10.13. 高可用性 CUPS プリントサーバー環境の設定
クライアントが中断することなくプリンターにアクセスする必要がある場合は、複数のホストに CUPS を設定し、印刷キュー参照機能を使用して高可用性を実現できます。印刷クライアントは、さまざまな印刷サーバーによって共有される印刷キューを自動的に設定します。クライアントが印刷ジョブをローカル印刷キューに送信すると、クライアント上の CUPS はジョブを印刷サーバーの 1 つにルーティングし、印刷サーバーはそのジョブを処理してプリンターに送信します。
手順
2 台以上のサーバーに CUPS をセットアップします。
- CUPS をインストールして設定します。
- TLS 暗号化を有効にします。
lpadmin ユーティリティー または Web インターフェイス を使用して、すべての CUPS インスタンスに印刷キューを追加します。Web インターフェイスを使用する場合は、プリンターを追加するときに [このプリンターを共有する] オプションを選択してください。
lpadmin
ユーティリティーでは、この設定がデフォルトで有効になります。重要高可用性シナリオでは、1 台のプリントサーバー上の各キューには、他のサーバー上でまったく同じキュー名を持つキューが必要です。
lpstat -e
コマンドを使用すると、各サーバーのキュー名を表示できます。オプション: 各サーバーのキューを、異なるプリンターを参照するように設定できます。
印刷クライアントの場合:
/etc/cups/cups-browsed.conf
ファイルを編集し、各 CUPS プリントサーバーのBrowsePoll
ディレクティブを追加します。BrowsePoll print_server_1.example.com:631 BrowsePoll print_server_2.example.com:631
cups サービス
とcups-browsed
サービスの両方を有効にして起動します。# systemctl enable --now cups cups-browsed
検証
クライアントで使用可能なプリンターを表示します。
# lpstat -t ... device for Demo-printer: implicitclass://Demo-printer/ Demo-printer accepting requests since Fri 22 Nov 2024 11:54:59 AM CET printer Demo-printer is idle. enabled since Fri 22 Nov 2024 11:54:59 AM CET ...
出力例は、Demo-printer キューが
implicitclass
バックエンドを使用していることを示しています。その結果、cups-browsed は
、このキューの印刷ジョブを、このクライアントのBrowsePoll
ディレクティブで指定されたホストにルーティングします。
関連情報
- Red Hat Enterprise Linux での高可用性印刷 (Red Hat ナレッジベース)