インストールメディアからの RHEL の対話型インストール
グラフィカルインストーラーを使用してローカルシステムに RHEL をインストールする
概要
Red Hat ドキュメントへのフィードバック (英語のみ)
Red Hat ドキュメントに関するご意見やご感想をお寄せください。また、改善点があればお知らせください。
Jira からのフィードバック送信 (アカウントが必要)
- Jira の Web サイトにログインします。
- 上部のナビゲーションバーで Create をクリックします。
- Summary フィールドにわかりやすいタイトルを入力します。
- Description フィールドに、ドキュメントの改善に関するご意見を記入してください。ドキュメントの該当部分へのリンクも追加してください。
- ダイアログの下部にある Create をクリックします。
パート I. RHEL インストールの準備
第1章 システム要件とサポート対象のアーキテクチャー
Red Hat Enterprise Linux 9 は、より少ない労力でより迅速にワークロードを提供するために必要なツールを使用して、ハイブリッドクラウドのデプロイメントにまたがって、安定した安全で一貫性のある基盤を提供します。RHEL は、対応しているハイパーバイザー環境やクラウドプロバイダー環境にゲストとしてデプロイすることも、物理インフラストラクチャーにデプロイすることもできるため、アプリケーションは、主要なハードウェアアーキテクチャープラットフォームの革新的な機能を利用できます。
インストールする前に、システム、ハードウェア、セキュリティー、メモリー、および RAID に関するガイドラインを確認してください。
システムを仮想ホストとして使用する場合は、仮想化に必要なハードウェア要件 を確認してください。
Red Hat Enterprise Linux では、次のアーキテクチャーに対応します。
- AMD アーキテクチャーおよび Intel 64 ビットアーキテクチャー
- 64 ビット ARM アーキテクチャー
- IBM Power Systems、リトルエンディアン
- 64 ビット IBM Z アーキテクチャー
1.1. インストール先として対応しているターゲット
インストールターゲットは、Red Hat Enterprise Linux を格納し、システムを起動するストレージデバイスです。Red Hat Enterprise Linux は、AMD64、Intel 64、および 64 ビット ARM のシステム向けに、以下のインストールターゲットに対応しています。
- SCSI、SATA、SAS などの標準的な内部インターフェイスで接続するストレージ
- BIOS/ファームウェアの RAID デバイス
-
nd_pmem
ドライバーがサポートする、セクターモードに設定された Intel 64 および AMD64 アーキテクチャー上の NVDIMM デバイス - ファイバーチャネルのホストバスアダプターおよびマルチパスのデバイス。製造元が提供しているドライバーが必要な場合があります。
- Xen 仮想マシンの Intel のプロセッサーの Xen ブロックデバイス
- KVM 仮想マシンの Intel のプロセッサーの VirtIO ブロックデバイス
Red Hat では、USB ドライブや SD メモリーカードへのインストールはサポートしていません。サードパーティーによる仮想化技術のサポートは、Red Hat Hardware Compatibility List を参照してください。
1.2. ディスクおよびメモリーの要件
複数のオペレーティングシステムがインストールされている場合は、割り当てられたディスク領域が Red Hat Enterprise Linux で必要なディスク領域とは異なることを確認することが重要です。場合によっては、特定のパーティションを Red Hat Enterprise Linux 専用にすることが重要になります。たとえば、AMD64、Intel 64、および 64 ビット ARM の場合は、少なくとも 2 つのパーティション (/
および swap
) を RHEL 専用にする必要があります。IBM Power Systems サーバーの場合は、少なくとも 3 つのパーティション (/
、swap
、および PReP
ブートパーティション) を RHEL 専用にする必要があります。
さらに、使用可能なディスク容量が最低 10 GiB 必要です。Red Hat Enterprise Linux をインストールするには、パーティションが分割されていないディスク領域か、削除できるパーティション内に、最低 10 GiB の容量が必要です。
詳細は、パーティション設定のリファレンス を参照してください。
インストールタイプ | 推奨される最小 RAM |
---|---|
ローカルメディアによるインストール (USB、DVD) |
|
NFS ネットワークインストール |
|
HTTP、HTTPS、または FTP ネットワークインストール |
|
推奨される最小要件より少ないメモリーでインストールを完了できます。正確な要件は、環境とインストールパスにより異なります。ご使用の環境に必要な最小 RAM を決定するために、さまざまな設定をテストすることが推奨されます。キックスタートファイルを使用して Red Hat Enterprise Linux をインストールするには、標準的なインストールと同じように推奨される最小 RAM 要件があります。ただし、キックスタートファイルに追加のメモリーを必要とするコマンド、または RAM ディスクにデータを書き込むコマンドが含まれている場合は、追加の RAM が必要になることがあります。詳細は、RHEL の自動インストール ドキュメントを参照してください。
1.3. グラフィックスディスプレイの解像度要件
Red Hat Enterprise Linux をスムーズにエラーなしにインストールするには、システムに次の最小解像度が必要です。
製品バージョン | 解決方法 |
---|---|
Red Hat Enterprise Linux 9 | 最小: 800 x 600 推奨: 1026 x 768 |
1.4. UEFI セキュアブートとベータ版リリースの要件
UEFI セキュアブートが有効になっているシステムに Red Hat Enterprise Linux のベータ版リリースをインストールする予定がある場合は、UEFI セキュアブートオプションを無効にしてから、インストールを開始します。
UEFI セキュアブートでは、オペレーティングシステムのカーネルが、対応する公開鍵を使用してシステムのファームウェアが検証できる、認識済みの秘密鍵で署名されている必要があります。Red Hat Enterprise Linux ベータ版リリースの場合には、カーネルは Red Hat ベータ版固有の公開鍵で署名されていますが、この鍵はデフォルトではシステムで認識できません。その結果、インストールメディアの起動にも失敗します。
関連情報
- IBM への RHEL のインストールについては、IBM のインストールドキュメント を参照してください。
- セキュリティーの強化
- RHEL システムイメージのカスタマイズ
- Red Hat Ecosystem Catalog
- RHEL technology capabilities and limits
第2章 RHEL システムを Red Hat に登録する方法
登録することで、システムと Red Hat 間で認可済みの接続が確立されます。Red Hat は、登録されたシステム (物理マシンか仮想マシンかを問わず) に、システムを識別および認証する証明書を発行して、Red Hat から保護されたコンテンツ、ソフトウェア更新、セキュリティーパッチ、サポート、および管理サービスをシステムが受けられるようにします。
有効なサブスクリプションを使用すると、以下の方法で Red Hat Enterprise Linux (RHEL) システムを登録できます。
- インストーラーのグラフィカルユーザーインターフェイス (GUI) またはテキストユーザーインターフェイス (TUI) を使用して、インストールプロセス中に登録する
- インストール後にコマンドラインインターフェイス (CLI) を使用する
- インストール時またはインストール後に自動的にキックスタートスクリプトまたはアクティベーションキーを使用する
システムを登録する特定の手順は、使用している RHEL のバージョンと、選択した登録方法によって異なります。
システムを Red Hat に登録すると、システムの管理とレポートデータに使用できる機能が有効になります。たとえば、登録済みシステムには、Red Hat コンテンツ配信ネットワーク (CDN) または Red Hat Satellite Server を介して、サブスクライブした製品向けの、保護されたコンテンツリポジトリーにアクセスする権限が与えられます。これらのコンテンツリポジトリーには、アクティブなサブスクリプションを持つお客様のみが利用できる Red Hat ソフトウェアパッケージと更新が含まれています。これらのパッケージおよび更新には、RHEL およびその他の Red Hat 製品のセキュリティーパッチ、バグ修正、新機能が含まれます。
エンタイトルメントベースのサブスクリプションモデルは非推奨となり、将来廃止される予定です。Simple Content Access がデフォルトのサブスクリプションモデルになりました。これにより、システムの Red Hat サブスクリプションコンテンツにアクセスする前に、そのシステムにサブスクリプションを割り当てる必要がなくなり、サブスクリプションエクスペリエンスが向上します。お使いの Red Hat アカウントでエンタイトルメントベースのサブスクリプションモデルを使用している場合は、Red Hat アカウントチーム (テクニカルアカウントマネージャー (TAM) やソリューションアーキテクト (SA) など) に問い合わせて、Simple Content Access への移行の準備をしてください。詳細は、Transition of subscription services to the hybrid cloud を参照してください。
第3章 インストールメディアのカスタマイズ
詳細は、RHEL システムイメージのカスタマイズ を参照してください。
第4章 起動可能な RHEL 用インストールメディアの作成
カスタマーポータル から ISO ファイルをダウンロードして、USB や DVD などの起動可能な物理インストールメディアを準備できます。RHEL 8 以降、Red Hat は Server
用と Workstation
用の個別のバリアントを提供しなくなりました。Red Hat Enterprise Linux for x86_64 には、Server
機能と Workstation
機能の両方が含まれています。Server
および Workstation
の区別は、インストールまたは設定プロセス中にシステム目的ロールを通じて管理されます。
カスタマーポータルから ISO ファイルをダウンロードした後、USB や DVD などの起動可能な物理インストールメディアを作成して、インストールプロセスを続行します。
USB ドライブが禁止されているセキュアな環境では、Image Builder を使用して参照イメージを作成し、デプロイすることを検討してください。この方法により、システムの整合性を維持しながらセキュリティーポリシーへの準拠を確保できます。詳細は、Image Builder のドキュメント を参照してください。
4.1. インストール起動用メディアオプション
Red Hat Enterprise Linux インストールプログラムを起動する方法はいくつかあります。
- フルインストール用 DVD または USB フラッシュドライブ
- DVD ISO イメージを使用して、フルインストールの DVD または USB フラッシュドライブを作成します。ソフトウェアパッケージをインストールする場合は、DVD または USB フラッシュドライブを、ブートデバイスおよびインストールソースとして使用できます。
- 最小インストール用の DVD、CD、または USB フラッシュドライブ
最小インストール用 CD、DVD、または USB フラッシュドライブは、Boot ISO イメージを使用して作成されます。これには、システムを起動し、インストールプログラムを開始するのに最低限必要なファイルのみが含まれます。
重要コンテンツ配信ネットワーク (CDN) を使用して必要なソフトウェアパッケージをダウンロードする場合は、Boot ISO イメージに、必要なソフトウェアパッケージを含むインストールソースが必要です。
4.2. 起動可能な DVD の作成
起動可能なインストール DVD は、ディスク書き込みソフトウェアや DVD バーナーを使用して作成できます。ISO イメージファイルから DVD を作成する手順は、オペレーティングシステムや、インストールされているディスク書き込みソフトウェアにより大きく異なります。DVD への ISO イメージファイルの書き込み方法は、お使いの書き込みソフトウェアのドキュメントを参照してください。
起動可能な DVD は、DVD ISO イメージ (フルインストール) または Boot ISO イメージ (最小インストール) のいずれかを使用して作成できます。ただし、DVD ISO イメージが 4.7 GB より大きくなり、1 層または 2 層 DVD に収まらない場合があります。作業を続行する前に、DVD ISO イメージファイルのサイズを確認してください。DVD ISO イメージを使用して起動可能なインストールメディアを作成する場合は、USB フラッシュドライブが推奨されます。USB ドライブが禁止されている環境の場合は、Image Builder のドキュメント を参照してください。
4.3. Linux で起動可能な USB デバイスの作成
起動可能な USB デバイスを作成し、それを使用して他のマシンに Red Hat Enterprise Linux をインストールできます。
この手順を実行すると、USB ドライブに保存しておいたデータはすべて警告なしに上書きされます。データをバックアップするか、空のフラッシュドライブを使用してください。起動可能な USB ドライブは、データの保存には使用できません。
前提条件
- Product Downloads ページからフルインストール DVD ISO または最小インストールブート ISO イメージをダウンロードした。
- ISO イメージに十分な容量の USB フラッシュドライブがある。必要なサイズはさまざまですが、推奨される USB サイズは 8 GB です。
手順
- USB フラッシュドライブをシステムに接続します。
ターミナルウィンドウを開き、最近のイベントのログを表示します。
$ dmesg|tail
このログの下部に、接続している USB フラッシュドライブから出力されたメッセージが表示されます。接続したデバイスの名前を記録してください。
root ユーザーとしてログインします。
$ su -
プロンプトに従い root パスワードを入力します。
ドライブに割り当てられているデバイスノードを見つけます。この例で使用されているドライブの名前は
sdd
です。# dmesg|tail [288954.686557] usb 2-1.8: New USB device strings: Mfr=0, Product=1, SerialNumber=2 [288954.686559] usb 2-1.8: Product: USB Storage [288954.686562] usb 2-1.8: SerialNumber: 000000009225 [288954.712590] usb-storage 2-1.8:1.0: USB Mass Storage device detected [288954.712687] scsi host6: usb-storage 2-1.8:1.0 [288954.712809] usbcore: registered new interface driver usb-storage [288954.716682] usbcore: registered new interface driver uas [288955.717140] scsi 6:0:0:0: Direct-Access Generic STORAGE DEVICE 9228 PQ: 0 ANSI: 0 [288955.717745] sd 6:0:0:0: Attached scsi generic sg4 type 0 [288961.876382] sd 6:0:0:0: sdd Attached SCSI removable disk
-
挿入された USB デバイスが自動的にマウントされる場合は、次の手順に進む前にマウントを解除してください。アンマウントするには、
umount
コマンドを使用します。詳細は、umount を使用したファイルシステムのアンマウント を参照してください。 ISO イメージを USB デバイスに直接書き込みます。
# dd if=/image_directory/image.iso of=/dev/device
- /image_directory/image.iso を、ダウンロードした ISO イメージファイルへのフルパスに置き換えます。
device を、
dmesg
コマンドで取得したデバイス名に置き換えます。この例では、ISO イメージのフルパスが
/home/testuser/Downloads/rhel-9-x86_64-boot.iso
で、検出されたデバイス名がsdd
です。# dd if=/home/testuser/Downloads/rhel-9-x86_64-boot.iso of=/dev/sdd
注記デバイス上のパーティション名ではなく、正しいデバイス名を使用していることを確認してください。パーティション名は、通常、数字の接尾辞が付いたデバイス名です。たとえば、
sdd
がデバイス名の場合、デバイスsdd
上のパーティションの名前は、sdd1
になります。
-
dd
コマンドがデバイスへのイメージの書き込みを終了するのを待ちます。sync
コマンドを実行して、キャッシュされた書き込みをデバイスに同期します。データ転送が完了すると、# プロンプトが表示されます。プロンプトが表示されたら、root アカウントからログアウトし、USB ドライブを取り外します。これで、USB ドライブをブートデバイスとして使用できるようになりました。
4.4. Windows で起動可能な USB デバイスの作成
さまざまなツールを使用して、Windows システムに起動可能な USB デバイスを作成できます。Red Hat は、https://github.com/FedoraQt/MediaWriter/releases からダウンロードできる Fedora Media Writer の使用を推奨します。Fedora Media Writer はコミュニティー製品であり、Red Hat のサポート対象外になる点に注意してください。このツールの問題は、https://github.com/FedoraQt/MediaWriter/issues から報告できます。
この手順を実行すると、USB ドライブに保存しておいたデータはすべて警告なしに上書きされます。データをバックアップするか、空のフラッシュドライブを使用してください。起動可能な USB ドライブは、データの保存には使用できません。
前提条件
- Product Downloads ページからフルインストール DVD ISO または最小インストールブート ISO イメージをダウンロードした。
- ISO イメージに十分な容量の USB フラッシュドライブがある。必要なサイズはさまざまですが、推奨される USB サイズは 8 GB です。
手順
- https://github.com/FedoraQt/MediaWriter/releases から Fedora Media Writer をダウンロードしてインストールします。
- USB フラッシュドライブをシステムに接続します。
- Fedora Media Writer を開きます。
- メイン画面で をクリックして、ダウンロードしておいた Red Hat Enterprise Linux ISO イメージを選択します。
- Write Custom Image 画面で、使用するドライブを選択します。
- をクリックします。起動用メディアの作成プロセスが開始します。プロセスが完了するまでドライブを抜かないでください。ISO イメージのサイズや、USB ドライブの書き込み速度により、この操作には数分かかる場合があります。
- 操作が完了したら、USB ドライブをアンマウントします。これで USB ドライブを起動デバイスとして使用する準備が整いました。
4.5. macOS で起動可能な USB デバイスの作成
起動可能な USB デバイスを作成し、それを使用して他のマシンに Red Hat Enterprise Linux をインストールできます。
この手順を実行すると、USB ドライブに保存しておいたデータはすべて警告なしに上書きされます。データをバックアップするか、空のフラッシュドライブを使用してください。起動可能な USB ドライブは、データの保存には使用できません。
前提条件
- Product Downloads ページからフルインストール DVD ISO または最小インストールブート ISO イメージをダウンロードした。
- ISO イメージに十分な容量の USB フラッシュドライブがある。必要なサイズはさまざまですが、推奨される USB サイズは 8 GB です。
手順
- USB フラッシュドライブをシステムに接続します。
diskutil list
コマンドでデバイスパスを特定します。デバイスパスの形式は/dev/disknumber
です。number
はディスクの数になります。ディスク番号は、0 から始まります。通常、disk0
は OS X リカバリーディスク、disk1
はメインの OS X インストールになります。以下の例では、disk2
が USB デバイスです。$ diskutil list /dev/disk0 #: TYPE NAME SIZE IDENTIFIER 0: GUID_partition_scheme *500.3 GB disk0 1: EFI EFI 209.7 MB disk0s1 2: Apple_CoreStorage 400.0 GB disk0s2 3: Apple_Boot Recovery HD 650.0 MB disk0s3 4: Apple_CoreStorage 98.8 GB disk0s4 5: Apple_Boot Recovery HD 650.0 MB disk0s5 /dev/disk1 #: TYPE NAME SIZE IDENTIFIER 0: Apple_HFS YosemiteHD *399.6 GB disk1 Logical Volume on disk0s1 8A142795-8036-48DF-9FC5-84506DFBB7B2 Unlocked Encrypted /dev/disk2 #: TYPE NAME SIZE IDENTIFIER 0: FDisk_partition_scheme *8.1 GB disk2 1: Windows_NTFS SanDisk USB 8.1 GB disk2s1
- NAME、TYPE、および SIZE の列をフラッシュドライブと比較し、USB フラッシュドライブを特定します。たとえば、NAME は、Finder ツールのフラッシュドライブアイコンのタイトルになります。この値は、フラッシュドライブの情報パネルの値と比較することもできます。
フラッシュドライブのファイルシステムボリュームをアンマウントします。
$ diskutil unmountDisk /dev/disknumber Unmount of all volumes on disknumber was successful
コマンドが完了すると、デスクトップからフラッシュドライブのアイコンが消えます。アイコンが消えない場合は、誤ったディスクを選択した可能性があります。誤ってシステムディスクのマウントを解除しようとすると、failed to unmount エラーが返されます。
ISO イメージをフラッシュドライブに書き込みます。
# sudo dd if=/path/to/image.iso of=/dev/rdisknumber
注記macOS では、ブロック (
/dev/disk*
) とキャラクターデバイス (/dev/rdisk*
) の両方のファイルが各ストレージデバイスに提供されます。/dev/rdisknumber
キャラクターデバイスにイメージを書き込む方が、/dev/disknumber
ブロックデバイスに書き込むよりも高速です。たとえば、
/Users/user_name/Downloads/rhel-9-x86_64-boot.iso
ファイルを/dev/rdisk2
デバイスに書き込むには、以下のコマンドを実行します。# sudo dd if=/Users/user_name/Downloads/rhel-9-x86_64-boot.iso of=/dev/rdisk2
-
dd
コマンドがデバイスへのイメージの書き込みを終了するのを待ちます。データ転送が完了すると、# プロンプトが表示されます。プロンプトが表示されたら、root アカウントからログアウトして、USB ドライブを取り外します。これで USB ドライブを起動デバイスとして使用する準備が整いました。
第5章 RHEL ベータ版リリースをインストールおよび起動するために UEFI セキュアブートが有効なシステムを準備する
オペレーティングシステムのセキュリティーを強化するには、UEFI セキュアブートが有効になっているシステムで Red Hat Enterprise Linux ベータ版リリースを起動したときに、署名の検証に UEFI セキュアブート機能を使用します。
5.1. UEFI セキュアブートおよび RHEL ベータ版リリース
UEFI セキュアブートでは、オペレーティングシステムカーネルが、認識された秘密キーで署名されている必要があります。UEFI セキュアブートは、対応する公開キーを使用して署名を検証します。
Red Hat Enterprise Linux 8 のベータリリースの場合には、カーネルは Red Hat ベータ固有の秘密鍵で署名されます。UEFI セキュアブートは、対応する公開鍵を使用して署名を検証しようとしますが、このハードウェアはベータ版の秘密鍵を認識しないため、Red Hat Enterprise Linux ベータ版のリリースシステムは起動に失敗します。そのため、ベータリリースで UEFI セキュアブートを使用するには、MOK (Machine Owner Key) 機能を使用して Red Hat ベータ公開キーをシステムに追加します。
5.2. UEFI セキュアブートのベータ公開鍵の追加
このセクションでは、UEFI セキュアブート用に Red Hat Enterprise Linux ベータ版の公開鍵を追加する方法を説明します。
前提条件
- システムで UEFI セキュアブートが無効になっています。
- Red Hat Enterprise Linux ベータ版リリースがインストールされており、システムの再起動もセキュアブートが無効になっている。
- システムにログインし、初期セットアップ 画面でタスクを完了します。
手順
システムの Machine Owner Key (MOK) リストに Red Hat ベータ版の公開鍵の登録を開始します。
#
mokutil --import /usr/share/doc/kernel-keys/$(uname -r)/kernel-signing-ca.cer$(uname -r)
はカーネルバージョン (4.18.0-80.el8.x86_64 など) に置き換えられます。- プロンプトが表示されたらパスワードを入力します。
- システムを再起動し、任意のキーを押して起動を続行します。Shim UEFI キー管理ユーティリティーは、システム起動時に起動します。
- Enroll MOK を選択します。
- Continue を選択します。
- Yes を選択し、パスワードを入力します。この鍵はシステムのファームウェアにインポートされます。
- Reboot を選択します。
- システムでセキュアブートを有効にします。
5.3. ベータ版公開鍵の削除
Red Hat Enterprise Linux ベータ版リリースを削除し、Red Hat Enterprise Linux General Availability (GA) リリースをインストールするか、別のオペレーティングシステムをインストールする予定の場合は、ベータ版の公開鍵を削除します。
この手順では、ベータ版の公開鍵を削除する方法を説明します。
手順
システムの Machine Owner Key (MOK) リストから Red Hat ベータ版の公開鍵の削除を開始します。
#
mokutil --reset- プロンプトが表示されたらパスワードを入力します。
- システムを再起動し、任意のキーを押して起動を続行します。Shim UEFI キー管理ユーティリティーは、システム起動時に起動します。
- Reset MOK を選択します。
- Continue を選択します。
- Yes を選択し、手順 2 で指定したパスワードを入力します。この鍵はシステムのファームウェアから削除されます。
- Reboot を選択します。
パート II. Red Hat Enterprise Linux の手動インストール
第6章 カーネルベースの仮想マシンを作成し、仮想マシンでインストール ISO を起動する
このセクションでは、カーネルベースの仮想マシン (KVM) を作成し、Red Hat Enterprise Linux のインストールを開始する方法について説明します。
前提条件
IBM Z プラットフォームの場合:
- KVM ホストが、LPAR モードでインストールされた Red Hat Enterprise Linux を実行している。LPAR へのインストール を参照してください。
手順
KVM ゲストオペレーティングシステムとして Red Hat Enterprise Linux のインスタンスを使用して仮想マシンを作成し、KVM ホストで以下の
virt-install
コマンドを使用します。$ virt-install --name=<guest_name> --disk size=<disksize_in_GB> --memory=<memory_size_in_MB> --cdrom <filepath_to_iso> --graphics vnc
関連情報
-
virt-install
の man ページ - コマンドラインインターフェイスを使用した仮想マシンの作成
第7章 インストールメディアの起動
USB、CD、または DVD を使用して Red Hat Enterprise Linux のインストールを起動できます。次の手順は一般的なものです。具体的な手順は、ハードウェアの製造元のドキュメントを参照してください。
Red Hat コンテンツ配信ネットワーク (CDN) を使用すると、RHEL を登録できます。CDN は地理的に分散された一連の Web サーバーです。これらのサーバーは、たとえば、有効なサブスクリプションを持つ RHEL ホストにパッケージや更新を提供します。
インストール中に、CDN から RHEL を登録してインストールすると、次のような利点があります。
- インストール後すぐに最新のシステムで最新のパッケージを利用できます。
- Red Hat Insights に接続し、システムの目的を有効にするための統合サポートを利用できます。
前提条件
- 起動可能なインストールメディア (USB、CD、または DVD) を作成している。
手順
- Red Hat Enterprise Linux をインストールするシステムの電源を切ります。
- システムからドライブを切断します。
- システムの電源を入れます。
- 起動可能なインストールメディア (USB、DVD、または CD) を挿入します。
- システムの電源は切りますが、ブートメディアは取り出さないでください。
システムの電源を入れます。
注記メディアから起動するため特定のキーやキーの組み合わせを押さなければならない場合や、メディアから起動するようにシステムの BIOS (Basic Input/Output System) を設定しなければならない場合があります。詳細は、システムに同梱されているドキュメントをご覧ください。
- Red Hat Enterprise Linux boot ウィンドウが開き、利用可能なさまざまなブートオプションに関する情報が表示されます。
キーボードの矢印キーを使用して必要なブートオプションを選択し、Enter キー を押してブートオプションを選択します。Red Hat Enterprise Linux へようこそ 画面が開き、グラフィカルユーザーインターフェイスを使用して Red Hat Enterprise Linux をインストールできます。
注記起動画面で、60 秒以内に何も行わないと、インストールプログラムが自動的に開始します。
オプション: 利用可能なブートオプションを編集します。
- UEFI ベースのシステムの場合:E を押すと編集モードに入ります。定義済みのコマンドラインを変更して、ブートオプションを追加または削除します。Enter キーを押して、選択を確認します。
- BIOS ベースのシステムの場合: キーボードの Tab キーを押して編集モードに入ります。定義済みのコマンドラインを変更して、ブートオプションを追加または削除します。Enter キーを押して、選択を確認します。
第8章 オプション: ブートオプションのカスタマイズ
インストール環境に応じて、ブートオプションを編集してさらにカスタマイズできます。
8.2. ブートオプションの種類
起動オプションには、等号 (=) が付いているものと、付けていないものがあります。ブートオプションはブートコマンドラインに追加され、スペースで区切って複数のオプションを追加できます。インストールプログラムに固有の起動オプションは、常に inst
から始まります。
- 等号 (=) 記号を使用するオプション
-
起動オプションに、
=
記号を使用する値を指定する必要があります。たとえば、inst.vncpassword=
オプションには値 (この場合はパスワード) を指定する必要があります。この例の正しい構文はinst.vncpassword=password
です。 - 等号 (=) 記号を使用しないオプション
-
この起動オプションでは、値またはパラメーターを使用できません。たとえば、
rd.live.check
オプションでは、インストール開始前にインストールメディアの検証が強制されます。インストールプログラムは、このブートオプションが存在すると検証を実行します。ブートオプションが存在しないと、検証はスキップされます。
8.3. BIOS で boot: プロンプトの編集
boot:
プロンプトを使用すると、最初のオプションは、読み込むインストールプログラムのイメージファイルを常に指定する必要があります。ほとんどの場合、このイメージはキーワードを使用して指定できます。要件に応じて、追加オプションを指定できます。
前提条件
- 起動可能なインストールメディア (USB、CD、または DVD) を作成している。
- メディアからインストールを起動し、起動メニュー画面が開いている。
手順
- ブートメニューが開いたら、キーボードの Esc キーを押します。
-
boot:
