロップダウンメニューから、必要なデバイスタイプ (
標準パーティション
、LVM
、またはLVM シンプロビジョニング
) 選択します。注記RAID
は、パーティションの作成に 2 つ以上のディスクが選択されている場合にのみ使用できます。RAID
を選択した場合は、RAID レベル
も設定できます。同様に、LVM
を選択した場合は、ボリュームグループ
を選択できます。- パーティションまたはボリュームを暗号化する場合は、暗号化 チェックボックスを選択します。後続のインストールプログラムで、パスワードを設定する必要があります。LUKS バージョン ドロップダウンメニューが表示されます。
- ドロップダウンメニューから、LUKS バージョンを選択します。
ファイルシステム ドロップダウンメニューから、このパーティションまたはボリュームに適したファイルシステムタイプを選択します。
注記VFAT
ファイルシステムは、Linux システムのパーティションではサポートされていません。たとえば、/
、/var
、/usr
などです。- 既存のパーティションをフォーマットする場合は 再フォーマット チェックボックスを選択します。データを保持するには、再フォーマット チェックボックスの選択を解除します。新たに作成したパーティションとボリュームは再フォーマットする必要があるため、チェックボックスの選択を解除することはできません。
- ラベル フィールドのパーティションにラベルを割り当てます。ラベルを使用すると、個別のパーティションの認識とアドレス指定が容易になります。
-
名前 フィールドに名前を入力します。標準パーティションは、作成時に自動的に名前が付けられます。標準パーティションの名前を編集することはできません。たとえば、
/boot
の名前sda1
を編集することはできません。
-
マウントポイント フィールドに、ァイルシステムのマウントポイントを入力します。たとえば、ファイルシステムが root ファイルシステムの場合は
- Installation Summary ウィンドウで をクリックするまで適用されません。 をクリックして変更を適用し、必要に応じてカスタマイズする別のパーティションを選択します。変更は、
- オプション: パーティションの変更を破棄するには、 をクリックします。
ファイルシステムとマウントポイントをすべて作成してカスタマイズしたら、
をクリックします。ファイルシステムの暗号化を選択すると、パスフレーズを作成するように求められます。Summary of Changes ダイアログボックスが開き、インストールプログラムの全ストレージアクションの概要が表示されます。
- Installation Summary ウィンドウに戻ります。 をクリックして変更を適用し、
17.4.8. /home ディレクトリーの保持
Red Hat Enterprise Linux 8 グラフィカルインストールでは、RHEL 7 システムで使用されていた /home
ディレクトリーを保存できます。RHEL 7 システムの別の /home
パーティションに、/home
ディレクトリーが存在する場合に限り、/home
を予約できます。
さまざまな設定を含む /home
ディレクトリーを保持すると、新しい Red Hat Enterprise Linux 8 システムで新しい RHEL 7 システムでの GNOME Shell 環境を、RHEL 8 システムと同じように設定できるようになります。これは、以前の RHEL 7 システムと同様、同じユーザー名と ID を持つ Red Hat Enterprise Linux 8 のユーザーに対してのみ適用されることに注意してください。
前提条件
- コンピューターに RHEL 7 がインストールされている。
-
/home
ディレクトリーが RHEL 7 システムの別の/home
パーティションにある。 -
Red Hat Enterprise Linux 8 の
Installation Summary
ウィンドウが開いている。
手順
- Installation Destination をクリックして、Installation Destination ウィンドウを開きます。
- Storage Configuration で、Custom ラジオボタンを選択します。Done をクリックします。
- Manual Partitioning ウィンドウが開きます。 をクリックすると、
/home
パーティションを選択し、Mount Point:
下に/home
を入力し、Reformat チェックボックスの選択を解除します。図17.2 /home がフォーマットされていないことを確認
-
必要に応じて、マウントポイントのファイルシステムのカスタマイズ の説明に従って、Red Hat Enterprise Linux 8 システムに必要な
/home
パーティションのさまざまなアスペクトをカスタマイズすることができます。ただし、RHEL 7 システムから/home
を保持するには、Reformat チェックボックスの選択を解除する必要があります。 - 要件に従ってすべてのパーティションをカスタマイズしたら、Summary of changes ダイアログボックスが開きます。 をクリックします。
-
Summary of changes ダイアログボックスに
/home
の変更が表示されないことを確認します。これは、/home
パーティションが保持されていることを示します。 - Installation Summary ウィンドウに戻ります。 をクリックして変更を適用し、
17.4.9. インストール中のソフトウェア RAID の作成
Redundant Arrays of Independent Disks (RAID) デバイスは、パフォーマンスを向上させ、一部の設定ではより優れたフォールトトレランスを提供するように配置された複数のストレージデバイスから構築されます。RAID デバイスの作成は 1 つのステップで終わり、必要に応じてディスクを追加または削除できます。システムでは、1 つの物理ディスクに 1 つの RAID パーティションが作成できるため、インストールプログラムで使用できるディスク数により、利用できる RAID デバイスのレベルが決定します。たとえば、システムにディスクが 2 つある場合は、RAID 10
デバイスを作成することはできません。少なくともディスクが 3 つ必要になるためです。RHEL は、システムのストレージパフォーマンスと信頼性を最適化するために、インストールされたシステムにストレージを設定するための LVM および LVM シンプロビジョニングを使用したソフトウェア RAID 0
、RAID 1
、RAID 4
、RAID 5
、RAID 6
、および RAID 10
タイプをサポートしています。
64 ビットの IBM Z では、ストレージサブシステムが RAID を透過的に使用します。ソフトウェア RAID を手動で設定する必要はありません。
前提条件
- RAID 設定オプションは、インストール用に複数のディスクを選択している場合にのみ表示される。作成する RAID タイプに応じて、少なくとも 2 つのディスクが必要です。
- マウントポイントを作成している。マウントポイントを設定して、RAID デバイスを設定します。
- インストール先 画面で ラジオボタンを選択している。
手順
- 手動パーティション設定 画面の左側のペインで、必要なパーティションを選択します。
- デバイス セクションの下にある をクリックします。マウントポイントの設定 ダイアログボックスが開きます。
- RAID デバイスに追加するディスクを選択して、 をクリックします。
- デバイスタイプ ドロップダウンメニューをクリックして、RAID を選択します。
- ファイルシステム のドロップダウンメニューをクリックして、目的のファイルシステムタイプを選択します。
- RAID レベル ドロップダウンメニューをクリックして、目的の RAID レベルを選択します。
- をクリックして、変更を保存します。
- インストールの概要 ウィンドウに戻ります。 をクリックして設定を適用し、
17.4.10. LVM 論理ボリュームの作成
論理ボリュームマネージャー (LVM) は、ディスクや LUN などの基盤となる物理ストレージ領域を、シンプルかつ論理的に表示します。物理ストレージ上のパーティションは物理ボリュームとして表示され、ボリュームグループにグループ化できます。各ボリュームグループは複数の論理ボリュームに分割できます。各論理ボリュームは標準のディスクパーティションによく似ています。したがって、LVM 論理ボリュームは、複数の物理ディスクにまたがることが可能なパーティションとして機能します。
- LVM 設定は、グラフィカルインストールプログラムでのみ利用できます。テキストモードによるインストールの場合は、LVM を設定できません。
-
LVM 設定を作成するには、Ctrl+Alt+F2 を押し、別の仮想コンソールのシェルプロンプトを使用します。このシェルで
vgcreate
およびlvm
コマンドを実行できます。テキストモードのインストールに戻るには Ctrl+Alt+F1 を押します。
手順
Manual Partitioning ウィンドウから、次のいずれかの方法で新しいマウントポイントを作成します。
- Click here to create them automatically オプションを使用するか、+ ボタンをクリックします。
- ドロップダウンリストからマウントポイントを選択するか、手動で入力します。
ファイルシステムのサイズを Desired Capacity フィールドに入力します。たとえば、
/
の場合は 70 GiB、/boot
の場合は 1 GiB です。注記: 既存のマウントポイントを使用する場合は、この手順をスキップしてください。
- マウントポイントを選択します。
ドロップダウンメニューで
LVM
を選択します。Volume Group ドロップダウンメニューが表示され、新たに作成したボリュームグループ名が表示されます。注記設定ダイアログではボリュームグループの物理エクステントのサイズは指定できません。このサイズは、常にデフォルト値の 4 MiB に設定されます。別の物理エクステントのボリュームグループを作成する場合は、対話シェルに切り替えて、
vgcreate
コマンドで手動で作成するか、キックスタートファイルでvolgroup --pesize=size
コマンドを使用して作成します。キックスタートの詳細は、RHEL の自動インストール を参照してください。- インストール概要 画面に戻ります。 をクリックして、
17.4.11. LVM 論理ボリュームの設定
新しく作成した LVM 論理ボリュームを要件に基づいて設定できます。
/boot
パーティションを LVM ボリュームに配置することには対応していません。
手順
Manual Partitioning ウィンドウから、次のいずれかの方法でマウントポイントを作成します。
- Click here to create them automatically オプションを使用するか、+ ボタンをクリックします。
- ドロップダウンリストからマウントポイントを選択するか、手動で入力します。
ファイルシステムのサイズを Desired Capacity フィールドに入力します。たとえば、
/
の場合は 70 GiB、/boot
の場合は 1 GiB です。注記: 既存のマウントポイントを使用する場合は、この手順をスキップしてください。
- マウントポイントを選択します。
-
Device Type ドロップダウンメニューをクリックし、
LVM
を選択します。Volume Group ドロップダウンメニューが表示され、新たに作成したボリュームグループ名が表示されます。 Configure Volume Group ダイアログボックスが開きます。
をクリックして、新たに作成したボリュームグループを設定します。注記設定ダイアログではボリュームグループの物理エクステントのサイズは指定できません。このサイズは、常にデフォルト値の 4 MiB に設定されます。別の物理エクステントのボリュームグループを作成する場合は、対話シェルに切り替えて、
vgcreate
コマンドで手動で作成するか、キックスタートファイルでvolgroup --pesize=size
コマンドを使用して作成します。詳細は、RHEL の自動インストール ドキュメントを参照してください。オプション: RAID Level ドロップダウンメニューから、必要な RAID レベルを選択します。
利用可能な RAID レベルは、実際の RAID デバイスと同じです。
- ボリュームグループを暗号化対象としてマークするには、Encrypt チェックボックスをオンにします。
Size policy ドロップダウンメニューから、ボリュームグループに対して次のサイズポリシーのいずれかを選択します。
利用可能なポリシーオプションは以下のようになります。
- Automatic
- ボリュームグループのサイズは自動で設定されるため、設定した論理ボリュームを格納するのに適切なサイズになります。ボリュームグループに空の領域が必要ない場合に最適です。
- As large as possible
- 設定した論理ボリュームのサイズに関係なく、最大サイズのボリュームグループが作成されます。これは、ほとんどのデータを LVM に保存する場合、または後で既存の論理ボリュームのサイズを拡大する可能性がある場合、もしくはこのグループに別の論理ボリュームを作成する必要がある場合などに最適です。
- Fixed
- このオプションではボリュームグループのサイズを正確に設定できます。設定している論理ボリュームが格納できるサイズにする必要があります。ボリュームグループに設定する容量が正確に分かっている場合に便利です。
- Manual Partitioning ウィンドウに戻ります。 をクリックして設定を適用し、
- をクリックして、変更を保存します。
- Installation Summary ウィンドウに戻ります。 をクリックして、
17.4.12. パーティション設定に関するアドバイス
すべてのシステムに最善となる分割方法はありません。インストール済みシステムをどのように使用するかによって異なります。ただし、次のヒントは、ニーズに最適なレイアウトを見つけるのに役立つかもしれません。
- たとえば、特定のパーティションを特定のディスクに配置する必要がある場合など、特定の要件を満たすパーティションを最初に作成します。
-
機密データを格納する可能性があるパーティションやボリュームには、暗号化を検討してください。暗号化を行うと、権限を持たない人が物理ストレージデバイスにアクセスできても、暗号化したパーティションにあるデータにアクセスできなくなります。ほとんどの場合は、少なくともユーザーデータが含まれる
/home
パーティションを暗号化してください。 -
場合によっては、
/
、/boot
、および/home
以外のディレクトリーに個別のマウントポイントを作成すると役に立つかもしれません。たとえば、MySQL
データベースを実行するサーバーで、/var/lib/mysql
用のマウントポイントを別に持つことで、後でバックアップからデータベースを復元しなくても、再インストール中にデータベースを保存できます。ただし、不要なマウントポイントがあると、ストレージ管理がより困難になります。 -
一部のディレクトリーには、配置できるパーティションレイアウトに関して特別な制限がいくつか適用されます。特に、
/boot
ディレクトリーは常に、(LVM ボリュームではなく) 物理パーティションに存在する必要があります。 - Linux を初めて使用する場合は、さまざまなシステムディレクトリーとそのコンテンツの詳細を、Linux ファイルシステム階層標準 を確認してください。
- 各カーネルには約 60MiB (initrd 34MiB、11MiB vmlinuz、および 5MiB System.map) が必要です。
- レスキューモードの場合 :100MiB (initrd 76MiB、11MiB vmlinuz、および 5MiB システムマップ)
システムで
kdump
を有効にすると、さらに約 40 MiB (33 MiB の別の initrd) が必要になります。最も一般的なユースケースでは、
/boot
にはデフォルトの 1 GiB のパーティションサイズが必要です。ただし、複数のカーネルリリースまたはエラータカーネルを保持する予定の場合は、このパーティションのサイズを増やしてください。-
/var
ディレクトリーには、Apache Web サーバーなど、多数のアプリケーションのコンテンツが格納されていて、YUM パッケージマネージャーが、ダウンロードしたパッケージの更新を一時的に保管するのに使用します。/var
を含むパーティションまたはボリュームは、最低 5 GB となることを確認してください。 -
/usr
ディレクトリーには、一般的な Red Hat Enterprise Linux インストールの大抵のソフトウェアが格納されています。このディレクトリーを含むパーティションまたはボリュームは、最小インストールの場合は最低 5 GiB、グラフィカル環境のインストールの場合は最低 10 GiB 必要です。 /usr
または/var
のパーティションをルートボリュームとは別の場所に設定すると、これらのディレクトリーには起動に欠かせないコンポーネントが含まれているため、起動プロセスが非常に複雑になります。iSCSI ドライブや FCoE などの場所に配置してしまった場合には、システムが起動できなくなったり、電源オフや再起動の際にDevice is busy
のエラーでハングしたりする可能性があります。これらの制限は
/usr
と/var
にのみ適用され、その下のディレクトリーには適用されません。たとえば、/var/www
向けの個別パーティションは、問題なく機能します。重要一部のセキュリティーポリシーでは、管理がより複雑になりますが、
/usr
と/var
の分離が必要になります。-
LVM ボリュームグループ内の一部領域を未割り当てのまま残しておくことを検討してください。このように未割り当ての領域を残すことで、領域の要件が変化した際に、その他のボリュームからデータを削除したくない場合に、柔軟性が得られます。また、パーティションに
LVM シンプロビジョニング
デバイスタイプを選択し、ボリュームに未使用の領域を自動的に処理させることもできます。 - XFS ファイルシステムのサイズを縮小することはできません。このファイルシステムのパーティションまたはボリュームを小さくする必要がある場合は、データのバックアップを作成し、ファイルシステムを破棄して、代わりに小規模なファイルシステムを新たに作成する必要があります。したがって、後でパーティションレイアウトを変更する予定の場合には、代わりに ext4 ファイルシステムを使用してください。
-
インストール後にディスクを追加したり、仮想マシンのディスクを拡張したりしてストレージを拡張する予定がある場合は、論理ボリュームマネージャー (LVM) を使用します。LVM を使用すると、新しいドライブに物理ボリュームを作成し、必要に応じてそのボリュームをボリュームグループおよび論理ボリュームに割り当てることができます。たとえば、システムの
/home
(または論理ボリュームに存在するその他のディレクトリー) は簡単に拡張できます。 - システムのファームウェア、起動ドライブのサイズ、および起動ドライブのディスクラベルによっては、BIOS の起動パーティションまたは EFI システムパーティションの作成が必要になる場合があります。システムで BIOS ブートまたは EFI システムパーティションが 必要ない 場合は、グラフィカルインストールで BIOS ブートまたは EFI システムパーティションを作成することはできません。この場合は、メニューに表示されなくなります。
-
インストール後にストレージ設定に変更を加える必要がある場合は、Red Hat Enterprise Linux リポジトリーで役に立つツールがいくつか提供されています。コマンドラインツールを使用する場合は、
system-storage-manager
を試してみてください。
17.5. ベース環境と追加ソフトウェアの選択
必要なソフトウェアパッケージを選択するには、Software Selectio ウィンドウを使用します。パッケージは、ベース環境と追加ソフトウェア別に編成されています。
- Base Environment には、定義済みのパッケージが含まれています。たとえば、Server with GUI (デフォルト)、Server、Minimal Install、Workstation、Custom Operating System、Virtualization Host など、ベース環境を 1 つだけ選択できます。可用性は、インストールソースとして使用されているインストール ISO イメージにより異なります。
- 選択した環境の追加ソフトウェア には、ベース環境用の追加のソフトウェアパッケージが含まれています。複数のソフトウェアパッケージを選択できます。
事前に定義された環境と追加のソフトウェアを使用して、システムをカスタマイズします。ただし、標準的なインストールでは、インストールする個々のパッケージを選択することはできません。特定の環境に含まれるパッケージを表示するには、インストールソースメディア (DVD、CD、USB) にある repository/repodata/*-comps-repository.architecture.xml
ファイルを参照してください。XML ファイルには、ベース環境としてインストールされたパッケージの詳細が記載されています。利用可能な環境には <environment>
タグ、そして追加のソフトウェアパッケージには <group>
タグが付いています。
どのパッケージをインストールする必要があるかわからない場合は、Minimal Install ベース環境を選択してください。最小インストールでは、基本バージョンの Red Hat Enterprise Linux と、最低限の追加ソフトウェアがインストールされます。システムのインストールが終了して初めてログインしたら、YUM パッケージマネージャー を使用して、必要なソフトウェアをインストールできます。Yum パッケージマネージャーの詳細は、基本的なシステム設定の設定 を参照してください。
-
任意の RHEL 10 システムから
dnf group list
コマンドを使用すると、ソフトウェアの選択肢の一部としてシステムにインストールされているパッケージのリストが表示されます。詳細は、基本的なシステム設定 を参照してください。 -
インストールするパッケージを制御する必要がある場合は、キックスタートファイルの
%packages
セクションにパッケージを定義します。
前提条件
- インストールソースを設定している。
- インストールプログラムが、パッケージのメタデータをダウンロードしている。
- Installation Summary 画面が開いている。
手順
- インストール概要 画面で、ソフトウェアの選択 をクリックします。ソフトウェアの選択 画面が開きます。
ベース環境 ペインで、ベース環境を選択します。たとえば、Server with GUI (デフォルト)、Server、Minimal Install、Workstation、Custom Operating System、Custom Operating System など、ベース環境を 1 つだけ選択できます。デフォルトでは、Server with GUI ベース環境が選択されています。
図17.3 Red Hat Enterprise Linux ソフトウェアの選択
- 選択した環境の追加ソフトウェア ペインから、1 つ以上のオプションを選択します。
- をクリックして設定を適用し、グラフィカルインストールに戻ります。
17.6. オプション: ネットワークとホスト名の設定
ネットワークとホスト名 画面は、ネットワークインターフェイスを設定するために使用されます。ここで選択したオプションは、インストール済みシステムだけでなく、インストール時にリモートからパッケージをダウンロードするなどのタスクを行う際にも利用できます。
以下の手順に従って、ネットワークとホスト名を設定します。
手順
- インストール概要 画面から、 をクリックします。
- 左側のペインのリストから、インターフェイスを選択します。詳細が右側のペインに表示されます。
インターフェイスを手動で追加または削除することはできません。
- をクリックして、仮想ネットワークインターフェイスを追加します。仮想ネットワークインターフェイスは、チーム、ボンド、ブリッジ、または VLAN のいずれかです。
- を選択して、仮想インターフェイスを削除します。
- をクリックして、既存のインターフェイス (仮想と物理の両方) の IP アドレス、DNS サーバー、ルーティング設定などの設定を変更します。
ホスト名 フィールドに、システムのホスト名を入力します。
ホスト名は、
hostname.domainname
形式の完全修飾ドメイン名 (FQDN)、またはドメインなしの短縮ホスト名のいずれかにします。多くのネットワークには、自動的に接続したシステムにドメイン名を提供する DHCP (Dynamic Host Configuration Protocol) サービスがあります。DHCP サービスがこのシステムにドメイン名を割り当てるようにするには、短縮ホスト名のみを指定します。ホスト名に使用できるのは、英数字と
-
または.
のみです。ホスト名は 64 文字以下である必要があります。ホスト名は、-
および.
