19.2. crash ユーティリティーの実行および終了


crash ユーティリティーは、kdump を分析するための強力なツールです。クラッシュダンプファイルに対して crash を実行すると、クラッシュ時のシステムの状態を把握し、問題の根本原因を特定し、カーネル関連の問題をトラブルシューティングできます。

前提条件

  • 現在実行しているカーネルを特定します (5.14.0-1.el9.x86_64 など)。

手順

  1. crash ユーティリティーを起動するには、2 つの必要なパラメーターをコマンドに渡す必要があります。

    • debug-info (圧縮解除された vmlinuz イメージ) (特定の kernel-debuginfo パッケージに含まれる /usr/lib/debug/lib/modules/5.14.0-1.el9.x86_64/vmlinux など)
    • 実際の vmcore ファイル (例: /var/crash/127.0.0.1-2021-09-13-14:05:33/vmcore)

      結果として得られる crash コマンドは次のようになります。

      # crash /usr/lib/debug/lib/modules/5.14.0-1.el9.x86_64/vmlinux /var/crash/127.0.0.1-2021-09-13-14:05:33/vmcore

      kdump で取得したのと同じ <kernel> のバージョンを使用します。

  2. crash ユーティリティーの実行

    以下の例は、5.14.0-1.el9.x86_64 カーネルを使用して 2021 年 9 月 13 日の 14:05 PM に作成されたコアダンプを分析する方法を示しています。

    ...
    WARNING: kernel relocated [202MB]: patching 90160 gdb minimal_symbol values
    
          KERNEL: /usr/lib/debug/lib/modules/5.14.0-1.el9.x86_64/vmlinux
        DUMPFILE: /var/crash/127.0.0.1-2021-09-13-14:05:33/vmcore  [PARTIAL DUMP]
            CPUS: 2
            DATE: Mon Sep 13 14:05:16 2021
          UPTIME: 01:03:57
    LOAD AVERAGE: 0.00, 0.00, 0.00
           TASKS: 586
        NODENAME: localhost.localdomain
         RELEASE: 5.14.0-1.el9.x86_64
         VERSION: #1 SMP Wed Aug 29 11:51:55 UTC 2018
         MACHINE: x86_64  (2904 Mhz)
          MEMORY: 2.9 GB
           PANIC: "sysrq: SysRq : Trigger a crash"
             PID: 10635
         COMMAND: "bash"
            TASK: ffff8d6c84271800  [THREAD_INFO: ffff8d6c84271800]
             CPU: 1
           STATE: TASK_RUNNING (SYSRQ)
    
    crash>
  3. 対話型プロンプトを終了して crash を停止するには、exit または q と入力します。

    crash> exit
    ~]#
注記

crash コマンドは、ライブシステムをデバッグするための強力なツールとして利用することもできます。ただし、システムレベルの問題を回避するために注意して使用する必要があります。

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