プロンプトにアクセスできるようになります。 - キーボードの Tab キーを押して、ヘルプコマンドを表示します。
-
キーボードの Enter キーを押して、オプションでインストールを開始します。
boot:
プロンプトから起動メニュー画面に戻るには、システムを再起動して、インストールメディアから再度起動します。
boot:
プロンプトでは、dracut
カーネルオプションも使用できます。利用可能なオプションの一覧は、dracut.cmdline(7)
の man ページを参照してください。
8.4. > プロンプトを使用して事前定義されたブートオプションの編集
BIOS ベースの AMD64 および Intel64 システムでは、>
プロンプトを使用して、事前定義されたブートオプションを編集できます。オプションの完全なセットを表示するには、ブートメニューから Test this media and install RHEL 9
を選択します。
前提条件
- 起動可能なインストールメディア (USB、CD、または DVD) を作成している。
- メディアからインストールを起動し、起動メニュー画面が開いている。
手順
-
ブートメニューでオプションを選択し、キーボードの Tab キーを押します。
>
プロンプトにアクセスし、利用可能なオプションを表示します。 -
>
プロンプトに必要なオプションを追加します。 - Enter を押してインストールを開始します。
- Esc キーを押して編集をキャンセルし、ブートメニューに戻ります。
8.6. インストール時のドライバーの更新
本セクションは、Red Hat Enterprise Linux インストールプロセス時にドライバーの更新を完了する方法を説明します。
これは、インストールプロセスの任意の手順です。Red Hat は、必要な場合を除いて、ドライバーの更新は行わないことを推奨します。
前提条件
- Red Hat、ハードウェアベンダー、または信頼できるサードパーティーベンダーから、Red Hat Enterprise Linux のインストール時に、ドライバー更新が必要になることが通知されている。
8.6.1. 概要
Red Hat Enterprise Linux は、多数のハードウェアデバイス用のドライバーに対応していますが、新たにリリースしたドライバーには対応していない可能性があります。ドライバーの更新は、そのドライバーが対応していないために、インストールが完了できない場合に限り、実行する必要があります。インストール中にドライバーを更新することは、通常、特定の設定に対応する場合に限り必要になります。たとえば、システムのストレージデバイスへのアクセスを提供するストレージアダプター用ドライバーをインストールします。
ドライバー更新ディスクは、競合するカーネルドライバーを無効にする場合があります。この方法でカーネルモジュールをアンロードすると、インストールエラーが発生することがあります。
8.6.2. ドライバー更新の種類
Red Hat、ハードウェアベンダー、信頼できるサードパーティーは、ドライバー更新を ISO イメージファイルとして提供します。ISO イメージファイルを受け取ったら、ドライバー更新の種類を選択してください。
ドライバー更新の種類
- 自動
-
推奨されるドライバーの更新方法です。
OEMDRV
とラベルが付いたストレージデバイス (CD、DVD、または USB フラッシュドライブ) が、そのシステムに物理的に接続されます。インストールの開始時に、OEMDRV
ストレージデバイスが存在する場合は、それがドライバー更新ディスクのように扱われ、インストールプログラムはそのドライバーを自動的に読み込みます。 - アシスト付き
-
このインストールプログラムは、ドライバーの更新を指定するように促します。
OEMDRV
以外の任意のローカルストレージデバイスラベルを使用できます。インストールを開始するときに、inst.dd
ブートオプションが指定されます。このオプションにパラメーターを付けずに使用すると、インストールプログラムはシステムに接続されているすべてのストレージデバイスを表示し、ドライバー更新を含むデバイスを選択するように促します。 - 手動
-
ドライバー更新イメージまたは RPM パッケージのパスを手動で指定します。
OEMDRV
以外のラベルを持つ任意のローカルストレージ、またはインストールシステムからアクセス可能なネットワークの場所を使用できます。inst.dd=location
起動オプションは、インストールの開始時に指定しますが、location は、ドライバー更新ディスクまたは ISO イメージのパスになります。このオプションを指定すると、インストールプログラムは特定の場所にあるドライバー更新を読み込みます。手動でドライバーを更新する場合は、ローカルストレージデバイス、またはネットワークの場所 (HTTP、HTTPS、または FTP サーバー) を指定できます。
-
inst.dd=location
とinst.dd
の両方を同時に使用できます。location は、ドライバー更新ディスクまたは ISO イメージのパスになります。このシナリオでは、インストールプログラムは、その場所から、利用可能なドライバーの更新を読み込み、ドライバーの更新が含まれるデバイスを選択するように求められます。
制限事項
セキュアブート技術を使用する UEFI システムでは、すべてのドライバーが有効な証明書で署名されている必要があります。Red Hat ドライバーは、Red Hat の秘密鍵のいずれかで署名され、カーネルで対応する公開鍵により認証されます。追加で別のドライバーを読み込む場合は、それが署名されていることを確認してください。
8.6.3. ドライバー更新の準備
この手順では、CD および DVD でドライバー更新の準備を行う方法を説明します。
前提条件
- Red Hat、ハードウェアベンダー、または信頼できるサードパーティーベンダーからドライバー更新の ISO イメージを受け取っている。
- ドライバー更新の ISO イメージを CD または DVD に焼き付けている。
CD または DVD で、.iso
で終了する ISO イメージファイルが 1 つしか利用できない場合、書き込み処理は成功していません。CD または DVD に ISO イメージを作成する方法は、システムの書き込みソフトウェアのドキュメントを参照してください。
手順
- ドライバー更新用 CD または DVD をシステムの CD/DVD ドライブに挿入し、システムのファイルマネージャーツールで参照します。
-
rhdd3
ファイルが 1 つ利用できることを確認します。rhdd3
は、ドライバーの説明が含まれる署名ファイルと、ディレクトリーのrpms
です。このディレクトリーには、さまざまなアーキテクチャー用のドライバーが同梱される RPM パッケージが含まれます。
8.6.4. 自動ドライバー更新の実行
この手順では、インストール時にドライバーの自動更新を行う方法を説明します。
前提条件
-
OEMDRV
ラベルの付いた標準のディスクパーティションにドライバーの更新イメージを置くか、OEMDRV
ドライバー更新イメージを CD または DVD に作成します。RAID や LVM ボリュームなどの高度なストレージは、ドライバーの更新プロセス中はアクセスできない可能性があります。 -
インストールプロセスを開始する前に、ボリュームラベル
OEMDRV
が付いたブロックデバイスをシステムに接続しているか、事前に準備した CD または DVD をシステムの CD/DVD ドライブに挿入している。
手順
- 前提条件の手順を完了すると、インストールプログラムの起動時にドライバーが自動的にロードされ、システムのインストールプロセス中にインストールされます。
8.6.5. アシスト付きドライバー更新の実行
この手順では、インストール時に、ドライバーのアシスト付き更新を行う方法を説明します。
前提条件
-
インストールプロセスを開始する前に、
OEMDRV
ボリュームラベルのないブロックデバイスをシステムに接続し、ドライバーディスクイメージをこのデバイスにコピーしたか、ドライバー更新の CD または DVD を準備して、システムの CD または DVD ドライブに挿入しました。
CD または DVD に ISO イメージファイルを書き込んだにもかかわらず、OEMDRV
ボリュームラベルがない場合は、引数を追加せずに inst.dd
オプションを使用できます。インストールプログラムは、CD または DVD からドライバーをスキャンして選択するオプションを提供します。このシナリオでは、インストールプログラムから、ドライバー更新用 ISO イメージを選択するように求められません。別のシナリオでは、起動オプション inst.dd=location
で CD または DVD を使用します。これにより、インストールプログラムが、ドライバー更新に CD または DVD を自動的にスキャンできるようになります。詳細は、手動によるドライバー更新の実行 を参照してください。
手順
- ブートメニューウィンドウで Tab キーを押して、ブートコマンドラインを表示します。
-
起動オプション
inst.dd
をコマンドラインに追加し、Enter を押して起動プロセスを実行します。 - メニューから、ローカルディスクパーティション、もしくは CD デバイスまたは DVD デバイスを選択します。インストールプログラムが ISO ファイル、または ドライバー更新 RPM パッケージをスキャンします。
必要に応じて、ドライバー更新 ISO ファイルを選択してください。
注記選択したデバイスまたはパーティション (ドライバー更新 CD または DVD を含む光学ドライブなど) に、ISO イメージファイルではなく、ドライバー更新 RPM パッケージが含まれる場合は、この手順は必要ありません。
必要なドライバーを選択します。
- キーボードの数字キーを使用して、ドライバー選択を切り替えます。
- c を押して、選択したドライバーをインストールします。選択したドライバーが読み込まれ、インストールプロセスが始まります。
8.6.6. 手動によるドライバー更新の実行
この手順では、インストール時にドライバーを手動で更新する方法を説明します。
前提条件
- ドライバー更新の ISO イメージファイルを USB フラッシュドライブまたは Web サーバーに配置し、コンピューターに接続しました。
手順
- ブートメニューウィンドウで Tab キーを押して、ブートコマンドラインを表示します。
-
inst.dd=location
起動オプションをコマンドに追加します。場所は、ドライバー更新のファイルがある場所です。通常、イメージファイルは Web サーバー http://server.example.com/dd.iso など、または USB フラッシュドライブ/dev/sdb1
などに置きます。ドライバー更新を含む RPM パッケージ http://server.example.com/dd.rpm などを指定することもできます。 - Enter を押して、起動プロセスを実行してください。指定した場所で利用可能なドライバーが自動的に読み込まれ、インストールプロセスが始まります。
8.6.7. ドライバーの無効
この手順では、誤動作しているドライバーを無効にする方法を説明します。
前提条件
- インストールプログラムブートメニューを起動している。
手順
- ブートメニューで Tab キーを押して、ブートコマンドラインを表示します。
-
起動オプション
modprobe.blacklist=driver_name
をコマンドラインに追加します。 driver_name を、無効にするドライバーの名前に置き換えます。以下に例を示します。
modprobe.blacklist=ahci
起動オプション
modprobe.blacklist=
を使用して無効にしたドライバーは、インストール済みシステムで無効になり、/etc/modprobe.d/anaconda-blacklist.conf
ファイルに表示されます。- Enter を押して、起動プロセスを実行してください。
第9章 インストール中のコンソールとロギング
Red Hat Enterprise Linux インストーラーは、tmux 端末マルチプレクサーを使用して、メインのインターフェイスのほかに複数の画面を表示し、制御します。この画面は、それぞれ目的が異なり、インストールプロセス中に発生した問題をトラブルシューティングするのに使用できるさまざまなログを表示します。画面の 1 つでは、起動オプションまたはキックスタートコマンドを使用して明示的に無効にしない限り、root
権限で使用できる対話式シェルプロンプトを使用できます。
一般的に、インストール関連の問題を診断する必要がなければ、デフォルトのグラフィカルインストール環境から、他の環境に移動する必要はありません。
端末マルチプレクサーは、仮想コンソール 1 で実行しています。インストール環境を、tmux に変更する場合は、Ctrl+Alt+F1 を押します。仮想コンソール 6 で実行されているメインのインストールインターフェイスに戻るには、Ctrl+Alt+F6 を押します。
テキストモードのインストールを選択するには、仮想コンソール 1 (tmux) を開始し、その後にコンソール 6 に切り替えると、グラフィカルインターフェイスではなくシェルプロンプトが開きます。
tmux を実行しているコンソールには、利用可能な画面が 5 つあります。その内容と、キーボードショートカットは、以下の表で説明します。キーボードショートカットは 2 段階となっており、最初に Ctrl+b を押し、両方のキーを離してから、使用する画面で数字キーを押す必要があります。
また、Ctrl+b n、Alt+ Tab、および Ctrl+b p を使用して、次または前の tmux 画面に切り替えることもできます。
ショートカット | 内容 |
---|---|
Ctrl+b 1 | メインのインストールプログラム画面。テキストベースのプロンプト (テキストモードのインストール中もしくは VNC Direct モードを使用の場合) とデバッグ情報があります。 |
Ctrl+b 2 |
|
Ctrl+b 3 |
インストールログ - |
Ctrl+b 4 |
ストレージログ - |
Ctrl+b 5 |
プログラムログ - |
第10章 インストーラーでのシステムのカスタマイズ
インストールのカスタマイズフェーズでは、Red Hat Enterprise Linux のインストールを有効にするために、特定の設定タスクを実行する必要があります。これらのタスクには、以下が含まれます。
- ストレージを設定し、マウントポイントを割り当てます。
- インストールするソフトウェアを含むベース環境を選択します。
- root ユーザーのパスワードを設定するか、ローカルユーザーを作成します。
必要に応じて、システム設定を指定したり、ホストをネットワークに接続したりするなど、システムをさらにカスタマイズすることもできます。
10.1. ストレージデバイスの設定
さまざまなストレージデバイスに Red Hat Enterprise Linux をインストールできます。インストール先 画面で、ローカルでアクセス可能な、基本的なストレージデバイスを設定できます。ディスクやソリッドステートドライブなどのローカルシステムに直接接続する基本的なストレージデバイスは、その画面の Local Standard Disks セクションに表示されます。64 ビットの IBM Z の場合は、このセクションに、アクティベートした DASD (Direct Access Storage Devices) が含まれます。
既知の問題により、HyperPAV エイリアスとして設定した DASD を、インストールの完了後に自動的にシステムに割り当てることができません。このようなストレージデバイスはインストール時に利用できますが、インストールが完了して再起動しても、すぐにはアクセスできません。HyperPAV エイリアスデバイスを接続するには、システムの /etc/dasd.conf
設定ファイルに手動で追加します。
10.1.1. インストール先の設定
Installation Destination ウィンドウを使用して、Red Hat Enterprise Linux のインストール先として使用するディスクなどのストレージオプションを設定できます。ディスクは、1 つ以上選択する必要があります。
特殊なケース
-
BIOS によっては、RAID カードからの起動に対応していないため注意が必要です。その場合は、別のディスクなど、RAID アレイ以外のパーティションに
/boot
パーティションを作成する必要があります。そのような RAID カードへのパーティション作成には、内蔵ディスクを使用する必要があります。また、/boot
パーティションは、ソフトウェア RAID の設定にも必要です。システムのパーティション設定を自動で選択した場合は、/boot
パーティションを手動で修正する必要があります。 - Red Hat Enterprise Linux ブートローダーが、別のブートローダーから チェーンロード するように設定するには、インストール先 画面で 完全なディスク要約とブートローダー をクリックして、手動でブートドライブを指定する必要があります。
- マルチパスのストレージデバイスと、非マルチパスのストレージデバイスの両方が使用されているシステムに Red Hat Enterprise Linux をインストールすると、インストールプログラムによる自動パーティション設定のレイアウトに、マルチパスのデバイスと非マルチパスのデバイスが混在したボリュームグループが作成されます。これはマルチパスストレージの目的に反することになります。インストール先 画面では、マルチパスのみ、または非マルチパスのみのいずれかを選択することが推奨されます。もしくは、手動のパーティション設定を実行してください。
前提条件
- Installation Summary 画面が開いている。
- データが含まれているディスクを使用する予定の場合は、データをバックアップする。たとえば、既存の Microsoft Windows パーティションを縮小し、Red Hat Enterprise Linux を 2 つ目のシステムとしてインストールする場合、または以前のリリースの Red Hat Enterprise Linux をアップグレードする場合です。パーティションの操作は常にリスクが伴います。たとえば、何らかの理由でプロセスが中断または失敗した場合は、ディスクのデータが失われる可能性があります。
手順
Installation Summary 画面から、Installation Destination をクリックします。Installation Destination 画面で、以下の操作を行います。
Local Standard Disks セクションから、必要なストレージデバイスを選択します。選択したストレージデバイスには白いチェックマークが表示されます。白いチェックマークが付いていないディスクはインストール時には使用されません。自動パーティショニングを選択した場合は無視され、手動パーティショニングでは使用できません。
注記ローカルで利用可能なすべてのストレージデバイス (SATA、IDE、SCSI ディスク、USB フラッシュ、および外部ディスク) は、Local Standard Disks に表示されます。インストールプログラムの起動後に接続したストレージデバイスは検出されません。リムーバブルドライブを使用して Red Hat Enterprise Linux をインストールする場合は、デバイスを削除するとシステムが使用できなくなります。
必要に応じて、画面右下の Refresh リンクをクリックして、新しいディスクに接続するローカルストレージデバイスを設定します。Rescan Disks ダイアログボックスが開きます。
注記インストール時に行ったストレージへの変更は、Rescan Disks をクリックするとすべて失われます。
- をクリックし、スキャン処理が完了するまで待ちます。
- Installation Destination 画面に戻ります。検出したディスク (新しいディスクを含む) はすべて、Local Standard Disks セクションに表示されます。 をクリックして、
オプション: 専用のストレージデバイスを追加するには、
をクリックします。ストレージデバイスの選択 画面が開き、インストールプログラムがアクセスするストレージデバイスのリストを表示します。
オプション: 自動パーティション設定を行う場合は、Storage Configuration で Automatic ラジオボタンを選択します。
重要自動パーティション設定は、ストレージをパーティション分割するのに推奨される方法です。パーティション設定はカスタマイズできます。詳細は、手動パーティションの設定 を参照してください。
- オプション: 既存のパーティション設定レイアウトから領域を解放するには、I would like to make additional space available を選択します。たとえば、使用するディスクに別のオペレーティングシステムが含まれており、このシステムのパーティションを小さくして、Red Hat Enterprise Linux 用の領域を広くする場合などです。
必要に応じて、データの暗号化 を選択し、Linux Unified Key Setup (LUKS) を使用して、(
/boot
などの) システムを起動する必要があるパーティションを除いた、すべてのパーティションを暗号化します。ディスクを暗号化することが推奨されます。ディスク暗号化パスフレーズ ダイアログボックスが開きます。
をクリックします。- パスフレーズ フィールドおよび 確認 フィールドに、パスフレーズを入力します。
- 警告
LUKS パスフレーズが分からなくなると、暗号化されたパーティションと、その上にあるデータには完全にアクセスできなくなります。分からなくなったパスフレーズを復元する方法はありません。ただし、キックスタートインストールを実行した場合は、インストール中に暗号パスフレーズを保存し、バックアップ用に暗号化パスフレーズを作成できます。詳細は、RHEL の自動インストール ドキュメントを参照してください。
必要に応じて、画面左下の 完全なディスク要約とブートローダー をクリックして、ブートローダーを追加するストレージデバイスを選択します。詳細は、ブートローダーの設定 を参照してください。
注記大概は、ブートローダーをデフォルトの場所に置いておくだけで十分です。たとえば、他のブートローダーからのチェーンロードを必要とするシステムなど、一部の設定ではブートドライブを手動で指定する必要があります。
- をクリックします。
オプション: 自動パーティション設定 および I would like to make additional space available オプションを選択した場合、または選択したディスクに Red Hat Enterprise Linux をインストールするのに十分な空き領域がない場合、Reclaim Disk Space ダイアログボックスが表示されます。そこには、設定されているすべてのディスクデバイスとそれらのデバイス上のすべてのパーティションがリスト表示されます。このダイアログボックスには、現在選択中のパッケージセットを使用したインストールを行う際にシステムに必要となる最小ディスク領域と、解放した領域の容量に関する情報が表示されます。解放プロセスを開始するには、以下を実行します。
- 表示された、利用可能なストレージデバイスのリストを確認します。再利用可能な領域 列には、各エントリーから再利用できる領域のサイズが表示されます。
- 領域を解放するディスクまたはパーティションを選択します。
- 既存のデータを保持しながらパーティション上の空き領域を使用するには、 ボタンを使用します。
- そのパーティション、または選択したディスク上の既存のデータを含むすべてのパーティションを削除するには、 ボタンを使用します。
- 既存のデータを含むすべてのディスク上のすべての既存のパーティションを削除し、この領域を Red Hat Enterprise Linux のインストールに使用できるようにするには、 ボタンを使用します。
- をクリックして変更を適用し、グラフィカルインストールに戻ります。
インストールの開始 をクリックするまで、ディスクへの変更は行われません。再利用 ダイアログボックスは、パーティションをサイズ変更や削除の対象としてマークするだけで、そのアクションはすぐには実行されません。
画面で10.1.2. ブートローダーの設定
Red Hat Enterprise Linux は、GRand Unified Bootloader バージョン 2 (GRUB2) を、AMD64、Intel 64、IBM Power Systems、および ARM として使用します。64 ビットの IBM Z では、zipl ブートローダーが使用されます。
ブートローダーは、システムの起動時に実行し、制御をオペレーティングシステムに読み込み、転送する最初のプログラムです。GRUB2 は、互換性のあるオペレーティングシステム (Microsoft Windows を含む) であれば起動可能で、チェーンロードを使用すれば、未対応のオペレーティングシステムのブートローダーにも読み込んだ指示を渡すことができます。
GRUB2 をインストールすると、既存のブートローダーを上書きできます。
オペレーティングシステムがすでにインストールされていると、Red Hat Enterprise Linux インストールプログラムはそのブートローダーを自動的に検出して、別のオペレーティングシステムを起動するように設定します。そのブートローダーが正しく検出されない場合は、インストールの完了後に、追加のオペレーティングシステムを手動で設定できます。
複数のディスクを搭載した Red Hat Enterprise Linux システムをインストールする場合は、ブートローダーをインストールするディスクを手動で指定することを推奨します。
手順
インストール先 画面で 完全なディスク要約とブートローダー をクリックします。選択したディスク ダイアログボックスが開きます。
ブートローダーは、選択したデバイス、または UEFI システムにインストールされます。ガイド付きパーティションの作成時に、そのデバイスに EFI システムパーティション が作成されます。
- 起動デバイスを変更するには、リストからデバイスを選択して をクリックします。起動デバイスとして設定できるデバイスは 1 つだけです。
- 新しいブートローダーのインストールを無効にする場合は、現在起動用として設定されているデバイスを選択し、GRUB2 がインストールされないようになります。 をクリックします。これにより、いずれのデバイスにも
ブートローダーをインストールしないを選択した場合は、システムを直接起動できなくなるため、別の起動方法 (市販のスタンドアロンのブートローダーアプリケーションなど) を使用しなければならなくなります。ブートローダーをインストールしないは、システムを起動させる方法が別に確保されている場合に限定してください。
ブートローダーは、システムが BIOS または UEFI のファームウェアを使用しているか、ブートドライブに GUID Partition Table (GPT) または Master Boot Record (MBR) (msdos
としても知られている) があるかどうかによって、特別なパーティションを作成する必要があります。自動パーティション作成を使用していると、インストールプログラムがパーティションを作成します。
10.1.3. ストレージデバイスの選択
ストレージデバイス選択画面には、インストールプログラムがアクセスできるストレージデバイスがリスト表示されます。システムや利用可能なハードウェアによっては、一部のタブが表示されない場合があります。デバイスは、次のタブに分類されます。
- マルチパスデバイス
同じシステムにある、複数の SCSI コントローラーやファイバーチャネルポートなどの複数のパスからアクセスできるストレージデバイスです。
重要インストールプログラムで検出できるのは、16 文字または 32 文字の長さのシリアル番号を持つマルチパスストレージデバイスのみです。
- その他の SAN デバイス
- SAN (Storage Area Network) 上にあるデバイスです。
- ファームウェア RAID
- ファームウェア RAID コントローラーに接続されているストレージデバイスです。
- NVDIMM デバイス
- 特定の状況下では、Red Hat Enterprise Linux 9 を、Intel 64 および AMD64 アーキテクチャー上の (NVDIMM) デバイスからセクターモードで起動して実行できます。
- System z デバイス
- zSeries Linux FCP (ファイバーチャネルプロトコル) ドライバーで接続されたストレージデバイスもしくは LUN (論理ユニット) です。
10.1.4. ストレージデバイスのフィルタリング
ストレージデバイス選択画面では、WWID (World Wide Identifier)、ポート、ターゲット、または論理ユニット番号 (LUN) のいずれかを使用して、ストレージデバイスをフィルタリングできます。
前提条件
Installation Summary 画面が開いている。
手順
- Installation Summary 画面から、Installation Destination をクリックします。Installation Destination ウィンドウが開き、使用可能なすべてのドライブがリスト表示されます。
- Specialized & Network Disks セクションで、 をクリックします。ストレージデバイスの選択画面が表示されます。
ポート、ターゲット、LUN、または WWID で検索するには、Search by タブをクリックします。
WWID または LUN で検索するには、対応する入力テキストフィールドに値を入力する必要があります。
- Search ドロップダウンメニューから必要なオプションを選択します。
- をクリックして検索を開始します。各デバイスと、対応するチェックボックスが、別の行に表示されます。
インストールプロセス時に必要なデバイスが利用できるようにするには、チェックボックスを選択します。
後続のインストールプロセスで、選択したデバイスの中から、Red Hat Enterprise Linux をインストールするデバイスを選択できます。その他のデバイスの中から、インストール済みシステムに自動的にマウントするものを選択できます。
注記- 選択したデバイスがインストールプロセスにより自動的に消去されることはなく、デバイスを選択しても、デバイスに保存されているデータが危険にさらされることはありません。
-
インストール後に
/etc/fstab
ファイルを変更することで、システムにデバイスを追加できます。
- Installation Destination ウィンドウに戻ります。 をクリックして
ここで選択しないストレージデバイスはすべて、インストールプログラムでは表示されなくなります。別のブートローダーからこのブートローダーをチェーンロードする場合は、ここに表示されているすべてのデバイスを選択します。
10.1.5. 高度なストレージオプションの使用
高度なストレージデバイスを使用するには、iSCSI (SCSI over TCP/IP) ターゲットまたは FCoE (Fibre Channel over Ethernet) の SAN (Storage Area Network) を設定できます。
インストールに iSCSI ストレージデバイスを使用する場合は、インストールプログラム側で iSCSI ストレージデバイスを iSCSI ターゲットとして検出し、そのターゲットにアクセスするための iSCSI セッションを作成できるようにする必要があります。各手順で、CHAP (Challenge Handshake Authentication Protocol) 認証用のユーザー名とパスワードが必要になる場合があります。さらに、検出、またはセッション作成のいずれの場合も、iSCSI ターゲット側でターゲットの接続先となるシステムの iSCSI イニシエーターを認証する (リバース CHAP) ように設定することもできます。CHAP とリバース CHAP を併用する場合は、相互 CHAP または双方向 CHAP と呼ばれます。相互 CHAP を使用すると、特に CHAP 認証とリバース CHAP 認証でユーザー名やパスワードが異なる場合などに、iSCSI 接続に対する最大限の安全レベルを確保できます。
iSCSI 検出と iSCSI ログインの手順を繰り返して、必要な iSCSI ストレージをすべて追加します。初回の検出試行後は、iSCSI イニシエーターの名前を変更できません。iSCSI イニシエーターの名前を変更する場合は、インストールを最初からやり直す必要があります。
10.1.5.1. iSCSI セッションの検出および開始
Red Hat Enterprise Linux インストーラーは、次の 2 つの方法で iSCSI ディスクを検出し、ログインできます。
- iBFT (iSCSI Boot Firmware Table)
-
インストーラーは、起動すると、システムの BIOS またはアドオンブート ROM が iBFT をサポートしているかどうかをチェックします。iBFT は、iSCSI から起動できるシステム用の BIOS 拡張です。BIOS が iBFT に対応している場合は、インストーラーは BIOS から設定済みのブートディスクの iSCSI ターゲット情報を読み取り、このターゲットにログインして、インストールターゲットとして利用可能にします。iSCSI ターゲットに自動的に接続するには、ターゲットにアクセスするためのネットワークデバイスをアクティブ化します。これを行うには、起動オプション
ip=ibft
を使用します。詳細は、ネットワーク起動オプション を参照してください。 - iSCSI ターゲットの手動検出および追加
- インストーラーのグラフィカルユーザーインターフェイスで iSCSI セッションを検出して開始し、使用可能な iSCSI ターゲット (ネットワークストレージデバイス) を特定できます。
前提条件
- Installation Summary 画面が開いている。
手順
- Installation Summary 画面から、Installation Destination をクリックします。Installation Destination ウィンドウが開き、使用可能なすべてのドライブがリスト表示されます。
- 特殊なディスクおよびネットワークディスク セクションで をクリックします。ストレージデバイスの選択画面が表示されます。
iSCSI ストレージターゲットの追加 画面が開きます。
をクリックします。重要この方法を使用して手動で追加した iSCSI ターゲットには
/boot
パーティションを置くことができません。/boot
パーティションを含む iSCSI ターゲットを iBFT で使用するように設定する必要があります。ただし、インストールされたシステムが、たとえば iPXE を使用して、ファームウェアの iBFT 以外の方法で提供された iBFT 設定で iSCSI から起動する場合は、inst.nonibftiscsiboot
インストーラー起動オプションを使用して/boot
パーティション制限を削除できます。- ターゲットの IP アドレス フィールドに、iSCSI ターゲットの IP アドレスを入力します。
iSCSI イニシエーター名 フィールドに、iSCSI 修飾名 (IQN) の形式で iSCSI イニシエーターの名前を入力します。IQN エントリーには次を含めてください。
-
iqn.