で開始したり終了したりできません。DNS に準拠するには、FQDN の各部分は 63 文字以下で、ドットを含む FQDN の合計の長さは 255 文字を超えることができません。localhost
の値は、ターゲットシステムの静的ホスト名が指定されておらず、(たとえば、DHCP または DNS を使用する NetworkManager による) ネットワーク設定時に、インストールされるシステムの実際のホスト名が設定されることを示しています。静的 IP およびホスト名の設定を使用する場合、短縮名または FQDN を使用するかどうかは、計画したシステムのユースケースによって異なります。Red Hat Identity Management はプロビジョニング時に FQDN を設定しますが、サードパーティーのソフトウェア製品によっては短縮名が必要になる場合があります。いずれの場合も、すべての状況で両方のフォームの可用性を確保するには、
IP FQDN short-alias
の形式で/etc/hosts
にホストのエントリーを追加します。- をクリックして、ホスト名をインストーラー環境に適用します。
- また、ネットワークおよびホスト名 画面では、ワイヤレスオプションを選択できます。右側のペインで をクリックして Wifi 接続を選択します。必要に応じてパスワードを入力し、 をクリックします。
17.6.1. 仮想ネットワークインターフェイスの追加
仮想ネットワークインターフェイスを追加できます。
手順
- ネットワークとホスト名 画面で、 ボタンをクリックして、仮想ネットワークインターフェイスを追加します。デバイスの追加 ダイアログが開きます。
使用可能な 4 つのタイプの仮想インターフェイスから 1 つ選択してください。
- Bond - NIC (ネットワークインターフェイスコントローラー) のボンドです。複数の物理ネットワークインターフェイスを 1 つのボンドチャネルに結合する方法です。
- Bridge - NIC ブリッジングです。複数のネットワークを 1 つの集積ネットワークに接続します。
- Team - NIC のチーミングです。複数のリンクを集約する新しい実装方法です。小型のカーネルドライバーを提供することでパケットフローを高速で処理し、各種アプリケーションがその他のすべてのタスクをユーザー領域で行うように設計されています。
- Vlan (Virtual LAN) - それぞれ独立している複数のブロードキャストドメインを作成する方法です。
インターフェイスの種類を選択し、
をクリックします。インターフェイスの編集ダイアログボックスが開き、選択したインターフェイスタイプに使用できる設定を編集できます。詳細は、ネットワークインターフェイスの編集 を参照してください。
- ネットワークおよびホスト名 画面に戻ります。 をクリックして仮想インターフェイス設定を確認し、
- オプション: 仮想インターフェイスの設定を変更するには、インターフェイスを選択し、 をクリックします。
17.6.2. ネットワークインターフェイス設定の編集
インストール時に使用する一般的な有線接続の設定を編集できます。その他の種類のネットワークの設定方法は、一部の設定パラメーターが異なる場合がありますが、ここで説明する内容とあまり変わりません。
64 ビットの IBM Z では、ネットワークサブチャンネルをあらかじめグループ化してオンラインに設定する必要があるため、新しい接続を追加することはできません。これは現在、起動段階でのみ行われます。
手順
ネットワーク接続を手動で設定するには、Network and Host name ウィンドウからインターフェイスを選択し、 をクリックします。
選択したインターフェイスに固有の編集ダイアログが開きます。表示されるオプションは接続の種類によって異なります。使用可能なオプションは、接続の種類が物理インターフェイス (有線または無線のネットワークインターフェイスコントローラー) か、仮想インターフェイスの追加 で設定した仮想インターフェイス (ボンド、ブリッジ、チーム、または Vlan) かによって若干異なります。
17.6.3. インターフェイス接続の有効化または無効化
特定のインターフェイス接続を有効または無効にできます。
手順
- General タブをクリックします。
-
Connect automatically with priority チェックボックスをオンにして、デフォルトで接続を有効にします。デフォルトの優先度設定は
0
のままにします。 オプション: All users may connect to this network オプションを使用して、システム上のすべてのユーザーがこのネットワークに接続するのを有効または無効にします。このオプションを無効にすると、
root
だけがこのネットワークに接続できます。重要有線接続で有効にすると、システムは起動時または再起動時に自動的に接続されます。無線接続では、インターフェイスにより、範囲内の既知の無線ネットワークへの接続が試されます。
nm-connection-editor
ツールを含む NetworkManager の詳細は、ネットワークの設定および管理 を参照してください。Network and Host name ウィンドウに戻ります。
をクリックして変更を適用し、インストール中のこの時点ではその他のユーザーが作成されないため、
root
以外の特定のユーザーだけがこのインターフェイスを使用するように許可することはできません。別のユーザーが使用する接続が必要な場合は、インストール後に設定する必要があります。
17.6.4. 静的な IPv4 または IPv6 の設定
デフォルトでは、現在のネットワーク設定に応じて、IPv4 と IPv6 の両方が自動設定に指定されています。つまり、ローカルの IP アドレス、DNS アドレスなどのアドレスは、インターフェイスがネットワークに接続すると自動的に検出されます。多くの場合はこれで十分ですが、IPv4 Settings タブと IPv6 Settings タブで静的な設定を行うこともできます。IPv4 設定または IPv6 設定を設定するには、以下の手順を実行します。
手順
- 静的ネットワーク設定を行うには、IPv 設定タブのいずれかに移動し、方式 ドロップダウンメニューから、自動 以外の方法 (手動 など) を選択します。アドレス ペインが有効になります。
- オプション: IPv6 Settings タブで、方法を Ignore に設定して、このインターフェイスで IPv6 を無効にすることもできます。
- をクリックして、アドレス設定を入力します。
-
追加の DNS サーバー フィールドに IP アドレスを入力します。DNS サーバーの IP アドレス (
10.0.0.1,10.0.0.8
など) を 1 つ以上設定できます。 Require IPvX addressing for this connection to complete チェックボックスをオンにします。
IPv4 Settings または IPv6 Settings タブでこのオプションを選択すると、IPv4 または IPv6 が成功した場合にのみこの接続が許可されます。IPv4 および IPv6 の両方でこのオプションを無効にしたままにしておくと、いずれかの IP プロトコル設定に成功した場合にインターフェイスが接続できるようになります。
- ネットワークおよびホスト名 画面に戻ります。 をクリックして変更を適用し、
17.6.5. ルートの作成
ルートを設定することで、特定の接続へのアクセスを制御できます。
手順
- IPv4 設定 タブおよび IPv6 設定 タブで、 をクリックして特定の IP プロトコルのルーティング設定を行います。そのインターフェイス用のルート編集ダイアログが開きます。
- をクリックして、ルートを追加します。
- 1 つ以上の静的ルートを設定し、設定していないすべてのルートを無効にするには、自動的に得られたルートを無視する チェックボックスを選択します。
この接続はネットワーク上のリソースにのみ使用 チェックボックスを選択して、デフォルトルートにはならないようにします。
このオプションは、静的ルートを設定していなくても選択できます。このルートは、ローカルまたは VPN 接続を必要とするイントラネットページなど、特定のリソースにアクセスするためにのみ使用されます。公開されているリソースには別の (デフォルトの) ルートが使用されます。追加ルートが設定されているのとは異なり、この設定はインストール済みシステムに転送されます。このオプションは、複数のインターフェイスを設定する場合に限り役に立ちます。
- をクリックして設定を保存し、インターフェイス固有のルートの編集ダイアログボックスに戻ります。
- ネットワークおよびホスト名 画面に戻ります。 をクリックして設定を適用し、
17.7. オプション: キーボードレイアウトの設定
Installation Summary 画面からキーボードレイアウトを設定できます。
ロシア語 のようにラテン文字を受け付けないレイアウトを使用する場合は、一緒に 英語 (US) レイアウトも追加して、2 つのレイアウトを切り替えられるようにキーボードを設定します。ラテン文字を含まないレイアウトを選択すると、この後のインストールプロセスで有効な root
パスワードおよびユーザー認証情報を入力できない場合があります。これにより、インストールを完了できない可能性があります。
手順
- Installation Summary ウィンドウで、Keyboard をクリックします。
- Add a Keyboard Layout ウィンドウを開き、別のレイアウトに変更します。 をクリックして
- リストを参照してレイアウトを選択するか、Search フィールドを使用します。
- 必要なレイアウトを選択し、 をクリックします。デフォルトレイアウトの下に新しいレイアウトが表示されます。
- 必要に応じて レイアウト切り替えのオプション 画面が開きます。 をクリックして、使用可能なレイアウトを切り替えるキーボードスイッチを設定します。
- 切り替え用のキーの組み合わせを設定するには、1 つ以上のキーの組み合わせを選択し、 をクリックして選択を確定します。
- オプション: レイアウトを選択するときに、Keyboard ボタンをクリックすると、新しいダイアログボックスが開き、選択したレイアウトの視覚的な表現が表示されます。
- をクリックして設定を適用し、グラフィカルインストールに戻ります。
17.8. オプション: 言語サポートの設定
Installation Summary 画面から言語設定を変更できます。
手順
- インストール概要 画面で 言語サポート をクリックします。言語サポート 画面が開きます。左側のペインには、利用可能な言語グループのリストが表示されます。グループの中から 1 つ以上の言語を設定すると、チェックマークが表示され、対応する言語が強調表示されます。
- 左側のペインからグループをクリックして追加の言語を選択し、右側のペインから地域のオプションを選択します。設定するすべての言語に対してこのプロセスを繰り返します。
- オプション: 必要に応じて、テキストボックスに入力して言語グループを検索します。
- をクリックして設定を適用し、グラフィカルインストールに戻ります。
17.10. オプション: システムをサブスクライブして Red Hat Insights を有効にする
Red Hat Insights は SaaS (Software-as-a-Service) 製品で、継続的に、登録済みの Red Hat ベースのシステムに詳細な分析を提供し、物理環境、仮想環境、クラウド環境、およびコンテナーデプロイメントでセキュリティー、パフォーマンス、および安定性に関する脅威をプロアクティブに特定します。RHEL システムを Red Hat Insights に 登録 すると、予測分析、セキュリティーアラート、パフォーマンス最適化ツールにアクセスできるようになり、セキュアで効率的かつ安定した IT 環境を維持できるようになります。
Red Hat アカウントまたはアクティベーションキーの詳細を使用して Red Hat に登録できます。Connect to Red Hat オプションを使用して、システムを Red Hat Insights に接続できます。
手順
- Installation Summary 画面の Software で、Connect to Red Hat をクリックします。
Account または Activation Key を選択します。
- Account を選択した場合は、Red Hat カスタマーポータルのユーザー名とパスワードの詳細を入力します。
Activation Key を選択した場合は、組織 ID とアクティベーションキーを入力します。
サブスクリプションにアクティベーションキーが登録されている限り、複数のアクティベーションキーをコンマで区切って入力できます。
Set System Purpose チェックボックスをオンにします。
- アカウントで Simple Content Access モードが有効になっている場合でも、サブスクリプションサービスの消費量を正確にレポートするには、システムの目的の値を設定することが重要です。
- アカウントがエンタイトルメントモードである場合、システムの目的を設定すると、エンタイトルメントサーバーが Red Hat Enterprise Linux 8 システムの使用目的を満たす最適なサブスクリプションを決定し、自動的に割り当てることが可能になります。
- 対応するドロップダウンリストから、必要な Role、SLA、および Usage を選択します。
- Red Hat Insights への接続 チェックボックスはデフォルトで有効になっています。Red Hat Insights に接続する必要がない場合には、チェックボックスの選択を解除します。
必要に応じて、オプション をデプロイメントします。
- ネットワーク環境で、外部のインターネットアクセスまたは HTTP プロキシーを介したコンテンツサーバーへのアクセスのみが許可されている場合は、HTTP プロキシーの使用 チェックボックスを選択します。HTTP プロキシーを使用していない場合は、HTTP プロキシーの使用 チェックボックスの選択を解除します。
Satellite Server を実行しているか、内部テストを実行している場合は、カスタムサーバーの URL チェックボックスと カスタムベース URL チェックボックスを選択して、必要な情報を入力します。
重要-
カスタムサーバーの URL フィールドには HTTP プロトコル (
nameofhost.com
など) が必要ありません。ただし、Custom base URL フィールドには HTTP プロトコルが必要です。 - 登録後に カスタムベース URL を変更するには、登録を解除し、新しい詳細を指定してから再登録する必要があります。
-
カスタムサーバーの URL フィールドには HTTP プロトコル (
Red Hat への接続 ウィンドウに、割り当てられているサブスクリプションの詳細が表示されます。
をクリックしてシステムを登録します。システムが正常に登録され、サブスクリプションが割り当てられると、サブスクリプションのサイズによっては、登録および割り当てのプロセスが完了するのに最大 1 分かかることがあります。
Installation Summary ウィンドウに戻ります。
をクリックして、Red Hat への接続 の下に 登録 メッセージが表示されます。
17.11. オプション: インストールにネットワークベースのリポジトリーを使用する
自動検出されたインストールメディア、Red Hat CDN、またはネットワークのいずれかからインストールソースを設定できます。Installation Summary ウィンドウを初めて開くと、インストールプログラムが、システムの起動に使用されたメディアの種類に基づいて、インストールソースの設定を試みます。完全な Red Hat Enterprise Linux Server DVD は、ソースをローカルメディアとして設定します。
前提条件
- Product Downloads ページからフルインストール用の DVD ISO または最小インストール用の Boot ISO イメージをダウンロードした。
- 起動可能なインストールメディアを作成した。
- Installation Summary 画面が開いている。
手順
Installation Summary ウィンドウで、Installation Source をクリックします。インストールソース 画面が開きます。
- 自動検出したインストールメディア セクションを見直して、詳細を確認します。インストールソースを含むメディア (DVD) からインストールプログラムを起動した場合は、このオプションがデフォルトで選択されます。
- をクリックして、メディアの整合性を確認します。
Additional repositories セクションを確認し、AppStream チェックボックスがデフォルトで選択されていることを確認します。
BaseOS および AppStream リポジトリーは、フルインストールイメージの一部としてインストールされます。Red Hat Enterprise Linux 8 のフルインストールを行う場合は、AppStream リポジトリーのチェックボックスを無効にしないでください。
- 必要に応じて、Red Hat CDN オプションを選択して、システムを登録し、RHEL サブスクリプションを割り当てて、Red Hat コンテンツ配信ネットワーク (CDN) から RHEL をインストールします。
オプション: ローカルメディアではなく、ネットワーク上の場所からパッケージをダウンロードしてインストールするには、On the network オプションを選択します。このオプションは、ネットワーク接続がアクティブな場合にのみ利用できます。GUI でネットワーク接続を設定する方法は、ネットワークおよびホスト名のオプションの設定 を参照してください。
注記ネットワーク上の場所から追加のリポジトリーをダウンロードしてインストールしない場合は、ソフトウェア選択の設定 に進みます。
- ネットワーク上 ドロップダウンメニューを選択し、パッケージのダウンロードに使用するプロトコルを指定します。この設定は、使用するサーバーによって異なります。
-
アドレスフィールドに、(プロトコルなしで) サーバーアドレスを入力します。NFS を選択すると、入力フィールドが開き、カスタムの NFS マウントオプション を指定できます。このフィールドでは、システム上の
nfs(5)
man ページにリストされているオプションを使用できます。 NFS のインストールソースを選択する場合は、ホスト名とパスをコロン (
:
) で区切ってアドレスを指定します。たとえば、server.example.com:/path/to/directory
のように指定します。以下の手順は任意で、ネットワークアクセスにプロキシーが使用されているかどうかのみが必要となります。
- をクリックして、HTTP または HTTPS ソースのプロキシーを設定します。
- Enable HTTP proxy チェックボックスをオンにし、Proxy Host フィールドに URL を入力します。
- プロキシーサーバーで認証が必要な場合は、Use Authentication チェックボックスをオンにします。
- ユーザー名とパスワードを入力します。
プロキシーの設定... ダイアログを終了します。
をクリックして設定を終了し、注記HTTP または HTTPS の URL が、リポジトリーミラーを参照する場合は、URL type ドロップダウンリストから必要なオプションを選択します。ソースの設定が終わると、選択に対して環境と追加のソフトウェアパッケージがすべて利用できます。
- をクリックして、リポジトリーを追加します。
- をクリックして、リポジトリーを削除します。
- インストールソース 画面を開いたときに表示されていた設定に戻します。 アイコンをクリックして、現在のエントリーを、
リポジトリーを有効または無効にするには、リストの各エントリーで 有効 列のチェックボックスをクリックします。
ネットワークにプライマリーリポジトリーを設定するときと同じように、追加リポジトリーに名前を付けて設定できます。
- Installation Summary ウィンドウに戻ります。 をクリックして設定を適用し、
17.12. オプション: Kdump カーネルクラッシュダンプメカニズムの設定
Kdump は、カーネルのクラッシュダンプメカニズムです。システムがクラッシュすると、Kdump が、障害発生時のシステムメモリーの内容をキャプチャーします。キャプチャーしたメモリーを解析すると、クラッシュの原因を見つけることができます。Kdump が有効になっている場合は、システムメモリー (RAM) のごく一部をそれ自身に予約する必要があります。予約したメモリーは、メインのカーネルにアクセスできません。
手順
- インストール概要 画面から、Kdump をクリックします。Kdump 画面が開きます。
- kdump を有効にする チェックボックスを選択します。
- メモリー予約設定を、自動 または 手動 のいずれかから選択します。
- 手動 を選択し、+ ボタンおよび - ボタンを使用して、予約されるメモリー フィールドに、予約するメモリー量 (メガバイト) を入力します。予約入力フィールドの下にある 使用可能なシステムメモリー には、選択したサイズの RAM を予約してから、メインシステムにアクセスできるメモリーの量が示されます。
- をクリックして設定を適用し、グラフィカルインストールに戻ります。
予約するメモリーの量は、システムのアーキテクチャー (AMD64 と Intel 64 の要件は IBM Power とは異なります) と、システムメモリーの総量により決まります。ほとんどの場合は、自動予約で十分です。
カーネルクラッシュダンプの保存場所などの追加設定は、インストール後に system-config-kdump グラフィカルインターフェイスで設定するか、/etc/kdump.conf
設定ファイルに手動で設定できます。
17.13. オプション: セキュリティープロファイルの選択
Red Hat Enterprise Linux 9 のインストール中にセキュリティーポリシーを適用し、初回起動前にシステムで使用するように設定できます。
17.13.1. セキュリティーポリシーの概要
Red Hat Enterprise Linux には、特定のセキュリティーポリシーに合わせてシステムの自動設定を有効にする OpenSCAP スイートが同梱されています。このポリシーは、SCAP (Security Content Automation Protocol) 標準を使用して実装されます。パッケージは、AppStream リポジトリーで利用できます。ただし、デフォルトでは、インストールおよびインストール後のプロセスではポリシーが強制されないため、特に設定しない限りチェックは行われません。
インストールプログラムでは、セキュリティーポリシーを適用することは必須ではありません。システムにセキュリティーポリシーを適用する場合は、選択したプロファイルに定義した制限を使用してシステムがインストールされます。openscap-scanner
パッケージおよび scap-security-guide
パッケージがパッケージ選択に追加され、コンプライアンスおよび脆弱性スキャンのプリインストールツールが利用できるようになります。
セキュリティーポリシーを選択すると、Anaconda GUI インストーラーでは、ポリシーの要件に準拠する設定が必要になります。パッケージの選択が競合したり、別のパーティションが定義されている場合があります。要件がすべて満たされた場合に限り、インストールを開始できます。
インストールプロセスの終了時に、選択した OpenSCAP セキュリティーポリシーにより、システムが自動的に強化され、スキャンされてコンプライアンスが確認され、インストール済みシステムの /root/openscap_data
ディレクトリーにスキャン結果が保存されます。
デフォルトでは、インストーラーは、インストールイメージにバンドルされている scap-security-guide
パッケージの内容を使用します。外部コンテンツは、HTTP サーバー、HTTPS サーバー、または FTP サーバーから読み込むこともできます。
17.13.2. セキュリティープロファイルの設定
Installation Summary ウィンドウからセキュリティーポリシーを設定できます。
前提条件
- Installation Summary 画面が開いている。
手順
- Installation Summary ウィンドウで、Security Profile をクリックします。Security Profile ウィンドウが開きます。
- システムでセキュリティーポリシーを有効にするには、Apply security policy スイッチを ON に切り替えます。
- 上部ペインに表示されているプロファイルから 1 つ選択します。
インストール前に適用が必要なプロファイルの変更が、下部ペインに表示されます。
カスタムプロファイルを使用するには、
をクリックします。別の画面が開いて、有効なセキュリティーコンテンツの URL を入力できます。
HTTP サーバー、HTTPS サーバー、または FTP サーバーから、カスタムプロファイルを読み込むこともできます。コンテンツのフルアドレス (http:// などのプロトコルを含む) を使用してください。カスタムプロファイルを読み込む前に、ネットワーク接続がアクティブになっている必要があります。インストールプログラムは、コンテンツの種類を自動的に検出します。
- Security Profile ウィンドウに戻ります。 をクリックして、
- Installation Summary ウィンドウに戻ります。 をクリックして設定を適用し、
17.13.3. Server with GUI と互換性のないプロファイル
SCAP Security Guide の一部として提供される一部のセキュリティープロファイルは、Server with GUI ベース環境に含まれる拡張パッケージセットと互換性がありません。したがって、次のいずれかのプロファイルに準拠するシステムをインストールする場合は、Server with GUI を選択しないでください。
プロファイル名 | プロファイル ID | 理由 | 備考 |
---|---|---|---|
CIS Red Hat Enterprise Linux 8 Benchmark for Level 2 - Server |
|
パッケージ | |
CIS Red Hat Enterprise Linux 8 Benchmark for Level 1 - Server |
|
パッケージ | |
Unclassified Information in Non-federal Information Systems and Organizations (NIST 800-171) |
|
| |
Protection Profile for General Purpose Operating Systems |
|
| |
DISA STIG for Red Hat Enterprise Linux 8 |
|
パッケージ | RHEL バージョン 8.4 以降で、RHEL システムを DISA STIG に準拠した Server with GUI としてインストールするには、DISA STIG with GUI プロファイルを使用できます。 |
17.13.4. キックスタートを使用したベースライン準拠の RHEL システムのデプロイメント
特定のベースラインに準拠した RHEL システムをデプロイできます。この例では、OSPP (Protection Profile for General Purpose Operating System) を使用します。
前提条件
-
RHEL 8 システムに、
scap-security-guide
パッケージがインストールされている。
手順
-
キックスタートファイル
/usr/share/scap-security-guide/kickstart/ssg-rhel8-ospp-ks.cfg
を、選択したエディターで開きます。 -
設定要件を満たすように、パーティション設定スキームを更新します。OSPP に準拠するには、
/boot
、/home
、/var
、/tmp
、/var/log
、/var/tmp
、および/var/log/audit
の個別のパーティションを保持する必要があります。パーティションのサイズのみ変更することができます。 - キックスタートを使用した自動インストールの実行 の説明に従って、キックスタートインストールを開始します。
キックスタートファイルのパスワードでは、OSPP の要件が確認されていません。
検証
インストール完了後にシステムの現在のステータスを確認するには、システムを再起動して新しいスキャンを開始します。
oscap xccdf eval --profile ospp --report eval_postinstall_report.html /usr/share/xml/scap/ssg/content/ssg-rhel8-ds.xml
# oscap xccdf eval --profile ospp --report eval_postinstall_report.html /usr/share/xml/scap/ssg/content/ssg-rhel8-ds.xml
Copy to Clipboard Copied!
第18章 初期セットアップの完了
インストール中に Server with GUI を選択した場合は、インストールプロセスの完了後にシステムを初めて再起動したときに、Initial Setup ウィンドウが開きます。CDN から RHEL を登録してインストールした場合は、Subscription Manager オプションに、インストールされているすべての製品に有効なエンタイトルメントが割り当てられているというメッセージが表示されます。
初期セットアップ 画面に表示される情報は、インストール時に設定した内容により異なる場合があります。ただし、ライセンス オプションおよび Subscription Manager オプションは必ず表示されます。
前提条件
- グラフィカルインストールを完了している。
- アクティブで、評価版以外の Red Hat Enterprise Linux サブスクリプションがある。
手順
初期セットアップ 画面で、ライセンス情報 を選択します。
ライセンス契約 画面が開き、Red Hat Enterprise Linux のライセンス条項が表示されます。
使用許諾契約書を確認して、ライセンス契約に同意します チェックボックスを選択します。
続行するにはライセンス契約に同意する必要があります。ライセンス契約に同意せずに Initial Setup を終了すると、システムが再起動します。再起動プロセスが完了すると、ライセンス契約に同意するように求められます。
- Initial Setup ウィンドウに戻ります。 をクリックして設定を適用し、
オプション: 以前にネットワーク設定を指定していない場合は、システムをすぐに登録できないため、
をクリックします。Red Hat Enterprise Linux 8 が起動したらログインして、ネットワークアクセスを有効にし、システムを登録します。詳細は、サブスクリプションマネージャーのインストール後 を参照してください。
ネットワークとホスト名 の説明に従ってネットワーク設定を設定した場合は、次の手順に従ってシステムをすぐに登録できます。
インストール概要 画面で、サブスクリプションマネージャー を選択します。
サブスクリプションマネージャー グラフィカルインターフェイスを開き、登録しようとしているオプション (subscription.rhsm.redhat.com) を表示します。
- アクティベーションキーを使用して登録するには、[アクティベーションキーを使用します] を選択します。アクティベーションキーを表示する方法の詳細は、アクティベーションキーの作成と管理 を参照してください。
- をクリックします。
次のいずれかを行います。
- アクティベーションキーを使用して登録することを選択した場合は、組織 (組織 ID) と アクティベーションキー を入力します。
- サブスクリプションを手動でアタッチするには、登録後にサブスクリプションを手動でアタッチする オプションを選択します。
- アクティベーションキーと手動登録を使用していない場合は、ログイン と パスワードの 詳細を入力します。
- システム名 を入力してください。
- Register をクリックします。
- サブスクリプションの詳細を確認し、Red Hat サブスクリプション管理への登録が完了しました ! メッセージが表示されます。 をクリックします。
- 初期セットアップ 画面が開きます。 をクリックします。
- をクリックしてください。ログイン画面が表示されます。
- システムを設定します。詳細は 基本的なシステム設定の設定 を参照してください。
RHEL の登録方法
要件によって、システムを登録する方法は 5 つあります。
- Red Hat コンテンツ配信ネットワーク (CDN) を使用してシステムを登録し、RHEL サブスクリプションを割り当て、Red Hat Enterprise Linux をインストールします。
- インストール中に Initial Setup 使用して登録します。
- インストール後にコマンドラインを使用して登録します。
- インストール後に Subscription Manager ユーザーインターフェイスを使用して登録します。
- インストール後に Registration Assistant を使用して登録します。Registration Assistant は、お使いの Red Hat Enterprise Linux 環境に最適な登録オプションの選択をサポートします。詳細は Registration Assistant を参照してください。
パート III. インストール後のタスク
サブスクリプションを管理し、Red Hat Enterprise Linux (RHEL) システムを保護することは、システムのコンプライアンスと機能性を維持するのに不可欠なステップです。RHEL を登録すると、ソフトウェアの更新とサービスにアクセスできるようになります。さらに、システムの目的を設定すると、システムの用途に合わせて適切なサブスクリプションを割り当てることができます。一方、セキュリティー設定を調整すると、重要なインフラストラクチャーを保護できます。必要に応じて、システム要件の変化に合わせて、サブスクリプションサービスを更新または変更できます。
第19章 Subscription Manager を使用した RHEL の登録
インストール後、継続的に更新を取得するために、システムを登録する必要があります。
19.1. インストーラー GUI を使用した RHEL 8 の登録
RHEL インストーラーの GUI を使用して Red Hat Enterprise Linux 9 を登録できます。
前提条件
- Red Hat カスタマーポータルに有効なユーザーアカウントがある。Create a Red Hat Login ページを参照してください。
- 有効なアクティベーションキーと組織 ID を持っている。
手順
- Installation Summary 画面の Software で、Connect to Red Hat をクリックします。
- Account または Activation Key オプションを使用して、Red Hat アカウントを認証します。
オプション: Set System Purpose フィールドで、設定する Role、SLA、および Usage 属性をドロップダウンメニューから選択します。
この時点で、Red Hat Enterprise Linux 8 システムが正常に登録されました。
19.2. Registration Assistant
Registration Assistant は、お使いの Red Hat Enterprise Linux 環境に最適な登録オプションの選択をサポートします。
19.3. コマンドラインを使用したシステムの登録
コマンドラインを使用して、Red Hat Enterprise Linux 9 サブスクリプションを登録できます。
ホストを Red Hat に登録するエクスペリエンスを改善および簡素化するには、リモートホスト設定 (RHC) を使用します。RHC クライアントはシステムを Red Hat に登録し、Insights のデータ収集に備えてシステムの準備を完了し、Insights for Red Hat Enterprise Linux から直接問題を修復できるようにします。詳細は、RHC の登録 を参照してください。
前提条件
- アクティブで、評価版ではない Red Hat Enterprise Linux サブスクリプションを持っている。
- Red Hat のサブスクリプションステータスを確認している。
- Red Hat Enterprise Linux 8 サブスクリプションを受け取ったことがない。
- Red Hat Enterprise Linux 8 システムを正常にインストールし、root としてログインしている。
手順
- root ユーザーとしてターミナルウィンドウを開きます。
アクティベーションキーを使用して Red Hat Enterprise Linux システムを登録します。
subscription-manager register --activationkey=<activation_key_name> --org=<organization_ID>
# subscription-manager register --activationkey=<activation_key_name> --org=<organization_ID>
Copy to Clipboard Copied! システムが正常に登録されると、次の例のような出力が表示されます。
The system has been registered with id: 62edc0f8-855b-4184-b1b8-72a9dc793b96
The system has been registered with id: 62edc0f8-855b-4184-b1b8-72a9dc793b96
Copy to Clipboard Copied!
