第1章 RHEL システム向け RHEL Lightspeed の概要
RHEL Lightspeed のインテリジェントな機能は、RHEL の経験が少ない場合でも、すでに経験がある場合でも、システム環境をより利用しやすい方法で管理するのに役立ちます。
1.1. RHEL Lightspeed を搭載したコマンドラインアシスタント
RHEL Lightspeed を搭載したコマンドラインアシスタントは、RHEL コマンドラインインターフェイス内で利用できるオプションの AI ツールです。このツールには、Knowledge Centered Service (KCS) の記事、RHEL ドキュメント、その他の Red Hat リソースからの Red Hat ナレッジ情報が組み込まれています。アシスタントを使用すると、次のようなアクティビティーに関するサポートを受けることができます。
- RHEL 関連の質問への回答
- 問題のトラブルシューティングと修正のサポート
- ログファイルの理解
- 推奨事項の要求
RHEL Lightspeed を搭載したコマンドラインアシスタントを使用すると、対話型のワークフローで問題を解決したり、新しい RHEL 機能を実装したり、情報を検索したりすることができます。たとえば、コマンドを実行してからコマンドラインアシスタントを使用して、出力と次のステップを理解することができます。または、SSH に関する質問をして、提案を受け取り、さらに別の質問をして問題の診断を続けることもできます。
標準のコマンドラインインターフェイスを使用する場合のように複雑なコマンドを使用せずに、わかりやすい言葉を使用して、RHEL Lightspeed を搭載したコマンドラインアシスタントと対話できます。
RHEL Lightspeed を搭載したコマンドラインアシスタントでは、直接のインターネット接続は必要ありません。これは、すべての RHEL システムをインターネット経由でサービスに直接接続せずに、インターネットに接続された 1 つのプロキシーシステムを介して RHEL システムからのすべての要求を代理できる場合に役立ちます。
RHEL Lightspeed コマンドラインアシスタントは、RHEL のライフサイクルに従います。サポートされているバージョンと関連ポリシーの詳細は、Red Hat Enterprise Linux のライフサイクル を参照してください。
コマンドラインアシスタントは、実行中のシステムに関する情報に直接アクセスすることはできません。ただし、入力したメッセージと LLM プロバイダーに送信される環境に、環境に関する情報を含めることができます。たとえば、このアシスタントは、ツールを実行しているシステム上の使用可能な空きメモリーに関する回答を提供することができません。代わりに、コマンドラインアシスタントは、空きメモリーの量を確認するために実行できるコマンドに関する情報を返します。
RHEL Lightspeed による生成 AI 機能の使用
RHEL Lightspeed は WatsonX AI API LLM (Large Language Model) を使用します。このモデルは、SaaS 外部インフラストラクチャーとしてデプロイされます。