の文字列 (ピリオドが必要)。 -
日付コード (企業や組織のインターネットドメイン名またはサブドメイン名が登録された年と月。記述の順序は年を表す 4 桁の数字、ハイフン、月を表す 2 桁の数字、ピリオドの順で設定されます)。たとえば、2010 年 9 月の場合は
2010-09.
のようになります。 -
企業や組織のインターネットのドメイン名またはサブドメイン名 (トップレベルのドメインを先頭にして逆順で表します)。たとえば、
storage.example.com
のサブドメインは、com.example.storage
のようになります。 コロン (:) と、ドメインまたはサブドメイン内でその iSCSI イニシエーターを固有に識別する文字列。たとえば、
:diskarrays-sn-a8675309
のようになります。完全な IQN は
iqn.2010-09.storage.example.com:diskarrays-sn-a8675309
のようになります。インストールプログラムでは、IQN を設定しやすいように、この形式による任意の名前がすでにiSCSI Initiator Name
フィールドに自動入力されています。IQN の詳細は、tools.ietf.org の RFC 3720 - Internet Small Computer Systems Interface (iSCSI) に記載されている 3.2.6. iSCSI Names と、tools.ietf.org の RFC 3721 - Internet Small Computer Systems Interface (iSCSI) Naming and Discovery に記載されている 1. iSCSI Names and Addresses を参照してください。
-
認証のタイプの探索
ドロップダウンメニューを使用して、iSCSI 検出に使用する認証タイプを指定します。以下のタイプが使用できます。- 証明書なし
- CHAP 秘密鍵
- CHAP 秘密鍵とリバースペア
次のいずれかを行います。
-
認証タイプに
CHAP ペア
を選択した場合は、CHAP ユーザー名
とCHAP パスワード
の各フィールドに、iSCSI ターゲットのユーザー名とパスワードを入力します。 -
認証タイプに
CHAP 秘密鍵と逆順鍵
を選択した場合は、CHAP ユーザー名
とCHAP パスワード
の各フィールドに、iSCSI ターゲットのユーザー名とパスワードを入力します。また、リバース CHAP ユーザー名
とCHAP パスワード
の各フィールドに、iSCSI イニシエーターのユーザー名とパスワードを入力します。
-
認証タイプに
-
オプション:
Bind targets to network interfaces
チェックボックスをオンにします。 入力した情報に基づいて、インストールプログラムが iSCSI ターゲットを調べます。検出に成功すると、
iSCSI ターゲットを追加
画面には、ターゲットで検出された iSCSI ノードのリストが表示されます。インストールに使用するノードのチェックボックスを選択します。
ノードのログイン認証のタイプ
メニューには、認証のタイプの探索
メニューと同じオプションがあります。ただし、ディスカバリー認証に証明書が必要な場合は、見つかったノードに同じ証明書を使用してログインします。-
探索に証明書を使用
ドロップダウンメニューをクリックします。適切な認証情報を指定すると、 ボタンが利用可能になります。 - をクリックして、iSCSI セッションを開始します。
インストーラーは iscsiadm
を使用して iSCSI ターゲットを検索し、ログインしますが、iscsiadm
は自動的にこれらのターゲットに関する情報を iscsiadm
iSCSI データベースに保存します。その後、インストーラーはこのデータベースをインストール済みシステムにコピーし、root パーティションに使用されていない iSCSI ターゲットをマークします。これにより、システムは起動時に自動的にそのターゲットにログインします。root パーティションが iSCSI ターゲットに配置されている場合、initrd
がこのターゲットにログインするため、インストーラーは、同じターゲットへのログインが複数回試行されるのを避けるために、このターゲットを起動スクリプトに含めません。
10.1.5.2. FCoE パラメーターの設定
FCoE パラメーターを適切に設定することで、Installation Destination ウィンドウから FCoE (Fibre Channel over Ethernet) デバイスを検出できます。
前提条件
Installation Summary 画面が開いている。
手順
- Installation Summary 画面から、Installation Destination をクリックします。Installation Destination ウィンドウが開き、使用可能なすべてのドライブがリスト表示されます。
- Specialized & Network Disks セクションで、 をクリックします。ストレージデバイスの選択画面が表示されます。
- をクリックします。FCoE ストレージデバイスを検出するようにネットワークインターフェイスを設定するダイアログボックスが開きます。
-
NIC
ドロップダウンメニューで、FCoE スイッチに接続するネットワークインターフェイスを選択します。 - をクリックして、SAN デバイスのネットワークをスキャンします。
必要なチェックボックスを選択します。
- Use DCB: Data Center Bridging (DCB) は、ストレージネットワークやクラスターでイーサネット接続の効率性を向上させる目的で設計されたイーサネットプロトコルに対する拡張セットです。このチェックボックスを選択して、インストールプログラムによる DCB 認識を有効または無効にします。このオプションは、ネットワークインターフェイスでホストベースの DCBX クライアントを必要とする場合にのみ有効にします。ハードウェアの DCBX クライアントを使用するインターフェイスで設定する場合は、このチェックボックスを無効にします。
- Use auto vlan: 自動 VLAN はデフォルトで有効になり、VLAN 検出を行うかどうかを指定します。このチェックボックスを選択すると、リンク設定が検証された後、イーサネットインターフェイスで FIP (FCoE Initiation Protocol) VLAN 検出プロトコルが実行します。設定が行われていない場合は、検出されたすべての FCoE VLAN に対してネットワークインターフェイスが自動的に作成され、VLAN インターフェイスに FCoE のインスタンスが作成されます。
-
検出された FCoE デバイスが、インストール先 画面の
他の SAN デバイス
タブに表示されます。
10.1.5.3. DASD ストレージデバイスの設定
Installation Destination ウィンドウから DASD ストレージデバイスを検出して設定できます。
前提条件
Installation Summary 画面が開いている。
手順
- Installation Summary 画面から、Installation Destination をクリックします。Installation Destination ウィンドウが開き、使用可能なすべてのドライブがリスト表示されます。
- Specialized & Network Disks セクションで、 をクリックします。ストレージデバイスの選択画面が表示されます。
- DASD ストレージターゲットの追加 ダイアログボックスが開いて、0.0.0204 などのデバイス番号を指定し、インストールの開始時に検出されなかった DASD を登録するように求められます。 をクリックします。
- デバイス番号 フィールドに、接続する DASD のデバイス番号を入力します。
- をクリックします。
-
指定したデバイス番号を持つ DASD が検出され、その DASD が接続されていない場合は、ダイアログボックスが閉じ、新たに検出されたドライブが、ドライブのリストに表示されます。次に、必要なデバイスのチェックボックスを選択して、インストール先 画面の ローカルの標準ディスク セクションで、新しい DASD が選択できるようになります (
DASD device 0.0.xxxx
と表示されます)。 をクリックします。 - 無効なデバイス番号を入力した場合、または指定したデバイス番号の DASD がすでにシステムに割り当てられている場合は、ダイアログボックスにエラーメッセージとその理由が表示され、別のデバイス番号で再試行するように求められます。
10.1.5.4. FCP デバイスの設定
FCP デバイスは、64 ビットの IBM Z が DASD デバイスの代わりに、または DASD デバイスに加えて、SCSI デバイスを使用できるようにするものです。FCP デバイスは交換ファブリックスイッチを提供し、これにより 64 ビットの IBM Z システムが SCSI LUN を従来の DASD デバイスとして用いる使い方に加えて、ディスクデバイスとして使えるようにします。
前提条件
- Installation Summary 画面が開いている。
-
FCP のみのインストールで、DASD がないことを示すために、CMS 設定ファイルから
DASD=
オプションを削除するか、パラメーターファイルからrd.dasd=
オプションを削除した。
手順
- Installation Summary 画面から、Installation Destination をクリックします。Installation Destination ウィンドウが開き、使用可能なすべてのドライブがリスト表示されます。
- Specialized & Network Disks セクションで、 をクリックします。ストレージデバイスの選択画面が表示されます。
Add zFCP Storage Target ダイアログボックスが開き、FCP (ファイバーチャネルプロトコル) ストレージデバイスを追加できます。
をクリックします。64 ビットの IBM Z では、インストールプログラムが FCP LUN をアクティベートするために、FCP デバイスを手動で入力する必要があります。これは、グラフィカルインストールで指定するか、パラメーターもしくは CMS 設定ファイル内で一意のパラメーターエントリーとして指定することで可能になります。設定する各サイトに固有の値を入力する必要があります。
- 4 桁の 16 進数のデバイス番号を、デバイス番号 フィールドに入力します。
RHEL-9.0 以前のリリースをインストールする場合、
zFCP
デバイスが NPIV モードで設定されていない場合や、zfcp.allow_lun_scan=0
カーネルモジュールパラメーターでauto LUN
スキャンが無効になっている場合は、以下の値を指定します。- 16 桁の 16 進数の WWPN (World Wide Port Number) を、WWPN フィールドに入力します。
- 16 桁の 16 進数の FCP LUN 識別子を、LUN フィールドに入力します。
- をクリックして、FCP デバイスに接続します。
新たに追加されたデバイスは、インストール先 画面の System z デバイス のタブに表示されます。
- FCP デバイスの対話形式の作成は、グラフィカルモードでのみ可能です。テキストモードのインストールでは、FCP デバイスを対話形式で設定することはできません。
- 16 進法で小文字のみを使用してください。間違った値を入力して をクリックすると、インストールプログラムにより警告が表示されます。設定情報の編集と、探索の再試行が可能です。
- 値の詳細は、ハードウェアに添付のドキュメントを参照し、システム管理者に確認してください。
10.1.6. NVDIMM デバイスへのインストール
不揮発性デュアルインラインメモリーモジュール (NVDIMM) デバイスは、電源が供給されていない時に、RAM のパフォーマンスと、ディスクのようなデータの持続性を兼ね備えています。特定の状況下では、NVDIMM デバイスから Red Hat Enterprise Linux 9 を起動して実行できます。
10.1.6.1. NVDIMM デバイスをインストール先として使用するための基準
Red Hat Enterprise Linux 9 は、nd_pmem ドライバーがサポートする Intel 64 アーキテクチャーおよび AMD64 アーキテクチャーにある、セクターモードの不揮発性デュアルインラインメモリーモジュール (NVDIMM) デバイスにインストールできます。
NVDIMM デバイスをストレージとして使用するための条件
NVDIMM デバイスをストレージとして使用するには、次の条件を満たす必要があります。
- システムのアーキテクチャーが Intel 64 または AMD64 である。
- NVDIMM デバイスがセクターモードに設定されている。インストールプログラムにより NVDIMM デバイスをこのモードに再設定できます。
- NVDIMM デバイスが、nd_pmem ドライバーで対応している。
NVDIMM デバイスからの起動の条件
以下の条件が満たされる場合には、NVDIMM デバイスからの起動が可能です。
- NVDIMM デバイスを使用するための条件がすべて満たされている。
- システムが UEFI を使用している。
- システムで使用可能なファームウェアまたは UEFI ドライバーが NVDIMM デバイスをサポートしている。UEFI ドライバーは、デバイス自体のオプション ROM から読み込むことができます。
- NVDIMM デバイスが名前空間で利用可能である。
システムの起動中に高性能な NVDIMM デバイスを利用するには、/boot
ディレクトリーおよび /boot/efi
ディレクトリーをデバイスに置きます。NVDIMM デバイスの XIP (Execute-in-place) 機能は、起動時にはサポートされません。カーネルは従来どおりメモリーに読み込まれます。
10.1.6.2. グラフィカルインストールモードを使用した NVDIMM デバイスの設定
不揮発性デュアルインラインメモリーモジュール (NVDIMM) デバイスは、Red Hat Enterprise Linux 9 で使用するために、グラフィカルインストールを使用して正しく設定する必要があります。
NVDIMM デバイスを再設定するプロセスにより、デバイスに格納されていたデータがすべて失われます。
前提条件
- NVDIMM デバイスがシステムに存在し、その他の、インストールターゲットとして使用するための条件を満たしている。
- インストールが起動し、インストール概要 画面が開いている。
手順
- Installation Summary 画面から、Installation Destination をクリックします。Installation Destination ウィンドウが開き、使用可能なすべてのドライブがリスト表示されます。
- 特殊なディスクおよびネットワークディスク セクションで をクリックします。ストレージデバイスの選択画面が表示されます。
- NVDIMM デバイス タブをクリックします。
デバイスを再設定する場合は、リストから選択します。
デバイスがリストにない場合は、セクターモードになっていません。
- をクリックします。再設定ダイアログが開きます。
必要なセクターサイズを入力し、
をクリックします。サポートされるセクターサイズは 512 バイトおよび 4096 バイトです。
- 再設定が終了したら、 をクリックします。
- デバイスのチェックボックスを選択します。
Installation Destination ウィンドウに戻ります。
をクリックして再設定した NVDIMM は、特殊なディスクおよびネットワークディスク セクションに表示されます。
- インストール概要 画面に戻ります。 をクリックして、
NVDIMM デバイスがインストール先として選択できるようになります。デバイスが起動の要件を満たしている場合は、そのように設定できます。
10.2. root ユーザーの設定とローカルアカウントの作成
10.2.1. root パスワードの設定
インストールプロセスを完了し、管理者 (スーパーユーザーまたは root としても知られている) アカウントでログインするには、root
パスワードを設定する必要があります。これらのタスクには、ソフトウェアパッケージのインストールおよび更新と、ネットワーク、ファイアウォール設定、ストレージオプションなどのシステム全体の設定の変更と、ユーザー、グループ、およびファイルのパーミッションの追加または修正が含まれます。
インストール済みシステムに root 権限を取得するには、以下のいずれか、両方の方法を行います。
- root アカウントの使用
-
管理者権限を持つユーザーアカウント (wheel グループのメンバー) の作成。
root
アカウントは、インストール中に作成されます。管理者アクセスが必要なタスクを実行する必要がある場合に限り、管理者アカウントに切り替えてください。
root
アカウントは、システムを完全に制御できます。このアカウントへのアクセスを不正に入手すると、ユーザーの個人ファイルへのアクセスや削除が可能になります。
手順
- インストール概要 画面から、ユーザー設定 > root パスワード を選択します。root パスワード 画面が開きます。
root パスワード フィールドにパスワードを入力します。
強固な root パスワードを作成する際の必須要件と推奨事項を以下に示します。
- 最低でも 8 文字の長さが 必要
- 数字、文字 (大文字と小文字)、記号を含めることができる
- 大文字と小文字が区別される
- 確認 フィールドにも同じパスワードを入力します。
-
必要に応じて
Lock root account
オプションを選択して、システムへの root アクセスを無効にします。 -
必要に応じて、
Allow root SSH login with password
オプションを選択し、root ユーザーとしてのこのシステムへの SSH アクセスを有効にします (パスワードを使用)。デフォルトでは、パスワードベースの SSH root アクセスは無効になっています。 インストール概要 画面に戻ります。
をクリックして root パスワードを確定し、注記弱いパスワードを使用した場合は、
を 2 回クリックする必要があります。
10.2.2. ユーザーアカウントの作成
ユーザーアカウントを作成してインストールを完了することが推奨されます。ユーザーアカウントを作成しない場合は、 root
ユーザーとしてシステムに直接ログインする必要がありますが、この方法は推奨されていません。
手順
- インストール概要画面 で、ユーザー設定 > ユーザーの作成 を選択します。ユーザーの作成 画面が開きます。
- フルネーム フィールドに、ユーザーアカウント名 (John Smith など) を入力します。
ユーザー名 フィールドに、ユーザー名 (jsmith など) を入力します。
注記コマンドラインからログインするには、ユーザー名 を使用します。 グラフィカル環境をインストールする場合、グラフィカルログインマネージャーは、フルネーム を使用します。
ユーザーに管理者権限が必要な場合は、このユーザーを管理者にする チェックボックスを選択します (インストールプログラムにより、このユーザーが
wheel
グループに追加されます)。重要管理者ユーザーは、
sudo
コマンドを実行し、root
パスワードの代わりにユーザーパスワードを使用して、root
のみが実行できるタスクを実行できます。こちらを使用した方が便利な場合もありますが、セキュリティーリスクを引き起こす可能性があります。Require a password to use this account チェックボックスを選択します。
警告ユーザーに管理者権限を付与する場合は、そのアカウントがパスワードで保護されていることを確認してください。アカウントにパスワードを割り当てない場合は、ユーザーに管理者特権を与えないでください。
- Password フィールドにパスワードを入力します。
- Confirm password フィールドに同じパスワードを入力します。
- Installation Summary 画面に戻ります。 をクリックして変更を適用し、
10.2.3. ユーザーの詳細設定の編集
以下の手順では、Advanced User Configuration ダイアログボックスでユーザーアカウントのデフォルト設定を編集する方法を説明します。
手順
- Create User 画面で、 をクリックします。
-
必要に応じて、Home directory フィールドの詳細を変更します。このフィールドには、デフォルトで
/home/username
が表示されます。 User and Groups IDs セクションでは、次のことができます。
Specify a user ID manually チェックボックスを選択し、 または を使用して、必要な値を入力します。
注記デフォルト値は 1000 です。ユーザー ID (UID) の 0 ~ 999 はシステムが予約しているため、ユーザーに割り当てることができません。
Specify a group ID manually チェックボックスを選択し、 または を使用して、必要な値を入力します。
注記デフォルトのグループ名はユーザー名と同じで、デフォルトのグループ ID (GID) は 1000 です。GID の 0 ~ 999 はシステムが予約しているため、ユーザーグループに割り当てることができません。
Group Membership フィールドに、コンマ区切りの追加グループリストを指定します。グループが存在しない場合は作成されます。追加されるグループにカスタムの GID を指定する場合は、カスタムの GID を括弧に入れて指定します。新しいグループにカスタムの GID を指定しない場合は、GID が自動的に割り当てられます。
注記作成されたユーザーアカウントには、デフォルトグループメンバーシップが常に 1 つあります (Specify a group ID manually フィールドに設定した ID を持つユーザーのデフォルトグループ)。
- Create User 画面に戻ります。 をクリックして更新を適用し、
10.3. 手動パーティションの設定
手動パーティション設定を使用して、ディスクパーティションおよびマウントポイントを設定し、Red Hat Enterprise Linux がインストールされているファイルシステムを定義できます。
インストールの前に、ディスクデバイスにパーティションを設定するかどうかを検討する必要があります。直接または LVM を使用して、LUN でパーティショニングを使用することの利点と欠点の詳細については、https://access.redhat.com/solutions/163853 の記事を参照してください。
Standard Partitions
、LVM
、LVM thin provisioning
など、さまざまなパーティションおよびストレージオプションが利用できます。これらのオプションは、システムのストレージを効果的に管理するうえで、さまざまな利点と設定を提供します。
- 標準パーティション
-
標準パーティションには、ファイルシステムやスワップ領域が格納されます。標準パーティションは、
/boot
、BIOS Boot
、およびEFI System パーティション
で最も一般的に使用されます。その他のほとんどの用途には、LVM 論理ボリュームが推奨されます。 - LVM
-
デバイスタイプに
LVM
(または論理ボリューム管理) を選択すると、LVM 論理ボリュームが作成されます。LVM は、物理ディスク使用時のパフォーマンスを向上させます。また、パフォーマンスや信頼性を向上させる高度な設定 (1 つのマウントポイントに複数の物理ディスクを使用する、ソフトウェア RAID を設定するなど) を可能にします。 - LVM シンプロビジョニング
- シンプロビジョニングを使用すると、シンプールと呼ばれる、空き領域のストレージプールを管理でき、アプリケーションで必要になった時に任意の数のデバイスに割り当てることができます。ストレージ領域の割り当ての費用対効果を高くする必要がある場合は、プールを動的に拡張できます。
Red Hat Enterprise Linux のインストールで最低限必要なパーティションは 1 つですが、Red Hat は、少なくとも /
、/home
、/boot
、swap
のパーティションまたはボリュームを使用することを推奨します。必要に応じて、その他のパーティションやボリュームを作成することもできます。
データを失わないように、先に進める前に、データのバックアップを作成しておくことが推奨されます。デュアルブートシステムをアップグレードまたは作成する場合は、保存しておくストレージデバイスの全データのバックアップを作成してください。
10.3.1. 推奨されるパーティション設定スキーム
Red Hat は、以下のマウントポイントで、異なるファイルシステムを作成することを推奨します。ただし、必要に応じて /usr
、/var
および /tmp
のマウントポイントでファイルシステムを作成することもできます。
-
/boot
-
/
(root) -
/home
-
swap
-
/boot/efi
-
PReP
このパーティションスキームは、ベアメタルのデプロイメントに推奨されますが、仮想およびクラウドのデプロイメントには適用されません。
/boot
パーティション (最小限 1 GiB のサイズを推奨)/boot
にマウントするパーティションには、オペレーティングシステムのカーネルが含まれます。これにより、起動プロセス中に使用されるファイルと共に Red Hat Enterprise Linux 9 が起動します。大概のファームウェアには制限があるため、そのファームウェアを格納する小さいパーティションを作成することが推奨されます。ほとんどの場合は、1 GiB の boot パーティションで十分です。その他のマウントポイントとは異なり、LVM ボリュームを/boot
に使用することはできません。/boot
は、別のディスクパーティションに置く必要があります。警告-
通常、
/boot
パーティションは、インストールプログラムにより自動的に作成されます。ただし、/
(ルート) パーティションが 2 TiB を超え、起動に (U)EFI を使用する場合は、マシンを正常に起動させるため、2 TiB 未満の/boot
パーティションを別途作成する必要があります。 -
手動でパーティション設定する場合は、必ず
/boot
パーティションをディスクの最初の 2 TB 以内に配置してください。/boot
パーティションを 2 TB の境界を超えて配置すると、インストールが成功しても、システムが起動に失敗します。この制限を超える/boot
パーティションを BIOS が読み取れないためです。
注記RAID カードを実装している場合、BIOS タイプは、RAID カードからの起動に対応していない場合がある点に注意してください。これに該当する場合は、
/boot
パーティションは別のディスクなどの RAID アレイ以外のパーティションに作成する必要があります。-
通常、
/
(10 GiB のサイズを推奨)ここは "
/
"、つまりルートディレクトリーが配置される場所です。ルートディレクトリーは、ディレクトリー構造のトップレベルです。デフォルトでは、書き込み先のパスに別のファイルシステムがマウントされていない限り (/boot
、/home
など)、すべてのファイルがこのファイルシステムに書き込まれます。root ファイルシステムが 5 GiB の場合は最小インストールが可能ですが、パッケージグループをいくつでもインストールできるように、少なくとも 10 GiB を割り当てておくことが推奨されます。
重要/
ディレクトリーと、/root
ディレクトリーを混合しないように注意してください。/root
ディレクトリーは、root ユーザーのホームディレクトリーになります。/root
ディレクトリーは、root ディレクトリーと区別するため、スラッシュルート と呼ばれることがあります。/home
(1 GiB 以上のサイズを推奨)-
システムデータとユーザーデータを別々に格納する場合は、
/home
ディレクトリー用の専用ファイルシステムを作成します。ファイルシステムのサイズは、ローカルで保存するデータ量やユーザー数などを基に決定してください。こうすることで、ユーザーデータのファイルを消去せずに Red Hat Enterprise Linux 9 をアップグレードしたり、再インストールできるようになります。自動パーティション設定を選択する場合は、/home
ファイルシステムが確実に作成されるように、インストールに少なくとも 55 GiB のディスク領域を確保しておくことを推奨します。 swap
パーティション (1 GiB 以上のサイズを推奨)仮想メモリーは、swap ファイルシステムによりサポートされています。つまり、システムが処理しているデータを格納する RAM が不足すると、そのデータは swap ファイルシステムに書き込まれます。swap サイズはシステムメモリーのワークロードに依存するため、システムメモリーの合計ではありません。したがって、システムメモリーサイズの合計とは等しくなりません。システムメモリーの作業負荷を判断するためには、システムで実行するアプリケーションの種類、およびそのアプリケーションにより生じる負荷を分析することが重要になります。アプリケーションにより生じる負荷に関するガイダンスは、アプリケーション提供元または開発側より提供されます。
システムで swap 領域が不足すると、システムの RAM メモリーがすべて使用されるため、カーネルがプロセスを終了します。swap 領域が大き過ぎても、割り当てられているストレージデバイスがアイドル状態となり、リソース運用面では効率が悪くなります。また、swap 領域が大き過ぎるとメモリーリークに気付きにくくなる可能性があります。swap パーティションの最大サイズおよび詳細は、
mkswap(8)
の man ページを参照してください。システムの RAM の容量別に推奨される swap サイズと、ハイバネートするのに十分なサイズを以下の表に示します。インストールプログラムでシステムのパーティション設定を自動的に設定すると、swap パーティションのサイズはこのガイドラインに沿って決められます。自動パーティション設定では、ハイバネートは使用しないことを前提としています。このため、swap パーティションの上限がディスクの合計サイズの最大 10% に制限され、インストールプログラムでは、1 TiB を上回るサイズの swap パーティションが作成されません。ハイバネートを行うために十分な swap 領域を設定したい場合、もしくはシステムのストレージ領域の 10% 以上を swap パーティションに設定したい場合、または 1 TiB を超えるサイズにしたい場合は、パーティション設定のレイアウトを手動で編集する必要があります。
システム内の RAM の容量 | 推奨されるスワップ領域 | ハイバネートを許可する場合に推奨されるスワップ領域 |
---|---|---|
2 GiB 未満 | RAM 容量の 2 倍 | RAM 容量の 3 倍 |
