3.7. VDO 重複排除の測定
この手順では、VDO テストボリュームで VDO データの重複排除の効率をテストします。
前提条件
- 新たに作成した VDO テストボリュームがマウントされている。詳細は、「VDO テストボリュームの作成」 を参照してください。
手順
テスト結果を記録できるテーブルを準備します。
統計 ベアファイルシステム シード後 10 回コピーした後 使用されるファイルシステムのサイズ
使用されている VDO データ
使用されている VDO 論理
VDO ボリュームにディレクトリーを 10 個作成して、テストデータセットのコピーを 10 個保持します。
$ mkdir /mnt/vdo-test/vdo{01..10}
ファイルシステムにより報告されるディスク使用量を調べます。
$ df --human-readable /mnt/vdo-test
例3.1 ディスク使用率
Filesystem Size Used Avail Use% Mounted on /dev/mapper/vdo-test 1.5T 198M 1.4T 1% /mnt/vdo-test
以下の値を記録します。
# vdostats --verbose | grep "blocks used"
例3.2 使用されるブロック
data blocks used : 1090 overhead blocks used : 538846 logical blocks used : 6059434
-
data blocks used
の値は、VDO で実行している物理デバイスの最適化後のユーザーデータにより使用されているブロック数です。 -
logical blocks used
の値は、最適化前に使用したブロックの数になります。これは、測定の始点として使用されます。
-
VDO ボリュームにデータソースファイルを作成します。
$ dd if=/dev/urandom of=/mnt/vdo-test/sourcefile bs=4096 count=1048576 4294967296 bytes (4.3 GB) copied, 540.538 s, 7.9 MB/s
使用されている物理ディスク容量を再確認します。
$ df --human-readable /mnt/vdo-test
例3.3 データソースファイルによるディスク使用状況
Filesystem Size Used Avail Use% Mounted on /dev/mapper/vdo-test 1.5T 4.2G 1.4T 1% /mnt/vdo-test
# vdostats --verbose | grep "blocks used"
例3.4 データソースファイルで使用されているブロック
data blocks used : 1050093 # Increased by 4GiB overhead blocks used : 538846 # Did not significantly change logical blocks used : 7108036 # Increased by 4GiB
このコマンドは、書き込まれたファイルのサイズに応じて、使用されているブロック数の増加を示しているはずです。
10 個のサブディレクトリーのそれぞれにファイルをコピーします。
$ for i in {01..10}; do cp /mnt/vdo-test/sourcefile /mnt/vdo-test/vdo$i done
使用されている物理ディスク容量を再確認します。
$ df -h /mnt/vdo-test
例3.5 ファイルをコピーした後のディスク使用量
Filesystem Size Used Avail Use% Mounted on /dev/mapper/vdo-test 1.5T 45G 1.3T 4% /mnt/vdo-test
# vdostats --verbose | grep "blocks used"
例3.6 ファイルをコピーした後に使用されたブロック
data blocks used : 1050836 # Increased by 3 MiB overhead blocks used : 538846 logical blocks used : 17594127 # Increased by 41 GiB
data blocks used
は、ファイルシステムのジャーナリングとメタデータによるわずかな増加を除いて、以前のリスト表示の結果と類似している必要があります。- テストデータを書き込む前に見つかった値から、ファイルシステムが使用する領域の値を減算します。これは、ファイルシステムの観点からこのテストで使用される領域の量です。
記録された統計で節約する容量を確認します。
例3.7 記録値
統計 ベアファイルシステム シード後 10 回コピーした後 使用されるファイルシステムのサイズ
198 MiB
4.2 GiB
45 GiB
使用されている VDO データ
4 MiB
4.1 GiB
4.1 GiB
使用されている VDO 論理
23.6 GiB (1.6 TiB フォーマットドライブのファイルシステムオーバーヘッド)
27.8 GiB
68.7 GiB
注記表では、値は MiB または GiB に変換されています。
vdostats
出力のブロックのサイズは 4,096 B です。
クリーンアップ手順
- 「VDO テストボリュームのクリーンアップ」 の説明に従って、VDO テストボリュームを削除します。