第20章 subscription-manager コマンドラインツールを使用したシステムの目的の設定
システムの目的は、Red Hat Enterprise Linux インストールの機能の 1 つです。この機能は、Red Hat Hybrid Cloud Console で提供されるサブスクリプションエクスペリエンスとサービスのメリットを RHEL のお客様に提供するためのものです。Red Hat Hybrid Cloud Console は、ダッシュボードベースの Software-as-a-Service (SaaS) アプリケーションであり、これを使用すると、Red Hat アカウントのサブスクリプション使用状況を表示できます。
システム目的属性は、アクティベーションキーまたはサブスクリプションマネージャーツールを使用して設定できます。
前提条件
- Red Hat Enterprise Linux 8 システムをインストールして登録しているが、システムの目的が設定されていない。
root
ユーザーとしてログインしている。注記エンタイトルメントモードでは、システムが登録されているものの、必要な目的を満たさないサブスクリプションがある場合は、
subscription-manager remove --all
コマンドを実行して、割り当てたサブスクリプションを削除できます。次に、コマンドラインの subscription-manager syspurpose {ロール、使用条件、サービスレベル} ツールを使用して必要な目的属性を設定し、最後にsubscription-manager attach --auto
を実行して、更新した属性を考慮してシステムを再登録できます。一方、SCA が有効なアカウントでは、システム内のサブスクリプションを更新せずに、登録後にシステムの目的の詳細を直接更新できます。
手順
端末で、次のコマンドを実行して、システムの目的のロールを設定します。
subscription-manager syspurpose role --set "VALUE"
# subscription-manager syspurpose role --set "VALUE"
Copy to Clipboard Copied! VALUE
を、割り当てるロールに置き換えます。-
Red Hat Enterprise Linux Server
-
Red Hat Enterprise Linux Workstation
-
Red Hat Enterprise Linux Compute Node
以下に例を示します。
subscription-manager syspurpose role --set "Red Hat Enterprise Linux Server"
# subscription-manager syspurpose role --set "Red Hat Enterprise Linux Server"
Copy to Clipboard Copied! オプション: 値を設定する前に、組織のサブスクリプションがサポートする利用可能なロールを確認します。
subscription-manager syspurpose role --list
# subscription-manager syspurpose role --list
Copy to Clipboard Copied! 必要に応じて、次のコマンドを実行してロールの設定を解除します。
subscription-manager syspurpose role --unset
# subscription-manager syspurpose role --unset
Copy to Clipboard Copied!
-
次のコマンドを実行して、希望するシステムのサービスレベルアグリーメント (SLA) を設定します。
subscription-manager syspurpose service-level --set "VALUE"
# subscription-manager syspurpose service-level --set "VALUE"
Copy to Clipboard Copied! VALUE
を、割り当てる SLA に置き換えます。-
Premium
-
Standard
-
Self-Support
以下に例を示します。
subscription-manager syspurpose service-level --set "Standard"
# subscription-manager syspurpose service-level --set "Standard"
Copy to Clipboard Copied! オプション: 値を設定する前に、組織のサブスクリプションがサポートする利用可能なサービスレベルを確認します。
subscription-manager syspurpose service-level --list
# subscription-manager syspurpose service-level --list
Copy to Clipboard Copied! 必要に応じて、次のコマンドを実行して SLA の設定を解除します。
subscription-manager syspurpose service-level --unset
# subscription-manager syspurpose service-level --unset
Copy to Clipboard Copied!
-
次のコマンドを実行して、希望する使用方法をシステムに設定します。
subscription-manager syspurpose usage --set "VALUE"
# subscription-manager syspurpose usage --set "VALUE"
Copy to Clipboard Copied! VALUE
を、割り当てる使用方法に置き換えます。-
Production
-
Disaster Recovery
-
Development/Test
以下に例を示します。
subscription-manager syspurpose usage --set "Production"
# subscription-manager syspurpose usage --set "Production"
Copy to Clipboard Copied! オプション: 値を設定する前に、組織のサブスクリプションがサポートする利用可能な使用条件を確認します。
subscription-manager syspurpose usage --list
# subscription-manager syspurpose usage --list
Copy to Clipboard Copied! 必要に応じて、次のコマンドを実行して、使用方法の設定を解除します。
subscription-manager syspurpose usage --unset
# subscription-manager syspurpose usage --unset
Copy to Clipboard Copied!
-
次のコマンドを実行して、現在のシステム目的のプロパティーを表示します。
subscription-manager syspurpose --show
# subscription-manager syspurpose --show
Copy to Clipboard Copied! オプション: 詳細な構文情報は、以下のコマンドを実行して
subscription-manager
の man ページにアクセスし、SYSPURPOSE OPTIONS を参照します。man subscription-manager
# man subscription-manager
Copy to Clipboard Copied!
検証
エンタイトルメントモードが有効になっているアカウントを使用して登録したシステムで、システムのサブスクリプションステータスを確認するには、次の手順を実行します。
subscription-manager status
# subscription-manager status +-------------------------------------------+ System Status Details +-------------------------------------------+ Overall Status: Current System Purpose Status: Matched
Copy to Clipboard Copied! -
全体的なステータス
Current
とは、インストールされている製品がすべて割り当てられたサブスクリプションの対象となり、コンテンツセットリポジトリーにアクセスするためのエンタイトルメントが付与されています。 -
システム目的のステータス
Matched
とは、システムに設定したすべてのシステム目的の属性 (ロール、使用条件、サービスレベル) が、割り当てられたサブスクリプションによって満たされることを意味します。 - ステータス情報が理想的ではない場合、システム管理者がインストール済みの製品と目的のシステムの目的に対応するために、アタッチされているサブスクリプションに加える修正を決定するのに役立つ追加情報が表示されます。
-
全体的なステータス
SCA モードが有効になっているアカウントを使用して登録したシステムで、システムのサブスクリプションステータスを確認するには、次の手順を実行します。
subscription-manager status
# subscription-manager status +-------------------------------------------+ System Status Details +-------------------------------------------+ Overall Status: Disabled Content Access Mode is set to Simple Content Access. This host has access to content, regardless of subscription status. System Purpose Status: Disabled
Copy to Clipboard Copied! - SCA モードでは、サブスクリプションを個々のシステムに割り当てる必要はありません。したがって、全体的なステータスとシステムの目的のステータスの両方が Disabled として表示されます。ただし、システム目的属性によって提供される技術、ビジネス、および運用のユースケースは、サブスクリプションサービスには重要です。これらの属性がないと、サブスクリプションサービスデータの精度が低下します。
第21章 64 ビット IBM Z で Linux インスタンスの設定
このセクションでは、64 ビットの IBM Z に Red Hat Enterprise Linux をインストールするための一般的なタスクを説明します (すべてのタスクが記載されているわけではありません)。
21.1. z/VM システムへの DASD の追加
DASD (Direct Access Storage Devices) は、64 ビットの IBM Z で一般的に使用されるストレージの一種です。詳細は、IBM Knowledge Center の Working with DASDs を参照してください。次の例では、DASD をオンラインに設定してフォーマットし、変更を永続化します。
z/VM 環境下で実行する場合は、デバイスが Linux システムに接続またはリンクされていることを確認してください。
CP ATTACH EB1C TO *
CP ATTACH EB1C TO *
アクセスできるミニディスクをリンクするには、次のコマンドを実行します。
CP LINK RHEL7X 4B2E 4B2E MR DASD 4B2E LINKED R/W
CP LINK RHEL7X 4B2E 4B2E MR
DASD 4B2E LINKED R/W
21.2. DASD のオンラインへの動的な設定
このセクションでは、DASD をオンラインに設定する方法を説明します。
手順
cio_ignore
ユーティリティーを使用して、無視されるデバイスのリストから DASD を削除して、Linux から見えるようにします。cio_ignore -r device_number
# cio_ignore -r device_number
Copy to Clipboard Copied! device_number を、DASD のデバイス番号に置き換えます。以下に例を示します。
cio_ignore -r 4b2e
# cio_ignore -r 4b2e
Copy to Clipboard Copied! デバイスをオンラインに設定します。コマンドを次の形式で使用します。
chccwdev -e device_number
# chccwdev -e device_number
Copy to Clipboard Copied! device_number を、DASD のデバイス番号に置き換えます。以下に例を示します。
chccwdev -e 4b2e
# chccwdev -e 4b2e
Copy to Clipboard Copied!
DASD を永続的にオンラインに設定する方法は、DASD を永続的にオンラインに設定する を参照してください。
21.3. ローレベルフォーマットによる新規 DASD の準備
ディスクがオンラインになったら、/root
ディレクトリーに戻り、このデバイスにローレベルフォーマットを行います。DASD の有効期間中に必要なローレベルフォーマットは、この 1 回のみです。
cd /root dasdfmt -b 4096 -d cdl -p /dev/disk/by-path/ccw-0.0.4b2e
# cd /root
# dasdfmt -b 4096 -d cdl -p /dev/disk/by-path/ccw-0.0.4b2e
Drive Geometry: 10017 Cylinders * 15 Heads = 150255 Tracks
I am going to format the device /dev/disk/by-path/ccw-0.0.4b2e in the following way:
Device number of device : 0x4b2e
Labelling device : yes
Disk label : VOL1
Disk identifier : 0X4B2E
Extent start (trk no) : 0
Extent end (trk no) : 150254
Compatible Disk Layout : yes
Blocksize : 4096
--->> ATTENTION! <<---
All data of that device will be lost.
Type "yes" to continue, no will leave the disk untouched: yes
cyl 97 of 3338 |#----------------------------------------------| 2%
進渉バーが最後まで到達してフォーマットが完了したら、dasdfmt が以下の出力を表示します。
Rereading the partition table... Exiting...
Rereading the partition table...
Exiting...
ここで、fdasd を使用して DASD にパーティションを設定します。DASD には最大 3 つのパーティションを作成できます。この例では、ディスク全体にまたがるパーティションを 1 つ作成します。
fdasd -a /dev/disk/by-path/ccw-0.0.4b2e
# fdasd -a /dev/disk/by-path/ccw-0.0.4b2e
reading volume label ..: VOL1
reading vtoc ..........: ok
auto-creating one partition for the whole disk...
writing volume label...
writing VTOC...
rereading partition table...
(ローレベルフォーマットを行った) DASD をオンラインにすると、Linux 環境下の他のディスクと同様に使用できます。たとえば、ファイルシステム、LVM 物理ボリューム、またはそのパーティション (例: /dev/disk/by-path/ccw-0.0.4b2e-part1
) にスワップ領域を作成できます。dasdfmt
コマンドおよび fdasd
コマンド以外では、絶対に DASD デバイス全体 (dev/dasdb
) を使用しないでください。DASD 全体を使用する場合は、上述の fdasd
の例で示すように、ドライブ全体にまたがるパーティションを 1 つ作成します。
たとえば /etc/fstab
の既存のディスクエントリーの設定を壊さずに新しいディスクを後で追加するには、/dev/disk/by-path/
配下で永続的なデバイスシンボリックリンクを使用します。
21.4. DASD を永続的にオンラインに設定する
上記の手順では、実行中のシステムで DASD を動的にアクティベートする手順を説明しています。しかし、そのような変更は永続的ではなく再起動後には維持されません。Linux システム内で DASD 設定の変更を永続的にするには、DASD がルートファイルシステムに属するかどうかによります。root ファイルシステムに必要なこれらの DASD は、ブートプロセスの初期段階で initramfs
でアクティベートして、root ファイルシステムをマウントできるようにする必要があります。
cio_ignore
コマンドは、永続的なデバイス設定に応じて透過的に処理されるため、無視するリストからデバイスを手動で解放する必要はありません。
21.5. ルートファイルシステムの一部である DASD
Red Hat Enterprise Linux 8 では、root ファイルシステムの一部となる DASD を追加するために修正が必要なファイルが変更になりました。/etc/zipl.conf
ファイルを編集する代わりに、編集する新しいファイルとその場所は、以下のコマンドを実行すると確認できます。
machine_id=$(cat /etc/machine-id) kernel_version=$(uname -r) ls /boot/loader/entries/$machine_id-$kernel_version.conf
# machine_id=$(cat /etc/machine-id)
# kernel_version=$(uname -r)
# ls /boot/loader/entries/$machine_id-$kernel_version.conf
ブートプロセスの早い段階で DASD をアクティベートする起動オプションである rd.dasd=
があります。このオプションは、DASD (Direct Access Storage Device) アダプターデバイスバス識別子を取ります。複数の DASD の場合は、パラメーターを複数回指定するか、バス ID のコンマ区切りリストを使用します。DASD の範囲を指定するには、最初と最後のバス ID を指定します。以下は、LVM ボリュームグループ vg_devel1
に使用する 2 つの DASD のパーティションで、物理ボリュームを使用するシステムの /boot/loader/entries/4ab74e52867b4f998e73e06cf23fd761-4.18.0-80.el8.s390x.conf
ファイルの例です。この LVM ボリュームグループには、root ファイルシステム用の論理ボリューム lv_root
が含まれています。
title Red Hat Enterprise Linux (4.18.0-80.el8.s390x) 8.0 (Ootpa) version 4.18.0-80.el8.s390x linux /boot/vmlinuz-4.18.0-80.el8.s390x initrd /boot/initramfs-4.18.0-80.el8.s390x.img options root=/dev/mapper/vg_devel1-lv_root crashkernel=auto rd.dasd=0.0.0200 rd.dasd=0.0.0207 rd.lvm.lv=vg_devel1/lv_root rd.lvm.lv=vg_devel1/lv_swap cio_ignore=all,!condev rd.znet=qeth,0.0.0a00,0.0.0a01,0.0.0a02,layer2=1,portno=0 id rhel-20181027190514-4.18.0-80.el8.s390x grub_users $grub_users grub_arg --unrestricted grub_class kernel
title Red Hat Enterprise Linux (4.18.0-80.el8.s390x) 8.0 (Ootpa)
version 4.18.0-80.el8.s390x
linux /boot/vmlinuz-4.18.0-80.el8.s390x
initrd /boot/initramfs-4.18.0-80.el8.s390x.img
options root=/dev/mapper/vg_devel1-lv_root crashkernel=auto rd.dasd=0.0.0200 rd.dasd=0.0.0207 rd.lvm.lv=vg_devel1/lv_root rd.lvm.lv=vg_devel1/lv_swap cio_ignore=all,!condev rd.znet=qeth,0.0.0a00,0.0.0a01,0.0.0a02,layer2=1,portno=0
id rhel-20181027190514-4.18.0-80.el8.s390x
grub_users $grub_users
grub_arg --unrestricted
grub_class kernel
デバイスバス ID 0.0.202b
に含まれる 3 番目の DASD のパーティションに、別の物理ボリュームを追加します。これを行うには、/boot/loader/entries/4ab74e52867b4f998e73e06cf23fd761-4.18.0-32.el8.s390x.conf
で、ブートカーネルのパラメーター行に rd.dasd=0.0.202b
を追加します。
title Red Hat Enterprise Linux (4.18.0-80.el8.s390x) 8.0 (Ootpa) version 4.18.0-80.el8.s390x linux /boot/vmlinuz-4.18.0-80.el8.s390x initrd /boot/initramfs-4.18.0-80.el8.s390x.img options root=/dev/mapper/vg_devel1-lv_root crashkernel=auto rd.dasd=0.0.0200 rd.dasd=0.0.0207 rd.dasd=0.0.202b rd.lvm.lv=vg_devel1/lv_root rd.lvm.lv=vg_devel1/lv_swap cio_ignore=all,!condev rd.znet=qeth,0.0.0a00,0.0.0a01,0.0.0a02,layer2=1,portno=0 id rhel-20181027190514-4.18.0-80.el8.s390x grub_users $grub_users grub_arg --unrestricted grub_class kernel
title Red Hat Enterprise Linux (4.18.0-80.el8.s390x) 8.0 (Ootpa)
version 4.18.0-80.el8.s390x
linux /boot/vmlinuz-4.18.0-80.el8.s390x
initrd /boot/initramfs-4.18.0-80.el8.s390x.img
options root=/dev/mapper/vg_devel1-lv_root crashkernel=auto rd.dasd=0.0.0200 rd.dasd=0.0.0207 rd.dasd=0.0.202b rd.lvm.lv=vg_devel1/lv_root rd.lvm.lv=vg_devel1/lv_swap cio_ignore=all,!condev rd.znet=qeth,0.0.0a00,0.0.0a01,0.0.0a02,layer2=1,portno=0
id rhel-20181027190514-4.18.0-80.el8.s390x
grub_users $grub_users
grub_arg --unrestricted
grub_class kernel
設定ファイルで、カーネルコマンドラインの長さが 896 バイトを超えないようにしてください。これを超えてしまうとブートローダーを保存できず、インストールに失敗します。
zipl
を実行して、次回の IPL 用に、設定ファイルの変更を適用します。
zipl -V
# zipl -V
Using config file '/etc/zipl.conf'
Using BLS config file '/boot/loader/entries/4ab74e52867b4f998e73e06cf23fd761-4.18.0-80.el8.s390x.conf'
Target device information
Device..........................: 5e:00
Partition.......................: 5e:01
Device name.....................: dasda
Device driver name..............: dasd
DASD device number..............: 0201
Type............................: disk partition
Disk layout.....................: ECKD/compatible disk layout
Geometry - heads................: 15
Geometry - sectors..............: 12
Geometry - cylinders............: 13356
Geometry - start................: 24
File system block size..........: 4096
Physical block size.............: 4096
Device size in physical blocks..: 262152
Building bootmap in '/boot'
Building menu 'zipl-automatic-menu'
Adding #1: IPL section '4.18.0-80.el8.s390x' (default)
initial ramdisk...: /boot/initramfs-4.18.0-80.el8.s390x.img
kernel image......: /boot/vmlinuz-4.18.0-80.el8.s390x
kernel parmline...: 'root=/dev/mapper/vg_devel1-lv_root crashkernel=auto rd.dasd=0.0.0200 rd.dasd=0.0.0207 rd.dasd=0.0.202b rd.lvm.lv=vg_devel1/lv_root rd.lvm.lv=vg_devel1/lv_swap cio_ignore=all,!condev rd.znet=qeth,0.0.0a00,0.0.0a01,0.0.0a02,layer2=1,portno=0'
component address:
kernel image....: 0x00010000-0x0049afff
parmline........: 0x0049b000-0x0049bfff
initial ramdisk.: 0x004a0000-0x01a26fff
internal loader.: 0x0000a000-0x0000cfff
Preparing boot menu
Interactive prompt......: enabled
Menu timeout............: 5 seconds
Default configuration...: '4.18.0-80.el8.s390x'
Preparing boot device: dasda (0201).
Syncing disks...
Done.
21.6. ルートファイルシステムの一部ではない DASD
データディスク など、root ファイルシステムに含まれない DASD (Direct Access Storage Devices) は /etc/dasd.conf
ファイルで永続設定します。このファイルには、行ごとに DASD が含まれ、各行は DASD のバス ID で始まります。
DASD を /etc/dasd.conf
ファイルに追加する場合は、キーと値のペアを使用して、各エントリーのオプションを指定します。キーとその値を等号 (=) 記号で区切ります。複数のオプションを追加する場合は、空白またはタブを使用して各オプションを区切ります。
/etc/dasd.conf
ファイルの例
0.0.0207 0.0.0200 use_diag=1 readonly=1
0.0.0207
0.0.0200 use_diag=1 readonly=1
/etc/dasd.conf
ファイルへの変更は、システムの再起動後か、システムの I/O 設定を変更して新規の DASD を動的に追加した後 (DASD を z/VM にアタッチ後) に適用されます。
/etc/dasd.conf
ファイルに追加した DASD を有効にするには、以下の手順を実行します。
cio_ignore
ユーティリティーを使用して、無視するデバイスのリストから DASD を削除して表示させます。cio_ignore -r device_number
# cio_ignore -r device_number
Copy to Clipboard Copied! device_number
は、DASD デバイス番号に置き換えます。たとえば、デバイス番号が
021a
の場合は、次のコマンドを実行します。cio_ignore -r 021a
# cio_ignore -r 021a
Copy to Clipboard Copied! デバイスの
uevent
属性に書き込み、DASD を有効化します。echo add > /sys/bus/ccw/devices/dasd-bus-ID/uevent
# echo add > /sys/bus/ccw/devices/dasd-bus-ID/uevent
Copy to Clipboard Copied! dasd-bus-ID
は、DASD のバス ID に置き換えます。たとえばバス ID が
0.0.021a
の場合には、以下を実行します。echo add > /sys/bus/ccw/devices/0.0.021a/uevent
# echo add > /sys/bus/ccw/devices/0.0.021a/uevent
Copy to Clipboard Copied!
