第33章 64 ビット IBM Z へのインストールの計画
Red Hat Enterprise Linux 8 は、z13 以降の IBM メインフレームシステムで実行します。
IBM Z へのインストールプロセスでは、ユーザーが 64 ビットの IBM Z の操作に慣れていること、また 論理パーティション (LPAR) および z/VM ゲスト仮想マシンをセットアップできることを前提としています。
Red Hat Enterprise Linux を 64 ビット IBM Z にインストールする場合、Red Hat は Direct Access Storage Device (DASD)、Fibre Channel Protocol (FCP) ストレージデバイス、virtio-blk
および virtio-scsi
デバイスをサポートしています。FCP デバイスを使用する場合、Red Hat は信頼性を高めるためにマルチパス設定で使用することを推奨します。
DASD は、デバイスごとに最大 3 つのパーティションを許可するディスクです。たとえば、dasda
には、dasda1
、dasda2
、および dasda3
のパーティションを設定できます。
インストール前に決めること
- オペレーティングシステムを LPAR、KVM 上で稼働するか、z/VM ゲストのオペレーティングシステムとして稼働するか。
- swap 領域が必要かどうか、どのぐらいの大きさが必要か。z/VM のゲスト仮想マシンに十分なメモリーを割り当て、z/VM が必要なスワッピングを行えるようにすることが推奨されますが、必要な RAM サイズの予測が困難な場合もあります。このような場合にはケースバイケースで検討してください。
ネットワーク設定。64 ビットの IBM Z 向けの Red Hat Enterprise Linux 8 は、以下のネットワークデバイスに対応しています。
- 物理および仮想の OSA (オープンシステムアダプター)
- 物理および仮想の HiperSockets
- 物理 OSA 対応の LCS (LAN チャネルステーション)
-
virtio-net
デバイス
ディスク領域
DASD または SCSI のディスクで十分なディスク容量を計算して割り当てる必要があります。
- サーバーのインストールには最低 10 GiB が必要です。すべてのパッケージをインストールする場合は 20 GiB が必要です。
- アプリケーションデータにもディスク領域が必要です。インストール後に、DASD パーティションまたは SCSI パーティションを追加または削除できます。
- 新規インストールの Red Hat Enterprise Linux システム (Linux インスタンス) で使用するディスク領域と、お使いのシステムにインストールされているその他の OS で使用されるディスク領域は、別にしておく必要があります。
RAM
システムに十分な RAM があることを確認します。
- NFS からインストールする場合は最低 1.5GiB。
- HTTP または FTP のインストールソースからインストールする場合は、最小で 3 GiB。
- テキストモードでインストールする場合は、NFS インストールソースを使用している場合に限り 1 GiB で十分です。
- Red Hat は、インストールされている Linux インスタンス用に 2 GiB を推奨します。ただし、適切にチューニングされたシステムでは、1 GiB で十分です。
-
SWAPGEN ユーティリティーを使用して FBA (Fixed Block Architecture) DASD 上のスワップ領域を初期化する場合は、
FBAPART
オプションを使用する必要があります。 - IBM Power Server へのインストール手順は、IBM installation documentation を参照してください。システムで RHEL のインストールがサポートされていることを確認するには、https://catalog.redhat.com および https://access.redhat.com/articles/rhel-limits を参照してください。
関連情報
- 64 ビット IBM Z の追加情報は、https://www.ibm.com/it-infrastructure/z を参照してください。
- Linux on IBM Z でセキュアブートを使用する方法の詳細は、Secure boot for Linux on IBM Z を参照してください。