2 GiB - 8 GiB | RAM 容量と同じ | RAM 容量の 2 倍 |
8 GiB - 64 GiB | 4 GiB から RAM 容量の半分まで | RAM 容量の 1.5 倍 |
64 GiB を超える場合 | ワークロードによる (最小 4 GiB) | ハイバネートは推奨されない |
/boot/efi
パーティション (サイズは 200 MiB を推奨)- UEFI ベースの AMD64、Intel 64、および 64 ビットの ARM は、200 MiB の EFI システムパーティションが必要です。推奨される最小サイズは 200 MiB で、デフォルトサイズは 600 MiB で、最大サイズは 600 MiB です。BIOS システムは、EFI システムパーティションを必要としません。
値が、範囲の境界線上にある場合 (システムの RAM が 2 GiB、8 GiB、または 64 GiB などの場合)、swap 領域の決定やハイバネートへのサポートは適宜判断してください。システムリソースに余裕がある場合は、スワップ領域を増やすとパフォーマンスが向上することがあります。
swap 領域を複数のストレージデバイスに分散させても、swap 領域のパフォーマンスが向上します (高速ドライブやコントローラー、インターフェイスなどを備えたシステムで特に効果的)。
多くのシステムでは、パーティションおよびボリュームの数は上述の最小数より多くなります。パーティション設定は、システム固有のニーズに応じて決定してください。
- すぐに必要となるパーティションにのみストレージ容量を割り当ててください。必要に応じて空き容量をいつでも割り当てることができます。
- パーティションを設定する方法が分からない場合は、インストールプログラムで提供されているデフォルトの自動パーティションのレイアウトをご利用ください。
PReP
起動パーティション (4 - 8 MiB のサイズを推奨)-
IBM Power System サーバーに Red Hat Enterprise Linux をインストールする場合は、ディスクの最初のパーティションに
PReP
起動パーティションが含まれている必要があります。これには、他の IBM Power Systems サーバーで Red Hat Enterprise Linux を起動できるようにする GRUB2 ブートローダーが含まれます。
10.3.2. サポート対象のハードウェアストレージ
Red Hat Enterprise Linux のメジャーバージョン間でストレージ技術がどのように設定され、そのサポートがどのように変更したかを理解することが重要になります。
ハードウェア RAID
インストールプロセスを開始する前に、コンピューターのマザーボードが提供する RAID 機能、またはコントローラーカードが接続する RAID 機能を設定する必要があります。アクティブな RAID アレイは、それぞれ Red Hat Enterprise Linux 内で 1 つのドライブとして表示されます。
ソフトウェア RAID
システムに複数のディスクが搭載されている場合は、Red Hat Enterprise Linux インストールプログラムを使用して、複数のドライブを 1 つの Linux ソフトウェア RAID アレイとして動作させることができます。ソフトウェア RAID アレイを使用すると、RAID 機能は専用のハードウェアではなく、オペレーティングシステムにより制御されることになります。
以前から存在している RAID アレイの全メンバーデバイスが、パーティションが設定されていないディスクまたはドライブの場合、インストールプログラムは、アレイをディスクとして扱い、アレイを削除する方法はありません。
USB ディスク
インストール後に外付け USB ストレージを接続して設定できます。ほとんどのデバイスはカーネルにより認識されますが、認識されないデバイスもあります。インストール中にこれらのディスクを設定する必要がない場合は切断して、潜在的な問題を回避してください。
NVDIMM デバイス
不揮発性デュアルインラインメモリーモジュール (NVDIMM) デバイスをストレージとして使用するには、次の条件を満たす必要があります。
- システムのアーキテクチャーが Intel 64 または AMD64 である。
- デバイスが、セクターモードに設定されている。Anaconda で、NVDIMM デバイスをこのモードに再設定できます。
- nd_pmem ドライバーがそのデバイスに対応している。
さらに以下の条件が満たされる場合には、NVDIMM デバイスからの起動が可能です。
- システムが UEFI を使用している。
- システムで使用可能なファームウェアまたは UEFI ドライバーがデバイスをサポートしている。UEFI ドライバーは、デバイス自体のオプション ROM から読み込むことができます。
- デバイスが名前空間で利用可能である。
システムの起動中に高性能な NVDIMM デバイスを利用するには、デバイスに /boot
ディレクトリーおよび /boot/efi
ディレクトリーを置きます。
NVDIMM デバイスの XIP (Execute-in-place) 機能は、起動時にはサポートされません。カーネルは従来どおりメモリーに読み込まれます。
Intel の BIOS RAID に関する注意点
Red Hat Enterprise Linux は、Intel BIOS RAID セットへのインストールに、mdraid
を使用します。このセットは起動プロセスで自動検出されるため、起動するたびにデバイスノードパスが変わる可能性があります。デバイスノードのパス (/dev/sda
など) を、ファイルシステムのラベルまたはデバイスの UUID に置き換えることが推奨されます。ファイルシステムのラベルとデバイスの UUID は、blkid
コマンドを使用すると確認できます。
10.3.3. 手動パーティションの設定
手動パーティション設定を使用すると、要件に基づいてディスクのパーティションを設定できます。
前提条件
- Installation Summary 画面が開いている。
- インストールプログラムで、すべてのディスクが利用可能である。
手順
インストールに使用するディスクを選択します。
- インストール先 をクリックして、インストール先 画面を開きます。
- 対応するアイコンをクリックして、インストールに必要なディスクを選択します。選択したディスクにはチェックマークが表示されています。
- ストレージの設定 で、カスタム ラジオボタンを選択します。
- 必要に応じて、LUKS によるストレージの暗号化を有効にする場合は、データを暗号化する チェックボックスを選択します。
- をクリックします。
ストレージの暗号化を選択した場合は、ディスク暗号化パスフレーズを入力するダイアログボックスが開きます。LUKS パスフレーズを入力します。
2 つのテキストフィールドにパスフレーズを入力してください。キーボードレイアウトを切り替えるには、キーボードアイコンを使用します。
警告パスフレーズを入力するダイアログボックスでは、キーボードレイアウトを変更できません。インストールプログラムでパスフレーズを入力するには、英語のキーボードレイアウトを選択します。
- 手動パーティション設定 画面が開きます。 をクリックします。
削除したマウントポイントが、左側のペインにリスト表示されます。マウントポイントは、検出されたオペレーティングシステムのインストールごとにまとめられています。したがって、複数のインストールでパーティションを共有していると、ファイルシステムによっては複数回表示されることがあります。
左側のペインでマウントポイントを選択します。カスタマイズ可能なオプションが右側のペインに表示されます。
注記システムに既存のファイルシステムがある場合には、インストールに十分な領域があることを確認してください。パーティションを削除するには、リストから選択して、
ボタンをクリックします。ダイアログには、削除されたパーティションが属するシステムが使用しているその他のパーティションをすべて削除するチェックボックスがあります。
既存のパーティションがなく、出発点として推奨されるパーティションセットを作成する場合は、左側のペインから、使用するパーティションスキーム (Red Hat Enterprise Linux のデフォルトは LVM) を選択し、ここをクリックすると自動的に作成します リンクをクリックします。
利用可能なストレージのサイズに比例して、
/boot
パーティション、/
(root) ボリューム、およびswap
ボリュームが作成され、左側のペインに表示されます。これは、一般的なインストールに推奨されるファイルシステムですが、ファイルシステムやマウントポイントを追加することもできます。
- インストール概要 画面に戻ります。 をクリックして変更を適用し、
10.3.4. 対応ファイルシステム
手動パーティション設定を行うと、Red Hat Enterprise Linux で利用可能なさまざまなファイルシステムとパーティションタイプを利用して、パフォーマンスを最適化し、互換性を確保し、ディスク領域を効率的に管理できます。
- xfs
-
XFS
は、最大 16 エクサバイト (約 1600 万テラバイト) のファイルシステム、最大 8 エクサバイト (約 800 万テラバイト) のファイル、および数千万のエントリーを含むディレクトリー構造に対応する、スケーラビリティーが高く高性能なファイルシステムです。XFS
は、メタデータジャーナリングもサポートしているため、クラッシュに対するより迅速な復元が容易になります。1 つの XFS ファイルシステムで対応している最大サイズは 500 TB です。XFS
は、Red Hat Enterprise Linux でデフォルトの、推奨されるファイルシステムです。XFS ファイルシステムは縮小して空き領域を確保することはできません。 - ext4
-
ext4
ファイルシステムは、ext3
ファイルシステムをベースとし、改善が加えられています。より大きなファイルシステム、そしてより大きなファイルに対応するようになり、ディスク領域の割り当てに要する時間が短縮され効率化されています。また、ディレクトリー内のサブディレクトリーの数に制限がなく、ファイルシステムチェックが速くなり、ジャーナリングがより強力になりました。1 つのext4
ファイルシステムで対応している最大サイズは 50 TB です。 - ext3
-
ext3
ファイルシステムはext2
ファイルシステムをベースとし、ジャーナリング機能という大きな利点を備えています。ジャーナリングファイルシステムを使用すると、クラッシュが発生するたびに fsck ユーティリティーを実行してメタデータの整合性をチェックする必要がないため、突然終了したあとに、ファイルシステムの復元に要する時間を短縮できます。 - ext2
-
ext2
ファイルシステムは標準の Unix ファイルタイプに対応しています (通常のファイル、ディレクトリー、シンボリックリンクなど)。最大 255 文字までの長いファイル名を割り当てることができます。 - swap
- swap パーティションは、仮想メモリーに対応するために使用されます。つまり、システムが処理しているデータを格納する RAM が不足すると、そのデータが swap パーティションに書き込まれます。
- vfat
VFAT
ファイルシステムは Linux ファイルシステムです。FAT ファイルシステムにある Microsoft Windows の長いファイル名と互換性があります。注記Linux システムパーティションでは、
VFAT
ファイルシステムのサポートは利用できません。たとえば、/
、/var
、/usr
などです。- BIOS ブート
- BIOS 互換モードで、BIOS システムおよび UEFI システムの GUID パーティションテーブル (GPT) を使用するデバイスから起動するのに必要な、非常に小さいパーティションです。
- EFI システムパーティション
- UEFI システムの GUID パーティションテーブル (GPT) でデバイスを起動する場合に必要な、小さいパーティションです。
- PReP
-
この小さなブートパーティションは、ディスクの最初のパーティションにあります。
PReP
起動パーティションには GRUB2 ブートローダーが含まれ、その他の IBM Power Systems サーバーが Red Hat Enterprise Linux を起動できるようにします。
10.3.5. マウントポイントのファイルシステム追加
マウントポイントのファイルシステムは複数追加できます。XFS、ext4、ext3、ext2、swap、VFAT、および BIOS ブート、EFI システムパーティション、PReP などの特定のパーティションなど、利用可能なファイルシステムとパーティションタイプを使用して、システムのストレージを効果的に設定できます。
前提条件
- パーティションの計画が完了している。
-
/var/mail
、/usr/tmp
、/lib
、/sbin
、/lib64
、/bin
などのシンボリックリンクを含むパスにマウントポイントを指定していないことを確認する。RPM パッケージを含むペイロードは、特定のディレクトリーへのシンボリックリンクの作成に依存します。
手順
- マウントポイントを追加します ダイアログが表示されます。 をクリックして、マウントポイントのファイルシステムを作成します。
-
マウントポイント ドロップダウンメニューから、事前に設定したパスの中から 1 つ選択するか、別のパスを入力します。たとえば、root パーティションの場合は
/
を選択し、ブートパーティションの場合は/boot
を選択します。 ファイルシステムのサイズを 要求される容量 フィールドに入力します。たとえば
2GiB
です。Desired Capacity に値を指定しなかった場合、または使用可能な領域よりも大きいサイズを指定した場合、残りの空き領域がすべて使用されます。
- 手動パーティション設定 画面に戻ります。 をクリックしてパーティションを作成し、
10.3.6. マウントポイントのファイルシステム用ストレージの設定
手動で作成した各マウントポイントのパーティションスキームを設定できます。利用可能なオプションは、Standard Partition
、LVM
、および LVM Thin Provisioning
です。
- Red Hat Enterprise Linux 9 では、Btrf のサポートが非推奨になりました。
-
/boot
パーティションは、選択した値に関係なく、常に標準パーティションに置かれます。
手順
- 非 LVM マウントポイントを 1 つ配置するデバイスを変更するには、左側のペインから必要なマウントポイントを選択します。
- デバイス ヘディングの下にある をクリックします。マウントポイントの設定 ダイアログが開きます。
- 1 つ以上のデバイスを選択し、手動パーティション設定 画面に戻ります。 をクリックして選択を確認し、
- をクリックして、変更を適用します。
手動パーティション設定 画面左下で ストレージデバイスが選択されています リンクをクリックして、選択したディスク ダイアログを開いて、ディスク情報を確認します。
注記ローカルディスクとパーティションをすべてリフレッシュするには、
ボタン (円形の矢印ボタン) をクリックします。この作業が必要になるのは、インストールプログラム以外で高度なパーティション設定を行った場合のみです。 ボタンをクリックすると、インストールプログラムに行った設定変更がすべてリセットされます。
10.3.7. マウントポイントのファイルシステムのカスタマイズ
特定の設定を行う場合は、パーティションまたはボリュームをカスタマイズできます。
/usr
または /var
には重要なコンポーネントが含まれているため、このディレクトリーのパーティションをルートボリュームとは別の場所に設定すると、起動プロセスが非常に複雑になります。iSCSI ドライブや FCoE などの場所に配置してしまった場合には、システムが起動できなくなったり、電源オフや再起動の際に Device is busy のエラーでハングしたりする可能性があります。
これらの制限は /usr
と /var
にのみ適用され、その下のディレクトリーには適用されません。たとえば、/var/www
向けの個別パーティションは問題なく機能します。
手順
左側のペインから、マウントポイントを選択します。
図10.1 パーティションのカスタマイズ
右側のペインで、次のオプションをカスタマイズできます。
-
マウントポイント フィールドに、ァイルシステムのマウントポイントを入力します。たとえば、ファイルシステムが root ファイルシステムの場合は
/
を入力します。/boot
ファイルシステムの場合は/boot
を入力します。swap ファイルシステムの場合は、ファイルシステムタイプをswap
に設定すれば十分であるため、マウントポイントを設定しないでください。 - 割り当てる容量 フィールドに、ファイルシステムのサイズを入力します。単位には KiB や GiB が使用できます。単位を指定しない場合は、MiB がデフォルトになります。
デバイスタイプ ドロップダウンメニューから、必要なデバイスタイプ (
標準パーティション
、LVM
、またはLVM シンプロビジョニング
) 選択します。注記RAID
は、パーティションの作成に 2 つ以上のディスクが選択されている場合にのみ使用できます。RAID
を選択した場合は、RAID レベル
も設定できます。同様に、LVM
を選択した場合は、ボリュームグループ
を選択できます。- パーティションまたはボリュームを暗号化する場合は、暗号化 チェックボックスを選択します。後続のインストールプログラムで、パスワードを設定する必要があります。LUKS バージョン ドロップダウンメニューが表示されます。
- ドロップダウンメニューから、LUKS バージョンを選択します。
ファイルシステム ドロップダウンメニューから、このパーティションまたはボリュームに適したファイルシステムタイプを選択します。
注記Linux システムパーティションでは、
VFAT
ファイルシステムのサポートは利用できません。たとえば、/
、/var
、/usr
などです。- 既存のパーティションをフォーマットする場合は 再フォーマット チェックボックスを選択します。データを保持するには、再フォーマット チェックボックスの選択を解除します。新たに作成したパーティションとボリュームは再フォーマットする必要があるため、チェックボックスの選択を解除することはできません。
- ラベル フィールドのパーティションにラベルを割り当てます。ラベルを使用すると、個別のパーティションの認識とアドレス指定が容易になります。
名前 フィールドに名前を入力します。
注記標準パーティションの場合は作成時に自動的に名前が付けられるため、名前の変更はできません。たとえば、
/boot
の名前sda1
を編集することはできません。
-
マウントポイント フィールドに、ァイルシステムのマウントポイントを入力します。たとえば、ファイルシステムが root ファイルシステムの場合は
インストールの開始 をクリックするまで、変更は適用されません。
をクリックして変更を適用し、必要に応じてカスタマイズする別のパーティションを選択します。 画面で注記パーティションの変更を破棄して、最初からやり直すには、
をクリックします。ファイルシステムとマウントポイントをすべて作成してカスタマイズしたら、
をクリックします。ファイルシステムの暗号化を選択すると、パスフレーズを作成するように求められます。変更の概要 ダイアログボックスが開き、インストールプログラムの全ストレージアクションの概要が表示されます。
- インストール概要 画面に戻ります。 をクリックして変更を適用し、
10.3.8. /home ディレクトリーの維持
Red Hat Enterprise Linux 9 グラフィカルインストールでは、RHEL 8 システムで使用されていた /home
ディレクトリーを保存できます。
RHEL 8 システムの別の /home
パーティションに、/home
ディレクトリーが存在する場合に限り、/home
を予約できます。
さまざまな設定を含む /home
ディレクトリーを保持すると、新しい Red Hat Enterprise Linux 9 システムで新しい RHEL 7 システムでの GNOME Shell 環境を、RHEL 8 システムと同じように設定できるようになります。これは、以前の RHEL 8 システムと同様、同じユーザー名と ID を持つ Red Hat Enterprise Linux 9 のユーザーに対してのみ適用されることに注意してください。
この手順は、RHEL 8 システムから /home
ディレクトリーを保存します。
前提条件
- コンピューターに RHEL 8 がインストールされている。
-
/home
ディレクトリーが RHEL 8 システムの別の/home
パーティションにある。 -
Red Hat Enterprise Linux 9 の
Installation Summary
ウィンドウが開いている。
手順
- インストール先 をクリックして、インストール先 画面を開きます。
- ストレージの設定 で、カスタム ラジオボタンを選択します。完了をクリックします。
- 手動パーティション設定 画面が開きます。 をクリックすると、
/home
パーティションを選択し、Mount Point:
下に/home
を入力し、Reformat チェックボックスの選択を解除します。図10.2 /home がフォーマットされていないことを確認
-
オプション: マウントポイントファイルシステムのカスタマイズ で説明されているように、Red Hat Enterprise Linux 9 システムに必要な
/home
パーティションのさまざまな側面をカスタマイズすることもできます。ただし、RHEL 8 システムから/home
を保持するには、Reformat チェックボックスの選択を解除する必要があります。 - 要件に従ってすべてのパーティションをカスタマイズしたら、変更の概要 ダイアログボックスが開きます。 をクリックします。
-
変更の概要 ダイアログボックスに
/home
の変更 が表示されていないことを確認します。つまり、/home
パーティションは保持されます。 - インストール概要 画面に戻ります。 をクリックして変更を適用し、
10.3.9. インストール中のソフトウェア RAID の作成
Redundant Arrays of Independent Disks (RAID) デバイスは、パフォーマンスを向上させ、一部の設定ではより優れたフォールトトレランスを提供するように配置された複数のストレージデバイスから構築されます。RAID デバイスの作成は 1 つのステップで終わり、必要に応じてディスクを追加または削除できます。システムでは、1 つの物理ディスクに 1 つの RAID パーティションが作成できるため、インストールプログラムで使用できるディスク数により、利用できる RAID デバイスのレベルが決定します。たとえば、システムにディスクが 2 つある場合は、RAID 10
デバイスを作成することはできません。少なくともディスクが 3 つ必要になるためです。RHEL は、システムのストレージパフォーマンスと信頼性を最適化するために、インストールされたシステムにストレージを設定するための LVM および LVM シンプロビジョニングを使用したソフトウェア RAID 0
、RAID 1
、RAID 4
、RAID 5
、RAID 6
、および RAID 10
タイプをサポートしています。
64 ビットの IBM Z では、ストレージサブシステムが RAID を透過的に使用します。ソフトウェア RAID を手動で設定する必要はありません。
前提条件
- RAID 設定オプションは、インストール用に複数のディスクを選択している場合にのみ表示される。作成する RAID タイプに応じて、少なくとも 2 つのディスクが必要です。
- マウントポイントを作成している。マウントポイントを設定して、RAID デバイスを設定します。
- インストール先 画面で ラジオボタンを選択している。
手順
- 手動パーティション設定 画面の左側のペインで、必要なパーティションを選択します。
- デバイス セクションの下にある をクリックします。マウントポイントの設定 ダイアログボックスが開きます。
- RAID デバイスに追加するディスクを選択して、 をクリックします。
- デバイスタイプ ドロップダウンメニューをクリックして、RAID を選択します。
- ファイルシステム のドロップダウンメニューをクリックして、目的のファイルシステムタイプを選択します。
- RAID レベル ドロップダウンメニューをクリックして、目的の RAID レベルを選択します。
- をクリックして、変更を保存します。
- インストールの概要 ウィンドウに戻ります。 をクリックして設定を適用し、
10.3.10. LVM 論理ボリュームの作成
論理ボリューム管理 (LVM) では、ディスクや LUN などの基盤となる物理ストレージ領域のシンプルな論理ビューが表示されます。物理ストレージ上のパーティションは物理ボリュームとして表示され、ボリュームグループにグループ化できます。各ボリュームグループは複数の論理ボリュームに分割できます。各論理ボリュームは標準のディスクパーティションによく似ています。したがって、LVM 論理ボリュームは、複数の物理ディスクにまたがることが可能なパーティションとして機能します。
- LVM 設定は、グラフィカルインストールプログラムでのみ利用できます。テキストモードによるインストールの場合は、LVM を設定できません。
-
LVM 設定を作成するには、Ctrl+Alt+F2 を押し、別の仮想コンソールのシェルプロンプトを使用します。このシェルで
vgcreate
およびlvm
コマンドを実行できます。テキストモードのインストールに戻るには Ctrl+Alt+F1 を押します。
手順
Manual Partitioning ウィンドウから、次のいずれかの方法で新しいマウントポイントを作成します。
- Click here to create them automatically オプションを使用するか、+ ボタンをクリックします。
- ドロップダウンリストからマウントポイントを選択するか、手動で入力します。
ファイルシステムのサイズを Desired Capacity フィールドに入力します。たとえば、
/
の場合は 70 GiB、/boot
の場合は 1 GiB です。注記: 既存のマウントポイントを使用する場合は、この手順をスキップしてください。
- マウントポイントを選択します。
ドロップダウンメニューで
LVM
を選択します。ボリュームグループ ドロップダウンメニューが表示され、新たに作成したボリュームグループ名が表示されます。注記設定ダイアログではボリュームグループの物理エクステントのサイズは指定できません。このサイズは、常にデフォルト値の 4 MiB に設定されます。別の物理エクステントのボリュームグループを作成する場合は、対話シェルに切り替えて、
vgcreate
コマンドで手動で作成するか、キックスタートファイルでvolgroup --pesize=size
コマンドを使用して作成します。キックスタートの詳細は、RHEL の自動インストール を参照してください。- インストール概要 画面に戻ります。 をクリックして、
関連情報
10.3.11. LVM 論理ボリュームの設定
新しく作成した LVM 論理ボリュームを要件に基づいて設定できます。
/boot
パーティションを LVM ボリュームに配置することには対応していません。
手順
Manual Partitioning ウィンドウから、次のいずれかの方法でマウントポイントを作成します。
- Click here to create them automatically オプションを使用するか、+ ボタンをクリックします。
- ドロップダウンリストからマウントポイントを選択するか、手動で入力します。
ファイルシステムのサイズを Desired Capacity フィールドに入力します。たとえば、
/
の場合は 70 GiB、/boot
の場合は 1 GiB です。注記: 既存のマウントポイントを使用する場合は、この手順をスキップしてください。
- マウントポイントを選択します。
-
デバイスタイプ ドロップダウンメニューをクリックして、
LVM
を選択します。ボリュームグループ ドロップダウンメニューが表示され、新たに作成したボリュームグループ名が表示されます。 ボリュームグループの設定 ダイアログボックスが開きます。
をクリックして、新たに作成したボリュームグループを設定します。注記設定ダイアログではボリュームグループの物理エクステントのサイズは指定できません。このサイズは、常にデフォルト値の 4 MiB に設定されます。別の物理エクステントのボリュームグループを作成する場合は、対話シェルに切り替えて、
vgcreate
コマンドで手動で作成するか、キックスタートファイルでvolgroup --pesize=size
コマンドを使用して作成します。詳細は、RHEL の自動インストール ドキュメントを参照してください。オプション: RAID Level ドロップダウンメニューから、必要な RAID レベルを選択します。
利用可能な RAID レベルは、実際の RAID デバイスと同じです。
- ボリュームグループに暗号化のマークを付けるには、暗号化 チェックボックスを選択します。
Size policy ドロップダウンメニューから、ボリュームグループに対して次のサイズポリシーのいずれかを選択します。
利用可能なポリシーオプションは以下のようになります。
- Automatic
- ボリュームグループのサイズは自動で設定されるため、設定した論理ボリュームを格納するのに適切なサイズになります。ボリュームグループに空の領域が必要ない場合に最適です。
- As large as possible
- 設定した論理ボリュームのサイズに関係なく、最大サイズのボリュームグループが作成されます。これは、ほとんどのデータを LVM に保存する場合、または後で既存の論理ボリュームのサイズを拡大する可能性がある場合、もしくはこのグループに別の論理ボリュームを作成する必要がある場合などに最適です。
- Fixed
- このオプションではボリュームグループのサイズを正確に設定できます。設定している論理ボリュームが格納できるサイズにする必要があります。ボリュームグループに設定する容量が正確に分かっている場合に便利です。
- 手動パーティション設定 画面に戻ります。 をクリックして設定を適用し、
- をクリックして、変更を保存します。
- インストール概要 画面に戻ります。 をクリックして、
10.3.12. パーティション設定に関するアドバイス
すべてのシステムに最善となる分割方法はありません。インストール済みシステムをどのように使用するかによって異なります。ただし、次のヒントは、ニーズに最適なレイアウトを見つけるのに役立つかもしれません。
- たとえば、特定のパーティションを特定のディスクに配置する必要がある場合など、特定の要件を満たすパーティションを最初に作成します。
-
機密データを格納する可能性があるパーティションやボリュームには、暗号化を検討してください。暗号化を行うと、権限を持たない人が物理ストレージデバイスにアクセスできても、暗号化したパーティションにあるデータにアクセスできなくなります。ほとんどの場合は、少なくともユーザーデータが含まれる