21.7. ルートファイルシステムの一部である FCP LUN
Red Hat Enterprise Linux 8 では、root ファイルシステムの一部である FCP LUN を追加するために必要な唯一のファイルが変更されました。/etc/zipl.conf
ファイルを編集する代わりに、編集する新しいファイルとその場所は、以下のコマンドを実行すると確認できます。
machine_id=$(cat /etc/machine-id) kernel_version=$(uname -r) ls /boot/loader/entries/$machine_id-$kernel_version.conf
# machine_id=$(cat /etc/machine-id)
# kernel_version=$(uname -r)
# ls /boot/loader/entries/$machine_id-$kernel_version.conf
Red Hat Enterprise Linux には、ブートプロセスの早い段階で FCP LUN をアクティブにするパラメーターである rd.zfcp=
があります。この値は、コンマで区切った FCP デバイスバス ID、0x
で始まる 16 進法の 16 桁の数字のターゲットの WWPN、および 0x で始まり 16 進法の 16 桁の数字の右側にゼロが列記される FCP LUN から設定されます。
WWPN および FCP LUN の値は、zFCP
デバイスが NPIV モードで設定されていない場合にのみ必要です。これは、zfcp.allow_lun_scan=0
カーネルモジュールパラメーターにより auto LUN スキャンが無効になっている場合、または RHEL-8.6 以前のリリースをインストールする場合にのみ必要です。それ以外の場合は、rd.zfcp=0.0.4000
などを省略できます。以下は、LVM ボリュームグループ vg_devel1
に使用する 2 つの FCP LUN のパーティションで、物理ボリュームを使用するシステムの /boot/loader/entries/4ab74e52867b4f998e73e06cf23fd761-4.18.0-80.el8.s390x.conf
ファイルの例です。この LVM ボリュームグループには、root ファイルシステム用の論理ボリューム lv_root
が含まれています。分かりやすくするため、この例ではマルチパスなしの設定となっています。
title Red Hat Enterprise Linux (4.18.0-32.el8.s390x) 8.0 (Ootpa) version 4.18.0-32.el8.s390x linux /boot/vmlinuz-4.18.0-32.el8.s390x initrd /boot/initramfs-4.18.0-32.el8.s390x.img options root=/dev/mapper/vg_devel1-lv_root crashkernel=auto rd.zfcp=0.0.fc00,0x5105074308c212e9,0x401040a000000000 rd.zfcp=0.0.fc00,0x5105074308c212e9,0x401040a100000000 rd.lvm.lv=vg_devel1/lv_root rd.lvm.lv=vg_devel1/lv_swap cio_ignore=all,!condev rd.znet=qeth,0.0.0a00,0.0.0a01,0.0.0a02,layer2=1,portno=0 id rhel-20181027190514-4.18.0-32.el8.s390x grub_users $grub_users grub_arg --unrestricted grub_class kernel
title Red Hat Enterprise Linux (4.18.0-32.el8.s390x) 8.0 (Ootpa)
version 4.18.0-32.el8.s390x
linux /boot/vmlinuz-4.18.0-32.el8.s390x
initrd /boot/initramfs-4.18.0-32.el8.s390x.img
options root=/dev/mapper/vg_devel1-lv_root crashkernel=auto rd.zfcp=0.0.fc00,0x5105074308c212e9,0x401040a000000000 rd.zfcp=0.0.fc00,0x5105074308c212e9,0x401040a100000000 rd.lvm.lv=vg_devel1/lv_root rd.lvm.lv=vg_devel1/lv_swap cio_ignore=all,!condev rd.znet=qeth,0.0.0a00,0.0.0a01,0.0.0a02,layer2=1,portno=0
id rhel-20181027190514-4.18.0-32.el8.s390x
grub_users $grub_users
grub_arg --unrestricted
grub_class kernel
-
デバイスバス ID が 0.0.fc00、WWPN が 0x5105074308c212e9、および FCP LUN が 0x401040a300000000 である 3 つ目の FCP LUN のパーティションに別の物理ボリュームを追加するには、
/boot/loader/entries/4ab74e52867b4f998e73e06cf23fd761-4.18.0-32.el8.s390x.conf
ファイルで、ブートカーネルのパラメーター行にrd.zfcp=0.0.fc00,0x5105074308c212e9,0x401040a300000000
を追加します。以下に例を示します。
title Red Hat Enterprise Linux (4.18.0-32.el8.s390x) 8.0 (Ootpa) version 4.18.0-32.el8.s390x linux /boot/vmlinuz-4.18.0-32.el8.s390x initrd /boot/initramfs-4.18.0-32.el8.s390x.img options root=/dev/mapper/vg_devel1-lv_root crashkernel=auto rd.zfcp=0.0.fc00,0x5105074308c212e9,0x401040a000000000 rd.zfcp=0.0.fc00,0x5105074308c212e9,0x401040a100000000 rd.zfcp=0.0.fc00,0x5105074308c212e9,0x401040a300000000 rd.lvm.lv=vg_devel1/lv_root rd.lvm.lv=vg_devel1/lv_swap cio_ignore=all,!condev rd.znet=qeth,0.0.0a00,0.0.0a01,0.0.0a02,layer2=1,portno=0 id rhel-20181027190514-4.18.0-32.el8.s390x grub_users $grub_users grub_arg --unrestricted grub_class kernel
title Red Hat Enterprise Linux (4.18.0-32.el8.s390x) 8.0 (Ootpa)
version 4.18.0-32.el8.s390x
linux /boot/vmlinuz-4.18.0-32.el8.s390x
initrd /boot/initramfs-4.18.0-32.el8.s390x.img
options root=/dev/mapper/vg_devel1-lv_root crashkernel=auto rd.zfcp=0.0.fc00,0x5105074308c212e9,0x401040a000000000 rd.zfcp=0.0.fc00,0x5105074308c212e9,0x401040a100000000 rd.zfcp=0.0.fc00,0x5105074308c212e9,0x401040a300000000 rd.lvm.lv=vg_devel1/lv_root rd.lvm.lv=vg_devel1/lv_swap cio_ignore=all,!condev rd.znet=qeth,0.0.0a00,0.0.0a01,0.0.0a02,layer2=1,portno=0
id rhel-20181027190514-4.18.0-32.el8.s390x
grub_users $grub_users
grub_arg --unrestricted
grub_class kernel
設定ファイルで、カーネルコマンドラインの長さが 896 バイトを超えないようにしてください。これを超えてしまうとブートローダーを保存できず、インストールに失敗します。
-
dracut -f
を実行して、ターゲットカーネルの初期 RAM ディスクを更新します。 -
zipl
を実行して、次回の IPL 用に、設定ファイルの変更を適用します。
zipl -V
# zipl -V
Using config file '/etc/zipl.conf'
Using BLS config file '/boot/loader/entries/4ab74e52867b4f998e73e06cf23fd761-4.18.0-32.el8.s390x.conf'
Target device information
Device..........................: 08:00
Partition.......................: 08:01
Device name.....................: sda
Device driver name..............: sd
Type............................: disk partition
Disk layout.....................: SCSI disk layout
Geometry - start................: 2048
File system block size..........: 4096
Physical block size.............: 512
Device size in physical blocks..: 10074112
Building bootmap in '/boot/'
Building menu 'rh-automatic-menu'
Adding #1: IPL section '4.18.0-32.el8.s390x' (default)
kernel image......: /boot/vmlinuz-4.18.0-32.el8.s390x
kernel parmline...: 'root=/dev/mapper/vg_devel1-lv_root crashkernel=auto rd.zfcp=0.0.fc00,0x5105074308c212e9,0x401040a000000000 rd.zfcp=0.0.fc00,0x5105074308c212e9,0x401040a100000000 rd.zfcp=0.0.fc00,0x5105074308c212e9,0x401040a300000000 rd.lvm.lv=vg_devel1/lv_root rd.lvm.lv=vg_devel1/lv_swap cio_ignore=all,!condev rd.znet=qeth,0.0.0a00,0.0.0a01,0.0.0a02,layer2=1,portno=0'
initial ramdisk...: /boot/initramfs-4.18.0-32.el8.s390x.img
component address:
kernel image....: 0x00010000-0x007a21ff
parmline........: 0x00001000-0x000011ff
initial ramdisk.: 0x02000000-0x028f63ff
internal loader.: 0x0000a000-0x0000a3ff
Preparing boot device: sda.
Detected SCSI PCBIOS disk layout.
Writing SCSI master boot record.
Syncing disks...
Done.
IBM Z システムは、zipl
を使用して、カーネルと initramfs
の生のブロックアドレスを含むブートマップを作成します。initramfs
が再生成されると、ディスク上の物理レイアウトが変更される場合があります。dracut
はブートマップを自動的に更新しないため、initramfs
を再生成した後、手動で zipl
を実行してください。これを行わないと、ブートローダーの参照が古くなり、システムが起動しなくなる可能性があります。
21.8. ルートファイルシステムの一部ではない FCP LUN
データディスクなど、root ファイルシステムの一部ではない FCP LUN は、/etc/zfcp.conf
ファイルで永続的に設定されています。このファイルの各行には FCP LUN が含まれています。各行には、FCP アダプターのデバイスバス ID、0x
で始まる 16 桁の 16 進数の数字のターゲット WWPN、および 0x
で始まり 16 桁の 16 進数の数字の右側にゼロが列記され、空白またはタブで区切られている FCP LUN から設定されます。
WWPN および FCP LUN の値は、zFCP
デバイスが NPIV モードで設定されていない場合にのみ必要です。これは、zfcp.allow_lun_scan=0
カーネルモジュールパラメーターにより auto LUN
スキャンが無効になっている場合、または RHEL-8.6 以前のリリースをインストールする場合にのみ必要です。それ以外の場合は、省略でき、デバイスバス ID のみが必須となります。
/etc/zfcp.conf
内のエントリーは、FCP アダプターがシステムに追加される際に udev によってアクティベートされ、設定されます。システム起動時に表示される FCP アダプターすべてが追加され、udev を開始します。
/etc/zfcp.conf
のコンテンツの例:
0.0.fc00 0x5105074308c212e9 0x401040a000000000 0.0.fc00 0x5105074308c212e9 0x401040a100000000 0.0.fc00 0x5105074308c212e9 0x401040a300000000 0.0.fcd0 0x5105074308c2aee9 0x401040a000000000 0.0.fcd0 0x5105074308c2aee9 0x401040a100000000 0.0.fcd0 0x5105074308c2aee9 0x401040a300000000 0.0.4000 0.0.5000
0.0.fc00 0x5105074308c212e9 0x401040a000000000
0.0.fc00 0x5105074308c212e9 0x401040a100000000
0.0.fc00 0x5105074308c212e9 0x401040a300000000
0.0.fcd0 0x5105074308c2aee9 0x401040a000000000
0.0.fcd0 0x5105074308c2aee9 0x401040a100000000
0.0.fcd0 0x5105074308c2aee9 0x401040a300000000
0.0.4000
0.0.5000
/etc/zfcp.conf
の変更は、システムの再起動後か、システムの I/O 設定の変更による新規の FCP チャンネルの動的な追加 (たとえば、チャンネルが z/VM 下で接続) の後でのみ反映されます。もしくは、アクティブになっていなかった FCP アダプターに以下のコマンドを実行して、/etc/zfcp.conf
ファイルでの新しいエントリーのアクティベーションを開始できます。
cio_ignore
ユーティリティーを使用して、無視されるデバイスのリストから FCP アダプターを削除して、Linux から見えるようにします。cio_ignore -r device_number
# cio_ignore -r device_number
Copy to Clipboard Copied! device_number を、FCP アダプターのデバイス番号に置き換えます。以下に例を示します。
cio_ignore -r fcfc
# cio_ignore -r fcfc
Copy to Clipboard Copied! 次に変更をアクティベートする uevent を開始します。
echo add > /sys/bus/ccw/devices/device-bus-ID/uevent
# echo add > /sys/bus/ccw/devices/device-bus-ID/uevent
Copy to Clipboard Copied! 以下に例を示します。
echo add > /sys/bus/ccw/devices/0.0.fcfc/uevent
# echo add > /sys/bus/ccw/devices/0.0.fcfc/uevent
Copy to Clipboard Copied!
21.9. qeth デバイスの追加
qeth
ネットワークデバイスドライバーは、64 ビットの IBM Z の OSA-Express 機能を QDIO モード、HiperSockets、z/VM ゲスト LAN および z/VM VSWITCH でサポートします
qeth デバイスドライバーの命名スキームの詳細は、ブートパラメーターのカスタマイズ を参照してください。
21.10. qeth デバイスの動的な追加
このセクションでは、qeth
デバイスを動的に追加する方法を説明します。
手順
qeth
デバイスドライバーモジュールが読み込まれているかどうかを確認します。以下の例は、読み込み済みのqeth
モジュールを示しています。lsmod | grep qeth
# lsmod | grep qeth qeth_l3 69632 0 qeth_l2 49152 1 qeth 131072 2 qeth_l3,qeth_l2 qdio 65536 3 qeth,qeth_l3,qeth_l2 ccwgroup 20480 1 qeth
Copy to Clipboard Copied! lsmod
コマンドの出力で、qeth
モジュールが読み込まれていないことを示している場合は、modprobe
コマンドを実行してそのモジュールを読み込みます。modprobe qeth
# modprobe qeth
Copy to Clipboard Copied! cio_ignore
ユーティリティーを使用して、無視されるデバイスのリストからネットワークチャネルを削除し、それが Linux から見えるようにします。cio_ignore -r read_device_bus_id,write_device_bus_id,data_device_bus_id
# cio_ignore -r read_device_bus_id,write_device_bus_id,data_device_bus_id
Copy to Clipboard Copied! read_device_bus_id、write_device_bus_id、および data_device_bus_id は、ネットワークデバイスを表す 3 つのデバイスバス ID に置き換えます。たとえば、read_device_bus_id が
0.0.f500
で、write_device_bus_id が0.0.f501
で、data_device_bus_id が0.0.f502
の場合は、以下のようになります。cio_ignore -r 0.0.f500,0.0.f501,0.0.f502
# cio_ignore -r 0.0.f500,0.0.f501,0.0.f502
Copy to Clipboard Copied! znetconf ユーティリティーを使用して、ネットワークデバイス用の候補設定を識別して、リスト表示します。
znetconf -u
# znetconf -u Scanning for network devices... Device IDs Type Card Type CHPID Drv. ------------------------------------------------------------ 0.0.f500,0.0.f501,0.0.f502 1731/01 OSA (QDIO) 00 qeth 0.0.f503,0.0.f504,0.0.f505 1731/01 OSA (QDIO) 01 qeth 0.0.0400,0.0.0401,0.0.0402 1731/05 HiperSockets 02 qeth
Copy to Clipboard Copied! 使用する設定を選択し、znetconf を使用して設定を適用し、設定したグループデバイスをネットワークデバイスとしてオンラインにします。
znetconf -a f500
# znetconf -a f500 Scanning for network devices... Successfully configured device 0.0.f500 (encf500)
Copy to Clipboard Copied! オプション: グループデバイスをオンラインに設定する前に、グループデバイスに設定されている引数を渡すこともできます。
znetconf -a f500 -o portname=myname
# znetconf -a f500 -o portname=myname Scanning for network devices... Successfully configured device 0.0.f500 (encf500)
Copy to Clipboard Copied! これで、
encf500
ネットワークインターフェイスの設定を継続できます。
または、sysfs
属性を使用して、以下のようにデバイスをオンラインに設定することもできます。
qeth
グループデバイスを作成します。echo read_device_bus_id,write_device_bus_id,data_device_bus_id > /sys/bus/ccwgroup/drivers/qeth/group
# echo read_device_bus_id,write_device_bus_id,data_device_bus_id > /sys/bus/ccwgroup/drivers/qeth/group
Copy to Clipboard Copied! 以下に例を示します。
echo 0.0.f500,0.0.f501,0.0.f502 > /sys/bus/ccwgroup/drivers/qeth/group
# echo 0.0.f500,0.0.f501,0.0.f502 > /sys/bus/ccwgroup/drivers/qeth/group
Copy to Clipboard Copied! 次に、読み込みチャンネルを見つけることで、
qeth
グループデバイスが正しく作成されていることを確認します。ls /sys/bus/ccwgroup/drivers/qeth/0.0.f500
# ls /sys/bus/ccwgroup/drivers/qeth/0.0.f500
Copy to Clipboard Copied! 必要なシステムや機能を設定する方法により、オプションで追加のパラメーターや機能を設定できます。以下に例を示します。
-
portno
-
layer2
-
portname
-
オンライン
sysfs
属性に1
と書き込んでデバイスをオンラインにします。echo 1 > /sys/bus/ccwgroup/drivers/qeth/0.0.f500/online
# echo 1 > /sys/bus/ccwgroup/drivers/qeth/0.0.f500/online
Copy to Clipboard Copied! 次に、デバイスの状態を確認します。
cat /sys/bus/ccwgroup/drivers/qeth/0.0.f500/online 1
# cat /sys/bus/ccwgroup/drivers/qeth/0.0.f500/online 1
Copy to Clipboard Copied! 戻り値が
1
の場合は、デバイスがオンラインであることを示し、戻り値が0
の場合は、デバイスがオフラインであることを示します。デバイスに割り当てられたインターフェイス名を見つけます。
cat /sys/bus/ccwgroup/drivers/qeth/0.0.f500/if_name encf500
# cat /sys/bus/ccwgroup/drivers/qeth/0.0.f500/if_name encf500
Copy to Clipboard Copied! これで、
encf500
ネットワークインターフェイスの設定を継続できます。s390utils パッケージの以下のコマンドは、
qeth
デバイスの最も重要な設定を表示します。lsqeth encf500
# lsqeth encf500 Device name : encf500 ------------------------------------------------- card_type : OSD_1000 cdev0 : 0.0.f500 cdev1 : 0.0.f501 cdev2 : 0.0.f502 chpid : 76 online : 1 portname : OSAPORT portno : 0 state : UP (LAN ONLINE) priority_queueing : always queue 0 buffer_count : 16 layer2 : 1 isolation : none
Copy to Clipboard Copied!
