1.2. RHEL におけるシングルサインオンの概要
一元的なアイデンティティーストアがない場合、各アプリケーションが独自のユーザー認証情報を維持管理します。その場合、ユーザーはアクセスするすべてのサービスまたはアプリケーションに対してパスワードを入力する必要があります。
管理者がシングルサインオン (SSO) を設定すると、1 つのパスワードストアが作成されます。ユーザーは、1 つのパスワードを使用して一度ログインするだけで、すべてのネットワークリソースにアクセスできるようになります。
Red Hat Enterprise Linux は、ワークステーションへのログイン、スクリーンセーバーのロック解除、Mozilla Firefox を使用した保護された Web ページへのアクセスなど、いくつかのリソースに対する SSO をサポートしています。特権アクセス管理 (PAM)、Name Service Switch (NSS)、Kerberos など、その他のシステムサービスが利用可能な場合は、これらのアイデンティティーソースを使用するように他のシステムアプリケーションを設定できます。
SSO は、ユーザーにとって便利であると同時に、サーバーとネットワークのセキュリティーをさらに強化するものでもあります。SSO はセキュアで効果的な認証に左右されます。RHEL は、SSO を可能にする認証メカニズムを 2 つ備えています。
- Kerberos レルムと Active Directory ドメインを使用した Kerberos ベースの認証
- スマートカードベースの認証
どちらの方法でも、(Kerberos レルムまたは公開鍵基盤の認証局によって) 一元的なアイデンティティーストアが作成されます。ローカルシステムの各サービスは、複数のローカルストアを維持する代わりに、それらのアイデンティティードメインを使用します。