第10章 印刷の設定
Red Hat Enterprise Linux では、Common UNIX Printing System (CUPS) によって印刷を管理します。ユーザーはホスト上の CUPS でプリンターを設定して印刷します。さらに、CUPS でプリンターを共有し、ホストをプリントサーバーとして使用できます。
CUPS は次のプリンターへの印刷をサポートしています。
- AirPrint™ および IPP Everywhere™ プリンター
- 従来の PostScript Printer description (PPD) ベースのドライバーを備えたネットワークおよびローカル USB プリンター
10.1. CUPS のインストールと設定
CUPS を使用してローカルホストから印刷できます。このホストを使用してネットワーク内でプリンターを共有し、プリントサーバーとして機能させることもできます。
手順
cups
パッケージをインストールします。# yum install cups
CUPS をプリントサーバーとして設定する場合は、
/etc/cups/cupsd.conf
ファイルを編集し、次の変更を加えます。CUPS をリモートで設定する場合、またはこのホストをプリントサーバーとして使用する場合は、CUPS がリッスンする IP アドレスとポートを設定します。
Listen 192.0.2.1:631 Listen [2001:db8:1::1]:631
デフォルトでは、CUPS は
localhost
インターフェイス (127.0.0.1
および::1
) でのみリッスンします。IPv6 アドレスは角括弧で囲んで指定します。重要信頼できないネットワーク (インターネットなど) からのアクセスを許可するインターフェイスをリッスンするように CUPS を設定しないでください。
<Location />
ディレクティブでそれぞれの IP 範囲を許可することで、サービスにアクセスできる IP 範囲を設定します。<Location /> Allow from 192.0.2.0/24 Allow from [2001:db8:1::1]/32 Order allow,deny </Location>
<Location /admin>
ディレクティブで、CUPS 管理サービスにアクセスできる IP アドレスと範囲を設定します。<Location /admin> Allow from 192.0.2.15/32 Allow from [2001:db8:1::22]/128 Order allow,deny </Location>
この設定では、IP アドレス
192.0.2.15
および2001:db8:1::22
を持つホストのみが管理サービスにアクセスできます。オプション: Web インターフェイスで設定ファイルとログファイルへのアクセスを許可する IP アドレスと範囲を設定します。
<Location /admin/conf> Allow from 192.0.2.15/32 Allow from [2001:db8:1::22]/128 ... </Location> <Location /admin/log> Allow from 192.0.2.15/32 Allow from [2001:db8:1::22]/128 ... </Location>
firewalld
サービスを実行し、CUPS へのリモートアクセスを設定する場合は、firewalld
で CUPS ポートを開きます。# firewall-cmd --permanent --add-port=631/tcp # firewall-cmd --reload
複数のインターフェイスを持つホストで CUPS を実行する場合は、必要なネットワークにアクセスを制限することを検討してください。
cups
サービスを有効にして起動します。# systemctl enable --now cups
検証
ブラウザーを使用して、
http://<hostname>:631
にアクセスします。Web インターフェイスに接続できれば、CUPS は動作しています。Administration
タブなどの一部の機能では、認証と HTTPS 接続が必要であることに注意してください。デフォルトでは、CUPS は HTTPS アクセスに自己署名証明書を使用するため、認証時の接続はセキュアではありません。