21.11. qeth デバイスの永続的な追加
新規の qeth
デバイスを永続化するには、新規のインターフェイス用に設定ファイルを作成する必要があります。ネットワークインターフェイスの設定ファイルは /etc/sysconfig/network-scripts/
ディレクトリーにあります。
ネットワーク設定ファイルには、命名規則の ifcfg-device
を使用します。device は、以前作成した qeth
グループデバイスの if_name
ファイルで見つかった値 (例: enc9a0
) です。cio_ignore
コマンドは、永続的なデバイス設定に応じて透過的に処理されるため、無視するリストからデバイスを手動で解放する必要はありません。
同じタイプの別のデバイスの設定ファイルがすでに存在する場合は、それを新しい名前にコピーしてから編集するのが、設定ファイルを追加するのに一番簡単な方法です。
cd /etc/sysconfig/network-scripts cp ifcfg-enc9a0 ifcfg-enc600
# cd /etc/sysconfig/network-scripts
# cp ifcfg-enc9a0 ifcfg-enc600
お使いのネットワークデバイスの ID を確認するには、lsqeth ユーティリティーを使用します。
lsqeth -p
# lsqeth -p
devices CHPID interface cardtype port chksum prio-q'ing rtr4 rtr6 lay'2 cnt
-------------------------- ----- ---------------- -------------- ---- ------ ---------- ---- ---- ----- -----
0.0.09a0/0.0.09a1/0.0.09a2 x00 enc9a0 Virt.NIC QDIO 0 sw always_q_2 n/a n/a 1 64
0.0.0600/0.0.0601/0.0.0602 x00 enc600 Virt.NIC QDIO 0 sw always_q_2 n/a n/a 1 64
同様のデバイスをこれまでに定義していない場合は、新規のファイルを作成する必要があります。次の /etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-0.0.09a0
の例を、テンプレートとして使用してください。
IBM QETH
# IBM QETH
DEVICE=enc9a0
BOOTPROTO=static
IPADDR=10.12.20.136
NETMASK=255.255.255.0
ONBOOT=yes
NETTYPE=qeth
SUBCHANNELS=0.0.09a0,0.0.09a1,0.0.09a2
PORTNAME=OSAPORT
OPTIONS='layer2=1 portno=0'
MACADDR=02:00:00:23:65:1a
TYPE=Ethernet
新規の ifcfg-0.0.0600
ファイルを以下のように編集します。
-
DEVICE
ステートメントを、ccw
グループのif_name
ファイルの内容を反映するように変更します。 -
IPADDR
の記述を修正して、新しいインターフェイスの IP アドレスを反映させます。 -
必要に応じて
NETMASK
の記述を修正します。 -
新しいインターフェイスを起動時にアクティブにするには、
ONBOOT
がyes
に設定されていることを確認します。 -
SUBCHANNELS
の記述が qeth デバイスのハードウェアアドレスと一致していることを確認します。 -
PORTNAME
の記述を修正するか、使用環境に不要であれば除外します。 OPTIONS
パラメーターに、有効なsysfs
属性とその値を追加できます。現在、Red Hat Enterprise Linux インストールプログラムでは、これを使用してレイヤーモード (layer2
) と、qeth
デバイスの関連ポート番号 (portno
) を設定します。OSA デバイス用の
qeth
デバイスドライバーのデフォルトは、現在のところレイヤー 2 モードです。以前のデフォルトであるレイヤー 3 モードに依存する旧式のifcfg
定義を継続して使用するには、layer2=0
をOPTIONS
パラメーターに追加します。
/etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-0.0.0600
IBM QETH
# IBM QETH
DEVICE=enc600
BOOTPROTO=static
IPADDR=192.168.70.87
NETMASK=255.255.255.0
ONBOOT=yes
NETTYPE=qeth
SUBCHANNELS=0.0.0600,0.0.0601,0.0.0602
PORTNAME=OSAPORT
OPTIONS='layer2=1 portno=0'
MACADDR=02:00:00:b3:84:ef
TYPE=Ethernet
ifcfg
ファイルの変更は、システムの再起動後か、システムの I/O 設定の変更による新規のネットワークデバイスの動的な追加 (たとえば、z/VM 下で接続) の後でのみ反映されます。もしくは、アクティブになっていなかったネットワークチャネルに以下のコマンドを実行して、ifcfg
ファイルのアクティベーションを開始できます。
cio_ignore
ユーティリティーを使用して、無視されるデバイスのリストからネットワークチャネルを削除し、それが Linux から見えるようにします。cio_ignore -r read_device_bus_id,write_device_bus_id,data_device_bus_id
# cio_ignore -r read_device_bus_id,write_device_bus_id,data_device_bus_id
Copy to Clipboard Copied! read_device_bus_id、write_device_bus_id、および data_device_bus_id は、ネットワークデバイスを表す 3 つのデバイスバス ID に置き換えます。たとえば、read_device_bus_id が
0.0.0600
で、write_device_bus_id が0.0.0601
で、data_device_bus_id が0.0.0602
の場合は、以下のようになります。cio_ignore -r 0.0.0600,0.0.0601,0.0.0602
# cio_ignore -r 0.0.0600,0.0.0601,0.0.0602
Copy to Clipboard Copied! 次に変更をアクティベートする uevent を開始します。
echo add > /sys/bus/ccw/devices/read-channel/uevent
# echo add > /sys/bus/ccw/devices/read-channel/uevent
Copy to Clipboard Copied! 以下に例を示します。
echo add > /sys/bus/ccw/devices/0.0.0600/uevent
# echo add > /sys/bus/ccw/devices/0.0.0600/uevent
Copy to Clipboard Copied! ネットワークデバイスのステータスを確認します。
lsqeth
# lsqeth
Copy to Clipboard Copied! ここで新しいインターフェイスを開始します。
ifup enc600
# ifup enc600
Copy to Clipboard Copied! インターフェイスのステータスを確認します。
ip addr show enc600
# ip addr show enc600 3: enc600: <BROADCAST,MULTICAST,UP,LOWER_UP> mtu 1500 qdisc pfifo_fast state UP group default qlen 1000 link/ether 3c:97:0e:51:38:17 brd ff:ff:ff:ff:ff:ff inet 10.85.1.245/24 brd 10.34.3.255 scope global dynamic enc600 valid_lft 81487sec preferred_lft 81487sec inet6 1574:12:5:1185:3e97:eff:fe51:3817/64 scope global noprefixroute dynamic valid_lft 2591994sec preferred_lft 604794sec inet6 fe45::a455:eff:d078:3847/64 scope link valid_lft forever preferred_lft forever
Copy to Clipboard Copied! 新しいインターフェイスのルーティングを確認します。
ip route
# ip route default via 10.85.1.245 dev enc600 proto static metric 1024 12.34.4.95/24 dev enp0s25 proto kernel scope link src 12.34.4.201 12.38.4.128 via 12.38.19.254 dev enp0s25 proto dhcp metric 1 192.168.122.0/24 dev virbr0 proto kernel scope link src 192.168.122.1
Copy to Clipboard Copied! ping
ユーティリティーを使用し、ゲートウェイ、または新規デバイスのサブネットにある別のホストに ping して、変更を確認します。ping -c 1 192.168.70.8
# ping -c 1 192.168.70.8 PING 192.168.70.8 (192.168.70.8) 56(84) bytes of data. 64 bytes from 192.168.70.8: icmp_seq=0 ttl=63 time=8.07 ms
Copy to Clipboard Copied! -
デフォルトのルート情報を変更した場合は、それに応じて
/etc/sysconfig/network
も更新する必要があります。
21.12. ネットワークの root ファイルシステム用の 64 ビットの IBM Z ネットワークデバイスの設定
root ファイルシステムへのアクセスに必要なネットワークデバイスを追加するには、起動オプションの変更だけが必要です。起動オプションはパラメーターファイルに追加できますが、/etc/zipl.conf
ファイルには、起動レコードの指定が含まれなくなります。修正が必要なファイルは、以下のコマンドを使用して配置できます。
machine_id=$(cat /etc/machine-id) kernel_version=$(uname -r) ls /boot/loader/entries/$machine_id-$kernel_version.conf
# machine_id=$(cat /etc/machine-id)
# kernel_version=$(uname -r)
# ls /boot/loader/entries/$machine_id-$kernel_version.conf
Dracut (mkinitrd の後継であり、initrd の代わりとなる initramfs 内で機能を提供する) は、起動プロセスの早い段階で 64 ビットの IBM Z 上のネットワークデバイスをアクティベートする起動パラメーター rd.znet=
を提供します。
このパラメーターには、NETTYPE
(qeth、lcs、ctc) のリスト (2 つ (lcs、ctc) または 3 つ (qeth) のデバイスバス ID) をコンマ区切りで指定します。また、任意で、ネットワークデバイスの sysfs 属性に相当するキー値ペアで構成される追加パラメーターを指定します。このパラメーターは、64 ビットの IBM Z のネットワークハードウェアを設定し、アクティベートします。IP アドレスとその他のネットワーク仕様の設定は、他のプラットフォームと同様に機能します。詳細は dracut のドキュメントを参照してください。
ネットワークチャンネルに対する cio_ignore コマンドは、起動時に透過的に処理されます。
NFS 経由のネットワークでアクセスした root ファイルシステムの起動オプションの例:
root=10.16.105.196:/nfs/nfs_root cio_ignore=all,!condev rd.znet=qeth,0.0.0a00,0.0.0a01,0.0.0a02,layer2=1,portno=0,portname=OSAPORT ip=10.16.105.197:10.16.105.196:10.16.111.254:255.255.248.0:nfs‑server.subdomain.domain:enc9a0:none rd_NO_LUKS rd_NO_LVM rd_NO_MD rd_NO_DM LANG=en_US.UTF-8 SYSFONT=latarcyrheb-sun16 KEYTABLE=us
root=10.16.105.196:/nfs/nfs_root cio_ignore=all,!condev rd.znet=qeth,0.0.0a00,0.0.0a01,0.0.0a02,layer2=1,portno=0,portname=OSAPORT ip=10.16.105.197:10.16.105.196:10.16.111.254:255.255.248.0:nfs‑server.subdomain.domain:enc9a0:none rd_NO_LUKS rd_NO_LVM rd_NO_MD rd_NO_DM LANG=en_US.UTF-8 SYSFONT=latarcyrheb-sun16 KEYTABLE=us
第22章 インストール後のセキュリティーハードニング
RHEL は、強力なセキュリティー機能がデフォルトで有効になるように設計されています。しかし、追加のハードニング対策を講じることで、セキュリティーをさらに強化できます。
詳細情報:
- セキュリティー更新をインストールし、更新に関する追加の詳細を表示して、新たに発見された脅威や脆弱性から RHEL システムを保護する方法は、セキュリティー更新の管理および監視 を参照してください。
- ローカルおよびリモートの侵入、悪用、悪意のあるアクティビティーから RHEL サーバーとワークステーションを保護するためのプロセスとプラクティスは、セキュリティーの強化 を参照してください。
- ユーザーとプロセスがシステム上のファイルとやり取りする方法を制御する方法や、SELinux で制限された特定のユーザーにアクションをマッピングしてアクションを実行できるユーザーを制御する方法は、SELinux の使用 を参照してください。
- ネットワークのセキュリティーを強化し、データ侵害や侵入のリスクを軽減するためのツールとテクニックは、ネットワークのセキュリティー保護 を参照してください。
- 着信、発信、転送されるネットワークトラフィックを制御するルールを使用するファイアウォールなどのパケットフィルターについては、firewalld の使用と設定 および nftables の使用開始 を参照してください。
第23章 サブスクリプションサービスの変更
サブスクリプションを管理するには、Red Hat Subscription Management Server または Red Hat Satellite Server に RHEL システムを登録します。必要に応じて、後でサブスクリプションサービスを変更できます。登録しているサブスクリプションサービスを変更するには、現在のサービスからシステムの登録を解除し、新しいサービスに登録します。
システムの更新を受信するには、いずれかの管理サーバーにシステムを登録します。
このセクションは、Red Hat Subscription Management Server および Red Hat Satellite Server から RHEL システムの登録を解除する方法を説明します。
前提条件
以下のいずれかでシステムを登録している。
- Red Hat Subscription Management Server
- Red Hat Satellite Server version 6.11
システムの更新を受信するには、いずれかの管理サーバーにシステムを登録します。
23.1. Subscription Management Server からの登録解除
このセクションでは、コマンドラインと Subscription Manager ユーザーインターフェイスを使用して、Red Hat Subscription Management Server から RHEL システムの登録を解除する方法を説明します。
23.1.1. コマンドラインでの登録解除
unregister
コマンドを使用して、Red Hat Subscription Management Server から RHEL システムの登録を解除します。
手順
root ユーザーで unregister コマンドにパラメーターを付けずに実行します。
subscription-manager unregister
# subscription-manager unregister
Copy to Clipboard Copied! - プロンプトが表示されたら、root パスワードを入力します。
システムが Subscription Management Server から登録解除され、ステータス 'The system is currently not registered' が表示され、
ボタンが有効になります。中断しなかったサービスを続けるには、いずれかの管理サービスでシステムの再登録を行います。システムを管理サービスに登録しないと、システム更新を受信できない場合があります。システムの登録の詳細は、コマンドラインを使用したシステムの登録 を参照してください。
23.1.2. Subscription Manager ユーザーインターフェイスを使用した登録解除
Subscription Manager ユーザーインターフェイスを使用して、Red Hat Subscription Management Server から RHEL システムの登録を解除できます。
手順
- システムにログインします。
- ウィンドウの左上にある Activities をクリックします。
- メニューオプションから、アプリケーションを表示する アイコンをクリックします。
- Red Hat Subscription Manager アイコンをクリックするか、検索に Red Hat Subscription Manager と入力します。
認証が必要です ダイアログボックスで管理者パスワードを入力します。サブスクリプション 画面が開き、サブスクリプションの現在のステータス、システムの目的、インストール済み製品が表示されます。未登録の製品には、赤い X 印が表示されます。
システムで特権タスクを実行するには、認証が必要です。
- ボタンをクリックします。
システムが Subscription Management Server から登録解除され、ステータス 'The system is currently not registered' が表示され、
ボタンが有効になります。中断しなかったサービスを続けるには、いずれかの管理サービスでシステムの再登録を行います。管理サービスでシステムを登録しないと、システムの更新を受け取らないことがあります。システムの登録の詳細は、Subscription Manager ユーザーインターフェイスを使用したシステム登録 を参照してください。
23.2. Satellite Server からの登録解除
Satellite Server から Red Hat Enterprise Linux システムの登録を解除するには、Satellite Server からシステムを削除します。
詳細は、Red Hat Satellite からのホストの削除 を参照してください。
パート IV. 付録
潜在的な問題を特定、分析、対処するのに役立つツールと手法を紹介します。また、問題を明確に伝達し、迅速に解決できるように、バグ報告時のベストプラクティスも取り上げます。
付録A トラブルシューティングおよびバグ報告のためのツールおよびヒント
以下のセクションのトラブルシューティング情報は、インストールプロセスの開始時に問題を診断する際に役に立つ場合があります。以下のセクションは、サポートしているすべてのアーキテクチャーに対応します。ただし、問題が特定のアーキテクチャーに関する場合は、セクションの冒頭にその旨が記載されます。
A.1. Dracut
Dracut
は、Linux オペレーティングシステムの起動プロセス時に initramfs
イメージを管理するツールです。dracut
の緊急シェルは、initramfs
イメージが読み込まれる際に開始できるインタラクティブモードです。dracut
の緊急シェルから基本的なトラブルシューティングコマンドを実行できます。詳細は、システム上の dracut
man ページの Troubleshooting セクションを参照してください。
A.2. インストールログファイルの使用
デバッグの目的で、インストールプログラムは、/tmp
ディレクトリーにあるファイルに、インストールアクションのログを記録します。以下の表は、ログファイルのリストです。
ログファイル | 内容 |
---|---|
| 一般メッセージ |
| インストール時に実行したすべての外部プログラム |
| ストレージモジュールの詳細情報 |
| yum パッケージおよび rpm パッケージのインストールメッセージ |
|
インストールプログラムモジュールに使用される |
| 他のログに含まれず、インストール後のシステムにコピーされない設定情報 |
| ハードウェア関連のシステムメッセージこのファイルには、他の Anaconda ファイルからのメッセージが含まれます。 |
インストールが失敗すると、メッセージは /tmp/anaconda-tb-identifier
で一元管理されます。identifier はランダムな文字列になります。インストールに成功すると、このファイルは /var/log/anaconda/
ディレクトリー下のインストール済みシステムにコピーされます。ただし、インストールが失敗した場合、またはインストールシステムの起動時に inst.nosave=all
オプションまたは inst.nosave=logs
オプションを使用すると、ログはインストールプログラムの RAM ディスクにのみ存在します。これは、ログが永続的に保存されず、システムの電源が切れると失われることを意味します。永続的に保存するには、ファイルをネットワーク上の別のシステムにコピーするか、マウントしたストレージデバイス (USB フラッシュドライブなど) にコピーします。
A.2.1. インストール前のログファイルの作成
この手順に従って、インストールプロセスを開始する前にログファイルを作成する inst.debug
オプションを設定します。このログファイルには、たとえば現在のストレージ設定が含まれます。
前提条件
- Red Hat Enterprise Linux ブートメニューが開いている。
手順
- ブートメニューから Install Red Hat Enterprise Linux オプションを選択します。
- BIOS ベースのシステムでは Tab キー、UEFI ベースのシステムでは e キーを押して、選択したブートオプションを編集します。
オプションに
inst.debug
を追加します。以下に例を示します。vmlinuz ... inst.debug
vmlinuz ... inst.debug
Copy to Clipboard Copied! -
キーボードの Enter キーを押します。システムが、インストール前のログファイルを
/tmp/pre-anaconda-logs/
ディレクトリーに保存し、インストールプログラムが開始します。 - ログファイルにアクセスするには、コンソールに切り替えます。
/tmp/pre-anaconda-logs/
ディレクトリーに移動します。cd /tmp/pre-anaconda-logs/
# cd /tmp/pre-anaconda-logs/
Copy to Clipboard Copied!
A.2.2. インストールログファイルを USB ドライブへ転送
以下の手順に従って、インストールログファイルを USB ドライブに転送します。
前提条件
- USB ドライブからデータをバックアップした。
- root アカウントにログインし、インストールプログラムの一時ファイルシステムにアクセスできるようにする。
手順
- Ctrl + Alt + F2 を押して、インストールするシステムのシェルプロンプトにアクセスします。
USB フラッシュドライブをシステムに接続し、
dmesg
コマンドを実行します。dmesg
# dmesg
Copy to Clipboard Copied! 最近の全イベントの詳細を記録したログが表示されます。このログの最後に、一連のメッセージが表示されます。以下に例を示します。
[ 170.171135] sd 5:0:0:0: [sdb] Attached SCSI removable disk
[ 170.171135] sd 5:0:0:0: [sdb] Attached SCSI removable disk
Copy to Clipboard Copied! -
接続したデバイスの名前を書き留めます。上記の例では
sdb
です。 /mnt
ディレクトリーに移動し、USB ドライブのマウントターゲットとして機能する新規ディレクトリーを作成します。この例ではusb
という名前を使用します。mkdir usb
# mkdir usb
Copy to Clipboard Copied! USB フラッシュドライブを、新たに作成したディレクトリーにマウントします。ほとんどの場合、ドライブ全体ではなく、ドライブのパーティションをマウントする必要があります。
sdb
の名前は使用せず、ログファイルを書き込むパーティションの名前を使用してください。この例では、sdb1
という名前を使用します。mount /dev/sdb1 /mnt/usb
# mount /dev/sdb1 /mnt/usb
Copy to Clipboard Copied! デバイスにアクセスし、そのコンテンツをリスト表示して、正しいデバイスをマウントしたことを確認します。
cd /mnt/usb
# cd /mnt/usb
Copy to Clipboard Copied! ls
# ls
Copy to Clipboard Copied! ログファイルを、マウントしたデバイスにコピーします。
cp /tmp/*log /mnt/usb
# cp /tmp/*log /mnt/usb
Copy to Clipboard Copied! USB フラッシュドライブのマウントを解除します。ターゲットがビジーであるというエラーメッセージが表示された場合は、作業ディレクトリーをマウント外 (たとえば /) に変更します。
umount /mnt/usb
# umount /mnt/usb
Copy to Clipboard Copied!
A.2.3. ネットワーク経由でインストールログファイルの転送
以下の手順に従って、インストールログファイルをネットワーク経由で転送します。
前提条件
- root アカウントにログインし、インストールプログラムの一時ファイルシステムにアクセスできるようにする。
手順
- Ctrl + Alt + F2 を押して、インストールするシステムのシェルプロンプトにアクセスします。
ログファイルが格納されている
/tmp
ディレクトリーに移動します。cd /tmp
# cd /tmp
Copy to Clipboard Copied! scp
コマンドを使用して、ネットワーク経由でログファイルを別のシステムにコピーします。scp *log user@address:path
# scp *log user@address:path
Copy to Clipboard Copied! user には、ターゲットシステムの有効なユーザー名を入力します。address には、ターゲットシステムのアドレスまたはホスト名を入力します。path には、ログファイルを保存するディレクトリーへのパスを入力します。たとえば、IP アドレスが 192.168.0.122 のシステムに
john
としてログインし、ログファイルをそのシステムの/home/john/logs/
ディレクトリーに置く場合のコマンドは次のようになります。scp *log john@192.168.0.122:/home/john/logs/
# scp *log john@192.168.0.122:/home/john/logs/
Copy to Clipboard Copied! 初めてターゲットシステムに接続する際に、SSH クライアントにより、リモートシステムのフィンガープリントが正しいことと、継続するかを尋ねられます。
The authenticity of host '192.168.0.122 (192.168.0.122)' can't be established. ECDSA key fingerprint is a4:60:76:eb:b2:d0:aa:23:af:3d:59:5c:de:bb:c4:42. Are you sure you want to continue connecting (yes/no)?
The authenticity of host '192.168.0.122 (192.168.0.122)' can't be established. ECDSA key fingerprint is a4:60:76:eb:b2:d0:aa:23:af:3d:59:5c:de:bb:c4:42. Are you sure you want to continue connecting (yes/no)?
Copy to Clipboard Copied! - yes と入力し、Enter を押して続行します。プロンプトが表示されたら、有効なパスワードを入力します。ファイルは、ターゲットシステムの指定されたディレクトリーに転送されます。
A.3. Memtest86 アプリケーションの使用によるメモリー障害の検出
メモリー (RAM) モジュールの障害により、システムで予期しないエラーが生じる可能性があります。特定の状況では、メモリー障害は、ソフトウェアの特定の組み合わせでのみエラーが発生する可能性があります。このため、Red Hat Enterprise Linux をインストールする前に、システムのメモリーをテストする必要があります。
Red Hat Enterprise Linux には、BIOS システム用の Memtest86+
メモリーテストアプリケーションのみが含まれます。UEFI システムのサポートは現在利用できません。
A.3.1. Memtest86 の実行
Red Hat Enterprise Linux をインストールする前に、この手順で Memtest86
アプリケーションを実行し、システムでメモリー障害をテストします。
前提条件
- Red Hat Enterprise Linux ブートメニューにアクセスした。
手順
Red Hat Enterprise Linux 起動メニューから Troubleshooting > Run a memory test を選択します。
Memtest86
アプリケーション画面が表示され、テストがすぐに開始します。デフォルトでは、Memtest86
はすべてのパスで 10 個のテストを実行します。最初のパスが完了すると、画面の下部に、現在のステータスを知らせるメッセージが表示されます。その他のパスは自動的に開始します。Memtest86+
がエラーを検出すると、画面の中央ペインにエラーが表示され、赤で強調表示されます。メッセージには、問題を検出したテスト、障害が発生しているメモリーの場所などの詳細情報が含まれます。ほとんどの場合、10 個すべてのテストに一度成功すれば、RAM が良好な状態であることを確認できます。ただし、まれに、最初のパスで検出されなかったエラーが、後続のパスに検出される場合があります。重要なシステムで徹底的なテストを実行するには、そのテストを一晩または数日間実行して、複数のパスを完了します。Memtest86+
の 1 回の完全パスを完了するのにかかる時間は、システムの設定、特に RAM のサイズと速度により異なります。たとえば、667 MHz で 2 GiB の DDR2 メモリーを搭載したシステムでは、1 回のパスが完了するまでに 20 分かかります。- 必要に応じて、画面上の指示に従って 設定 画面にアクセスし、別の設定を指定します。
- テストを中止してコンピューターを再起動する場合は、いつでも Esc キーを押すことができます。
A.4. 起動用メディアの検証
ISO イメージの検証は、インストール時にしばしば発生する問題を回避するのに役立ちます。このソースには、DVD や、ディスクまたは NFS サーバーに保存している ISO イメージなどが含まれます。以下の手順に従って、Red Hat Enterprise Linux のインストールに使用する前に、ISO ベースのインストールソースの整合性をテストします。
前提条件
- Red Hat Enterprise Linux ブートメニューにアクセスした。
手順
- 起動メニューから Test this media & install Red Hat Enterprise Linux 8.1 を選択して、起動メディアをテストします。
- この起動プロセスは、メディアをテストして問題を強調表示します。
-
必要に応じて、起動コマンドラインに
rd.live.check
を追加して、検証プロセスを開始できます。
A.5. インストール中のコンソールとロギング
Red Hat Enterprise Linux インストーラーは、tmux 端末マルチプレクサーを使用して、メインのインターフェイスのほかに複数の画面を表示し、制御します。この画面は、それぞれ目的が異なり、インストールプロセス中に発生した問題をトラブルシューティングするのに使用できるさまざまなログを表示します。画面の 1 つでは、起動オプションまたはキックスタートコマンドを使用して明示的に無効にしない限り、root
権限で使用できる対話式シェルプロンプトを使用できます。
端末マルチプレクサーは、仮想コンソール 1 で実行しています。インストール環境を、tmux に変更する場合は、Ctrl+Alt+F1 を押します。仮想コンソール 6 で実行されているメインのインストールインターフェイスに戻るには、Ctrl+Alt+F6 を押します。テキストモードでインストールする場合は、仮想コンソール 1 (tmux) で起動し、コンソール 6 に切り替えると、グラフィカルインターフェイスではなくシェルプロンプトが開きます。
tmux を実行しているコンソールには、利用可能な画面が 5 つあります。その内容と、キーボードショートカットは、以下の表で説明します。キーボードショートカットは 2 段階となっており、最初に Ctrl+b を押し、両方のキーを離してから、使用する画面で数字キーを押す必要があります。
また、Ctrl+b n、Alt+ Tab、および Ctrl+b p を使用して、次または前の tmux 画面に切り替えることもできます。
ショートカット | 内容 |
---|---|
Ctrl+b 1 | メインのインストールプログラム画面。テキストベースのプロンプト (テキストモードのインストール中もしくは VNC Direct モードを使用の場合) とデバッグ情報があります。 |
Ctrl+b 2 |
|
Ctrl+b 3 |
インストールログ - |
Ctrl+b 4 |
ストレージログ - |
Ctrl+b 5 |
プログラムログ - |
A.6. スクリーンショットの保存
グラフィカルインストール中に Shift+Print Screen を押すと、いつでも画面をキャプチャーできます。このスクリーンショートカットは、/tmp/anaconda-screenshots
に保存されます。
A.7. 設定およびデバイスドライバーの表示
ビデオカードの中には、Red Hat Enterprise Linux グラフィカルインストールプログラムでの起動に問題があるものがあります。インストールプログラムがデフォルト設定を使用して実行しない場合は、それより低い解像度モードでの実行を試みます。これに失敗すると、インストールプログラムはテキストモードでの実行を試みます。
ディスプレイの問題を解決するソリューションは複数あります。そのほとんどでは、カスタムのブートオプションを指定する必要があります。
詳細は、コンソール起動オプション を参照してください。
ソリューション | 説明 |
---|---|
基本的なグラフィックモードを使用する | 基本的なグラフィックスドライバーを使用して、インストールの実行を試みることができます。これを行うには、起動メニューから Troubleshooting > Install Red Hat Enterprise Linux in basic graphics mode を選択するか、インストールプログラムの起動オプションを編集して、コマンドラインの末尾に inst.xdriver=vesa を追加します。 |
ディスプレイの解像度を手動で指定する | インストールプログラムが画面の解像度の検出に失敗した場合は、自動検出を無効にして手動で指定できます。手動で指定するには、ブートメニューに inst.resolution=x オプションを追加します。x はディスプレイの解像度 (1024x768 など) に置き換えます。 |
代替のビデオドライバーを使用する | インストールプログラムの自動検出を無効にして、カスタムビデオドライバーを指定できます。ドライバーを指定するには、inst.xdriver=x オプションを使用します。x は使用するデバイスドライバー (nouveau など)* に置き換えます。 |