/home
パーティションを暗号化してください。 -
場合によっては、
/
、/boot
、および/home
以外のディレクトリーに個別のマウントポイントを作成すると役に立つかもしれません。たとえば、MySQL
データベースを実行するサーバーで、/var/lib/mysql
用のマウントポイントを別に持つことで、後でバックアップからデータベースを復元しなくても、再インストール中にデータベースを保存できます。ただし、不要なマウントポイントがあると、ストレージ管理がより困難になります。 -
特定のディレクトリーには、どのレイアウトに配置できるかについて、特別な制限がいくつか適用されます。特に、
/boot
ディレクトリーは常に、(LVM ボリュームではなく) 物理パーティションに存在する必要があります。 - Linux を初めて使用する場合は、さまざまなシステムディレクトリーとそのコンテンツの詳細を、 Linux ファイルシステム階層標準 を確認してください。
- 各カーネルには約 60MiB (initrd 34MiB、11MiB vmlinuz、および 5MiB System.map) が必要です。
- レスキューモードの場合 :100MiB (initrd 76MiB、11MiB vmlinuz、および 5MiB システムマップ)
システムで
kdump
を有効にすると、さらに約 40 MiB(33 MiB の別の initrd) が必要になります。最も一般的なユースケースでは、
/boot
にはデフォルトの 1 GiB のパーティションサイズが必要です。ただし、複数のカーネルリリースまたはエラータカーネルを保持する予定がある場合は、このパーティションのサイズを増大させることが推奨されます。-
/var
ディレクトリーには、Apache Web サーバーなど、多数のアプリケーションのコンテンツが格納されていて、DNF パッケージマネージャーが、ダウンロードしたパッケージの更新を一時的に保管するのに使用されます。/var
を含むパーティションまたはボリュームに少なくとも 5 GiB があることを確認してください。 -
/usr
ディレクトリーには、一般的な Red Hat Enterprise Linux インストールの大抵のソフトウェアが格納されています。このディレクトリーを含むパーティションまたはボリュームは、最小インストールの場合は最低 5 GiB、グラフィカル環境のインストールの場合は最低 10 GiB 必要です。 /usr
または/var
のパーティションをルートボリュームとは別の場所に設定すると、これらのディレクトリーには起動に欠かせないコンポーネントが含まれているため、起動プロセスが非常に複雑になります。iSCSI ドライブや FCoE などの場所に配置してしまった場合には、システムが起動できなくなったり、電源オフや再起動の際にDevice is busy
のエラーでハングしたりする可能性があります。これらの制限は
/usr
と/var
にのみ適用され、その下のディレクトリーには適用されません。たとえば、/var/www
向けの個別パーティションは、問題なく機能します。重要一部のセキュリティーポリシーでは、管理がより複雑になりますが、
/usr
と/var
の分離が必要になります。-
LVM ボリュームグループ内の一部領域を未割り当てのまま残しておくことを検討してください。このように未割り当ての領域を残すことで、領域の要件が変化した際に、その他のボリュームからデータを削除したくない場合に、柔軟性が得られます。また、パーティションに
LVM シンプロビジョニング
デバイスタイプを選択し、ボリュームに未使用の領域を自動的に処理させることもできます。 - XFS ファイルシステムのサイズを縮小することはできません。このファイルシステムのパーティションまたはボリュームを小さくする必要がある場合は、データのバックアップを作成し、ファイルシステムを破棄して、代わりに小規模なファイルシステムを新たに作成する必要があります。したがって、後でパーティションレイアウトを変更する予定の場合には、代わりに ext4 ファイルシステムを使用してください。
-
インストール後に、ディスクの追加、または仮想マシンのディスクの拡張によりストレージを拡張することを予定している場合は、論理ボリューム管理 (LVM) を使用してください。LVM を使用すると、新しいドライブに物理ボリュームを作成し、必要に応じてそのボリュームをボリュームグループおよび論理ボリュームに割り当てることができます。たとえば、システムの
/home
(または論理ボリュームに存在するその他のディレクトリー) は簡単に拡張できます。 - システムのファームウェア、起動ドライブのサイズ、および起動ドライブのディスクラベルによっては、BIOS の起動パーティションまたは EFI システムパーティションの作成が必要になる場合があります。システムで BIOS ブートまたは EFI システムパーティションが 必要ない 場合は、グラフィカルインストールで BIOS ブートまたは EFI システムパーティションを作成することはできません。この場合は、メニューに表示されなくなります。
10.4. ベース環境と追加ソフトウェアの選択
必要なソフトウェアパッケージを選択するには、Software Selectio ウィンドウを使用します。パッケージは、ベース環境と追加ソフトウェア別に編成されています。
- Base Environment には、定義済みのパッケージが含まれています。たとえば、Server with GUI (デフォルト)、Server、Minimal Install、Workstation、Custom Operating System、Virtualization Host など、ベース環境を 1 つだけ選択できます。可用性は、インストールソースとして使用されているインストール ISO イメージにより異なります。
- 選択した環境の追加ソフトウェア には、ベース環境用の追加のソフトウェアパッケージが含まれています。複数のソフトウェアパッケージを選択できます。
事前に定義された環境と追加のソフトウェアを使用して、システムをカスタマイズします。ただし、標準的なインストールでは、インストールする個々のパッケージを選択することはできません。特定の環境に含まれるパッケージを表示するには、インストールソースメディア (DVD、CD、USB) にある repository/repodata/*-comps-repository.architecture.xml
ファイルを参照してください。XML ファイルには、ベース環境としてインストールされたパッケージの詳細が記載されています。利用可能な環境には <environment>
タグ、そして追加のソフトウェアパッケージには <group>
タグが付いています。
Red Hat は、インストールするパッケージが分からない場合は、最小インストール のベース環境を選択することを推奨します。最小インストールでは、基本バージョンの Red Hat Enterprise Linux と、最低限の追加ソフトウェアがインストールされます。システムのインストールが終了して初めてログインしたら、DNF パッケージマネージャーを使用して、必要なソフトウェアをインストールできます。DNF パッケージマネージャーの詳細は、基本的なシステム設定 を参照してください。
-
任意の RHEL 9 システムから
dnf group list
コマンドを使用すると、ソフトウェアの選択肢の一部としてシステムにインストールされているパッケージのリストが表示されます。詳細は、基本的なシステム設定 を参照してください。 -
インストールするパッケージを制御する必要がある場合は、キックスタートファイルの
%packages
セクションにパッケージを定義します。 -
デフォルトでは、RHEL 9 は、TuneD パッケージをインストールしません。
dnf install tuned
コマンドを使用すると、TuneD パッケージを手動でインストールできます。詳細は、RHEL の自動インストール ドキュメントを参照してください。
前提条件
- インストールソースを設定している。
- インストールプログラムが、パッケージのメタデータをダウンロードしている。
- Installation Summary 画面が開いている。
手順
- インストール概要 画面で、ソフトウェアの選択 をクリックします。ソフトウェアの選択 画面が開きます。
ベース環境 ペインで、ベース環境を選択します。たとえば、Server with GUI (デフォルト)、Server、Minimal Install、Workstation、Custom Operating System、Custom Operating System など、ベース環境を 1 つだけ選択できます。
注記サーバー (GUI 使用) ベース環境はデフォルトのベース環境で、インストールを完了してシステムを再起動すると、初期セットアップ アプリケーションが起動します。
図10.3 Red Hat Enterprise Linux ソフトウェアの選択
オプション: ARM ベースのシステムにインストールする場合は、カーネルオプション から希望の ページサイズ を選択します。
デフォルトでは、4K ページサイズのカーネルが選択されます。
警告64k ページサイズのカーネルを使用する場合は、必ず Base Environment で Minimal Install を選択してください。インストール後に初めてシステムにログインした後、DNF パッケージマネージャーを使用して追加のソフトウェアをインストールできます。
- 選択した環境の追加ソフトウェア ペインから、1 つ以上のオプションを選択します。
- をクリックして設定を適用し、グラフィカルインストールに戻ります。
10.5. オプション: ネットワークとホスト名の設定
ネットワークとホスト名 画面は、ネットワークインターフェイスを設定するために使用されます。ここで選択したオプションは、インストール済みシステムだけでなく、インストール時にリモートからパッケージをダウンロードするなどのタスクを行う際にも利用できます。
以下の手順に従って、ネットワークとホスト名を設定します。
手順
- インストール概要 画面から、 をクリックします。
左側のペインのリストから、インターフェイスを選択します。詳細が右側のペインに表示されます。
注記em1
やwl3sp0
といった一貫性のある名前をネットワークデバイスの特定に使用するネットワークデバイス命名の標準仕様には、いくつかのタイプがあります。このような標準仕様の詳細は Configuring and managing networking を参照してください。- 注記
インストールプログラムは、ローカルでアクセス可能なインターフェイスを自動的に検出し、手動で追加または削除できません。
- をクリックして、仮想ネットワークインターフェイスを追加します。仮想ネットワークインターフェイスは、チーム (非推奨)、ボンド、ブリッジ、または VLAN のいずれかです。
- を選択して、仮想インターフェイスを削除します。
- をクリックして、既存のインターフェイスの IP アドレス、DNS サーバー、またはルーティング設定 (仮想と物理の両方) などの設定を変更します。
ホスト名 フィールドに、システムのホスト名を入力します。
注記-
ホスト名は、
hostname.domainname
形式の完全修飾ドメイン名 (FQDN)、またはドメインなしの短縮ホスト名のいずれかにします。多くのネットワークには、自動的に接続したシステムにドメイン名を提供する DHCP (Dynamic Host Configuration Protocol) サービスがあります。DHCP サービスがこのシステムにドメイン名を割り当てるようにするには、短縮ホスト名のみを指定します。 -
静的 IP およびホスト名の設定を使用する場合、短縮名または FQDN を使用するかどうかは、計画したシステムのユースケースによって異なります。Red Hat Identity Management はプロビジョニング時に FQDN を設定しますが、サードパーティーのソフトウェア製品によっては短縮名が必要になる場合があります。いずれの場合も、すべての状況で両方のフォームの可用性を確保するには、
IP FQDN short-alias
の形式で/etc/hosts
にホストのエントリーを追加します。 -
localhost
の値は、ターゲットシステムの静的ホスト名が指定されておらず、(たとえば、DHCP または DNS を使用する NetworkManager による) ネットワーク設定時に、インストールされるシステムの実際のホスト名が設定されることを示しています。 -
ホスト名に使用できるのは、英数字と
-
または.
のみです。ホスト名は 64 文字以下である必要があります。ホスト名は、-
および.
で開始したり終了したりできません。DNS に準拠するには、FQDN の各部分は 63 文字以下で、ドットを含む FQDN の合計の長さは 255 文字を超えることができません。
-
ホスト名は、
- をクリックして、ホスト名をインストーラー環境に適用します。
- また、ネットワークおよびホスト名 画面では、ワイヤレスオプションを選択できます。右側のペインで をクリックして Wifi 接続を選択します。必要に応じてパスワードを入力し、 をクリックします。
10.5.1. 仮想ネットワークインターフェイスの追加
仮想ネットワークインターフェイスを追加できます。
手順
- ネットワークとホスト名 画面で、 ボタンをクリックして、仮想ネットワークインターフェイスを追加します。デバイスの追加 ダイアログが開きます。
使用可能な 4 つのタイプの仮想インターフェイスから 1 つ選択してください。
- Bond - NIC (ネットワークインターフェイスコントローラー) のボンドです。複数の物理ネットワークインターフェイスを 1 つのボンドチャネルに結合する方法です。
- Bridge - NIC ブリッジングです。複数のネットワークを 1 つの集積ネットワークに接続します。
Team - NIC のチーミングです。複数のリンクを集約する新しい実装方法です。小型のカーネルドライバーを提供することでパケットフローを高速で処理し、各種アプリケーションがその他のすべてのタスクをユーザー領域で行うように設計されています。
NIC チーミングは Red Hat Enterprise Linux 9 では非推奨です。代わりに、ネットワークボンディングドライバーの使用を検討してください。詳細は、ネットワークボンディングの設定 を参照してください。
- Vlan (Virtual LAN) - それぞれ独立している複数のブロードキャストドメインを作成する方法です。
インターフェイスの種類を選択し、
をクリックします。インターフェイスの編集ダイアログボックスが開き、選択したインターフェイスタイプに使用できる設定を編集できます。詳細は、ネットワークインターフェイスの編集 を参照してください。
- ネットワークおよびホスト名 画面に戻ります。 をクリックして仮想インターフェイス設定を確認し、
仮想インターフェイスの設定を変更する必要がある場合は、インターフェイスを選択し、
をクリックします。10.5.2. ネットワークインターフェイス設定の編集
インストール時に使用する一般的な有線接続の設定を編集できます。その他の種類のネットワークの設定方法は、一部の設定パラメーターが異なる場合がありますが、ここで説明する内容とあまり変わりません。
64 ビットの IBM Z では、ネットワークサブチャンネルをあらかじめグループ化してオンラインに設定する必要があるため、新しい接続を追加することはできません。これは現在、起動段階でのみ行われます。
手順
手動でネットワーク接続を設定するには、ネットワークおよびホスト名 画面からインターフェイスを選択し、 をクリックします。
選択したインターフェイスに固有の編集ダイアログが開きます。
表示されるオプションは接続の種類によって異なります。使用可能なオプションは、接続の種類が物理インターフェイス (有線または無線のネットワークインターフェイスコントローラー) か、仮想インターフェイスの追加 で設定した仮想インターフェイス (ボンド、ブリッジ、チーム (非推奨)、または Vlan) かによって若干異なります。
10.5.3. インターフェイス接続の有効化または無効化
特定のインターフェイス接続を有効または無効にできます。
手順
- 全般 タブをクリックします。
優先的に自動的に接続 チェックボックスを選択して、デフォルトで接続を有効にします。デフォルトの優先度設定は
0
のままにします。重要-
有線接続で有効にすると、システムは起動時または再起動時に自動的に接続されます。無線接続では、インターフェイスにより、範囲内の既知の無線ネットワークへの接続が試されます。
nm-connection-editor
ツールを含む NetworkManager の詳細は、Configuring and managing networking のドキュメントを参照してください。 -
全ユーザーがこのネットワークに接続可能とする オプションを使用して、このシステムの全ユーザーがこのネットワークに接続するのを有効または無効にできます。このオプションを無効にすると、
root
だけがこのネットワークに接続できます。 -
インストール中のこの時点ではその他のユーザーが作成されないため、
root
以外の特定のユーザーだけがこのインターフェイスを使用するように許可することはできません。別のユーザーが使用する接続が必要な場合は、インストール後に設定する必要があります。
-
有線接続で有効にすると、システムは起動時または再起動時に自動的に接続されます。無線接続では、インターフェイスにより、範囲内の既知の無線ネットワークへの接続が試されます。
- ネットワークおよびホスト名 画面に戻ります。 をクリックして変更を適用し、
10.5.4. 静的な IPv4 または IPv6 の設定
デフォルトでは、現在のネットワーク設定に応じて、IPv4 と IPv6 の両方が自動設定に指定されています。つまり、ローカルの IP アドレス、DNS アドレスなどのアドレスは、インターフェイスがネットワークに接続すると自動的に検出されます。多くの場合はこれで十分ですが、IPv4 Settings タブと IPv6 Settings タブで静的な設定を行うこともできます。IPv4 設定または IPv6 設定を設定するには、以下の手順を実行します。
手順
静的ネットワーク設定を行うには、IPv 設定タブのいずれかに移動し、方式 ドロップダウンメニューから、自動 以外の方法 (手動 など) を選択します。アドレス ペインが有効になります。
注記IPv6 設定 タブでは、メソッドを 無視する に設定して、このインターフェイスの IPv6 を無効にできます。
- をクリックして、アドレス設定を入力します。
-
追加の DNS サーバー フィールドに IP アドレスを入力します。DNS サーバーの IP アドレス (
10.0.0.1,10.0.0.8
など) を 1 つ以上設定できます。 この接続には IPvX アドレス設定が必要になります を選択します。
注記IPv4 または IPv6 が成功した場合にのみこの接続を許可するには、IPv4 設定 タブまたは IPv6 設定 タブでこのオプションを選択します。IPv4 および IPv6 の両方でこのオプションを無効にしたままにしておくと、いずれかの IP プロトコル設定に成功した場合にインターフェイスが接続できるようになります。
- ネットワークおよびホスト名 画面に戻ります。 をクリックして変更を適用し、
10.5.5. ルートの作成
ルートを設定することで、特定の接続へのアクセスを制御できます。
手順
- IPv4 設定 タブおよび IPv6 設定 タブで、 をクリックして特定の IP プロトコルのルーティング設定を行います。そのインターフェイス用のルート編集ダイアログが開きます。
- をクリックして、ルートを追加します。
- 1 つ以上の静的ルートを設定し、設定していないすべてのルートを無効にするには、自動的に得られたルートを無視する チェックボックスを選択します。
この接続はネットワーク上のリソースにのみ使用 チェックボックスを選択して、デフォルトルートにはならないようにします。
注記このオプションは、静的ルートを設定していなくても選択できます。このルートは、ローカルまたは VPN 接続を必要とするイントラネットページなど、特定のリソースにアクセスするためにのみ使用されます。公開されているリソースには別の (デフォルトの) ルートが使用されます。追加ルートが設定されているのとは異なり、この設定はインストール済みシステムに転送されます。このオプションは、複数のインターフェイスを設定する場合に限り役に立ちます。
- をクリックして設定を保存し、インターフェイス固有のルートの編集ダイアログボックスに戻ります。
- ネットワークおよびホスト名 画面に戻ります。 をクリックして設定を適用し、
10.6. オプション: ローカリゼーションオプションの設定
キーボード、言語サポート、日時を設定できます。
ロシア語 のようにラテン文字を受け付けないレイアウトを使用する場合は、一緒に 英語 (US) レイアウトも追加して、2 つのレイアウトを切り替えられるようにキーボードを設定します。ラテン文字を含まないレイアウトを選択すると、この後のインストールプロセスで有効な root
パスワードおよびユーザー認証情報を入力できない場合があります。これにより、インストールを完了できない可能性があります。
- キーボード、言語、および日時の設定は、デフォルトでは Anaconda を使用した RHEL のインストール の際に行います。
- 設定を変更するには、次の手順を実行します。変更しない場合は、ソフトウェア設定の設定 に進みます。
手順
キーボード設定を定義します。
インストール概要 画面で キーボード をクリックします。
デフォルトのレイアウトは、Anaconda を使用した RHEL のインストール で選択したオプションによって異なります。
- キーボードレイアウトを追加 画面を開き、別のレイアウトに変更します。 をクリックして
- リストを参照してレイアウトを選択するか、検索 フィールドを使用します。
- 必要なレイアウトを選択して、 をクリックします。デフォルトレイアウトの下に新しいレイアウトが表示されます。
- 必要に応じて レイアウト切り替えのオプション 画面が開きます。 をクリックして、使用可能なレイアウトを切り替えるキーボードスイッチを設定します。
切り替え用のキーの組み合わせを設定するには、1 つ以上のキーの組み合わせを選択し、
をクリックして選択を確定します。注記レイアウトを選択して キーボード ボタンをクリックすると、選択したレイアウトの視覚的表現を表示する新しいダイアログボックスが開きます。
- をクリックして設定を適用し、グラフィカルインストールに戻ります。
言語設定を定義します。
- インストール概要 画面で 言語サポート をクリックします。言語サポート 画面が開きます。左側のペインには、利用可能な言語グループのリストが表示されます。グループの中から 1 つ以上の言語を設定すると、チェックマークが表示され、対応する言語が強調表示されます。
- 左側のペインからグループをクリックして追加の言語を選択し、右側のペインから地域のオプションを選択します。必要なすべての言語に対してこの手順を繰り返します。
- をクリックして設定を適用し、グラフィカルインストールに戻ります。
日時設定を定義します。
Installation Summary ウィンドウで、Time & Date をクリックします。Time & Date ウィンドウが開きます。
注記Time & Date 設定は、Anaconda を使用した RHEL のインストール で選択した設定に基づいてデフォルトで設定されます。
表示される都市や地域のリストは、タイムゾーンデータベース (
tzdata
) のパブリックドメインのものが使用されています。このドメインは IANA (Internet Assigned Numbers Authority) で管理されています。Red Hat がこのデータベースに都市や地域を追加することはできません。詳細は、IANA 公式の Web サイト をご覧ください。地域 ドロップダウンメニューから、地域を選択します。
注記ロケーションを特定の地域に設定せずに、グリニッジ標準時 (GMT) を基準にしたタイムゾーンを設定する場合は、お住まいの地域に Etc を選択できます。
- 都市 ドロップダウンメニューから都市、もしくは同じタイムゾーン内でお住まいの場所に最も近い都市を選択します。
ネットワーク時刻 スイッチを切り替え、ネットワークタイムプロトコル (NTP) を使用して、ネットワーク時刻同期を有効または無効にします。
注記ネットワークスイッチを有効にし、システムにインターネットへのアクセスがあれば、システムの時刻が正確に保たれます。デフォルトでは、NTP プールが 1 つ設定されています。新しいオプションを追加するか、
スイッチの横にある をクリックして、デフォルトのオプションを無効にするか削除します。- をクリックして設定を適用し、グラフィカルインストールに戻ります。
注記ネットワークの時刻同期を無効にすると、画面下部のコントロールがアクティブになり、手動で時刻と日付を設定できます。
10.7. オプション: 言語と場所の設定
インストールプログラムは、インストール時に選択した言語を使用します。
前提条件
- インストールメディアを作成している。詳細は、起動可能な RHEL 用インストールメディアの作成 を参照してください。
- Boot ISO イメージファイルを使用してインストールソースを指定している。
- インストールを起動している。詳細は、インストーラーの起動 を参照してください。
手順
Welcome to Red Hat Enterprise Linux 画面の左側のペインで、言語を選択します。または、検索 フィールドに、希望の言語を入力します。
注記言語は、デフォルトで設定されています。ネットワークアクセスが設定されている、つまりローカルメディアではなくネットワークサーバーからシステムを起動した場合、事前選択の言語は、GeoIP モジュールの位置自動検出機能により決定します。起動コマンドライン、または PXE サーバー設定で
inst.lang=
オプションを使用した場合は、起動オプションで定義した言語が選択されます。- Red Hat Enterprise Linux へようこそ 画面の右側のペインから、お住まいの地域に合ったロケーションを選択してください。
- をクリックして、グラフィカルインストールウィンドウに進みます。
Red Hat Enterprise Linux のプレリリース版をインストールしようとしている場合は、インストールメディアのプレリリースステータスに関する警告メッセージが表示されます。
- インストールを続行するには、 をクリックします。あるいは、
- インストールを終了してシステムを再起動するには、 をクリックします。
関連情報
10.8. オプション: システムをサブスクライブして Red Hat Insights を有効にする
Red Hat Insights は SaaS (Software-as-a-Service) 製品で、継続的に、登録済みの Red Hat ベースのシステムに詳細な分析を提供し、物理環境、仮想環境、クラウド環境、およびコンテナーデプロイメントでセキュリティー、パフォーマンス、および安定性に関する脅威をプロアクティブに特定します。RHEL システムを Red Hat Insights に 登録 すると、予測分析、セキュリティーアラート、パフォーマンス最適化ツールにアクセスできるようになり、セキュアで効率的かつ安定した IT 環境を維持できるようになります。
Red Hat アカウントまたはアクティベーションキーの詳細を使用して Red Hat に登録できます。Connect to Red Hat オプションを使用して、システムを Red Hat Insights に接続できます。
手順
- Installation Summary 画面の Software で、Connect to Red Hat をクリックします。
Account または Activation Key を選択します。
- Account を選択した場合は、Red Hat カスタマーポータルのユーザー名とパスワードの詳細を入力します。
Activation Key を選択した場合は、組織 ID とアクティベーションキーを入力します。
サブスクリプションにアクティベーションキーが登録されている限り、複数のアクティベーションキーをコンマで区切って入力できます。
Set System Purpose チェックボックスをオンにします。
- アカウントで Simple Content Access モードが有効になっている場合でも、サブスクリプションサービスの消費量を正確にレポートするには、システムの目的の値を設定することが重要です。
- アカウントがエンタイトルメントモードである場合、システムの目的を設定すると、エンタイトルメントサーバーが Red Hat Enterprise Linux 9 システムの使用目的を満たす最適なサブスクリプションを決定し、自動的に割り当てることが可能になります。
- ドロップダウンリストから必要な ロール、SLA、および 使用方法 を選択します。
- Red Hat Insights への接続 チェックボックスはデフォルトで有効になっています。Red Hat Insights に接続する必要がない場合には、チェックボックスの選択を解除します。
必要に応じて、オプション をデプロイメントします。
- ネットワーク環境で、外部のインターネットアクセスまたは HTTP プロキシーを介したコンテンツサーバーへのアクセスのみが許可されている場合は、HTTP プロキシーの使用 チェックボックスを選択します。HTTP プロキシーを使用していない場合は、HTTP プロキシーの使用 チェックボックスの選択を解除します。
Satellite Server を実行しているか、内部テストを実行している場合は、Satellite URL チェックボックスと カスタムベース URL チェックボックスを選択して、必要な情報を入力します。
重要- RHEL 9 は、Satellite 6.11 以降でのみサポートされます。システムを登録する前にバージョンを確認してください。
-
Satellite URL フィールドには HTTP プロトコル (
nameofhost.com
など) が必要ありません。ただし、Custom base URL フィールドには HTTP プロトコルが必要です。 - 登録後に カスタムベース URL を変更するには、登録を解除し、新しい詳細を指定してから再登録する必要があります。
Red Hat への接続 ウィンドウに、割り当てられているサブスクリプションの詳細が表示されます。
をクリックしてシステムを登録します。システムが正常に登録され、サブスクリプションが割り当てられると、サブスクリプションのサイズによっては、登録および割り当てのプロセスが完了するのに最大 1 分かかることがあります。
インストール概要 画面に戻ります。
をクリックして、Red Hat への接続 の下に 登録 メッセージが表示されます。
