第16章 ノード属性を使用したノード固有の値の設定
Pacemaker は、ノード属性 を使用して指定するノード固有の値の設定をサポートしています。ノード属性を使用して、ノードに関連付けられた情報を追跡できます。たとえば、各ノードの RAM とディスク容量、各ノードが使用する OS、各ノードが配置されているサーバールームのラックなど、ノード属性を定義できます。
ノード属性には主に 3 つの用途があります。
Pacemaker のクラスター設定のルール
たとえば、各ノードがどの部門専用であるかに応じて、
department
という名前のノード属性を各ノードのaccounting
またはIT
に設定できます。次に、場所ルールを設定して、department
がaccounting
に設定されているサーバー上でのみ会計データベースが実行されるようにすることができます。Pacemaker ルールのノード属性式の詳細は、Pacemaker ルール を参照してください。
特定のリソース要件に対するリソースエージェント
たとえば、データベースリソースエージェントは、ノード属性を使用して、
promote
アクションで使用する最新のレプリケーション位置を追跡できます。Pacemaker の外部で使用する外部スクリプト
たとえば、外部のインベントリースクリプトで使用するために、各ノードの
data-center
属性とrack
属性を設定できます。
ノード属性の定義
pcs node attribute コマンドを使用してノード属性を定義します。ノード属性には名前と値があり、ノードごとに異なる値を持つことができます。
pcs node attribute
コマンドを使用してノード属性を定義すると、ノード属性は 永続的 になります。永続的なノード属性は、クラスターがノード上で再起動してもその値を保持します。
CIB のステータスセクションに保持され、クラスターがノード上で停止したときには残らない 一時的なノード 属性を定義できます。一時ノード属性の定義は、システムの crm_attribute
(8) および attrd_updater
(8) の man ページを参照してください。
手順
-
次のコマンドを実行して、
node1
とnode2
に対してrack
という名前のノード属性を定義し、node1
のrack
属性の値を 1 に設定し、node2
のrack
属性の値を 2 に設定します。
# pcs node attribute node1 rack=1 # pcs node attribute node2 rack=2