VNC を使用したインストールを行う | 上記のオプションが失敗した場合は、仮想ネットワークコンピューティング (VNC) プロトコルを使用して、別のシステムでネットワーク経由でグラフィカルインストールにアクセスできます。VNC を使用したインストールの詳細は、VNC を使用したリモートインストールの準備 を参照してください。 |
- カスタムビデオドライバーを指定することで問題が解決した場合は、Jira にバグとして報告してください。インストールプログラムは、ハードウェアを自動的に検出し、適切なドライバーを介入なしで使用できるようにする必要があります。
A.8. Red Hat カスタマーポータルへエラーメッセージの報告
グラフィカルインストールでエラーが発生すると、unknown error ダイアログボックスが表示されます。エラーに関する情報を Red Hat カスタマーサポートに送信できます。レポートを送信するには、カスタマーポータルの認証情報を入力する必要があります。カスタマーポータルアカウントをお持ちでない場合は、https://www.redhat.com/wapps/ugc/register.html で登録できます。自動エラー報告にはネットワーク接続が必要です。
前提条件
- グラフィカルインストールプログラムでエラーが発生し、unknown error ダイアログボックスが表示されます。
手順
unknown error ダイアログボックスから をクリックして問題を報告するか、 をクリックしてインストールを終了します。
-
必要に応じて、
tty1
が表示されます。tty1
からグラフィカルインターフェイスに戻るには、continue
コマンドを使用します。 をクリックして、エラーの原因を特定するのに役立つ詳細な出力を表示します。デバッグに精通している場合は、 をクリックします。これにより、追加の情報を要求できる仮想ターミナル
-
必要に応じて、
- をクリックします。
- Red Hat Customer Support - Reporting Configuration ダイアログボックスが表示されます。Basic タブで、カスタマーポータルのユーザー名およびパスワードを入力します。ネットワーク設定で HTTP プロキシーまたは HTTPS プロキシーを使用する必要がある場合は、Advanced タブを選択し、プロキシーサーバーのアドレスを入力して設定できます。
- すべてのフィールドを完了し、 をクリックします。
- テキストボックスが表示されます。unknown error ダイアログボックスが表示される前に行った各手順を説明します。
- How reproducible is this problem ドロップダウンメニューからオプションを選択し、テキストボックスに追加情報を入力します。
- をクリックします。
- 入力したすべての情報が Comment タブにあることを確認します。他のタブには、システムのホスト名やインストール環境に関する詳細などの情報が含まれます。Red Hat に送信したくない情報は削除できますが、詳細情報が少なくなると、問題の調査に影響を及ぼす可能性があることに注意してください。
- すべてのタブの確認が終了したら Forward をクリックします。
- ダイアログボックスは、Red Hat に送信されるすべてのファイルを表示します。Red Hat に送信しないファイルの横にあるチェックボックスの選択を解除します。ファイルを追加するには、Attach a file をクリックします。
- I have reviewed the data and agree with submitting it. チェックボックスを選択します。
- をクリックして、レポートと添付ファイルを Red Hat に送信します。
- unknown error ダイアログボックスに戻ります。 をクリックしてレポートプロセスの詳細を表示します。 をクリックすると、
- をクリックして、インストールを終了します。
付録B トラブルシューティング
以下のセクションのトラブルシューティング情報は、インストールプロセス後に問題を診断する際に役に立つ場合があります。以下のセクションは、サポートしているすべてのアーキテクチャーに対応します。ただし、問題が特定のアーキテクチャーに関する場合は、セクションの冒頭にその旨が記載されます。
B.1. 中断されたダウンロードの再開
curl
コマンドを使用して、中断したダウンロードを再開します。
前提条件
- Red Hat カスタマーポータルの 製品ダウンロード セクション (https://access.redhat.com/downloads) に移動し、必要なバリアント、バージョン、およびアーキテクチャーを選択している。
- 必要な ISO ファイルを右クリックし、リンク先をコピー を選択して、ISO イメージファイルの URL をクリップボードにコピーしている。
手順
新しいリンクから ISO イメージをダウンロードしてください。ダウンロードを自動的に再開するには、
--continue-at -
オプションを追加します。curl --output directory-path/filename.iso 'new_copied_link_location' --continue-at -
$ curl --output directory-path/filename.iso 'new_copied_link_location' --continue-at -
Copy to Clipboard Copied! ダウンロードが完了した後、イメージファイルの整合性を確認するには、sha256sum などのチェックサムユーティリティーを使用します。
sha256sum rhel-x.x-x86_64-dvd.iso
$ sha256sum rhel-x.x-x86_64-dvd.iso `85a...46c rhel-x.x-x86_64-dvd.iso`
Copy to Clipboard Copied! その出力を、Red Hat Enterprise Linux の Web ページ 製品ダウンロード にある参照チェックサムと比較します。
例B.1 中断されたダウンロードの再開
以下は、部分的にダウンロードした ISO イメージに対する curl
コマンドの例です。
curl --output _rhel-x.x-x86_64-dvd.iso 'https://access.cdn.redhat.com//content/origin/files/sha256/85/85a...46c/rhel-x.x-x86_64-dvd.iso?_auth=141...963' --continue-at -
$ curl --output _rhel-x.x-x86_64-dvd.iso 'https://access.cdn.redhat.com//content/origin/files/sha256/85/85a...46c/rhel-x.x-x86_64-dvd.iso?_auth=141...963' --continue-at -
B.2. ディスクが検出されない
インストールプログラムがインストール先となる書き込み可能なストレージデバイスを検出できない場合、インストール先 画面に次のエラーメッセージが返されます。No disks detected.Please shut down the computer, connect at least one disk, and restart to complete installation が返ります。
以下の項目を確認します。
- システムにストレージデバイスが少なくとも 1 つ割り当てられている。
- ご使用のシステムがハードウェア RAID コントローラーを使用している場合は、そのコントローラーが正しく設定され、期待通りに機能している。手順は、コントローラーのドキュメントを参照してください。
- 1 つ以上の iSCSI デバイスにインストールし、そのシステムにローカルストレージがない場合は、必要なすべての LUN が適切なホストバスアダプター (HBA) に表示されている。
システムを再起動してインストールプロセスを開始した後もエラーメッセージが表示される場合は、インストールプログラムがストレージの検出に失敗しています。このエラーメッセージは、多くの場合、インストールプログラムで認識されない iSCSI デバイスにインストールしようとした場合に表示されます。
このシナリオでは、インストールを開始する前に、ドライバー更新を実行する必要があります。ハードウェアベンダーの Web サイトで、ドライバーの更新が利用可能かどうかを確認します。ドライバーの更新に関する一般的な情報は、インストール時のドライバーの更新 を参照してください。
また、Red Hat Hardware Compatibility List (https://access.redhat.com/ecosystem/search/#/category/Server) を確認してください。
B.3. RAID カードで起動できない
インストール後にシステムを起動できない場合は、システムのストレージのパーティション設定と再インストールが必要になる場合があります。BIOS によっては、RAID カードからの起動に対応していないため注意が必要です。インストールが完了し、初めてシステムを再起動すると、テキストベースの画面にブートローダーのプロンプト (grub>
など) が表示され、カーソルのフラッシュが表示されます。この場合は、システムのパーティションを再設定し、/boot
パーティションと、RAID アレイの外にあるブートローダーを移動する必要があります。/boot
パーティションとブートローダーは、同じドライブに置く必要があります。このような変更が行われたら、インストールを完了し、システムを適切に起動できるはずです。
B.4. グラフィカルな起動シーケンスが応答しない
インストール後に初めてシステムを再起動すると、グラフィカルな起動シーケンス時にシステムが応答しなくなることがあります。この場合は、リセットが必要です。このシナリオでは、ブートローダーメニューは正常に表示されますが、エントリーを選択してシステムを起動しようとすると停止します。これは通常、グラフィカルな起動シーケンスに問題があることを示しています。この問題を解決するには、永続的に変更する前に、システムの起動時に設定を一時的に変更することで、グラフィカルブートを無効にする必要があります。
手順: グラフィカルブートを一時的に無効にする
-
システムを起動し、ブートローダーメニューが表示されるまで待ちます。起動のタイムアウト期間を
0
に設定し、Esc キーを押してアクセスします。 - ブートローダーメニューからカーソルキーを使用して、起動するエントリーを強調表示します。Tab キー (システムが BIOS ベースの場合) または e キー (UEFI ベースの場合) を押して、選択したエントリーオプションを編集します。
-
オプションリストでカーネル行を探します。カーネル行は linux というキーワードで始まります。この行で、
rhgb
を探して、削除します。 - F10 または Ctrl+X を押して、編集したオプションでシステムを起動します。
システムが正常に起動した場合は、通常通りにログインできます。ただし、グラフィカルブートを永続的に無効にしない場合は、システムが起動するたびにこの手順を実行する必要があります。
手順: グラフィカルブートを永続的に無効にする
- システムの root アカウントにログインします。
grubby
ツールを使用してデフォルトの GRUB カーネルを見つけます。grubby --default-kernel
# grubby --default-kernel /boot/vmlinuz-4.18.0-94.el8.x86_64
Copy to Clipboard Copied! grubby
ツールを使用して、GRUB 設定のデフォルトカーネルからrhgb
ブートオプションを削除します。以下に例を示します。grubby --remove-args="rhgb" --update-kernel /boot/vmlinuz-4.18.0-94.el8.x86_64
# grubby --remove-args="rhgb" --update-kernel /boot/vmlinuz-4.18.0-94.el8.x86_64
Copy to Clipboard Copied! -
システムを再起動します。グラフィカル起動シーケンスが使用されなくなりました。グラフィカルな起動シーケンスを有効にする場合は、同じ手順に従って、
--remove-args="rhgb"
パラメーターを--args="rhgb"
パラメーターに置き換えます。これにより、rhgb
ブートオプションが GRUB 設定のデフォルトカーネルに復元されます。
B.5. ログイン後に X サーバーが失敗する
X サーバーは、ローカルマシン、つまりユーザーが直接使用するコンピューターで実行する X Window System のプログラムです。X サーバーは、グラフィックカード、ディスプレイ画面、入力デバイス (通常はこれらのコンピューターのキーボードとマウス) へのすべてのアクセスを処理します。X Window System (しばしば X と呼ばれます) は、1 台コンピューターおよびコンピューターのネットワークで GUI を管理するための、完全なクロスプラットフォームの無料クライアントサーバーシステムです。クライアントサーバーモデルは、クライアントとサーバーと呼ばれる、リンクされている 2 つのアプリケーション間で作業を分割するアーキテクチャーです。*
ログイン後に X サーバーがクラッシュした場合は、1 つ以上のファイルシステムが満杯になっている可能性があります。問題をトラブルシューティングするには、次のコマンドを実行します。
df -h
$ df -h
この出力は、どのパーティションが満杯かを検証します。ほとんどの場合、問題は /home
パーティションにあります。以下は、df
コマンドの出力例です。
Filesystem Size Used Avail Use% Mounted on devtmpfs 396M 0 396M 0% /dev tmpfs 411M 0 411M 0% /dev/shm tmpfs 411M 6.7M 405M 2% /run tmpfs 411M 0 411M 0% /sys/fs/cgroup /dev/mapper/rhel-root 17G 4.1G 13G 25% / /dev/sda1 1014M 173M 842M 17% /boot tmpfs 83M 20K 83M 1% /run/user/42 tmpfs 83M 84K 83M 1% /run/user/1000 /dev/dm-4 90G 90G 0 100% /home
Filesystem Size Used Avail Use% Mounted on
devtmpfs 396M 0 396M 0% /dev
tmpfs 411M 0 411M 0% /dev/shm
tmpfs 411M 6.7M 405M 2% /run
tmpfs 411M 0 411M 0% /sys/fs/cgroup
/dev/mapper/rhel-root 17G 4.1G 13G 25% /
/dev/sda1 1014M 173M 842M 17% /boot
tmpfs 83M 20K 83M 1% /run/user/42
tmpfs 83M 84K 83M 1% /run/user/1000
/dev/dm-4 90G 90G 0 100% /home
この例では、/home
パーティションが満杯になっていることが失敗の原因になっていることがわかります。不要なファイルを削除します。ディスク領域の一部を解放したら、startx
コマンドを使用して X を起動します。df
に関する詳細情報と、使用できるオプション (この例で使用する -h
オプションなど) の詳細は、システム上の df(1)
man ページを参照してください。
B.6. RAM が認識されない
シナリオによっては、カーネルがすべてのメモリー (RAM) を認識しないため、システムが使用するメモリーが、インストールされているメモリーより少なくなる場合があります。システムが報告するメモリーの合計サイズが期待値と一致しない場合は、少なくとも 1 つのメモリーモジュールに問題がある可能性があります。BIOS ベースのシステムでは、Memtest86+
ユーティリティーを使用して、システムのメモリーをテストできます。
ハードウェアの設定によっては、システムの RAM の一部が予約されているため、システムが使用できなくなります。統合グラフィックスカードが搭載されている一部のラップトップコンピューターは、GPU 用のメモリーの一部を予約します。たとえば、4 GiB の RAM および統合 Intel グラフィックスカードを搭載したラップトップでは、約 3.7 GiB の使用可能なメモリーが表示されます。さらに、多くの Red Hat Enterprise Linux システムでデフォルトで有効になっている kdump
クラッシュカーネルダンプメカニズムは、プライマリーカーネルに障害が発生した場合に使用されるセカンダリーカーネル用にメモリーの一部を予約します。この予約メモリーは、利用可能としては表示されません。
以下の手順を使用して、メモリー量を手動で設定します。
手順
システムが現在報告しているメモリー容量を MiB 単位で確認します。
free -m
$ free -m
Copy to Clipboard Copied! システムを再起動し、ブートローダーメニューが表示されるまで待ちます。
起動タイムアウト期間が
0
に設定されている場合は、Esc キーを押してメニューにアクセスします。- ブートローダーメニューからカーソルキーを使用して、起動するエントリーを強調表示し、Tab キー (BIOS ベースのシステムの場合)、または e キー (UEFI ベースのシステムの場合) を押して、選択したエントリーオプションを編集します。
オプション一覧でカーネル行を探します。カーネル行は
linux
というキーワードで始まります。以下のオプションをこの行の最後に追加します。mem=xxM
mem=xxM
Copy to Clipboard Copied! -
xx
の部分は実際の容量を MiB 単位で入力してください。 - F10 キーまたは Ctrl+X の組み合わせを押して、編集を行ったオプションでシステムを起動します。
- システムが起動するのを待ってログインし、コマンドラインを開きます。
システムが報告するメモリー量を MiB 単位で確認します。
free -m
$ free -m
Copy to Clipboard Copied! コマンドで表示される RAM の合計サイズが期待値と一致する場合は、変更を永続化します。
grubby --update-kernel=ALL --args="mem=xxM"
# grubby --update-kernel=ALL --args="mem=xxM"
Copy to Clipboard Copied!
B.7. シグナル 11 エラーが表示される
シグナル 11 エラーは、一般にセグメンテーション違反と呼ばれ、割り当てられていないメモリーの場所にプログラムがアクセスしたことを意味します。シグナル 11 エラーは、インストールされているソフトウェアプログラムのバグ、または障害のあるハードウェアが原因で発生する可能性があります。インストールプロセスでシグナル 11 エラーが表示された場合は、最新のインストールイメージを使用していることを確認し、インストールプログラムで、イメージが破損していないことを確認するように求めます。
詳細は、起動用メディアの検証 を参照してください。
インストールメディアの不良 (書き込みが正しく行われていなかったり、光ディスクに傷がついているなど) は、シグナル 11 エラーの一般的な原因です。インストールの前に、必ずインストールメディアの整合性を確認してください。最新のインストールメディアの入手方法は、Product Downloads ページを参照してください。
インストールを開始する前にメディアチェックを実行するには、ブートメニューに rd.live.check
ブートオプションを追加します。エラーなしでメディアチェックを実行しても、セグメンテーションフォールトで問題が引き続き発生する場合は、通常、システムでハードウェアエラーが発生したことを示しています。このシナリオでは、問題はおそらくシステムのメモリー (RAM) にあります。これは、以前に同じコンピューターで別のオペレーティングシステムをエラーなしで使用した場合でも、問題になる可能性があります。
AMD、Intel 64 ビット、および 64 ビット ARM アーキテクチャーの場合、BIOS ベースのシステムでは、インストールメディアに含まれる Memtest86+
メモリーテストモジュールを使用して、システムのメモリーを徹底的にテストできます。詳細は、Memtest86 アプリケーションの使用によるメモリー障害の検出 を参照してください。
これ以外に考えられる原因は、このドキュメントでは扱いません。ハードウェアの製造元のドキュメントと、Red Hat Hardware Compatibility List (https://access.redhat.com/ecosystem/search/#/category/Server) を確認してください。
B.8. IBM Power Systems のネットワークストレージ領域から IPL を実行できない
ネットワークストレージ領域 (*NWSSTG) から IPL を実行する際に問題が発生する場合は、おそらく PReP パーティションがないことが原因です。このシナリオでは、システムを再インストールし、パーティション作成フェーズまたはキックスタートファイルでこのパーティションを作成する必要があります。
B.9. XDMCP の使用
X Window System をインストールし、グラフィカルログインマネージャーを使用して Red Hat Enterprise Linux システムにログインするシナリオがあります。以下の手順に従って、X Display Manager Control Protocol (XDMCP) を有効にし、ネットワークに接続したワークステーションや X11 端末など、X 互換のクライアントからデスクトップ環境にリモートでログインします。
XDMCP は、Wayland プロトコルでは対応していません。
手順
-
vi や nano などの平文エディターで
/etc/gdm/custom.conf
設定ファイルを開きます。 custom.conf
ファイルで、[xdmcp]
で始まるセクションを探します。このセクションに、以下の行を追加します。Enable=true
Enable=true
Copy to Clipboard Copied! -
XDMCP を使用している場合は、
WaylandEnable=false
が/etc/gdm/custom.conf
ファイルに存在することを確認してください。 - ファイルを保存し、テキストエディターを編集します。
X Window System を再起動します。これには、システムを再起動するか、root で次のコマンドを実行して GNOME Display Manager を再起動します。
systemctl restart gdm.service
# systemctl restart gdm.service
Copy to Clipboard Copied! 警告gdm
サービスを再起動すると、ログインしているすべてのデスクトップユーザーの現在実行中の GNOME セッションがすべて終了します。これにより、ユーザーが保存していないデータが失われる可能性があります。
ログインプロンプトを待ち、ユーザー名とパスワードを使用してログインします。X Window System が XDMCP 用に設定されました。クライアントワークステーションで X コマンドを使用して、リモート X セッションを開始し、別のワークステーション (クライアント) から接続できます。以下に例を示します。
X :1 -query address
$ X :1 -query address
Copy to Clipboard Copied! address
を、リモート X11 サーバーのホスト名に置き換えます。このコマンドは、XDMCP を使用してリモートの X11 サーバーに接続し、X11 サーバーシステムのディスプレイ :1 でリモートグラフィカルログイン画面を表示します (通常はCtrl-Alt-F8
を押してアクセスできます)。nested X11 サーバーを使用してリモートデスクトップセッションにアクセスすることもできます。これにより、リモートデスクトップが現在の X11 セッションの画面として開きます。Xnest を使用して、ローカルの X11 セッションでネストされたリモートデスクトップを開くことができます。たとえば、以下のコマンドを使用して Xnest を実行します。address を、リモート X11 サーバーのホスト名に置き換えます。Xnest :1 -query address
$ Xnest :1 -query address
Copy to Clipboard Copied!
B.10. レスキューモードの使用
インストールプログラムのレスキューモードは、Red Hat Enterprise Linux DVD またはその他の起動メディアから起動できる最小限の Linux 環境です。さまざまな問題を修復するコマンドラインユーティリティーが含まれています。レスキューモードには、ブートメニューの Troubleshooting メニューからアクセスできます。このモードでは、ファイルシステムを読み取り専用としてマウントしたり、拒否リストに登録したり、ドライバーディスクで提供されるドライバーを追加したり、システムパッケージをインストールまたはアップグレードしたり、パーティションを管理したりできます。
インストールプログラムのレスキューモードは、systemd
システムおよびサービスマネージャーの一部として提供されるレスキューモード (シングルユーザーモードに相当) および緊急モードとは異なります。
レスキューモードで起動するには、最小起動ディスク、USB ドライブ、フルインストール DVD など、Red Hat Enterprise Linux の起動用メディアを使用してシステムを起動できる必要があります。
iSCSI デバイスや zFCP デバイスなどの高度なストレージは、rd.zfcp=
または root=iscsi:
オプション などの dracut
ブートオプションを使用するか、64 ビットの IBM Z 上の CMS 設定ファイルで設定する必要があります。レスキューモードで起動した後に、これらのストレージデバイスを対話的に設定することはできません。dracut
ブートオプションの詳細は、システム上の dracut.cmdline(7)
man ページを参照してください。
B.10.1. レスキューモードでシステムの起動
この手順では、レスキューモードで起動する方法を説明します。
手順
- 最小限の起動用メディア、フルインストールの DVD または USB ドライブからシステムを起動し、ブートメニューが表示されるまで待ちます。
-
ブートメニューから、Troubleshooting > Rescue a Red Hat Enterprise Linux system オプションを選択するか、ブートコマンドラインに
inst.rescue
オプションを追加します。起動コマンドラインに入るには、Tab キー (BIOS ベースのシステムの場合) を押すか、e キー (UEFI ベースのシステムの場合) を押します。 必要に応じて、起動するドライバーディスクで提供されるサードパーティーのドライバーが必要な場合は、
inst.dd=driver_name
を起動コマンドラインに追加します。inst.rescue inst.dd=driver_name
inst.rescue inst.dd=driver_name
Copy to Clipboard Copied! 必要に応じて、Red Hat Enterprise Linux ディストリビューションに含まれるドライバーが原因でシステムが起動しない場合は、
modprobe.blacklist=
オプションを起動コマンドラインに追加します。inst.rescue modprobe.blacklist=driver_name
inst.rescue modprobe.blacklist=driver_name
Copy to Clipboard Copied! Enter (BIOS ベースのシステムの場合) または Ctrl+X (UEFI ベースのシステムの場合) を押して、変更したオプションを起動します。次のメッセージが表示されるまで待ちます。
The rescue environment will now attempt to find your Linux installation and mount it under the directory: /mnt/sysroot/. You can then make any changes required to your system. Choose 1 to proceed with this step. You can choose to mount your file systems read-only instead of read-write by choosing 2. If for some reason this process does not work choose 3 to skip directly to a shell. 1) Continue 2) Read-only mount 3) Skip to shell 4) Quit (Reboot)
The rescue environment will now attempt to find your Linux installation and mount it under the directory: /mnt/sysroot/. You can then make any changes required to your system. Choose 1 to proceed with this step. You can choose to mount your file systems read-only instead of read-write by choosing 2. If for some reason this process does not work choose 3 to skip directly to a shell. 1) Continue 2) Read-only mount 3) Skip to shell 4) Quit (Reboot)
Copy to Clipboard Copied! 1 を選択すると、インストールプログラムは
/mnt/sysroot/
ディレクトリーにファイルシステムをマウントしようとします。パーティションのマウントに失敗すると通知されます。2 を選択すると、ファイルシステムを/mnt/sysroot/
ディレクトリーにマウントしようとしますが、読み取り専用モードになります。3 を選択すると、ファイルシステムはマウントされません。システムルートの場合には、インストーラーは
/mnt/sysimage
と/mnt/sysroot
の 2 つのマウントポイントをサポートします。/mnt/sysroot
パスは、ターゲットシステムの/
をマウントするために使用されます。通常、物理ルートとシステムの root は同じであるため、/mnt/sysroot
は/mnt/sysimage
と同じファイルシステムに割り当てられます。唯一の例外は、デプロイメントに基づいてシステムの root が変更する rpm-ostree システムのみです。次に、/mnt/sysroot
は、/mnt/sysimage
のサブディレクトリーに割り当てられます。chroot には/mnt/sysroot
を使用します。続行するには 1 を選択します。システムがレスキューモードになると、VC (仮想コンソール) 1 および VC 2 にプロンプトが表示されます。
Ctrl+Alt+F1
キーの組み合わせで VC 1 にアクセスし、Ctrl+Alt+F2
で VC 2 にアクセスします。sh-4.2#
sh-4.2#
Copy to Clipboard Copied! ファイルシステムがマウントされていても、レスキューモードではデフォルトの root パーティションは一時的な root パーティションであり、通常のユーザーモード (
multi-user.target
またはgraphical.target
) で使用するファイルシステムの root パーティションではありません。ファイルシステムのマウントを選択し、正常にマウントされた場合は、次のコマンドを実行してレスキューモード環境の root パーティションを、ファイルシステムの root パーティションに変更できます。chroot /mnt/sysroot
sh-4.2# chroot /mnt/sysroot
Copy to Clipboard Copied! これは、root パーティションが
/
としてマウントされることが求められるrpm
などのコマンドを実行する必要がある場合に便利です。chroot 環境を終了するには、exit と入力してプロンプトに戻ります。3 を選択した場合でも、
/directory/
などのディレクトリーを作成し、次のコマンドを入力すると、レスキューモード内でパーティションまたは LVM2 論理ボリュームを手動でマウントできます。mount -t xfs /dev/mapper/VolGroup00-LogVol02 /directory
sh-4.2# mount -t xfs /dev/mapper/VolGroup00-LogVol02 /directory
Copy to Clipboard Copied! 上記のコマンドでは、
/directory/
は作成したディレクトリーで、/dev/mapper/VolGroup00-LogVol02
はマウントする LVM2 論理ボリュームになります。パーティションのタイプが XFS 以外の場合は、文字列 xfs を正しい種類 (ext4 など) に置き換えます。すべての物理パーティションの名前が不明な場合は、次のコマンドを実行するとリストが表示されます。
fdisk -l
sh-4.2# fdisk -l
Copy to Clipboard Copied! LVM2 物理ボリューム、ボリュームグループ、または論理ボリュームの名前がすべて不明な場合は、
pvdisplay
コマンド、vgdisplay
コマンド、またはlvdisplay
コマンドを使用します。
B.10.2. レスキューモードでの SOS レポートの使用
sosreport
コマンドラインユーティリティーは、実行中のカーネルバージョン、読み込み済みモジュール、システムおよびサービスの設定ファイルなどの設定および診断情報をシステムから収集します。このユーティリティーの出力は、/var/tmp/
ディレクトリーの tar アーカイブに保存されます。sosreport
ユーティリティーは、システムエラーの分析とトラブルシューティングに役立ちます。この手順に従って、レスキューモードで sosreport
出力を取得します。
前提条件
- レスキューモードでシステムを起動している。
-
インストール済みのシステムの
/ (root)
パーティションを読み書きモードでマウントしている。 - この問題を Red Hat サポートに連絡し、ケース番号を受け取っている。
手順
root ディレクトリーを
/mnt/sysroot/
ディレクトリーに変更します。chroot /mnt/sysroot/
sh-4.2# chroot /mnt/sysroot/
Copy to Clipboard Copied! sosreport
を実行して、システム設定と診断情報を含むアーカイブを生成します。sosreport
sh-4.2# sosreport
Copy to Clipboard Copied! sosreport
は、Red Hat サポートから受け取った名前とケース番号の入力を求めるプロンプトが表示されます。英数字のみを使用してください。# % & { } \ < > > * ? / $ ~ ' " : @ + ` | =
文字やスペースを追加すると、レポートが使用できなくなる可能性があるためです。必要に応じて、ネットワークを使用して、生成されたアーカイブを新しい場所に転送する場合は、ネットワークインターフェイスを設定する必要があります。このシナリオでは、他の手順は必要ないため、動的 IP アドレス指定を使用します。ただし、静的アドレスを使用する場合は、次のコマンドを実行して、ネットワークインターフェイス (dev eth0 など) に IP アドレス (10.13.153.64/23 など) を割り当てます。
bash-4.2# ip addr add 10.13.153.64/23 dev eth0
bash-4.2# ip addr add 10.13.153.64/23 dev eth0
Copy to Clipboard Copied! chroot 環境を終了します。
exit
sh-4.2# exit
Copy to Clipboard Copied! 生成されたアーカイブを新しい場所に保存し、その場所からアーカイブへのアクセスを容易にします。
cp /mnt/sysroot/var/tmp/sosreport new_location
sh-4.2# cp /mnt/sysroot/var/tmp/sosreport new_location
Copy to Clipboard Copied! ネットワークを介したアーカイブの転送は、
scp
ユーティリティーを使用します。scp /mnt/sysroot/var/tmp/sosreport username@hostname:sosreport
sh-4.2# scp /mnt/sysroot/var/tmp/sosreport username@hostname:sosreport
Copy to Clipboard Copied!
