23.2. RHEL のイメージモードにおける注目すべき変更
Image Mode for RHEL では、ユーザーが dnf --transient
を使用して、再起動時にリセットされるパッケージトランザクションを実行できるようになる
以前は、Image Mode for RHEL では、bootc usr-overlay
コマンドを実行してシステムのロックを解除し、DNF コマンドを実行して変更を加えることで、パッケージを一時的にインストール、削除、アップグレードできました。bootc usr-overlay
を使用する場合にシステムを再起動すると、/usr
ディレクトリーのオーバーレイが消え、そこに行われたすべての変更がリセットされます。/etc
内の設定や /var
内のプログラム状態など、他のディレクトリーへの変更は、再起動後も保持されます。
RHEL 9.6 では、bootc システムでのユーザーエクスペリエンスを向上させるために、new- transient
フラグと新しい 永続性
設定オプションが DNF に追加されました。次のいずれかのオプションを使用して、bootc usr-overlay
ステップをスキップできるようになりました。
-
dnf --transient
コマンドを使用します。 -
dnf.conf
ファイルで、persistence
オプションをtransient
に設定します。
bootc usr-overlay
、--transient
、および persistence=transient
を使用することにより、トランザクションの前、最中、および後に、/usr
ディレクトリーが他のプロセスに対して読み取り専用のままになります。
たとえば、make
パッケージを一時的にインストールするには、次のように入力します。
dnf install --transient make
# dnf install --transient make