10.9. オプション: インストールにネットワークベースのリポジトリーを使用する
自動検出されたインストールメディア、Red Hat CDN、またはネットワークのいずれかからインストールソースを設定できます。
インストール概要 画面を最初に開いた時に、インストールプログラムが、システムの起動に使用されたメディアの種類に基づいて、インストールソースを設定しようとします。完全な Red Hat Enterprise Linux Server DVD は、ソースをローカルメディアとして設定します。
前提条件
- Product Downloads ページからフルインストール DVD ISO または最小インストールブート ISO イメージをダウンロードした。
- 起動可能なインストールメディアを作成している。
- Installation Summary 画面が開いている。
手順
インストール概要 画面から、インストールソース をクリックします。インストールソース 画面が開きます。
- 自動検出したインストールメディア セクションを見直して、詳細を確認します。インストールソースを含むメディア (DVD) からインストールプログラムを起動した場合は、このオプションがデフォルトで選択されます。
- をクリックして、メディアの整合性を確認します。
追加のリポジトリー セクションを確認してください。デフォルトでは AppStream チェックボックスが選択されています。
重要- BaseOS リポジトリーと AppStream リポジトリーはフルインストールイメージでインストールされるため、追加の設定は必要ありません。
- Red Hat Enterprise Linux 9 のフルインストールを行う場合は、AppStream リポジトリーのチェックボックスを無効にしないでください。
- 必要に応じて、Red Hat CDN オプションを選択して、システムを登録し、RHEL サブスクリプションを割り当てて、Red Hat コンテンツ配信ネットワーク (CDN) から RHEL をインストールします。
必要に応じて、ネットワーク上 オプションを選択して、ローカルメディアの代わりに、ネットワーク上からパッケージをダウンロードしてインストールします。
注記- ネットワーク上の場所から追加のリポジトリーをダウンロードしてインストールしない場合は、ソフトウェア選択の設定 に進みます。
- このオプションは、ネットワーク接続がアクティブな場合にのみ利用できます。GUI でネットワーク接続を設定する方法については、ネットワークおよびホスト名のオプションの設定 を参照してください。
- ネットワーク上 ドロップダウンメニューを選択し、パッケージのダウンロードに使用するプロトコルを指定します。この設定は、使用するサーバーによって異なります。
アドレスフィールドに、(プロトコルなしで) サーバーアドレスを入力します。NFS を選択すると、入力フィールドが開き、カスタムの NFS マウントオプション を指定できます。このフィールドでは、
nfs(5)
の man ページに含まれるオプションを使用できます。重要NFS のインストールソースを選択する際には、アドレスを指定する必要があります。ホスト名とパスはコロン (
:
) で区切ります。以下に例を示します。server.example.com:/path/to/directory
注記以下の手順は任意で、ネットワークアクセスにプロキシーが使用されているかどうかのみが必要となります。
- をクリックして、HTTP または HTTPS のソースにプロキシーを設定します。
- HTTP プロキシーの有効化 チェックボックスを選択し、プロキシーホスト フィールドに URL を入力します。
- プロキシーサーバーで認証が必要な場合は、認証を使用する チェックボックスを選択します。
- ユーザー名とパスワードを入力します。
プロキシーの設定... ダイアログを終了します。
をクリックして設定を終了し、注記HTTP または HTTPS の URL が、リポジトリーミラーを参照する場合は、URL type ドロップダウンリストから必要なオプションを選択します。ソースの設定が終わると、選択に対して環境と追加のソフトウェアパッケージがすべて利用できます。
- をクリックして、リポジトリーを追加します。
- をクリックして、リポジトリーを削除します。
- インストールソース 画面を開いたときに表示されていた設定に戻します。 アイコンをクリックして、現在のエントリーを、
リポジトリーを有効または無効にするには、リストの各エントリーで 有効 列のチェックボックスをクリックします。
注記ネットワークにプライマリーリポジトリーを設定するときと同じように、追加リポジトリーに名前を付けて設定できます。
- Installation Summary ウィンドウに戻ります。 をクリックして設定を適用し、
10.10. オプション: Kdump カーネルクラッシュダンプメカニズムの設定
Kdump は、カーネルのクラッシュダンプメカニズムです。システムがクラッシュすると、Kdump が、障害発生時のシステムメモリーの内容をキャプチャーします。キャプチャーしたメモリーを解析すると、クラッシュの原因を見つけることができます。Kdump が有効になっている場合は、システムメモリー (RAM) のごく一部をそれ自身に予約する必要があります。予約したメモリーは、メインのカーネルにアクセスできません。
手順
- インストール概要 画面から、Kdump をクリックします。Kdump 画面が開きます。
- kdump を有効にする チェックボックスを選択します。
メモリー予約設定を、自動 または 手動 のいずれかから選択します。
- 手動 を選択し、+ ボタンおよび - ボタンを使用して、予約されるメモリー フィールドに、予約するメモリー量 (メガバイト) を入力します。予約入力フィールドの下にある 使用可能なシステムメモリー には、選択したサイズの RAM を予約してから、メインシステムにアクセスできるメモリーの量が示されます。
- をクリックして設定を適用し、グラフィカルインストールに戻ります。
予約するメモリーの量は、システムのアーキテクチャー (AMD64 と Intel 64 の要件は IBM Power とは異なります) と、システムメモリーの総量により決まります。ほとんどの場合は、自動予約で十分です。
カーネルクラッシュダンプの保存場所などの追加設定は、インストール後に system-config-kdump グラフィカルインターフェイスで設定するか、/etc/kdump.conf
設定ファイルに手動で設定できます。
10.11. オプション: セキュリティープロファイルの選択
Red Hat Enterprise Linux 9 のインストール中にセキュリティーポリシーを適用し、初回起動前にシステムで使用するように設定できます。
10.11.1. セキュリティーポリシーの概要
Red Hat Enterprise Linux には、特定のセキュリティーポリシーに合わせてシステムの自動設定を有効にする OpenSCAP スイートが同梱されています。このポリシーは、SCAP (Security Content Automation Protocol) 標準を使用して実装されます。パッケージは、AppStream リポジトリーで利用できます。ただし、デフォルトでは、インストールおよびインストール後のプロセスではポリシーが強制されないため、特に設定しない限りチェックは行われません。
インストールプログラムでは、セキュリティーポリシーを適用することは必須ではありません。セキュリティーポリシーを適用する場合は、選択したプロファイルに定義した制限および推奨事項を使用してインストールされます。openscap-scanner
パッケージおよび scap-security-guide
パッケージがパッケージ選択に追加され、コンプライアンスおよび脆弱性スキャンのプリインストールツールが利用できるようになります。
セキュリティーポリシーを選択すると、Anaconda GUI インストーラーでは、ポリシーの要件に準拠する設定が必要になります。パッケージの選択が競合したり、別のパーティションが定義されている場合があります。要件がすべて満たされた場合に限り、インストールを開始できます。
インストールプロセスの終了時に、選択した OPEnSCAP セキュリティーポリシーにより、システムが自動的に強化され、スキャンされてコンプライアンスが確認され、インストール済みシステムの /root/openscap_data
ディレクトリーにスキャン結果が保存されます。
デフォルトでは、インストーラーは、インストールイメージにバンドルされている scap-security-guide
パッケージの内容を使用します。外部コンテンツは、HTTP サーバー、HTTPS サーバー、または FTP サーバーから読み込むこともできます。
10.11.2. セキュリティープロファイルの設定
Installation Summary ウィンドウからセキュリティーポリシーを設定できます。
前提条件
- Installation Summary 画面が開いている。
手順
- Installation Summary ウィンドウで、Security Profile をクリックします。Security Profile ウィンドウが開きます。
- システムでセキュリティーポリシーを有効にするには、Apply security policy スイッチを ON に切り替えます。
- 上部ペインに表示されているプロファイルから 1 つ選択します。
インストール前に適用が必要なプロファイルの変更が、下部ペインに表示されます。
カスタムプロファイルを使用するには、
をクリックします。別の画面が開いて、有効なセキュリティーコンテンツの URL を入力できます。
HTTP サーバー、HTTPS サーバー、または FTP サーバーから、カスタムプロファイルを読み込むこともできます。コンテンツのフルアドレス (http:// などのプロトコルを含む) を使用してください。カスタムプロファイルを読み込む前に、ネットワーク接続がアクティブになっている必要があります。インストールプログラムは、コンテンツの種類を自動的に検出します。
- Security Profile ウィンドウに戻ります。 をクリックして、
- Installation Summary ウィンドウに戻ります。 をクリックして設定を適用し、
10.11.3. GUI を備えたサーバーと互換性のないプロファイル
SCAP セキュリティーガイド の一部として提供される一部のセキュリティープロファイルは、Server with GUI ベースの環境の拡張パッケージセットと互換性がない場合があります。したがって、次のプロファイルのいずれかに準拠するシステムをインストールする場合は、Server with GUIを選択しないでください。
プロファイル名 | プロファイル ID | 理由 | 注記 |
---|---|---|---|
[ドラフト] CIS Red Hat Enterprise Linux 9 Benchmark for Level 2 - Server |
|
パッケージ | |
[ドラフト] CIS Red Hat Enterprise Linux 9 Benchmark for Level 1 - Server |
|
パッケージ | |
DISA STIG for Red Hat Enterprise Linux 9 |
|
パッケージ | RHEL システムを DISA STIG に準拠したServer with GUI としてインストールするには、DISA STIG with GUI プロファイルを使用できます (BZ#1648162) |
10.11.4. キックスタートを使用したベースライン準拠の RHEL システムのデプロイメント
特定のベースラインに準拠した RHEL システムをデプロイできます。この例では、OSPP (Protection Profile for General Purpose Operating System) を使用します。
前提条件
-
RHEL 9 システムに、
scap-security-guide
パッケージがインストールされている。
手順
-
キックスタートファイル
/usr/share/scap-security-guide/kickstart/ssg-rhel9-ospp-ks.cfg
を、選択したエディターで開きます。 -
設定要件を満たすように、パーティション設定スキームを更新します。OSPP に準拠するには、
/boot
、/home
、/var
、/tmp
、/var/log
、/var/tmp
、および/var/log/audit
の個別のパーティションを保持する必要があります。パーティションのサイズのみ変更することができます。 - キックスタートを使用した自動インストールの実行 の説明に従って、キックスタートインストールを開始します。
キックスタートファイルのパスワードでは、OSPP の要件が確認されていません。
検証
インストール完了後にシステムの現在のステータスを確認するには、システムを再起動して新しいスキャンを開始します。
# oscap xccdf eval --profile ospp --report eval_postinstall_report.html /usr/share/xml/scap/ssg/content/ssg-rhel9-ds.xml
第11章 初期セットアップの完了
このセクションでは、Red Hat Enterprise Linux 9 システムで初期セットアップを完了する方法を説明します。
- インストール時に Server with GUI ベース環境を選択した場合は、インストールプロセスが完了し、システムを最初に再起動する際に、初期セットアップ 画面が開きます。
- CDN から RHEL を登録してインストールした場合は、Subscription Manager オプションに、インストールされているすべての製品に有効なエンタイトルメントが割り当てられているというメッセージが表示されます。
初期セットアップ 画面に表示される情報は、インストール時に設定した内容により異なる場合があります。ただし、ライセンス オプションおよび Subscription Manager オプションは必ず表示されます。
前提条件
- グラフィカルインストールを完了している。
- アクティブで、評価版以外の Red Hat Enterprise Linux サブスクリプションがある。
手順
初期セットアップ 画面で、ライセンス情報 を選択します。
ライセンス契約 画面が開き、Red Hat Enterprise Linux のライセンス条項が表示されます。
使用許諾契約書を確認して、ライセンス契約に同意します チェックボックスを選択します。
注記ライセンス契約への同意が必要です。この手順を完了せずに 初期セットアップ を終了すると、システムが再起動します。再起動プロセスが完了すると、ライセンス契約に同意するように求められます。
初期セットアップ 画面に戻ります。
をクリックして設定を適用し、注記ネットワーク設定を設定していない場合は、システムをすぐに登録できません。この場合は サブスクリプションマネージャーのインストール後 を参照してください。ネットワークとホスト名 の説明に従ってネットワーク設定を設定した場合は、次の手順に従ってシステムをすぐに登録できます。
をクリックします。Red Hat Enterprise Linux 9 が起動したら、ログインしてネットワークへのアクセスを有効にし、システムを登録できるようになります。詳細は、インストール概要 画面で、サブスクリプションマネージャー を選択します。
重要CDN から RHEL を登録してインストールした場合は、Subscription Manager オプションに、インストールされているすべての製品に有効なエンタイトルメントが割り当てられているというメッセージが表示されます。
- サブスクリプションマネージャー グラフィカルインターフェイスを開き、登録しようとしているオプション (subscription.rhsm.redhat.com) を表示します。
- をクリックします。
- ログイン および パスワード を入力し、 ボタンをクリックします。
- サブスクリプションの詳細を確認し、Red Hat サブスクリプション管理への登録が完了しました ! メッセージが表示されます。 をクリックします。
- 初期セットアップ 画面が開きます。 をクリックします。
- をクリックしてください。ログイン画面が表示されます。
- システムを設定します。詳細は Configuring basic system settings を参照してください。
RHEL の登録方法
要件によって、システムを登録する方法は 5 つあります。
- Red Hat コンテンツ配信ネットワーク (CDN) を使用してシステムを登録し、RHEL サブスクリプションを割り当て、Red Hat Enterprise Linux をインストール。
- 初期セットアップ を使用してインストール中に。
- インストール後にコマンドラインを使用して登録
- インストール後に Subscription Manager ユーザーインターフェイスを使用して登録
- インストール後に Registration Assistant で登録。Registration Assistant は、お使いの Red Hat Enterprise Linux 環境に最適な登録オプションの選択をサポートします。詳細は Registration Assistant を参照してください。
パート III. インストール後のタスク
第12章 Subscription Manager を使用した RHEL の登録
インストール後、継続的に更新を取得するために、システムを登録する必要があります。
12.1. インストーラー GUI を使用した RHEL 9 の登録
RHEL インストーラーの GUI を使用して Red Hat Enterprise Linux 9 を登録できます。
前提条件
- Red Hat カスタマーポータルに有効なユーザーアカウントがある。Create a Red Hat Login ページを参照してください。
- 有効なアクティベーションキーと組織 ID を持っている。
手順
- Installation Summary 画面の Software で、Connect to Red Hat をクリックします。
- Account または Activation Key オプションを使用して、Red Hat アカウントを認証します。
オプション: Set System Purpose フィールドで、設定する Role、SLA、および Usage 属性をドロップダウンメニューから選択します。
この時点で、Red Hat Enterprise Linux 9 システムは正常に登録されています。
12.2. Registration Assistant
Registration Assistant は、お使いの Red Hat Enterprise Linux 環境に最適な登録オプションの選択をサポートします。
関連情報
- ユーザー名とパスワードを使用して RHEL を Subscription Manager クライアントに登録する方法は、カスタマーポータルの RHEL 登録アシスタント を参照してください。
- RHEL システムを Red Hat Insights に登録する方法は、Hybrid Cloud Console の Insights 登録アシスタント を参照してください。
12.3. コマンドラインを使用したシステムの登録
コマンドラインを使用して、Red Hat Enterprise Linux 9 サブスクリプションを登録できます。
ホストを Red Hat に登録するエクスペリエンスを改善および簡素化するには、リモートホスト設定 (RHC) を使用します。RHC クライアントはシステムを Red Hat に登録し、Insights のデータ収集に備えてシステムの準備を完了し、Insights for Red Hat Enterprise Linux から直接問題を修復できるようにします。詳細は、RHC の登録 を参照してください。
前提条件
- アクティブで、評価版ではない Red Hat Enterprise Linux サブスクリプションを持っている。
- Red Hat のサブスクリプションステータスを確認している。
- Red Hat Enterprise Linux 9 サブスクリプションを受け取ったことがない。
- Red Hat Enterprise Linux 9 システムを正常にインストールし、root としてログインしている。
手順
- root ユーザーとしてターミナルウィンドウを開きます。
アクティベーションキーを使用して Red Hat Enterprise Linux システムを登録します。
# subscription-manager register --activationkey=<activation_key_name> --org=<organization_ID>
システムが正常に登録されると、次の例のような出力が表示されます。
The system has been registered with id: 62edc0f8-855b-4184-b1b8-72a9dc793b96
第13章 subscription-manager コマンドラインツールを使用したシステムの目的の設定
システムの目的は、Red Hat Enterprise Linux インストールの機能の 1 つです。この機能は、Red Hat Hybrid Cloud Console で提供されるサブスクリプションエクスペリエンスとサービスのメリットを RHEL のお客様に提供するためのものです。Red Hat Hybrid Cloud Console は、ダッシュボードベースの Software-as-a-Service (SaaS) アプリケーションであり、これを使用すると、Red Hat アカウントのサブスクリプション使用状況を表示できます。
システム目的属性は、アクティベーションキーまたはサブスクリプションマネージャーツールを使用して設定できます。インストールプロセスでシステムの目的を設定しなかった場合は、インストール後に subscription-manager syspurpose
コマンドラインツールを使用して必要な属性を設定できます。
前提条件
- Red Hat Enterprise Linux 9 システムをインストールして登録しているが、システムの目的が設定されていない。
root
ユーザーとしてログインしている。注記エンタイトルメントモードでは、システムが登録されているものの、必要な目的を満たさないサブスクリプションがある場合、
subscription-manager Remove --all
コマンドを実行して、割り当てたサブスクリプションを削除できます。次に、コマンドラインの subscription-manager syspurpose {ロール、使用条件、サービスレベル} ツールを使用して必要な目的属性を設定し、最後にsubscription-manager attach --auto
を実行して、更新した属性を考慮してシステムを再登録できます。一方、SCA が有効なアカウントでは、システム内のサブスクリプションを更新せずに、登録後にシステムの目的の詳細を直接更新できます。
手順
端末で、次のコマンドを実行して、システムの目的のロールを設定します。
# subscription-manager syspurpose role --set "VALUE"
VALUE
を、割り当てるロールに置き換えます。-
Red Hat Enterprise Linux Server
-
Red Hat Enterprise Linux Workstation
-
Red Hat Enterprise Linux Compute Node
以下に例を示します。
# subscription-manager syspurpose role --set "Red Hat Enterprise Linux Server"
オプション: 値を設定する前に、組織のサブスクリプションがサポートする利用可能なロールを確認します。
# subscription-manager syspurpose role --list
必要に応じて、次のコマンドを実行してロールの設定を解除します。
# subscription-manager syspurpose role --unset
-
次のコマンドを実行して、希望するシステムのサービスレベルアグリーメント (SLA) を設定します。
# subscription-manager syspurpose service-level --set "VALUE"
VALUE
を、割り当てる SLA に置き換えます。-
Premium
-
Standard
-
Self-Support
以下に例を示します。
# subscription-manager syspurpose service-level --set "Standard"
オプション: 値を設定する前に、組織のサブスクリプションがサポートする利用可能なサービスレベルを確認します。
# subscription-manager syspurpose service-level --list
必要に応じて、次のコマンドを実行して SLA の設定を解除します。
# subscription-manager syspurpose service-level --unset
-
次のコマンドを実行して、希望する使用方法をシステムに設定します。
# subscription-manager syspurpose usage --set "VALUE"
VALUE
を、割り当てる使用方法に置き換えます。-
Production
-
Disaster Recovery
-
Development/Test
以下に例を示します。
# subscription-manager syspurpose usage --set "Production"
オプション: 値を設定する前に、組織のサブスクリプションがサポートする利用可能な使用条件を確認します。
# subscription-manager syspurpose usage --list
必要に応じて、次のコマンドを実行して、使用方法の設定を解除します。
# subscription-manager syspurpose usage --unset
-
次のコマンドを実行して、現在のシステム目的のプロパティーを表示します。
# subscription-manager syspurpose --show
オプション: 詳細な構文情報については、以下のコマンドを実行して
subscription-manager
の man ページにアクセスし、SYSPURPOSE OPTIONS を参照します。# man subscription-manager
検証
エンタイトルメントモードが有効になっているアカウントを使用して登録したシステムで、システムのサブスクリプションステータスを確認するには、次の手順を実行します。
# subscription-manager status +-------------------------------------------+ System Status Details +-------------------------------------------+ Overall Status: Current System Purpose Status: Matched
-
全体的なステータス
Current
とは、インストールされている製品がすべて割り当てられたサブスクリプションの対象となり、コンテンツセットリポジトリーにアクセスするためのエンタイトルメントが付与されています。 -
システム目的のステータス
Matched
とは、システムに設定したすべてのシステム目的の属性 (ロール、使用条件、サービスレベル) が、割り当てられたサブスクリプションによって満たされることを意味します。 - ステータス情報が理想的ではない場合、システム管理者がインストール済みの製品と目的のシステムの目的に対応するために、アタッチされているサブスクリプションに加える修正を決定するのに役立つ追加情報が表示されます。
-
全体的なステータス
SCA モードが有効になっているアカウントを使用して登録したシステムで、システムのサブスクリプションステータスを確認するには、次の手順を実行します。
# subscription-manager status +-------------------------------------------+ System Status Details +-------------------------------------------+ Overall Status: Disabled Content Access Mode is set to Simple Content Access. This host has access to content, regardless of subscription status. System Purpose Status: Disabled
- SCA モードでは、サブスクリプションを個々のシステムに割り当てる必要はありません。したがって、全体的なステータスとシステムの目的のステータスの両方が Disabled として表示されます。ただし、システム目的属性によって提供される技術、ビジネス、および運用のユースケースは、サブスクリプションサービスには重要です。これらの属性がないと、サブスクリプションサービスデータの精度が低下します。
関連情報
- サブスクリプションサービスの詳細は、サブスクリプションサービスの使用ガイド を参照してください。
第14章 システムの保護
インストールプロセスを完了した後、Red Hat Enterprise Linux システムを保護する必要があります。
前提条件
- グラフィカルインストールを完了している。
手順
root で以下のコマンドを実行して、システムを更新します。
# dnf update
ファイアウォールサービスの
firewalld
は、Red Hat Enterprise Linux のインストールで自動的に有効になっていますが、キックスタート設定などで明示的に無効となっている場合もあります。このような場合は、ファイアウォールを再度有効にすることが推奨されます。firewalld
を開始するには、root で次のコマンドを実行します。# systemctl start firewalld # systemctl enable firewalld
セキュリティーを強化するために、不要なサービスは無効にしてください。たとえば、コンピューターにプリンターがインストールされていなければ、次のコマンドを実行して cups サービスを無効にします。
# systemctl mask cups
アクティブなサービスを確認するには、次のコマンドを実行します。
$ systemctl list-units | grep service
第15章 サブスクリプションサービスの変更
サブスクリプションを管理するには、Red Hat Subscription Management Server または Red Hat Satellite Server に RHEL システムを登録します。必要に応じて、後でサブスクリプションサービスを変更できます。登録しているサブスクリプションサービスを変更するには、現在のサービスからシステムの登録を解除し、新しいサービスに登録します。