B.10.3. GRUB ブートローダーの再インストール
場合によっては、GRUB ブートローダーが誤って削除されたり、破損したり、他のオペレーティングシステムによって置き換えられたりすることがあります。その場合は、BIOS を搭載した AMD64 および Intel 64 システムのマスターブートレコード (MBR) に GRUB を再インストールします。
前提条件
- レスキューモードでシステムを起動している。
-
インストール済みのシステムの
/ (root)
パーティションを読み書きモードでマウントしている。 -
/boot
マウントポイントを読み取り/書き込みモードでマウントしている。
手順
root パーティションを変更します。
chroot /mnt/sysroot/
sh-4.2# chroot /mnt/sysroot/
Copy to Clipboard Copied! install_device
ブロックデバイスがインストールされている場所に GRUB ブートローダーを再インストールします。/sbin/grub2-install install_device
sh-4.2# /sbin/grub2-install install_device
Copy to Clipboard Copied! 重要grub2-install
コマンドを実行すると、以下の条件がすべて適用されると、マシンが起動できなくなる可能性があります。- システムは、EFI (Extensible Firmware Interface) を使用する AMD64 または Intel 64 です。
- Secure Boot が有効になります。
grub2-install
コマンドを実行すると、EFI (Extensible Firmware Interface) および Secure Boot が有効な AMD64 システムまたは Intel 64 システムを起動することはできません。この問題は、grub2-install
コマンドが、shim アプリケーションを使用する代わりに直接起動する未署名の GRUB イメージをインストールするために発生します。システムが起動すると shim アプリケーションはイメージの署名を検証します。見つからない場合は、システムの起動に失敗します。- システムを再起動します。
B.10.4. yum を使用してドライバーを追加または削除する
ドライバーが見つからないか、誤作動すると、システムの起動時に問題が発生します。レスキューモードは、システムが起動に失敗してもドライバーを追加または削除できる環境を提供します。誤作動するドライバーを削除したり、更新されたドライバーや不足しているドライバーを追加したりする際には、可能な限り、dnf パッケージマネージャーを使用してください。
ドライバーディスクからドライバーをインストールすると、ドライバーディスクは、このドライバーを使用するシステムにある initramfs
イメージをすべて更新します。ドライバーが原因でシステムが起動できない場合は、別の initramfs
イメージからシステムを起動する方法は使用できません。
B.10.4.1. dnf を使用したドライバーの追加
以下の手順に従ってドライバーを追加します。
前提条件
- レスキューモードでシステムを起動している。
- インストール済みのシステムを読み書きモードでマウントしている。
手順
-
そのドライバーを含む RPM パッケージを利用できるようにします。たとえば、CD または USB フラッシュドライブをマウントして、RPM パッケージを
/mnt/sysroot/
配下の任意の場所 (例:/mnt/sysroot/root/drivers/
) にコピーします。 root ディレクトリーを
/mnt/sysroot/
に変更します。chroot /mnt/sysroot/
sh-4.2# chroot /mnt/sysroot/
Copy to Clipboard Copied! dnf install
コマンドを使用して、ドライバーパッケージをインストールします。たとえば、以下のコマンドを実行して、xorg-x11-drv-wacom
ドライバーパッケージを/root/drivers/
からインストールします。yum install /root/drivers/xorg-x11-drv-wacom-0.23.0-6.el7.x86_64.rpm
sh-4.2# yum install /root/drivers/xorg-x11-drv-wacom-0.23.0-6.el7.x86_64.rpm
Copy to Clipboard Copied! 注記この chroot 環境の
/root/drivers/
ディレクトリーは、元のレスキュー環境の/mnt/sysroot/root/drivers/
ディレクトリーです。chroot 環境を終了します。
exit
sh-4.2# exit
Copy to Clipboard Copied!
B.10.4.2. dnf を使用したドライバーの削除
以下の手順に従ってドライバーを削除します。
前提条件
- レスキューモードでシステムを起動している。
- インストール済みのシステムを読み書きモードでマウントしている。
手順
root ディレクトリーを
/mnt/sysroot/
ディレクトリーに変更します。chroot /mnt/sysroot/
sh-4.2# chroot /mnt/sysroot/
Copy to Clipboard Copied! dnf remove
コマンドを使用して、ドライバーパッケージを削除します。たとえば、xorg-x11-drv-wacom
ドライバーパッケージを削除するには、次のコマンドを実行します。yum remove xorg-x11-drv-wacom
sh-4.2# yum remove xorg-x11-drv-wacom
Copy to Clipboard Copied! chroot 環境を終了します。
exit
sh-4.2# exit
Copy to Clipboard Copied! 誤動作のあるドライバーを何らかの理由で削除できない場合は、代わりにドライバーを拒否リストに登録することで、起動時に読み込まれないようにすることができます。
- ドライバーの追加および削除が終了したら、システムを再起動します。
B.11. ip= ブートオプションがエラーを返す
ip=
ブートオプション形式 ip=[ip address]
(ip=192.168.1.1
など) を使用すると、Fatal for argument 'ip=[insert ip here]'\n sorry, unknown value [ip address] refusing to continue
というエラーメッセージが返されます。
Red Hat Enterprise Linux の以前のリリースにおける起動オプションの形式は次のようになります。
ip=192.168.1.15 netmask=255.255.255.0 gateway=192.168.1.254 nameserver=192.168.1.250 hostname=myhost1
ip=192.168.1.15 netmask=255.255.255.0 gateway=192.168.1.254 nameserver=192.168.1.250 hostname=myhost1
ただし、Red Hat Enterprise Linux 8 では、起動オプションの形式は次のようになります。
ip=192.168.1.15::192.168.1.254:255.255.255.0:myhost1::none: nameserver=192.168.1.250
ip=192.168.1.15::192.168.1.254:255.255.255.0:myhost1::none: nameserver=192.168.1.250
この問題を解決するには、ip=ip::gateway:netmask:hostname:interface:none
の形式を使用します。ここでは、以下のようになります。
-
ip
はクライアントの IP アドレスを指定します。IPv6 アドレスは角括弧で囲んで指定できます ([2001:DB8::1]
など)。 -
gateway
はデフォルトのゲートウェイです。IPv6 アドレスも使用できます。 -
netmask
は使用するネットマスクです。完全ネットマスク (255.255.255.0 など) または接頭辞 (64
など) を使用できます。 -
hostname
はクライアントシステムのホスト名です。このパラメーターは任意です。
B.12. iLO デバイスまたは iDRAC デバイスにおいてグラフィカルインストールで起動できない
iLO デバイスまたは iDRAC デバイスでのリモート ISO インストールのグラフィカルインストーラーは、インターネット接続が遅いために利用できないことがあります。この場合、インストールを続行するには、以下のいずれかの方法を選択できます。
タイムアウトを避ける。そのためには、以下を実施します。
- インストールメディアから起動する際に、BIOS を使用している場合は キーを、UEFI を使用している場合は キーを押します。これにより、カーネルコマンドライン引数を変更できます。
インストールを続行するには、
rd.live.ram=1
を追加し、BIOS を使用している場合は を、UEFI を使用している場合は を押します。インストールプログラムの読み込みに時間がかかる場合があります。
グラフィカルインストーラーのロード時間を延長する別のオプションは、
inst.xtimeout
カーネル引数を秒単位で設定することです。inst.xtimeout=N
inst.xtimeout=N
Copy to Clipboard Copied! - システムをテキストモードでインストールできます。詳細は Installing RHEL8 in text mode を参照してください。
- ローカルメディアソースではなく、iLO や iDRAC などのリモート管理コンソールで、Red Hat カスタマーポータルの Download center にあるインストール ISO ファイルへの直接 URL を使用します。このセクションにアクセスするには、ログインしている必要があります。
B.13. Rootfs イメージは initramfs ではありません
インストーラーの起動中にコンソールに次のメッセージが表示される場合は、インストーラーの initrd.img
の転送でエラーが発生した可能性があります。
[ ...] rootfs image is not initramfs
[ ...] rootfs image is not initramfs
この問題を解決するには、initrd
を再度ダウンロードするか、initrd.img
を使用して sha256sum
を実行し、インストールメディアの .treeinfo
ファイルに保存されているチェックサムと比較します。
sha256sum dvd/images/pxeboot/initrd.img
$ sha256sum dvd/images/pxeboot/initrd.img
fdb1a70321c06e25a1ed6bf3d8779371b768d5972078eb72b2c78c925067b5d8 dvd/images/pxeboot/initrd.img
.treeinfo
でチェックサムを表示するには、以下を行います。
grep sha256 dvd/.treeinfo
$ grep sha256 dvd/.treeinfo
images/efiboot.img = sha256:d357d5063b96226d643c41c9025529554a422acb43a4394e4ebcaa779cc7a917
images/install.img = sha256:8c0323572f7fc04e34dd81c97d008a2ddfc2cfc525aef8c31459e21bf3397514
images/pxeboot/initrd.img = sha256:fdb1a70321c06e25a1ed6bf3d8779371b768d5972078eb72b2c78c925067b5d8
images/pxeboot/vmlinuz = sha256:b9510ea4212220e85351cbb7f2ebc2b1b0804a6d40ccb93307c165e16d1095db
正しい initrd.img
があるにもかかわらず、インストーラーの起動中に次のカーネルメッセージが表示される場合は、多くの場合、ブートパラメーターが欠落しているか、スペルが間違っており、インストーラーは、通常インメモリー root ファイルシステムの完全なインストーラーの初期ラムディスクを提供する inst.repo=
パラメーターによって参照される stage2
をロードできませんでした。
[ ...] No filesystem could mount root, tried: [ ...] Kernel panic - not syncing: VFS: Unable to mount root fs on unknown-block(1,0) [ ...] CPU: 0 PID: 1 Comm: swapper/0 Not tainted 5.14.0-55.el9.s390x #1 [ ...] ... [ ...] Call Trace: [ ...] ([<...>] show_trace+0x.../0x...) [ ...] [<...>] show_stack+0x.../0x... [ ...] [<...>] panic+0x.../0x... [ ...] [<...>] mount_block_root+0x.../0x... [ ...] [<...>] prepare_namespace+0x.../0x... [ ...] [<...>] kernel_init_freeable+0x.../0x... [ ...] [<...>] kernel_init+0x.../0x... [ ...] [<...>] kernel_thread_starter+0x.../0x... [ ...] [<...>] kernel_thread_starter+0x.../0x…
[ ...] No filesystem could mount root, tried:
[ ...] Kernel panic - not syncing: VFS: Unable to mount root fs on unknown-block(1,0)
[ ...] CPU: 0 PID: 1 Comm: swapper/0 Not tainted 5.14.0-55.el9.s390x #1
[ ...] ...
[ ...] Call Trace:
[ ...] ([<...>] show_trace+0x.../0x...)
[ ...] [<...>] show_stack+0x.../0x...
[ ...] [<...>] panic+0x.../0x...
[ ...] [<...>] mount_block_root+0x.../0x...
[ ...] [<...>] prepare_namespace+0x.../0x...
[ ...] [<...>] kernel_init_freeable+0x.../0x...
[ ...] [<...>] kernel_init+0x.../0x...
[ ...] [<...>] kernel_thread_starter+0x.../0x...
[ ...] [<...>] kernel_thread_starter+0x.../0x…
この問題を解決するには、次を確認してください
-
指定されたインストールソースがカーネルコマンドライン (
inst.repo=
) またはキックスタートファイルで正しい場合 - ネットワーク設定はカーネルコマンドラインで指定される (インストールソースがネットワークとして指定されている場合)
- ネットワークインストールソースが別のシステムからアクセス可能
付録C ブートオプションのリファレンス
ブートオプションを使用すると、インストールプログラムのデフォルトの動作を変更できます。
C.1. インストールソースのブートオプション
このセクションでは、さまざまなインストールソースのブートオプションを説明します。
- inst.repo=
inst.repo=
ブートオプションでは、インストールソースを指定します。つまり、パッケージリポジトリーとそのリポジトリーを記述した有効な.treeinfo
ファイルを提供する場所を指定します。たとえば、inst.repo=cdrom
になります。inst.repo=
オプションの対象は、以下のいずれかのインストールメディアになります。-
インストール可能なツリー (インストールプログラムのイメージ、パッケージ群、リポジトリーデータおよび有効な
.treeinfo
ファイルを含むディレクトリー設定) - DVD (システムの DVD ドライブにある物理ディスク)
Red Hat Enterprise Linux のフルインストール用 DVD の ISO イメージ (ディスク、またはシステムにアクセスできるネットワーク上の場所)
inst.repo=
起動オプションでは、さまざまなインストール方法を設定します。以下の表は、inst.repo=
起動オプションの詳細な構文を記載します。表C.1 inst.repo= ブートオプションおよびインストールソースのタイプおよびフォーマット ソースタイプ ブートオプションの形式 ソースの形式 CD/DVD ドライブ
inst.repo=cdrom:<device>
物理ディスクとしてのインストール DVD。 [a]
マウント可能なデバイス (HDD および USB スティック)
inst.repo=hd:<device>:/<path>
インストール DVD のイメージファイル
NFS サーバー
inst.repo=nfs:[options:]<server>:/<path>
インストール DVD のイメージファイル、またはインストールツリー (インストール DVD にあるディレクトリーおよびファイルの完全なコピー)。 [b]
HTTP サーバー
inst.repo=http://<host>/<path>
インストールツリー (インストール DVD 上にあるディレクトリーおよびファイルの完全なコピー)。
HTTPS サーバー
inst.repo=https://<host>/<path>
FTP サーバー
inst.repo=ftp://<username>:<password>@<host>/<path>
HMC
inst.repo=hmc
[a] device が省略された場合、インストールプログラムはインストール DVD を含むドライブを自動的に検索します。[b] NFS サーバーのオプションでは、デフォルトで NFS プロトコルのバージョン 3 が使用されます。別のバージョンを使用するには、nfsvers=X
を オプション に追加し、X を、使用するバージョン番号に置き換えます。
-
インストール可能なツリー (インストールプログラムのイメージ、パッケージ群、リポジトリーデータおよび有効な
ディスクデバイス名は、次の形式で設定します。
-
カーネルデバイス名 (例:
/dev/sda1
またはsdb2
) -
ファイルシステムのラベル (例:
LABEL=Flash
またはLABEL=RHEL8
) -
ファイルシステムの UUID (例:
UUID=8176c7bf-04ff-403a-a832-9557f94e61db
)
英数字以外は \xNN
で表す必要があります。NN は文字の 16 進数表示になります。たとえば、\x20
なら空白 (" ")
になります。
- inst.addrepo=
メインリポジトリー (
inst.repo=
) とともに別のインストールソースとして使用できる追加のリポジトリーを追加するには、inst.addrepo=
ブートオプションを使用します。inst.addrepo=
ブートオプションは、1 回の起動時に複数回使用できます。次の表に、inst.addrepo=
ブートオプションの詳細な構文を記載します。注記REPO_NAME
はリポジトリーの名前であり、インストールプロセスでは必須です。これらのリポジトリーは、インストールプロセス時にのみ使用され、インストールしたシステムにはインストールされません。
統一された ISO に関する詳細は、Unified ISO を参照してください。
インストールソース | ブートオプションの形式 | 関連情報 |
---|---|---|
URL にあるインストール可能なツリー |
| 指定の URL にあるインストール可能なツリーを探します。 |
NFS パスにあるインストール可能なツリー |
|
指定した NFS パスのインストール可能なツリーを探します。コロンは、ホストの後に必要です。インストールプログラムは、RFC 2224 に従って URL の解析を行うのではなく、 |
インストール環境でインストール可能なツリー |
|
インストール環境の指定した場所にあるインストール可能なツリーを探します。このオプションを使用するには、インストールプログラムが利用可能なソフトウェアグループのロードを試行する前に、リポジトリーがマウントされる必要があります。このオプションの利点は、起動可能な ISO に複数のリポジトリーを利用でき、ISO からメインリポジトリーと追加のリポジトリーの両方をインストールできることです。追加のリポジトリーへのパスは |
ディスク |
| 指定した <device> パーティションをマウントして、<path> で指定した ISO からインストールします。<path> を指定しないと、インストールプログラムは <device> 上の有効なインストール ISO を探します。このインストール方法には、有効なインストール可能ツリーを持つ ISO が必要です。 |
- inst.stage2=
inst.stage2=
ブートオプションでは、インストールプログラムのランタイムイメージの場所を指定します。このオプションは、有効な.treeinfo
ファイルが含まれるディレクトリーへのパスを想定し、.treeinfo
ファイルからランタイムイメージの場所を読み取ります。.treeinfo
ファイルが利用できないと、インストールプログラムは、images/install.img
からイメージを読み込もうとします。inst.stage2
オプションを指定しない場合、インストールプログラムはinst.repo
オプションで指定された場所を使用しようとします。このオプションは、後でインストールプログラム内でインストールソースを手動で指定する場合に使用します。たとえば、インストールソースとしてコンテンツ配信ネットワーク (CDN) を選択する場合などに使用します。インストール DVD および Boot ISO には、それぞれの ISO からインストールプログラムを起動するための適切な
inst.stage2
オプションがすでに含まれています。インストールソースを指定する場合は、代わりに
inst.repo=
オプションを使用します。注記デフォルトでは、
inst.stage2=
ブートオプションがインストールメディアで使用され、特定のラベルに設定されます (例:inst.stage2=hd:LABEL=RHEL-x-0-0-BaseOS-x86_64
)。ランタイムイメージを含むファイルシステムのデフォルトラベルを変更する場合、またはカスタムの手順を使用してインストールシステムを起動する場合は、inst.stage2=
ブートオプションが正しい値に設定されていることを確認してください。- inst.noverifyssl
inst.noverifyssl
ブートオプションは、インストーラーによるすべての HTTPS 接続に対する SSL 証明書の検証を防ぐために使用します。ただし、追加のキックスタートリポジトリーは例外であり、リポジトリーごとに--noverifyssl
を設定できます。たとえば、リモートのインストールソースが自己署名 SSL 証明書を使用している場合には、
inst.noverifyssl
起動オプションは、SSL 証明書を検証せずにインストーラーがインストールを完了できるようにします。inst.stage2=
を使用してソースを指定する場合の例inst.stage2=https://hostname/path_to_install_image/ inst.noverifyssl
inst.stage2=https://hostname/path_to_install_image/ inst.noverifyssl
Copy to Clipboard Copied! inst.repo=
を使用してソースを指定する場合の例inst.repo=https://hostname/path_to_install_repository/ inst.noverifyssl
inst.repo=https://hostname/path_to_install_repository/ inst.noverifyssl
Copy to Clipboard Copied! - inst.stage2.all
inst.stage2.all
ブートオプションは、複数の HTTP、HTTPS、または FTP ソースを指定するために使用します。inst.stage2=
ブートオプションをinst.stage2.all
オプションとともに複数回使用すると、成功するまでソースからイメージを順番に取得できます。以下に例を示します。inst.stage2.all inst.stage2=http://hostname1/path_to_install_tree/ inst.stage2=http://hostname2/path_to_install_tree/ inst.stage2=http://hostname3/path_to_install_tree/
inst.stage2.all inst.stage2=http://hostname1/path_to_install_tree/ inst.stage2=http://hostname2/path_to_install_tree/ inst.stage2=http://hostname3/path_to_install_tree/
Copy to Clipboard Copied! - inst.dd=
-
inst.dd=
ブートオプションは、インストール時にドライバーの更新を実行するために使用します。インストール時にドライバーを更新する方法の詳細は、インストール時のドライバーの更新 を参照してください。 - inst.repo=hmc
このオプションにより、外部ネットワーク設定の必要がなくなるため、インストールのオプションが増えます。Binary DVD から起動すると、インストーラープログラムにより、追加のカーネルパラメーターを入力するように求められます。DVD をインストールソースとして設定するには、
inst.repo=hmc
オプションをカーネルパラメーターに追加します。インストールプログラムは、サポート要素 (SE) およびハードウェア管理コンソール (HMC) のファイルアクセスを有効にし、DVD から stage2 のイメージをフェッチし、ソフトウェア選択のために DVD のパッケージへのアクセスを提供します。重要inst.repo
ブートオプションを使用するには、ユーザーが 少なくとも Privilege Class B で設定されていることを確認してください。ユーザー設定の詳細は、IBM のドキュメント を参照してください。- * "PROXY"。
このブートオプションは、HTTP、HTTPS、および FTP プロトコルからインストールを実行するときに使用されます。以下に例を示します。
[PROTOCOL://][USERNAME[:PASSWORD]@]HOST[:PORT]
[PROTOCOL://][USERNAME[:PASSWORD]@]HOST[:PORT]
Copy to Clipboard Copied! - inst.nosave=
inst.nosave=
ブートオプションは、インストール済みのシステムに保存されないインストールログと関連ファイル(input_ks
、output_ks
、all_ks
、logs
、all
など) を制御するために使用します。複数の値をコンマで区切って組み合わせることができます。以下に例を示します。inst.nosave=Input_ks,logs
inst.nosave=Input_ks,logs
Copy to Clipboard Copied! 注記inst.nosave
ブートオプションは、インストール済みのシステムから、キックスタートのログや入力/出力などの Kickstart %post スクリプトで削除できないファイルの除外に使用されます。input_ks
- キックスタートによる入力を保存する機能を無効にします。
output_ks
- インストールプログラムで生成されたキックスタートによる出力を保存する機能を無効にします。
all_ks
- キックスタートによる入出力を保存する機能を無効にします。
logs
- すべてのインストールログを保存する機能を無効にします。
all
- すべてのキックスタート結果とすべてのログを保存する機能を無効にします。
- inst.multilib
-
inst.multilib
ブートオプションは、DNF のmultilib_policy
を best ではなく all に設定するために使用します。 - inst.memcheck
-
inst.memcheck
ブートオプションは、インストールを完了するのに十分な RAM がシステムにあることを確認するためのチェックを実行します。RAM が十分でない場合は、インストールプロセスが停止します。システムのチェックはおおよそのもので、インストールの際のメモリー使用率は、パッケージ選択やユーザーインターフェイス (グラフィカル、テキスト)、その他のパラメーターにより異なります。 - inst.nomemcheck
-
inst.nomemcheck
ブートオプションは、インストールを完了するのに十分な RAM がシステムにあることを確認するためのチェックを実行しません。最小メモリー量未満のインストールの実行はサポートされておらず、インストールプロセスが失敗する可能性があります。
C.2. ネットワークのブートオプション
