第11章 カーネルロギングの使用
ログファイルは、カーネル、サービス、システム上で実行されているアプリケーションなど、システムに関するメッセージを提供します。Red Hat Enterprise Linux のロギングシステムは、組み込みの syslog プロトコルによって提供されます。さまざまなユーティリティーがこのシステムを使用してイベントを記録し、ログファイルにまとめます。このファイルは、オペレーティングシステムの監査や問題のトラブルシューティングに役に立ちます。
11.1. カーネルリングバッファーとは
起動プロセス中、コンソールはシステム起動の初期段階に関する重要な情報を提供します。先に出力されたメッセージが失われないように、カーネルはリングバッファーを利用します。このバッファーは、カーネルコード内の printk()
関数により生成されるブートメッセージなど、すべてのメッセージを格納します。次に、カーネルリングバッファーからのメッセージは、syslog
サービスなどの永続ストレージのログファイルに読み込まれ、保存されます。
リングバッファーは、固定サイズの循環データ構造で、カーネルにハードコーディングされています。ユーザーは、dmesg
コマンドまたは /var/log/boot.log
ファイル介して、カーネルリングバッファーに保存されているデータを表示できます。リングバッファーが満杯になると、新しいデータにより古いデータが上書きされます。
関連情報
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syslog(2)
およびdmesg(1)
の man ページ