12.6.4. マルチキャストまたはブロードキャストのクライアント
Red Hat Enterprise Linux 7 では、クライアントの設定を簡素化するブロードキャストまたはマルチキャストの NTP モードをサポートしていました。このモードでは、個々のユーザーの特定名またはアドレスに対してリッスンする代わりに、マルチキャストまたはブロードキャストのアドレスに送信されたパケットのみをリッスンするようにクライアントを設定できます。 これは、時間の経過とともに変化する場合があります。
Red Hat Enterprise Linux 8 では、chronyd は、ブロードキャストモードまたはマルチキャストモードをサポートしていません。主な理由は、通常のクライアント/サーバーおよび対象モードに比べると正確性に欠け、セキュリティーも保護されていないからです。
NTP のブロードキャストまたはマルチキャストの設定からの移行には、オプションがいくつかあります。
1 つの名前 (ntp.example.com など) を、異なるサーバーの複数のアドレスに変換するように DNS を設定します。
クライアントには、複数サーバーと同期するために、プールディレクティブを 1 つだけ使用した静的な設定を指定できます。サーバーがプールから到達できない場合、または同期に適切ではない場合は、クライアントが自動的にそのサーバーを、プールの別サーバーに置き換えます。
DHCP における
NTPサーバーリストを配布します。NetworkManager が、DHCP サーバーから
NTPサーバーのリストを取得すると、それを使用するようにchronydが自動的に設定されます。この機能は、PEERNTP=noを/etc/sysconfig/networkファイルに追加すると無効にできます。Precision Time Protocol (PTP)を使用します。このオプションは、サーバーが頻繁に変更する環境、または、大規模なクライアントグループが、宛先サーバーを持たずに、相互に同期できるようにする必要がある場合に主に適しています。
PTPは、マルチキャストメッセージング用に設計されており、NTPブロードキャストモードと同じように動作します。PTP実装は、linuxptpパッケージから入手できます。通常、
PTPが適切に動作するには、ハードウェアのタイムスタンプとネットワークスイッチのサポートが必要になります。ただし、ブロードキャストモードでは、ソフトウェアタイムスタンプを使用し、ネットワークスイッチのサポートがない場合でも、PTPの方がNTPよりも適しています。1 つの通信経路に非常に多くの
PTPスレーブがあるネットワークでは、そのクライアントが生成したネットワークトラフィックの量を減らすために、hybrid_e2eオプションでPTPクライアントを設定することが推奨されます。NTPクライアント (場合によりNTPサーバー) としてchronydを実行するコンピューターを設定し、マルチキャストメッセージングを使用して、同期した時間を多数のコンピューターに配信するPTPタイムセーバーとして動作させることができます。