シナリオでローカルイメージから起動するのではなく、ネットワーク経由でイメージから起動する必要がある場合は、次のオプションを使用してネットワーク起動をカスタマイズできます。
dracut
ツールを使用してネットワークを初期化します。dracut
オプションの完全なリストは、システムの dracut.cmdline(7)
man ページを参照してください。
- ip=
ip=
起動オプションは、1 つ以上のネットワークインターフェイスを設定します。複数のインターフェイスを設定するには、次のいずれかの方法を使用します。-
インターフェイスごとに 1 回ずつ、
ip
オプションを複数回使用します。これを行うには、rd.neednet=1
オプションを使用し、bootdev
オプションを使用してプライマリーブートインターフェイスを指定します。 -
ip
オプションを 1 回使用してから、Kickstart を使用してさらにインターフェイスを設定します。このオプションでは、複数の形式が使用できます。以下の表は、最も一般的なオプションの情報が含まれます。
-
インターフェイスごとに 1 回ずつ、
以下の表では、下記の点を前提としています。
-
ip
パラメーターはクライアントの IP アドレスを指定し、IPv6
には角括弧が必要です (例: 192.0.2.1 または [2001:db8::99])。 -
gateway
パラメーターはデフォルトゲートウェイになります。IPv6
には角括弧必要です。 -
netmask
パラメーターは使用するネットマスクです。完全ネットマスク (255.255.255.0 など) または接頭辞 (64 など) を使用できます。 hostname
パラメーターはクライアントシステムのホスト名です。このパラメーターは任意です。表C.3 ネットワークインターフェイスを設定するためのブートオプション形式 ブートオプションの形式 設定方法 ip=method
全インターフェイスの自動設定
ip=interface:method
特定インターフェイスの自動設定
ip=ip::gateway:netmask:hostname:interface:none
静的設定 (例: IPv4
ip=192.0.2.1::192.0.2.254:255.255.255.0:server.example.com:enp1s0:none
)IPv6:
ip=[2001:db8::1]::[2001:db8::fffe]:64:server.example.com:enp1s0:none
ip=ip::gateway:netmask:hostname:interface:method:mtu
オーバーライドを使用した特定インターフェイスの自動設定
自動インターフェイスの設定方法
オーバーライドを使用した特定インターフェイスの自動設定
では、dhcp
など、指定した自動設定方法を使用してインターフェイスを起動しますが、自動取得した IP アドレス、ゲートウェイ、ネットマスク、ホスト名、他のパラメーターなどで指定したものは無効にします。パラメーターはすべて任意となるため、無効にするパラメーターだけを指定します。method
パラメーターには、以下のいずれかを使用します。- DHCP
-
dhcp
- IPv6 DHCP
-
dhcp6
- IPv6 自動設定
-
auto6
- iBFT (iSCSI Boot Firmware Table)
-
ibft
注記-
ip
オプションを指定せずに、inst.ks=http://host/path
などのネットワークアクセスを必要とするブートオプションを使用する場合、ip
オプションのデフォルト値はip=dhcp
です。 -
iSCSI ターゲットに自動的に接続するには、
ip=ibft
ブートオプションを使用して、ターゲットにアクセスするネットワークデバイスをアクティブ化します。
- nameserver=
nameserver=
オプションは、ネームサーバーのアドレスを指定します。このオプションは複数回使用できます。注記ip=
パラメーターには角括弧が必要です。ただし、IPv6 アドレスには角括弧が使用できません。IPv6 アドレスに使用する正しい構文はnameserver=2001:db8::1
のようになります。- bootdev=
-
bootdev=
オプションは、起動インターフェイスを指定します。このオプションは、ip
オプションを複数回使用する場合に必要になります。 - ifname=
ifname=
オプションは、特定の MAC アドレスを持つネットワークデバイスにインターフェイス名を割り当てます。このオプションは複数回使用できます。構文は、ifname=interface:MAC
です。以下に例を示します。ifname=eth0:01:23:45:67:89:ab
ifname=eth0:01:23:45:67:89:ab
Copy to Clipboard Copied! 注記ifname=
オプションは、インストール中にカスタムのネットワークインターフェイス名を設定する際にサポートされる唯一の方法となります。- inst.dhcpclass=
-
inst.dhcpclass=
オプションは、DHCP のベンダークラス識別子を指定します。dhcpd
サービスでは、この値はvendor-class-identifier
として認識されます。デフォルト値はanaconda-$(uname -srm)
です。inst.dhcpclass=
オプションが正しく適用されるようにするには、インストールの早い段階でip
オプションも追加してネットワークのアクティブ化を要求します。 - inst.waitfornet=
-
inst.waitfornet=SECONDS
ブートオプションを使用すると、インストールシステムがインストール前にネットワーク接続を待機します。SECONDS
引数で指定する値は、ネットワーク接続がない場合でもすぐにはタイムアウトにせず、ネットワーク接続を待ち続け、インストールプロセスを継続する最大秒数を表します。 - vlan=
vlan=
オプションを使用して、仮想 LAN (VLAN) デバイスに特定の名前を付け、指定インターフェイスにそのデバイスを設定します。構文はvlan=name:interface
です。以下に例を示します。vlan=vlan5:enp0s1
vlan=vlan5:enp0s1
Copy to Clipboard Copied! これにより、
enp0s1
インターフェイスにvlan5
という名前の VLAN デバイスが設定されます。name は以下のような形式をとります。
-
VLAN_PLUS_VID:
vlan0005
-
VLAN_PLUS_VID_NO_PAD:
vlan5
-
DEV_PLUS_VID:
enp0s1.0005
DEV_PLUS_VID_NO_PAD:
enp0s1.5
- bond=
bond=
オプションを使用して、bond=name[:interfaces][:options]
構文でボンディングデバイスを設定します。name はボンディングデバイス名に置き換え、interfaces は物理 (イーサネット) インターフェイスのコンマ区切りリストに置き換え、options はボンディングオプションのコンマ区切りリストに置き換えます。以下に例を示します。bond=bond0:enp0s1,enp0s2:mode=active-backup,tx_queues=32,downdelay=5000
bond=bond0:enp0s1,enp0s2:mode=active-backup,tx_queues=32,downdelay=5000
Copy to Clipboard Copied! 利用可能なオプションのリストは、ボンディングコマンド
modinfo
を実行します。- team=
team=
オプションを使用して、team=name:interfaces
構文でチームデバイスを設定します。チームデバイスの基礎となるインターフェイスとして使用されるように、name はチームデバイスの望ましい名前に、interfaces は物理 (イーサネット) デバイスのコンマ区切りリストに置き換えます。以下に例を示します。team=team0:enp0s1,enp0s2
team=team0:enp0s1,enp0s2
Copy to Clipboard Copied! - bridge=
bridge=
オプションを使用して、bridge=name:interfaces
構文でブリッジデバイスを設定します。ブリッジデバイスの基礎となるインターフェイスとして使用されるように、name はブリッジデバイスの望ましい名前に、interfaces は物理 (イーサネット) デバイスのコンマ区切りリストに置き換えます。以下に例を示します。bridge=bridge0:enp0s1,enp0s2
bridge=bridge0:enp0s1,enp0s2
Copy to Clipboard Copied!
C.3. コンソールのブートオプション
このセクションでは、コンソール、モニターディスプレイ、およびキーボードのブートオプションを設定する方法を説明します。
- console=
-
console=
オプションを使用して、プライマリーコンソールとして使用するデバイスを指定します。たとえば、最初のシリアルポートでコンソールを使用するには、console=ttyS0
を使用します。console=
引数を使用する場合、インストールはテキスト UI から始まります。console=
オプションを複数回使用する必要がある場合は、指定したすべてのコンソールにブートメッセージが表示されます。ただし、インストールプログラムは、最後に指定されたコンソールのみを使用します。たとえば、console=ttyS0 console=ttyS1
と指定すると、インストールプログラムではttyS1
が使用されます。 - inst.lang=
-
inst.lang=
オプションを使用して、インストール時に使用する言語を設定します。ロケールのリストを表示するには、コマンドlocale -a | grep _
またはlocalectl list-locales | grep _
コマンドを実行します。 - inst.singlelang
-
inst.singlelang
を指定して単一の言語モードでインストールを行うと、そのインストール言語と言語サポート設定に対する対話オプションを利用できません。inst.lang
起動オプションまたはlang
キックスタートコマンドを使用して言語を指定すると、オプションが指定されます。言語を指定しないと、インストールプログラムのロケールはデフォルトでen_US.UTF-8
となります。 - inst.geoloc=
インストールプログラムで、地理位置情報の使用方法を設定するには、
inst.geoloc=
オプションを使用します。地理位置情報は、言語およびタイムゾーンの事前設定に使用され、inst.geoloc=value
構文を使用します。value
には、以下のいずれかのパラメーターを使用します。-
地理位置情報の無効化:
inst.geoloc=0
-
Fedora GeoIP API (
inst.geoloc=provider_fedora_geoip
) の使用。 Hostip.info GeoIP API (
inst.geoloc=provider_hostip
) の使用。inst.geoloc=
オプションを指定しない場合、デフォルトのオプションはprovider_fedora_geoip
です。
-
地理位置情報の無効化:
- inst.keymap=
-
inst.keymap=
オプションを使用して、インストールに使用するキーボードレイアウトを指定します。 - inst.cmdline
-
inst.cmdline
オプションを使用して、インストールプログラムをコマンドラインモードで強制的に実行します。このモードでは対話が使用できないため、キックスタートファイルまたはコマンドラインですべてのオプションを指定する必要があります。 - inst.graphical
-
インストールプログラムをグラフィカルモードで強制的に実行するには、
inst.graphical
オプションを使用します。グラフィカルモードがデフォルトです。 - inst.text
-
inst.text
オプションを使用して、グラフィカルモードではなく、テキストモードでインストールプログラムを強制的に実行します。 - inst.noninteractive
-
inst.noninteractive
ブートオプションは、非対話型モードでインストールプログラムを実行するために使用します。非対話型モード (およびinst.noninteractive
) では、ユーザーとの対話は許可されていません。グラフィカルまたはテキストインストールでinst.nointeractive
オプションを使用できます。inst.noninteractive
オプションをテキストモードで使用すると、inst.cmdline
オプションと同じように動作します。 - inst.resolution=
-
inst.resolution=
オプションを使用して、グラフィカルモードで、画面の解像度を指定します。形式はNxM
です。N は画面の幅で、M は画面の高さ (ピクセル単位) です。推奨される解像度は 1024x768 です。 - inst.vnc
-
inst.vnc
オプションを使用して、Virtual Network Computing (VNC) を使用したグラフィカルインストールを実行します。インストールプログラムと対話するには VNC クライアントアプリケーションを使用する必要があります。VNC 共有を有効にすると、複数のクライアントに接続できます。VNC を使用してインストールしたシステムは、テキストモードで起動します。 - inst.vncpassword=
-
inst.vncpassword=
オプションを使用して、インストールプログラムが使用する VNC サーバーにパスワードを設定します。 - inst.vncconnect=
-
inst.vncconnect=
オプションを使用して、指定されたホストの場所にあるリスニング VNC クライアントに接続します (例:inst.vncconnect=<host>[:<port>]
)。デフォルトのポートは 5900 です。このオプションを使用するには、コマンドvncviewer -listen
を入力します。 - inst.xdriver=
-
inst.xdriver=
オプションを使用して、インストール時およびインストール済みシステムで使用される X ドライバーの名前を指定します。 - inst.usefbx
-
inst.usefbx
オプションを使用して、ハードウェア固有のドライバーではなく、フレームバッファー X ドライバーを使用するようにインストールプログラムに要求します。このオプションは、inst.xdriver=fbdev
オプションと同等です。 - modprobe.blacklist=
modprobe.blacklist=
オプションを使用して、1 つ以上のドライバーを拒否リストに追加するか、完全に無効にします。このオプションを使用して無効にしたドライバー (mods) は、インストールの開始時にロードできません。インストールが完了すると、インストールされたシステムはこれらの設定を保持します。拒否リストに指定したドライバーのリストは、/etc/modprobe.d/
ディレクトリーにあります。複数のドライバーを無効にするには、コンマ区切りリストを使用します。以下に例を示します。modprobe.blacklist=ahci,firewire_ohci
modprobe.blacklist=ahci,firewire_ohci
Copy to Clipboard Copied! 注記modprobe.blacklist
は、さまざまなコマンドラインオプションと組み合わせて使用できます。たとえば、既存のドライバーの更新バージョンがドライバー更新ディスクから確実に読み込まれるようにするには、inst.dd
オプションを使用します。modprobe.blacklist=virtio_blk
modprobe.blacklist=virtio_blk
Copy to Clipboard Copied! - inst.xtimeout=
-
inst.xtimeout=
オプションを使用して、X サーバーの起動のタイムアウトを秒単位で指定します。 - inst.sshd
インストール時に、SSH を使用してシステムに接続し、インストールの進捗を監視できるように、
inst.sshd
オプションを使用して、sshd
サービスを開始します。SSH の詳細は、システムのssh(1)
man ページを参照してください。デフォルトでは、sshd
オプションは、64 ビットの IBM Z アーキテクチャーでのみ自動的に起動します。その他のアーキテクチャーでは、sshd
は、inst.sshd
オプションを使用しない限り起動しません。注記インストール中に、root アカウントにはデフォルトでパスワードが設定されていません。キックスタートコマンド
sshpw
を使用して、インストール時に root パスワードを設定できます。- inst.kdump_addon=
-
インストールプログラムで Kdump 設定画面 (アドオン) を有効または無効にするには、
inst.kdump_addon=
オプションを使用します。この画面はデフォルトで有効になっているため、無効にする場合はinst.kdump_addon=off
を使用します。アドオンを無効にすると、グラフィカルおよびテキストベースのインターフェイスと、キックスタートコマンド%addon com_redhat_kdump
の両方で Kdump 画面が無効になります。
C.4. デバッグのブートオプション
このセクションでは、問題をデバッグするときに使用できるオプションを説明します。
- inst.rescue
-
inst.rescue
オプションを使用して、システムの診断と修正のためのレスキュー環境を実行します。詳細は、Red Hat ナレッジベースソリューション repair a filesystem in rescue mode を参照してください。 - inst.updates=
inst.updates=
オプションを使用して、インストール時に適用するupdates.img
ファイルの場所を指定します。updates.img
ファイルは、いくつかのソースの 1 つから取得できます。表C.4 updates.img ファイルソース ソース 説明 例 ネットワークからの更新
updates.img
のネットワーク上の場所を指定します。インストールツリーを変更する必要はありません。この方法を使用するには、カーネルコマンドラインを編集してinst.updates
を追加します。inst.updates=http://website.com/path/to/updates.img
.ディスクイメージからの更新
フロッピードライブまたは USB キーに
updates.img
を保存できます。これは、ファイルシステムタイプがext2
のupdates.img
でのみ可能です。イメージの内容をフロッピードライブに保存するには、フロッピーディスクを挿入し、次のコマンドを実行します。dd if=updates.img of=/dev/fd0 bs=72k count=20
USB キーまたはフラッシュメディアを使用するには、/dev/fd0
を、USB キーのデバイス名に置き換えます。インストールツリーからの更新
CD、ディスク、HTTP、または FTP のインストールを使用する場合は、すべてのインストールツリーが
.img
ファイルを検出できるように、インストールツリーにupdates.img
を保存できます。このファイル名は、updates.img
にする必要があります。NFS インストールの場合は、ファイルを
images/
ディレクトリーまたはRHupdates/
ディレクトリーに保存します。- inst.loglevel=
inst.loglevel=
オプションを使用して、端末に記録するログメッセージの最小レベルを指定します。このオプションは、ターミナルログにのみ適用されます。ログファイルには、常にすべてのレベルのメッセージが含まれます。このオプションで可能な値は、最低レベルから最高レベルまで次のとおりです。-
debug
-
info
-
warning
-
error
-
critical
-
デフォルト値は info
となるため、デフォルトでは、info
から critical
までのメッセージがログの端末に表示されます。
- inst.syslog=
-
インストールの開始時に、指定されたホスト上の
syslog
プロセスにログメッセージを送信します。inst.syslog=
は、リモートsyslog
プロセスが着信接続を受け入れるように設定されている場合にのみ使用できます。 - inst.virtiolog=
-
inst.virtiolog =
オプションを使用して、ログの転送に使用する virtio ポート (/dev/virtio-ports/name
にある文字デバイス) を指定します。デフォルト値は、org.fedoraproject.anaconda.log.0
です。 - inst.zram=
インストール中の zRAM スワップの使用を制御します。このオプションは、圧縮したブロックデバイスをシステム RAM に作成し、ハードドライブではなくスワップ領域に使用します。この設定により、使用可能なメモリーが少ない状態でインストールプログラムを実行し、インストール速度を向上させることができます。次の値を使用して、
inst.zram=
オプションを設定できます。- inst.zram=1 は、システムメモリーサイズに関係なく、zRAM スワップを有効にします。デフォルトでは、2GiB 以下の RAM を搭載したシステムで zRAM のスワップが有効になっています。
- inst.zram=0 は、システムメモリーサイズに関係なく、zRAM スワップを無効にします。デフォルトでは、2GiB を超えるメモリーを搭載したシステムでは zRAM のスワップが無効になっています。
- rd.live.ram
-
images/install.img
のstage 2
イメージを RAM にコピーします。これにより、インストールに必要なメモリーがイメージのサイズ (通常は 400 ~ 800MB) だけ増加することに注意してください。 - inst.nokill
- 致命的なエラーが発生したとき、またはインストールプロセスの最後に、インストールプログラムが再起動しないようにします。再起動時に失われるインストールログをキャプチャーするのに使用します。
- inst.noshell
- インストール中にターミナルセッション 2 (tty2) でシェルを防止します。
- inst.notmux
- インストール中に tmux を使用しないようにします。この出力は、ターミナル制御文字なしで生成され、非対話用になります。
- inst.remotelog=
-
TCP 接続を使用してすべてのログをリモート
host:port
に送信します。リスナーがなく、インストールが通常通りに進まない場合は、接続が中断されます。
C.5. ストレージ起動オプション
このセクションでは、ストレージデバイスからの起動をカスタマイズするために指定できるオプションを説明します。
- inst.nodmraid
-
dmraid
サポートを無効にします。
使用する場合は注意が必要です。ファームウェア RAID アレイの一部として誤って特定されたディスクがある場合は、古い RAID メタデータが存在する可能性があります。これらは、dmraid
や wipefs
などの適切なツールを使用して削除する必要があります。
- inst.nompath
- マルチパスデバイスのサポートを無効にします。このオプションは、システムに誤検知があり、通常のブロックデバイスをマルチパスデバイスとして誤って識別する場合にのみ使用してください。
使用する場合は注意が必要です。マルチパスハードウェアではこのオプションを使用しないでください。このオプションを使用してマルチパスデバイスのシングルパスにインストールすることはサポートされていません。
- inst.gpt
-
インストールプログラムがパーティション情報を Master Boot Record (MBR) ではなく GUID Partition Table (GPT) にインストールするように強制します。このオプションは、BIOS 互換モードである場合を除き、UEFI ベースのシステムでは有効ではありません。通常、BIOS 互換モードの BIOS ベースのシステムおよび UEFI ベースのシステムは、ディスクのサイズが 2^32 セクター以上でない限り、パーティション情報の格納に MBR スキーマを使用しようとします。ディスクセクターは通常 512 バイトで、通常これは 2 TiB に相当します。
inst.gpt
ブートオプションを使用すると、GPT をより小さなディスクに書き込むことができます。 - inst.wait_for_disks=
-
inst.wait_for_disks=
オプションを使用して、インストールの開始時にディスクデバイスが表示されるまでインストールプログラムが待機する秒数を指定します。キックスタートファイルまたはカーネルドライバーを自動的にロードするためにOEMDRV-labeled
デバイスを使用しているものの、起動プロセス中にデバイスが表示されるまでに時間がかかる場合は、このオプションを使用します。デフォルトでは、インストールプログラムは5
秒間待機します。遅延を最小限に抑えるには、0
秒を使用します。
C.6. 廃止予定の起動オプション
このセクションは、非推奨の起動オプションを説明します。これらのオプションはインストールプログラムでも使用できますが、非推奨とされています。また、Red Hat Enterprise Linux の今後のリリースで削除される予定です。
- method
-
method
オプションは、inst.repo
のエイリアスです。 - dns
-
dns
の代わりにnameserver
を使用します。ネームサーバーはコンマ区切りのリストを受け付けず、代わりに複数のネームサーバーオプションを使用することに注意してください。 - netmask、gateway、hostname
-
netmask
、gateway
、およびhostname
オプションは、ip
オプションの一部として利用できます。 - ip=bootif
-
PXE 指定の
BOOTIF
オプションが自動的に使用されるため、ip=bootif
を使用する必要はありません。 - ksdevice
表C.5 ksdevice 起動オプションの値 値 情報 存在しない
該当なし
ksdevice=link
このオプションがデフォルトの動作と同じ場合に無視されます。
ksdevice=bootif
BOOTIF=
が存在する場合は、このオプションはデフォルトであるため無視されます。ksdevice=ibft
ip=ibft
に変更詳細はip
を参照してください。ksdevice=<MAC>
BOOTIF=${MAC/:/-}
に変更ksdevice=<DEV>
bootdev
に置き換え
C.7. 削除済みの起動オプション
このセクションでは、Red Hat Enterprise Linux から削除された起動オプションを説明します。
dracut
では、高度な起動オプションを利用できます。dracut
の詳細は、システム上の dracut.cmdline(7)
man ページを参照してください。
- askmethod、asknetwork
-
initramfs
は完全に非対話的に実行されるため、askmethod
とasknetwork
のオプションは削除されました。inst.repo
を使用して、適切なネットワークオプションを指定します。 - blacklist、nofirewire
-
modprobe
オプションは、カーネルモジュールのブロックリストを処理するようになりました。modprobe.blacklist=<mod1>,<mod2>
を使用します。modprobe.blacklist=firewire_ohci
を使用して、FireWire モジュールを拒否リストに入れることができます。 - inst.headless=
-
headless=
オプションでは、インストールしているシステムにディスプレイハードウェアがなく、インストールプログラムがディスプレイハードウェアを検索する必要がないことを指定しています。 - inst.decorated
-
inst.decorated
オプションは、装飾画面でのグラフィカルインストールの指定に使用されていまいた。デフォルトでは、画面は装飾されないため、タイトルバーやサイズ変更などの機能はありません。このオプションは不要になりました。 - repo=nfsiso
-
inst.repo=nfs:
オプションを使用します。 - serial
-
console=ttyS0
オプションを指定します。 - updates
-
inst.updates
オプションを指定します。 - essid、wepkey、wpakey
- dracut はワイヤレスネットワークをサポートしません。
- ethtool
- このオプションは不要になりました。
- gdb
-
dracut ベースの
initramfs
のデバッグには多くのオプションが使用できるため、このオプションは削除されました。 - inst.mediacheck
-
dracut オプションの rd.live.check
オプション指定してください。 - ks=floppy
-
inst.ks=hd:<device>
オプションを指定します。 - display
-
UI のリモートディスプレイには、
inst.vnc
オプションを指定します。 - utf8
- このオプションは、デフォルトの TERM 設定が期待通りに動作するため、不要になりました。
- noipv6
-
IPv6 はカーネルに組み込まれたため、インストールプログラムによる削除はできません。
ipv6.disable=1
を使用して ipv6 を無効にすることができます。この設定は、インストール済みシステムによって使用されます。 - upgradeany
- インストールプログラムがアップグレードを処理しなくなるため、このオプションは不要になりました。