3.4. RHEL イメージの GCP へのアップロード
Google Cloud Platform (GCP) で RHEL 9 インスタンスを実行するには、RHEL 9 イメージを GCP にアップロードする必要があります。
3.4.1. GCP での新規プロジェクトの作成
Red Hat Enterprise Linux 9 イメージを Google Cloud Platform (GCP) にアップロードするには、まず GCP で新しいプロジェクトを作成する必要があります。
前提条件
- GCP のアカウントを持っている必要があります。そうでない場合は、Google Cloud を参照してください。
手順
- GCP コンソール を起動します。
- Google Cloud Platform の右側にあるドロップダウンメニューをクリックします。
- ポップアップメニューから 新しいプロジェクト をクリックします。
- 新しいプロジェクト ウィンドウに、新規プロジェクトの名前を入力します。
- Organizationのチェックボックスを選択します。ドロップダウンメニューをクリックして、必要に応じて組織を変更します。
- 親組織またはフォルダーの 場所 を確認します。参照 をクリックして検索し、必要に応じてこの値を変更します。
作成 をクリックして、新しい GCP プロジェクトを作成します。
注記Google Cloud SDK をインストールしたら、CLI コマンドの
gcloud projects create
を使用してプロジェクトを作成できます。以下に例を示します。# gcloud projects create my-gcp-project3 --name project3
この例では、プロジェクト ID
my-gcp-project3
とプロジェクト名project3
のプロジェクトを作成します。詳細は、gcloud project create を参照してください。
3.4.2. Google Cloud SDK のインストール
Google Cloud Platform (GCP) で HA クラスターを管理する際に、多くの手順で Google Cloud SDK のツールが必要になります。
手順
- GCP の説明に従って、Google Cloud SDK アーカイブをダウンロードし、抽出します。詳細は、GCP ドキュメント Quickstart for Linux を参照してください。
Google Cloud SDK の初期化と同じ手順に従います。
注記Google Cloud SDK を初期化すると、
gcloud
CLI コマンドを使用してタスクを実行でき、プロジェクトとインスタンスに関する情報を取得できます。たとえば、gcloud compute project-info describe --project <project-name>
コマンドを使用してプロジェクト情報を表示できます。
3.4.3. Google Compute Engine の SSH 鍵の作成
GCE で SSH 鍵を生成して登録し、パブリック IP アドレスを使用してインスタンスに直接 SSH 接続できるようにします。
手順
ssh-keygen
コマンドを使用して、GCE で使用する SSH 鍵ペアを生成します。# ssh-keygen -t rsa -f ~/.ssh/google_compute_engine
- GCP Console Dashboard ページ から、Google の Cloud Console バナー の左側にある ナビゲーション メニューをクリックし、Compute Engine を選択して Metadata を選択します。
- SSH 鍵 をクリックして、編集 をクリックします。
~/.ssh/google_compute_engine.pub
ファイルから生成された出力を入力し、保存 をクリックします。これで、標準の SSH を使用してインスタンスに接続できます。
# ssh -i ~/.ssh/google_compute_engine <username>@<instance_external_ip>
gcloud compute config-ssh
コマンドを実行すると、インスタンスのエイリアスを設定ファイルに追加できます。エイリアスは、インスタンス名による単純な SSH 接続を許可します。gcloud compute config-ssh
コマンドの詳細は、gcloud compute config-ssh を参照してください。
3.4.4. GCP ストレージでのストレージバケットの作成
RHEL 9 イメージを GCP にインポートするには、まず GCP ストレージバケットを作成する必要があります。
手順
GCP にログインしていない場合は、次のコマンドを実行してログインします。
# gcloud auth login
ストレージバケットを作成します。
# gsutil mb gs://bucket_name
注記Google Cloud コンソールを使用してバケットを作成することもできます。詳細は、バケットの作成 を参照してください。
関連情報
3.4.5. GCP バケットへのイメージの変換およびアップロード
ローカルの RHEL 9 イメージを GCP にデプロイするには、まずイメージを変換して GCP バケットにアップロードする必要があります。次の手順では、qcow2
イメージを raw
形式に変換し、そのイメージを tar
アーカイブとしてアップロードする方法を説明します。ただし、異なる形式を使用することも可能です。
手順
qemu-img
コマンドを実行してイメージを変換します。変換されたイメージは、disk.raw
という名前になるはずです。# qemu-img convert -f qcow2 -O raw rhel-9.0-sample.qcow2 disk.raw
イメージに tar コマンドを実行します。
# tar --format=oldgnu -Sczf disk.raw.tar.gz disk.raw
そのイメージを、以前作成したバケットにアップロードします。アップロードには数分かかる場合があります。
# gsutil cp disk.raw.tar.gz gs://bucket_name
- Google Cloud Platform のホーム画面で、折りたたまれたメニューアイコンをクリックし、ストレージ を選択してから ブラウザー を選択します。