システムの更新を受け取るには、いずれかの管理サーバーでシステムを登録します。
このセクションは、Red Hat Subscription Management Server および Red Hat Satellite Server から RHEL システムの登録を解除する方法を説明します。
前提条件
以下のいずれかでシステムを登録している。
- Red Hat Subscription Management Server
- Red Hat Satellite Server version 6.11
システムの更新を受け取るには、いずれかの管理サーバーでシステムを登録します。
15.1. Subscription Management Server からの登録解除
このセクションでは、コマンドラインと Subscription Manager ユーザーインターフェイスを使用して、Red Hat Subscription Management Server から RHEL システムの登録を解除する方法を説明します。
15.1.1. コマンドラインでの登録解除
unregister
コマンドを使用して、Red Hat Subscription Management Server から RHEL システムの登録を解除します。
手順
root ユーザーで unregister コマンドにパラメーターを付けずに実行します。
#
subscription-manager unregister- プロンプトが表示されたら、root パスワードを入力します。
システムが Subscription Management Server から登録解除され、ステータス The system is currently not registered が表示され、
ボタンが有効になります。中断しなかったサービスを続けるには、いずれかの管理サービスでシステムの再登録を行います。管理サービスでシステムを登録しないと、システムの更新を受け取らないことがあります。システムの登録の詳細は、コマンドラインを使用したシステムの登録 を参照してください。
15.1.2. Subscription Manager ユーザーインターフェイスを使用した登録解除
このセクションでは、Subscription Manager ユーザーインターフェイスを使用して、Red Hat Subscription Management Server から RHEL システムの登録を解除する方法を説明します。
手順
- システムにログインします。
- 画面左上で、アクティビティー をクリックします。
- メニューオプションから、アプリケーションを表示する アイコンをクリックします。
- Red Hat Subscription Manager アイコンをクリックするか、検索に Red Hat Subscription Manager と入力します。
認証が必要です ダイアログボックスで管理者パスワードを入力します。サブスクリプション 画面が開き、サブスクリプションの現在のステータス、システムの目的、インストール済み製品が表示されます。未登録の製品には、赤い X 印が表示されます。
注記システムで特権タスクを実行するには、認証が必要です。
- ボタンをクリックします。
システムが Subscription Management Server から登録解除され、ステータス The system is currently not registered が表示され、
ボタンが有効になります。中断しなかったサービスを続けるには、いずれかの管理サービスでシステムの再登録を行います。管理サービスでシステムを登録しないと、システムの更新を受け取らないことがあります。システムの登録の詳細は、Subscription Manager ユーザーインターフェイスを使用したシステム登録 を参照してください。
15.2. Satellite Server からの登録解除
Satellite Server から Red Hat Enterprise Linux システムの登録を解除するには、Satellite Server からシステムを削除します。
詳細は、Red Hat Satellite からのホストの削除 を参照してください。
パート IV. 付録
付録A トラブルシューティングおよびバグ報告のためのツールおよびヒント
以下のセクションのトラブルシューティング情報は、インストールプロセスの開始時に問題を診断する際に役に立つ場合があります。以下のセクションは、サポートしているすべてのアーキテクチャーに対応します。ただし、問題が特定のアーキテクチャーに関する場合は、セクションの冒頭にその旨が記載されます。
A.1. Dracut
Dracut
は、Linux オペレーティングシステムの起動プロセス時に initramfs
イメージを管理するツールです。dracut
の緊急シェルは、initramfs
イメージが読み込まれる際に開始できるインタラクティブモードです。dracut
の緊急シェルから基本的なトラブルシューティングコマンドを実行できます。詳細は、dracut
の man ページの Troubleshooting セクションを参照してください。
A.2. インストールログファイルの使用
デバッグの目的で、インストールプログラムは、/tmp
ディレクトリーにあるファイルに、インストールアクションのログを記録します。以下の表は、ログファイルのリストです。
ログファイル | 内容 |
---|---|
| 一般メッセージ |
| インストール時に実行したすべての外部プログラム |
| ストレージモジュールの詳細情報 |
| dnf パッケージおよび rpm パッケージのインストールメッセージ。 |
|
インストールプログラムモジュールに使用される |
| 他のログに含まれず、インストール後のシステムにコピーされない設定情報 |
| ハードウェア関連のシステムメッセージこのファイルには、他の Anaconda ファイルからのメッセージが含まれます。 |
インストールが失敗すると、メッセージは /tmp/anaconda-tb-identifier
で一元管理されます。identifier はランダムな文字列になります。インストールに成功すると、このファイルは /var/log/anaconda/
ディレクトリー下のインストール済みシステムにコピーされます。ただし、インストールが失敗した場合、またはインストールシステムの起動時に inst.nosave=all
オプションまたは inst.nosave=logs
オプションを使用すると、ログはインストールプログラムの RAM ディスクにのみ存在します。これは、ログが永続的に保存されず、システムの電源が切れると失われることを意味します。永続的に保存するには、ファイルをネットワーク上の別のシステムにコピーするか、マウントしたストレージデバイス (USB フラッシュドライブなど) にコピーします。
A.2.1. インストール前のログファイルの作成
この手順に従って、インストールプロセスを開始する前にログファイルを作成する inst.debug
オプションを設定します。このログファイルには、たとえば現在のストレージ設定が含まれます。
前提条件
- Red Hat Enterprise Linux ブートメニューが開いている。
手順
- 起動メニューから Install Red Hat Enterprise Linux オプションを選択します。
- BIOS ベースのシステムで Tab キーを押します。または UEFI ベースのシステムで e キーを押して、選択した起動オプションを編集します。
オプションに
inst.debug
を追加します。以下に例を示します。vmlinuz ... inst.debug
-
キーボードの Enter キーを押します。システムが、インストール前のログファイルを
/tmp/pre-anaconda-logs/
ディレクトリーに保存し、インストールプログラムが開始します。 - ログファイルにアクセスするには、コンソールに切り替えます。
/tmp/pre-anaconda-logs/
ディレクトリーに移動します。# cd /tmp/pre-anaconda-logs/
A.2.2. インストールログファイルを USB ドライブへ転送
以下の手順に従って、インストールログファイルを USB ドライブに転送します。
前提条件
- USB ドライブからデータをバックアップした。
- root アカウントにログインし、インストールプログラムの一時ファイルシステムにアクセスできるようにする。
手順
- Ctrl + Alt + F2 を押して、インストールするシステムのシェルプロンプトにアクセスします。
USB フラッシュドライブをシステムに接続し、
dmesg
コマンドを実行します。# dmesg
最近の全イベントの詳細を記録したログが表示されます。このログの最後に、一連のメッセージが表示されます。以下に例を示します。
[ 170.171135] sd 5:0:0:0: [sdb] Attached SCSI removable disk
-
接続したデバイスの名前を書き留めます。上記の例では
sdb
です。 /mnt
ディレクトリーに移動し、USB ドライブのマウントターゲットとして機能する新規ディレクトリーを作成します。この例ではusb
という名前を使用します。# mkdir usb
USB フラッシュドライブを、新たに作成したディレクトリーにマウントします。ほとんどの場合、ドライブ全体ではなく、ドライブのパーティションをマウントする必要があります。
sdb
の名前は使用せず、ログファイルを書き込むパーティションの名前を使用してください。この例では、sdb1
という名前を使用します。# mount /dev/sdb1 /mnt/usb
デバイスにアクセスし、そのコンテンツをリスト表示して、正しいデバイスをマウントしたことを確認します。
# cd /mnt/usb
# ls
ログファイルを、マウントしたデバイスにコピーします。
# cp /tmp/*log /mnt/usb
USB フラッシュドライブのマウントを解除します。ターゲットがビジーであるというエラーメッセージが表示された場合は、作業ディレクトリーをマウント外 (たとえば /) に変更します。
# umount /mnt/usb
A.2.3. ネットワーク経由でインストールログファイルの転送
以下の手順に従って、インストールログファイルをネットワーク経由で転送します。
前提条件
- root アカウントにログインし、インストールプログラムの一時ファイルシステムにアクセスできるようにする。
手順
- Ctrl + Alt + F2 を押して、インストールするシステムのシェルプロンプトにアクセスします。
ログファイルが格納されている
/tmp
ディレクトリーに移動します。# cd /tmp
scp
コマンドを使用して、ネットワーク経由でログファイルを別のシステムにコピーします。# scp *log user@address:path
user には、ターゲットシステムの有効なユーザー名を入力します。address には、ターゲットシステムのアドレスまたはホスト名を入力します。path には、ログファイルを保存するディレクトリーへのパスを入力します。たとえば、IP アドレスが 192.168.0.122 のシステムに
john
としてログインし、ログファイルをそのシステムの/home/john/logs/
ディレクトリーに置く場合のコマンドは次のようになります。# scp *log john@192.168.0.122:/home/john/logs/
初めてターゲットシステムに接続する際に、SSH クライアントにより、リモートシステムのフィンガープリントが正しいことと、継続するかを尋ねられます。
The authenticity of host '192.168.0.122 (192.168.0.122)' can't be established. ECDSA key fingerprint is a4:60:76:eb:b2:d0:aa:23:af:3d:59:5c:de:bb:c4:42. Are you sure you want to continue connecting (yes/no)?
- yes と入力し、Enter を押して続行します。プロンプトが表示されたら、有効なパスワードを入力します。ファイルは、ターゲットシステムの指定されたディレクトリーに転送されます。
A.3. Memtest86 アプリケーションの使用によるメモリー障害の検出
メモリー (RAM) モジュールの障害により、システムで予期しないエラーが生じる可能性があります。特定の状況では、メモリー障害は、ソフトウェアの特定の組み合わせでのみエラーが発生する可能性があります。このため、Red Hat Enterprise Linux をインストールする前に、システムのメモリーをテストする必要があります。
Red Hat Enterprise Linux には、BIOS システム用の Memtest86+
メモリーテストアプリケーションのみが含まれます。UEFI システムのサポートは現在利用できません。
A.3.1. Memtest86 の実行
Red Hat Enterprise Linux をインストールする前に、この手順で Memtest86
アプリケーションを実行し、システムでメモリー障害をテストします。
前提条件
- Red Hat Enterprise Linux 起動メニューにアクセスできる。
手順
Red Hat Enterprise Linux 起動メニューから Troubleshooting > Run a memory test を選択します。
Memtest86
アプリケーション画面が表示され、テストがすぐに開始します。デフォルトでは、Memtest86
はすべてのパスで 10 個のテストを実行します。最初のパスが完了すると、画面の下部に、現在のステータスを知らせるメッセージが表示されます。その他のパスは自動的に開始します。Memtest86+
がエラーを検出すると、画面の中央ペインにエラーが表示され、赤で強調表示されます。メッセージには、問題を検出したテスト、障害が発生しているメモリーの場所などの詳細情報が含まれます。ほとんどの場合、10 個 すべてのテストに一度成功すれば、RAM が良好な状態であることを確認できます。ただし、まれに、最初のパスで検出されなかったエラーが、後続のパスに検出される場合があります。重要なシステムで徹底的なテストを実行するには、そのテストを一晩または数日間実行して、複数のパスを完了します。注記Memtest86+
の 1 回の完全パスを完了するのにかかる時間は、システムの設定、特に RAM のサイズと速度により異なります。たとえば、667 MHz で 2 GiB の DDR2 メモリーを搭載したシステムでは、1 回のパスが完了するまでに 20 分かかります。- 必要に応じて、画面上の指示に従って 設定 画面にアクセスし、別の設定を指定します。
- テストを中止してコンピューターを再起動する場合は、いつでも Esc キーを押すことができます。
関連情報
A.4. 起動用メディアの検証
ISO イメージの検証は、インストール時にしばしば発生する問題を回避するのに役立ちます。このソースには、DVDや、ディスクまたは NFS サーバーに保存している ISO イメージなどが含まれます。以下の手順に従って、Red Hat Enterprise Linux のインストールに使用する前に、ISO ベースのインストールソースの整合性をテストします。
前提条件
- Red Hat Enterprise Linux 起動メニューにアクセスできる。
手順
- 起動メニューから Test this media & install Red Hat Enterprise Linux 9 を選択して、起動メディアをテストします。
- この起動プロセスは、メディアをテストして問題を強調表示します。
-
必要に応じて、起動コマンドラインに
rd.live.check
を追加して、検証プロセスを開始できます。
A.5. インストール中のコンソールとロギング
Red Hat Enterprise Linux インストーラーは、tmux 端末マルチプレクサーを使用して、メインのインターフェイスのほかに複数の画面を表示し、制御します。この画面は、それぞれ目的が異なり、インストールプロセス中に発生した問題をトラブルシューティングするのに使用できるさまざまなログを表示します。画面の 1 つでは、起動オプションまたはキックスタートコマンドを使用して明示的に無効にしない限り、root
権限で使用できる対話式シェルプロンプトを使用できます。
一般的に、インストール関連の問題を診断する必要がなければ、デフォルトのグラフィカルインストール環境から、他の環境に移動する必要はありません。
端末マルチプレクサーは、仮想コンソール 1 で実行しています。インストール環境を、tmux に変更する場合は、Ctrl+Alt+F1 を押します。仮想コンソール 6 で実行されているメインのインストールインターフェイスに戻るには、Ctrl+Alt+F6 を押します。
テキストモードのインストールを選択するには、仮想コンソール 1 (tmux) を開始し、その後にコンソール 6 に切り替えると、グラフィカルインターフェイスではなくシェルプロンプトが開きます。
tmux を実行しているコンソールには、利用可能な画面が 5 つあります。その内容と、キーボードショートカットは、以下の表で説明します。キーボードショートカットは 2 段階となっており、最初に Ctrl+b を押し、両方のキーを離してから、使用する画面で数字キーを押す必要があります。
また、Ctrl+b n、Alt+ Tab、および Ctrl+b p を使用して、次または前の tmux 画面に切り替えることもできます。
ショートカット | 内容 |
---|---|
Ctrl+b 1 | メインのインストールプログラム画面。テキストベースのプロンプト (テキストモードのインストール中もしくは VNC Direct モードを使用の場合) とデバッグ情報があります。 |
Ctrl+b 2 |
|
Ctrl+b 3 |
インストールログ - |
Ctrl+b 4 |
ストレージログ - |
Ctrl+b 5 |
プログラムログ - |
A.6. スクリーンショットの保存
グラフィカルインストール中に Shift+Print Screen を押すと、いつでも画面をキャプチャーできます。このスクリーンショートカットは、/tmp/anaconda-screenshots
に保存されます。
A.7. 設定およびデバイスドライバーの表示
ビデオカードの中には、Red Hat Enterprise Linux グラフィカルインストールプログラムでの起動に問題があるものがあります。インストールプログラムがデフォルト設定を使用して実行しない場合は、それより低い解像度モードでの実行を試みます。これに失敗すると、インストールプログラムはテキストモードでの実行を試みます。
ディスプレイの問題を解決するソリューションは複数あります。そのほとんどでは、カスタムのブートオプションを指定する必要があります。
詳細は、コンソール起動オプション を参照してください。
ソリューション | 設定 |
---|---|
テキストモードを使用する | テキストモードを使用してインストールを試行できます。詳細は、Installing RHEL in text mode を参照してください。 |
ディスプレイの解像度を手動で指定する | インストールプログラムが画面の解像度の検出に失敗した場合は、自動検出を無効にして手動で指定できます。手動で指定するには、ブートメニューに inst.resolution=x オプションを追加します。x はディスプレイの解像度 (1024x768 など) に置き換えます。 |
代替のビデオドライバーを使用する | インストールプログラムの自動検出を無効にして、カスタムビデオドライバーを指定できます。ドライバーを指定するには、inst.xdriver=x オプションを使用します。x は使用するデバイスドライバー (nouveau など)* に置き換えます。 |
VNC を使用したインストールを行う | 上記のオプションが失敗した場合は、仮想ネットワークコンピューティング (VNC) プロトコルを使用して、別のシステムでネットワーク経由でグラフィカルインストールにアクセスできます。VNC を使用したインストールの詳細は、VNC を使用したリモートインストールの準備 を参照してください。 |
* カスタムビデオドライバーを指定することで問題が解決した場合は、Jira にバグとして報告してください。インストールプログラムは、ハードウェアを自動的に検出し、適切なドライバーを介入なしで使用できるようにする必要があります。
付録B トラブルシューティング
以下のセクションのトラブルシューティング情報は、インストールプロセス後に問題を診断する際に役に立つ場合があります。以下のセクションは、サポートしているすべてのアーキテクチャーに対応します。ただし、問題が特定のアーキテクチャーに関する場合は、セクションの冒頭にその旨が記載されます。
B.1. 中断されたダウンロードの再開
curl
コマンドを使用して、中断したダウンロードを再開します。
前提条件
- Red Hat カスタマーポータルの 製品ダウンロード セクション (https://access.redhat.com/downloads) に移動し、必要なバリアント、バージョン、およびアーキテクチャーを選択している。
- 必要な ISO ファイルを右クリックし、リンク先をコピー を選択して、ISO イメージファイルの URL をクリップボードにコピーしている。
手順
新しいリンクから ISO イメージをダウンロードしてください。ダウンロードを自動的に再開するには、
--continue-at -
オプションを追加します。$ curl --output directory-path/filename.iso 'new_copied_link_location' --continue-at -
ダウンロードが完了した後、イメージファイルの整合性を確認するには、sha256sum などのチェックサムユーティリティーを使用します。
$ sha256sum rhel-x.x-x86_64-dvd.iso `85a...46c rhel-x.x-x86_64-dvd.iso`
その出力を、Red Hat Enterprise Linux の Web ページ 製品ダウンロード にある参照チェックサムと比較します。
例B.1 中断されたダウンロードの再開
以下は、部分的にダウンロードした ISO イメージに対する curl
コマンドの例です。
$ curl --output _rhel-x.x-x86_64-dvd.iso 'https://access.cdn.redhat.com//content/origin/files/sha256/85/85a...46c/rhel-x.x-x86_64-dvd.iso?_auth=141...963' --continue-at -
B.2. ディスクが検出されない
インストールプログラムがインストール先となる書き込み可能なストレージデバイスを検出できない場合、インストール先 画面に次のエラーメッセージが返されます。No disks detected.Please shut down the computer, connect at least one disk, and restart to complete installation が返ります。
以下の項目を確認します。
- システムにストレージデバイスが少なくとも 1 つ割り当てられている。
- ご使用のシステムがハードウェア RAID コントローラーを使用している場合は、そのコントローラーが正しく設定され、期待通りに機能している。手順は、コントローラーのドキュメントを参照してください。
- 1 つ以上の iSCSI デバイスにインストールし、そのシステムにローカルストレージがない場合は、必要なすべての LUN が適切なホストバスアダプター (HBA) に表示されている。
システムを再起動してインストールプロセスを開始した後もエラーメッセージが表示される場合は、インストールプログラムがストレージの検出に失敗しています。このエラーメッセージは、多くの場合、インストールプログラムで認識されない iSCSI デバイスにインストールしようとした場合に表示されます。
このシナリオでは、インストールを開始する前に、ドライバー更新を実行する必要があります。ハードウェアベンダーの Web サイトで、ドライバーの更新が利用可能かどうかを確認します。ドライバーの更新に関する一般的な情報については、インストール時のドライバーの更新 を参照してください。
また、Red Hat Hardware Compatibility List (https://access.redhat.com/ecosystem/search/#/category/Server) を確認してください。
B.3. RAID カードで起動できない
インストール後にシステムを起動できない場合は、システムのストレージのパーティション設定と再インストールが必要になる場合があります。BIOS によっては、RAID カードからの起動に対応していないため注意が必要です。インストールが完了し、初めてシステムを再起動すると、テキストベースの画面にブートローダーのプロンプト (grub>
など) が表示され、カーソルのフラッシュが表示されます。この場合は、システムのパーティションを再設定し、/boot
パーティションと、RAID アレイの外にあるブートローダーを移動する必要があります。/boot
パーティションとブートローダーは、同じドライブに置く必要があります。このような変更が行われたら、インストールを完了し、システムを適切に起動できるはずです。
B.4. グラフィカルな起動シーケンスが応答しない
インストール後に初めてシステムを再起動すると、グラフィカルな起動シーケンス時にシステムが応答しなくなることがあります。この場合は、リセットが必要です。このシナリオでは、ブートローダーメニューは正常に表示されますが、エントリーを選択してシステムを起動しようとすると停止します。これは通常、グラフィカルな起動シーケンスに問題があることを示しています。この問題を解決するには、永続的に変更する前に、システムの起動時に設定を一時的に変更することで、グラフィカルブートを無効にする必要があります。
手順: グラフィカルブートを一時的に無効にする
-
システムを起動し、ブートローダーメニューが表示されるまで待ちます。起動のタイムアウト期間を
0
に設定し、Ecc キーを押してアクセスします。 - ブートローダーメニューからカーソルキーを使用して、起動するエントリーを強調表示します。Tab キー (システムが BIOS ベースの場合) または e キー (UEFI ベースの場合) を押して、選択したエントリーオプションを編集します。
-
オプションリストでカーネル行を探します。カーネル行は linux というキーワードで始まります。この行で、
rhgb
を探して、削除します。 - F10 または Ctrl+X を押して、編集したオプションでシステムを起動します。
システムが正常に起動した場合は、通常通りにログインできます。ただし、グラフィカルブートを永続的に無効にしない場合は、システムが起動するたびにこの手順を実行する必要があります。
手順: グラフィカルブートを永続的に無効にする
- システムの root アカウントにログインします。
grubby ツールを使用して、デフォルトの GRUB2 カーネルを検索します。
# grubby --default-kernel /boot/vmlinuz-4.18.0-94.el8.x86_64
grubby ツールを使用して、GRUB2 設定のデフォルトカーネルから
rhgb
起動オプションを削除します。以下に例を示します。# grubby --remove-args="rhgb" --update-kernel /boot/vmlinuz-4.18.0-94.el8.x86_64
-
システムを再起動します。グラフィカル起動シーケンスが使用されなくなりました。グラフィカルな起動シーケンスを有効にする場合は、同じ手順に従って、
--remove-args="rhgb"
パラメーターを--args="rhgb"
パラメーターに置き換えます。これにより、GRUB2 設定のデフォルトカーネルにrhgb
ブートオプションが復元されます。
B.5. ログイン後に X サーバーが失敗する
X サーバーは、ローカルマシン、つまりユーザーが直接使用するコンピューターで実行する X Window System のプログラムです。X サーバーは、グラフィックカード、ディスプレイ画面、入力デバイス (通常はこれらのコンピューターのキーボードとマウス) へのすべてのアクセスを処理します。X Window System (しばしば X と呼ばれます) は、1 台コンピューターおよびコンピューターのネットワークで GUI を管理するための、完全なクロスプラットフォームの無料クライアントサーバーシステムです。クライアントサーバーモデルは、クライアントとサーバーと呼ばれる、リンクされている 2 つのアプリケーション間で作業を分割するアーキテクチャーです。*
ログイン後に X サーバーがクラッシュした場合は、1 つ以上のファイルシステムが満杯になっている可能性があります。問題をトラブルシューティングするには、次のコマンドを実行します。
$ df -h
この出力は、どのパーティションが満杯かを検証します。ほとんどの場合、問題は /home
パーティションにあります。以下は、df
コマンドの出力例です。
Filesystem Size Used Avail Use% Mounted on devtmpfs 396M 0 396M 0% /dev tmpfs 411M 0 411M 0% /dev/shm tmpfs 411M 6.7M 405M 2% /run tmpfs 411M 0 411M 0% /sys/fs/cgroup /dev/mapper/rhel-root 17G 4.1G 13G 25% / /dev/sda1 1014M 173M 842M 17% /boot tmpfs 83M 20K 83M 1% /run/user/42 tmpfs 83M 84K 83M 1% /run/user/1000 /dev/dm-4 90G 90G 0 100% /home
この例では、/home
パーティションが満杯になっていることが失敗の原因になっていることがわかります。不要なファイルを削除します。ディスク領域の一部を解放したら、startx
コマンドを使用して X を起動します。df
に関する詳細情報と、使用できるオプション (この例で使用する -h
オプションなど) の詳細は、df(1)
の man ページを参照してください。
B.6. RAM が認識されない
シナリオによっては、カーネルがすべてのメモリー (RAM) を認識しないため、システムが使用するメモリーが、インストールされているメモリーより少なくなる場合があります。システムが報告するメモリーの合計サイズが期待値と一致しない場合は、少なくとも 1 つのメモリーモジュールに問題がある可能性があります。BIOS ベースのシステムでは、Memtest86+
ユーティリティーを使用して、システムのメモリーをテストできます。
