7.6. 現在インストールされているカーネルをライブパッチストリームにサブスクライブする手順
カーネルパッチモジュールは RPM パッケージに含まれ、パッチが適用されたカーネルバージョンに固有のものとなります。各 RPM パッケージは、徐々に蓄積されていきます。
以下の手順では、指定のカーネルに対して、今後の累積パッチ更新をすべてサブスクライブする方法を説明します。ライブパッチは累積的であるため、特定のカーネルにデプロイされている個々のパッチを選択できません。
Red Hat は、Red Hat がサポートするシステムに適用されたサードパーティーのライブパッチをサポートしません。
前提条件
- root 権限がある。
手順
オプション: カーネルのバージョンを確認します。
# uname -r 5.14.0-1.el9.x86_64
カーネルのバージョンに一致するライブパッチパッケージを検索します。
# dnf search $(uname -r)
ライブパッチパッケージをインストールします。
# dnf install "kpatch-patch = $(uname -r)"
上記のコマンドでは、特定カーネルにのみに最新の累積パッチをインストールし、適用します。
ライブパッチパッケージのバージョンが 1-1 以上である場合には、パッケージにパッチモジュールが含まれます。この場合、ライブパッチパッケージのインストール時に、カーネルにパッチが自動的に適用されます。
カーネルパッチモジュールは、今後の再起動時に
systemd
システムおよびサービスマネージャーにより読み込まれる/var/lib/kpatch/
ディレクトリーにもインストールされます。注記指定のカーネルに利用可能なライブパッチがない場合は、空のライブパッチパッケージがインストールされます。空のライブパッチパッケージには、kpatch_version-kpatch_release 0-0 (例:
kpatch-patch-5_14_0-1-0-0.x86_64.rpm
) が含まれます。空の RPM のインストールを行うと、指定のカーネルの将来のすべてのライブパッチにシステムがサブスクライブされます。
検証
インストールされているすべてのカーネルにパッチが当てられていることを確認します。
# kpatch list Loaded patch modules: kpatch_5_14_0_1_0_1 [enabled] Installed patch modules: kpatch_5_14_0_1_0_1 (5.14.0-1.el9.x86_64) …
この出力は、カーネルパッチモジュールがカーネルに読み込まれていることを示しています。このカーネルには、
kpatch-patch-5_14_0-1-0-1.el9.x86_64.rpm
パッケージで修正された最新のパッチが当てられています。注記kpatch list
コマンドを入力しても、空のライブパッチパッケージが返されません。代わりにrpm -qa | grep kpatch
コマンドを使用します。# rpm -qa | grep kpatch kpatch-dnf-0.4-3.el9.noarch kpatch-0.9.7-2.el9.noarch kpatch-patch-5_14_0-284_25_1-0-0.el9_2.x86_64
関連情報
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kpatch(1)
の man ページ - RHEL 9 コンテンツのインストール