バケットの名前をクリックします。
バケット名の下に、tar コマンドを実行したイメージが表示されます。
注記GCP コンソール を使用してイメージをアップロードすることもできます。これを行うには、バケットの名前をクリックしてから ファイルのアップロード をクリックします。
関連情報
3.4.6. GCP バケットのオブジェクトからイメージの作成
GCP バケットにアップロードしたオブジェクトから GCE イメージを作成するには、オブジェクトを GCE イメージに変換する必要があります。
手順
以下のコマンドを実行して GCE のイメージを作成します。作成するイメージの名前、バケット名、および tar コマンドを実行したイメージの名前を指定します。
# gcloud compute images create my-image-name --source-uri gs://my-bucket-name/disk.raw.tar.gz
注記または、Google Cloud コンソールを使用して、イメージを作成することもできます。詳細は、カスタムイメージの作成、削除、および中止 を参照してください。
オプション: GCP コンソールでイメージを確認します。
- Google Cloud Console バナーの左側にある ナビゲーション メニューをクリックします。
- Compute Engine を選択し、イメージ を選択します。
3.4.7. イメージからの Google Compute Engine インスタンスの作成
イメージから GCE 仮想マシンインスタンスを設定するには、GCP コンソールを使用します。
GCE 仮想マシンインスタンスおよびその設定オプションの詳細は、Creating and starting a VM instance を参照してください。
手順
- GCP Console Dashboard ページ から、Google の Cloud Console バナー の左側にある ナビゲーション メニューをクリックし、Compute Engine を選択して イメージ を選択します。
- イメージを選択します。
- インスタンスの作成 をクリックします。
- インスタンスの作成 ページで、インスタンスの 名前 を入力します。
- 地域 と ゾーン を選択します。
- ワークロードの要件を満たす、もしくは超過する マシン設定 を選択します。
- ブートディスク にイメージ名が指定されていることを確認します。
- オプション: Firewall で Allow HTTP traffic または Allow HTTPS traffic を選択します。
Create をクリックします。
注記これらは、基本インスタンスの作成に必要な最小限の設定オプションです。アプリケーション要件に応じて追加オプションを確認します。
- VM instances にあるイメージを見つけます。
GCP Console Dashboard から、Google の Cloud Console バナー の左側にある Navigation メニューをクリックし、Compute Engine を選択してから VM instances を選択します。
注記または、CLI コマンド
gcloud compute instances create
を使用して、イメージから GCE 仮想マシンインスタンスを作成することもできます。簡単な例を以下に示します。gcloud compute instances create myinstance3 --zone=us-central1-a --image test-iso2-image
この例では、既存のイメージ
test-iso2-image
に基づいて、ゾーンus-central1-a
にmyinstance3
という名前の仮想マシンインスタンスを作成します。詳細は、gcloud compute instances create を参照してください。
3.4.8. インスタンスへの接続
パブリック IP アドレスを使用して GCE インスタンスに接続します。
手順
インスタンスが実行中であることを確認します。次のコマンドは、インスタンスが実行中かどうか、実行中の場合は実行中のインスタンスのパブリック IP アドレスなど、GCE インスタンスに関する情報をリスト表示します。
# gcloud compute instances list
標準の SSH を使用してインスタンスに接続します。この例では、上述の手順で作成した
google_compute_engine
キーを使用します。# ssh -i ~/.ssh/google_compute_engine <user_name>@<instance_external_ip>
注記GCP は、インスタンスに対して SSH を多数実行する方法を提供します。詳細は、Connecting to instances を参照してください。以前に設定した root アカウントおよびパスワードを使用して、インスタンスに接続することもできます。
3.4.9. Red Hat サブスクリプションの割り当て
subscription-manager
コマンドを使用すると、Red Hat サブスクリプションを登録して RHEL インスタンスに割り当てることができます。
前提条件
- サブスクリプションが有効になっている。
手順
システムを登録します。
# subscription-manager register --auto-attach
サブスクリプションを割り当てます。
- アクティベーションキーを使用して、サブスクリプションを割り当てることができます。詳細は、カスタマーポータルのアクティベーションキーを作成する を参照してください。
- または、サブスクリプションプール (Pool ID) の ID を使用してサブスクリプションを手動で割り当てることができます。ホストベースのサブスクリプションのハイパーバイザーへの割り当て を参照してください。
オプション: Red Hat Hybrid Cloud Console のインスタンスに関するさまざまなシステムメトリックを収集するには、インスタンスを Red Hat Insights に登録できます。
# insights-client register --display-name <display-name-value>
Red Hat Insights の詳細な設定については、Red Hat Insights のクライアント設定ガイド を参照してください。