ハードウェアの設定によっては、システムの RAM の一部が予約されているため、システムが使用できなくなります。統合グラフィックスカードが搭載されている一部のラップトップコンピューターは、GPU 用のメモリーの一部を予約します。たとえば、4 GiB の RAM および統合 Intel グラフィックスカードを搭載したラップトップでは、約 3.7 GiB の使用可能なメモリーが表示されます。さらに、多くの Red Hat Enterprise Linux システムでデフォルトで有効になっている kdump
クラッシュカーネルダンプメカニズムは、プライマリーカーネルに障害が発生した場合に使用されるセカンダリーカーネル用にメモリーの一部を予約します。この予約メモリーは、利用可能としては表示されません。
以下の手順を使用して、メモリー量を手動で設定します。
手順
システムが現在報告しているメモリー容量を MiB 単位で確認します。
$ free -m
システムを起動し、ブートローダーメニューが表示されるまで待ちます。
起動タイムアウト期間が
0
に設定されている場合は、Esc キーを押してメニューにアクセスします。- ブートローダーメニューからカーソルキーを使用して、起動するエントリーを強調表示し、Tab キー (BIOS ベースのシステムの場合)、または e キー (UEFI ベースのシステムの場合) を押して、選択したエントリーオプションを編集します。
オプション一覧でカーネル行を探します。カーネル行は
linux
というキーワードで始まります。以下のオプションをこの行の最後に追加します。mem=xxM
-
xx
の部分は実際の容量を MiB 単位で入力してください。 - F10 キーまたは Ctrl+X の組み合わせを押して、編集を行ったオプションでシステムを起動します。
- システムが起動するのを待ってログインし、コマンドラインを開きます。
システムが報告するメモリー量を MiB 単位で確認します。
$ free -m
コマンドで表示される RAM の合計サイズが期待値と一致する場合は、変更を永続化します。
# grubby --update-kernel=ALL --args="mem=xxM"
B.7. シグナル 11 エラーが表示される
一般的にセグメンテーションフォールトとして知られるシグナル 11 エラーは、割り当てられていないメモリー位置にプログラムがアクセスしたことを意味します。シグナル 11 エラーは、インストールされているソフトウェアプログラムのバグ、または障害のあるハードウェアが原因で発生する可能性があります。インストールプロセスでシグナル 11 エラーが表示された場合は、最新のインストールイメージを使用していることを確認し、インストールプログラムで、イメージが破損していないことを確認するように求めます。
詳細は、起動用メディアの検証 を参照してください。
インストールメディアの不良 (書き込みが正しく行われていなかったり、光ディスクに傷がついているなど) は、シグナル 11 エラーの一般的な原因です。インストールを行う前には、必ずインストールメディアの整合性を確認することが推奨されます。最新のインストールメディアの入手方法については、Product Downloads ページを参照してください。
インストールを開始する前にメディアチェックを実行するには、起動メニューに rd.live.check
起動オプションを追加します。エラーなしでメディアチェックを実行しても、セグメンテーションフォールトで問題が引き続き発生する場合は、通常、システムでハードウェアエラーが発生したことを示しています。このシナリオでは、問題はおそらくシステムのメモリー (RAM) にあります。これは、以前に同じコンピューターで別のオペレーティングシステムをエラーなしで使用した場合でも、問題になる可能性があります。
AMD、Intel 64 ビット、および 64 ビット ARM アーキテクチャーの場合、BIOS ベースのシステムでは、インストールメディアに含まれる Memtest86+
メモリーテストモジュールを使用して、システムのメモリーを徹底的にテストできます。
詳細は、Memtest86 アプリケーションの使用によるメモリー障害の検出 を参照してください。
これ以外に考えられる原因は、本書では扱いません。ハードウェアの製造元のドキュメントと、Red Hat Hardware Compatibility List (https://access.redhat.com/ecosystem/search/#/category/Server) を確認してください。
B.8. ネットワークストレージ領域から IPL できない
- この問題は、IBM Power Systems の問題です。
ネットワークストレージ領域 (*NWSSTG) から IPL を実行する際に問題が発生する場合は、おそらく PReP パーティションがないことが原因です。このシナリオでは、システムを再インストールし、パーティション作成フェーズまたはキックスタートファイルでこのパーティションを作成する必要があります。
B.9. XDMCP の使用
X Window System をインストールし、グラフィカルログインマネージャーを使用して Red Hat Enterprise Linux システムにログインするシナリオがあります。以下の手順に従って、X Display Manager Control Protocol (XDMCP) を有効にし、ネットワークに接続したワークステーションや X11 端末など、X 互換のクライアントからデスクトップ環境にリモートでログインします。
XDMCP は、Wayland プロトコルでは対応していません。
手順
-
vi や nano などの平文エディターで
/etc/gdm/custom.conf
設定ファイルを開きます。 custom.conf
ファイルで、[xdmcp]
で始まるセクションを探します。このセクションに、以下の行を追加します。Enable=true
-
XDMCP を使用している場合は、
WaylandEnable=false
が/etc/gdm/custom.conf
ファイルに存在することを確認してください。 - ファイルを保存し、テキストエディターを編集します。
X Window System を再起動します。これには、システムを再起動するか、root で次のコマンドを実行して GNOME Display Manager を再起動します。
# systemctl restart gdm.service
警告gdm
サービスを再起動すると、ログインしているすべてのデスクトップユーザーの現在実行中の GNOME セッションがすべて終了します。これにより、ユーザーが保存していないデータが失われる可能性があります。
ログインプロンプトを待ち、ユーザー名とパスワードを使用してログインします。X Window System が XDMCP 用に設定されました。クライアントワークステーションで X コマンドを使用して、リモート X セッションを開始し、別のワークステーション (クライアント) から接続できます。以下に例を示します。
$ X :1 -query address
address
を、リモート X11 サーバーのホスト名に置き換えます。このコマンドは、XDMCP を使用してリモートの X11 サーバーに接続し、X11 サーバーシステムのディスプレイ :1 でリモートグラフィカルログイン画面を表示します (通常はCtrl-Alt-F8
を押してアクセスできます)。nested X11 サーバーを使用してリモートデスクトップセッションにアクセスすることもできます。これにより、リモートデスクトップが現在の X11 セッションの画面として開きます。Xnest を使用して、ローカルの X11 セッションでネストされたリモートデスクトップを開くことができます。たとえば、以下のコマンドを使用して Xnest を実行します。address を、リモート X11 サーバーのホスト名に置き換えます。$ Xnest :1 -query address
B.10. レスキューモードの使用
インストールプログラムのレスキューモードは、Red Hat Enterprise Linux DVD またはその他の起動メディアから起動できる最小限の Linux 環境です。さまざまな問題を修復するコマンドラインユーティリティーが含まれています。レスキューモードは、起動メニューの Troubleshooting メニューからアクセスできます。このモードでは、ファイルシステムを読み取り専用としてマウントしたり、拒否リストに登録したり、ドライバーディスクで提供されるドライバーを追加したり、システムパッケージをインストールまたはアップグレードしたり、パーティションを管理したりできます。
インストールプログラムのレスキューモードは、systemd
システムおよびサービスマネージャーの一部として提供されるレスキューモード (シングルユーザーモードに相当) および緊急モードとは異なります。
レスキューモードで起動するには、最小起動ディスク、USB ドライブ、フルインストール DVD など、Red Hat Enterprise Linux の起動用メディアを使用してシステムを起動できる必要があります。
iSCSI デバイスや zFCP デバイスなどの高度なストレージは、rd.zfcp=
、root=iscsi:
オプション などの dracut
起動オプションを使用するか、64 ビットの IBM Z 上の CMS 設定ファイルで設定する必要があります。レスキューモードで起動した後は、ストレージデバイスを対話的に設定できません。dracut
起動オプションの詳細は、dracut.cmdline(7)
の man ページを参照してください。
B.10.1. レスキューモードでシステムの起動
この手順では、レスキューモードで起動する方法を説明します。
手順
- 最小限の起動用メディア、フルインストールの DVD、または USB ドライブからシステムを起動し、起動メニューが表示されるまで待ちます。
-
起動メニューから Troubleshooting > Rescue a Red Hat Enterprise Linux system オプションを選択するか、
inst.rescue
オプションを起動コマンドラインに追加します。起動コマンドラインに入るには、Tab キー (BIOS ベースのシステムの場合) を押すか、e キー (UEFI ベースのシステムの場合) を押します。 必要に応じて、起動するドライバーディスクで提供されるサードパーティーのドライバーが必要な場合は、
inst.dd=driver_name
を起動コマンドラインに追加します。inst.rescue inst.dd=driver_name
必要に応じて、Red Hat Enterprise Linux ディストリビューションに含まれるドライバーが原因でシステムが起動しない場合は、
modprobe.blacklist=
オプションを起動コマンドラインに追加します。inst.rescue modprobe.blacklist=driver_name
Enter (BIOS ベースのシステムの場合) または Ctrl+X (UEFI ベースのシステムの場合) を押して、変更したオプションを起動します。次のメッセージが表示されるまで待ちます。
The rescue environment will now attempt to find your Linux installation and mount it under the directory: /mnt/sysroot/. You can then make any changes required to your system. Choose 1 to proceed with this step. You can choose to mount your file systems read-only instead of read-write by choosing 2. If for some reason this process does not work choose 3 to skip directly to a shell. 1) Continue 2) Read-only mount 3) Skip to shell 4) Quit (Reboot)
1 を選択すると、インストールプログラムは
/mnt/sysroot/
ディレクトリーにファイルシステムをマウントしようとします。パーティションのマウントに失敗すると通知されます。2 を選択すると、ファイルシステムを/mnt/sysroot/
ディレクトリーにマウントしようとしますが、読み取り専用モードになります。3 を選択すると、ファイルシステムはマウントされません。システムルートの場合には、インストーラーは
/mnt/sysimage
と/mnt/sysroot
の 2 つのマウントポイントをサポートします。/mnt/sysroot
パスは、ターゲットシステムの/
をマウントするために使用されます。通常、物理ルートとシステムの root は同じであるため、/mnt/sysroot
は/mnt/sysimage
と同じファイルシステムに割り当てられます。唯一の例外は、デプロイメントに基づいてシステムの root が変更する rpm-ostree システムのみです。次に、/mnt/sysroot
は、/mnt/sysimage
のサブディレクトリーに割り当てられます。chroot には/mnt/sysroot
を使用することを推奨します。続行するには 1 を選択します。システムがレスキューモードになると、VC (仮想コンソール) 1 および VC 2 にプロンプトが表示されます。
Ctrl+Alt+F1
キーの組み合わせで VC 1 にアクセスし、Ctrl+Alt+F2
で VC 2 にアクセスします。sh-4.2#
ファイルシステムがマウントされていても、レスキューモードではデフォルトの root パーティションは一時的な root パーティションであり、通常のユーザーモード (
multi-user.target
またはgraphical.target
) で使用するファイルシステムの root パーティションではありません。ファイルシステムのマウントを選択し、正常にマウントされた場合は、次のコマンドを実行してレスキューモード環境の root パーティションを、ファイルシステムの root パーティションに変更できます。sh-4.2# chroot /mnt/sysroot
これは、root パーティションが
/
としてマウントされることが求められるrpm
などのコマンドを実行する必要がある場合に便利です。chroot 環境を終了するには、exit と入力してプロンプトに戻ります。3 を選択した場合でも、
/directory/
などのディレクトリーを作成し、次のコマンドを入力すると、レスキューモード内でパーティションまたは LVM2 論理ボリュームを手動でマウントできます。sh-4.2# mount -t xfs /dev/mapper/VolGroup00-LogVol02 /directory
上記のコマンドでは、
/directory/
は作成したディレクトリーで、/dev/mapper/VolGroup00-LogVol02
はマウントする LVM2 論理ボリュームになります。パーティションのタイプが XFS 以外の場合は、文字列 xfs を正しい種類 (ext4 など) に置き換えます。すべての物理パーティションの名前が不明な場合は、次のコマンドを実行するとリストが表示されます。
sh-4.2# fdisk -l
LVM2 物理ボリューム、ボリュームグループ、または論理ボリュームの名前がすべて不明な場合は、
pvdisplay
コマンド、vgdisplay
コマンド、またはlvdisplay
コマンドを使用します。
B.10.2. レスキューモードでの SOS レポートの使用
sosreport
コマンドラインユーティリティーは、実行中のカーネルバージョン、読み込み済みモジュール、システムおよびサービスの設定ファイルなどの設定および診断情報をシステムから収集します。このユーティリティーの出力は、/var/tmp/
ディレクトリーの tar アーカイブに保存されます。sosreport
ユーティリティーは、システムエラーの分析とトラブルシューティングに役立ちます。この手順に従って、レスキューモードで sosreport
出力を取得します。
前提条件
- レスキューモードでシステムを起動している。
-
インストール済みのシステムの
/ (root)
パーティションを読み書きモードでマウントしている。 - この問題を Red Hat サポートに連絡し、ケース番号を受け取っている。
手順
root ディレクトリーを
/mnt/sysroot/
ディレクトリーに変更します。sh-4.2# chroot /mnt/sysroot/
sosreport
を実行して、システム設定と診断情報を含むアーカイブを生成します。sh-4.2# sosreport
重要sosreport
は、Red Hat サポートから受け取った名前とケース番号の入力を求めるプロンプトが表示されます。次の文字またはスペースを追加するとレポートが使用できなくなる可能性があるため、英数字のみを使用してください。# % & { } \ < > > * ? / $ ~ ' " : @ + ` | =
必要に応じて、ネットワークを使用して、生成されたアーカイブを新しい場所に転送する場合は、ネットワークインターフェイスを設定する必要があります。このシナリオでは、他の手順は必要ないため、動的 IP アドレス指定を使用します。ただし、静的アドレスを使用する場合は、次のコマンドを実行して、ネットワークインターフェイス (dev eth0 など) に IP アドレス (10.13.153.64/23 など) を割り当てます。
bash-4.2# ip addr add 10.13.153.64/23 dev eth0
chroot 環境を終了します。
sh-4.2# exit
生成されたアーカイブを新しい場所に保存し、その場所からアーカイブへのアクセスを容易にします。
sh-4.2# cp /mnt/sysroot/var/tmp/sosreport new_location
ネットワークを介したアーカイブの転送は、
scp
ユーティリティーを使用します。sh-4.2# scp /mnt/sysroot/var/tmp/sosreport username@hostname:sosreport
B.10.3. GRUB2 ブートローダーの再インストール
シナリオによっては、GRUB2 ブートローダーが誤って削除または破損されたり、他のオペレーティングシステムによって置き換えられることがあります。BIOS を備えた AMD64 および Intel 64 システム上のマスターブートレコード (MBR) に GRUB2 を再インストールするには、この手順を使用します。
前提条件
- レスキューモードでシステムを起動している。
-
インストール済みのシステムの
/ (root)
パーティションを読み書きモードでマウントしている。 -
/boot
マウントポイントを読み取り/書き込みモードでマウントしている。
手順
root パーティションを変更します。
sh-4.2# chroot /mnt/sysroot/
install_device
ブロックデバイスがインストールされている GRUB2 ブートローダーを再インストールします。sh-4.2# /sbin/grub2-install install_device
重要grub2-install
コマンドを実行すると、以下の条件がすべて適用されると、マシンが起動できなくなる可能性があります。- システムは、EFI (Extensible Firmware Interface) を使用する AMD64 または Intel 64 です。
- Secure Boot が有効になります。
grub2-install
コマンドを実行すると、EFI (Extendsible Firmware Interface) および Secure Boot が有効な AMD64 システムまたは Intel 64 システムを起動することはできません。この問題は、grub2-install
コマンドが shim アプリケーションを使用する代わりに直接起動する署名されていない GRUB2 イメージをインストールするために発生します。システムが起動すると shim アプリケーションはイメージの署名を検証します。見つからない場合は、システムの起動に失敗します。- システムを再起動します。
B.10.4. RPM を使用してドライバーを追加または削除
ドライバーが見つからないか、誤作動すると、システムの起動時に問題が発生します。レスキューモードは、システムが起動に失敗してもドライバーを追加または削除できる環境を提供します。可能な場合は、RPM パッケージマネージャーを使用して、誤作動するドライバーを削除するか、更新されたドライバーや不足しているドライバーを追加することが推奨されます。以下の手順に従って、ドライバーを追加または削除します。
ドライバーディスクからドライバーをインストールすると、ドライバーディスクは、このドライバーを使用するシステムにある initramfs
イメージをすべて更新します。ドライバーが原因でシステムが起動できない場合は、別の initramfs
イメージからシステムを起動する方法は使用できません。
B.10.4.1. RPM を使用したドライバーの追加
以下の手順に従ってドライバーを追加します。
前提条件
- レスキューモードでシステムを起動している。
- インストール済みのシステムを読み書きモードでマウントしている。
手順
-
そのドライバーを含む RPM パッケージを利用できるようにします。たとえば、CD または USB フラッシュドライブをマウントして、RPM パッケージを
/mnt/sysroot/
配下の任意の場所 (例:/mnt/sysroot/root/drivers/
) にコピーします。 root ディレクトリーを
/mnt/sysroot/
に変更します。sh-4.2# chroot /mnt/sysroot/
rpm -ivh
コマンドを使用して、ドライバーパッケージをインストールします。たとえば、以下のコマンドを実行して、xorg-x11-drv-wacom
ドライバーパッケージを/root/drivers/
からインストールします。sh-4.2# rpm -ivh /root/drivers/xorg-x11-drv-wacom-0.23.0-6.el7.x86_64.rpm
注記この chroot 環境の
/root/drivers/
ディレクトリーは、元のレスキュー環境の/mnt/sysroot/root/drivers/
ディレクトリーです。chroot 環境を終了します。
sh-4.2# exit
B.10.4.2. RPM を使用したドライバーの削除
以下の手順に従ってドライバーを削除します。
前提条件
- レスキューモードでシステムを起動している。
- インストール済みのシステムを読み書きモードでマウントしている。
手順
root ディレクトリーを
/mnt/sysroot/
ディレクトリーに変更します。sh-4.2# chroot /mnt/sysroot/
rpm -e
コマンドを使用して、ドライバーパッケージを削除します。たとえば、xorg-x11-drv-wacom
ドライバーパッケージを削除するには、次のコマンドを実行します。sh-4.2# rpm -e xorg-x11-drv-wacom
chroot 環境を終了します。
sh-4.2# exit
誤動作のあるドライバーを何らかの理由で削除できない場合は、代わりにドライバーを拒否リストに登録することで、起動時に読み込まれないようにすることができます。
- ドライバーの追加および削除が終了したら、システムを再起動します。
B.11. ip= 起動オプションがエラーを返す
ip=
起動オプションの形式 ip=[ip address]
(ip=192.168.1.1
など) を使用すると、エラーメッセージ Fatal for argument 'ip=[insert ip here]'\n sorry, unknown value [ip address] refusing to continue
が返ります。
Red Hat Enterprise Linux の以前のリリースにおける起動オプションの形式は次のようになります。
ip=192.168.1.15 netmask=255.255.255.0 gateway=192.168.1.254 nameserver=192.168.1.250 hostname=myhost1
ただし、Red Hat Enterprise Linux 9 では、起動オプションの形式は次のようになります。
ip=192.168.1.15::192.168.1.254:255.255.255.0:myhost1::none: nameserver=192.168.1.250
この問題を解決するには、ip=ip::gateway:netmask:hostname:interface:none
の形式を使用します。ここでは、以下のようになります。
-
ip
はクライアントの IP アドレスを指定します。IPv6 アドレスは角括弧で囲んで指定できます ([2001:DB8::1]
など)。 -
gateway
はデフォルトのゲートウェイです。IPv6 アドレスも使用できます。 -
netmask
は使用するネットマスクです。完全ネットマスク (255.255.255.0 など) または接頭辞 (64
など) を使用できます。 -
hostname
はクライアントシステムのホスト名です。このパラメーターは任意です。
関連情報
B.12. iLO デバイスまたは iDRAC デバイスにおいてグラフィカルインストールで起動できない
iLO デバイスまたは iDRAC デバイスでのリモート ISO インストールのグラフィカルインストーラーは、インターネット接続が遅いために利用できないことがあります。この場合、インストールを続行するには、以下のいずれかの方法を選択できます。
タイムアウトを避ける。そのためには、以下を実施します。
- インストールメディアから起動する際に、BIOS を使用している場合は キーを、UEFI を使用している場合は キーを押します。これにより、カーネルコマンドライン引数を変更できます。
インストールを続行するには、
rd.live.ram=1
を追加し、BIOS を使用している場合は を、UEFI を使用している場合は を押します。インストールプログラムを読み込むのに時間がかかる場合があります。
グラフィカルインストーラーのロード時間を延長する別のオプションは、
inst.xtimeout
カーネル引数を秒単位で設定することです。inst.xtimeout=N
- システムをテキストモードでインストールできます。詳細は Installing RHEL8 in text mode を参照してください。
- ローカルメディアソースではなく、iLO や iDRAC などのリモート管理コンソールで、Red Hat カスタマーポータルの Download center にあるインストール ISO ファイルへの直接 URL を使用します。このセクションにアクセスするには、ログインしている必要があります。
B.13. Rootfs イメージは initramfs ではありません
インストーラーの起動中にコンソールに次のメッセージが表示される場合は、インストーラーの initrd.img
の転送でエラーが発生した可能性があります。
[ ...] rootfs image is not initramfs
この問題を解決するには、initrd
を再度ダウンロードするか、initrd.img
を使用して sha256sum
を実行し、インストールメディアの .treeinfo
ファイルに保存されているチェックサムと比較します。
$ sha256sum dvd/images/pxeboot/initrd.img fdb1a70321c06e25a1ed6bf3d8779371b768d5972078eb72b2c78c925067b5d8 dvd/images/pxeboot/initrd.img
.treeinfo
でチェックサムを表示するには、以下を行います。
$ grep sha256 dvd/.treeinfo images/efiboot.img = sha256:d357d5063b96226d643c41c9025529554a422acb43a4394e4ebcaa779cc7a917 images/install.img = sha256:8c0323572f7fc04e34dd81c97d008a2ddfc2cfc525aef8c31459e21bf3397514 images/pxeboot/initrd.img = sha256:fdb1a70321c06e25a1ed6bf3d8779371b768d5972078eb72b2c78c925067b5d8 images/pxeboot/vmlinuz = sha256:b9510ea4212220e85351cbb7f2ebc2b1b0804a6d40ccb93307c165e16d1095db
正しい initrd.img
があるにもかかわらず、インストーラーの起動中に次のカーネルメッセージが表示される場合は、多くの場合、ブートパラメーターが欠落しているか、スペルが間違っており、インストーラーは、通常インメモリー root ファイルシステムの完全なインストーラーの初期ラムディスクを提供する inst.repo=
パラメーターによって参照される stage2
をロードできませんでした。
[ ...] No filesystem could mount root, tried: [ ...] Kernel panic - not syncing: VFS: Unable to mount root fs on unknown-block(1,0) [ ...] CPU: 0 PID: 1 Comm: swapper/0 Not tainted 5.14.0-55.el9.s390x #1 [ ...] ... [ ...] Call Trace: [ ...] ([<...>] show_trace+0x.../0x...) [ ...] [<...>] show_stack+0x.../0x... [ ...] [<...>] panic+0x.../0x... [ ...] [<...>] mount_block_root+0x.../0x... [ ...] [<...>] prepare_namespace+0x.../0x... [ ...] [<...>] kernel_init_freeable+0x.../0x... [ ...] [<...>] kernel_init+0x.../0x... [ ...] [<...>] kernel_thread_starter+0x.../0x... [ ...] [<...>] kernel_thread_starter+0x.../0x…
この問題を解決するには、次を確認してください
-
指定されたインストールソースがカーネルコマンドライン (
inst.repo=
) またはキックスタートファイルで正しい場合 - ネットワーク設定はカーネルコマンドラインで指定される (インストールソースがネットワークとして指定されている場合)
- ネットワークインストールソースが別のシステムからアクセス可能