第5章 アップグレードの実行
準備手順を完了し、アップグレード前のレポートで見つかった問題を確認および解決したら、システムでインプレースアップグレードを実行できます。
5.1. RHEL 8.10 から RHEL 9.4 および 9.5 へのアップグレードの実行
この手順では、Leapp
ユーティリティーを使用してアップグレードを実行するために必要なステップをリストします。
前提条件
- フルシステムバックアップを含め、アップグレードの準備 に記載されている手順を完了している。
- アップグレード前のレポートの確認 に記載されている手順を完了し、報告されたすべての問題が解決されている。
手順
RHEL 8 システムで、アップグレードプロセスを開始します。
# leapp upgrade
アップグレードに
/etc/yum.repos.d/
ディレクトリーの カスタムリポジトリー を使用する場合は、以下のように選択したリポジトリーを有効にします。# leapp upgrade --enablerepo <repository_id1> --enablerepo <repository_id2> ...
-
RHSM なしでアップグレード する場合、または RHUI を使用する場合は、
--no-rhsm
オプションを追加します。 -
ISO イメージを使用してアップグレードする場合は、
--no-rhsm
および--iso <file_path>
オプションを追加します。<file_path> は、保存された ISO イメージへのファイルパス (/home/rhel9.iso
など) に置き換えます。 -
Extended Upgrade Support (EUS)、Advanced Update Support (AUS)、または Update Services for SAP Solutions (E4S) (Red Hat ナレッジベース) のサブスクリプションがある場合は、
--channel channel
オプションを追加します。<channel> はleapp preupgrade
コマンドで使用した値 (eus
、aus
、e4s
など) に置き換えます。leapp preupgrade
およびleapp upgrade
コマンドの両方で、--channel
オプションで同じ値を使用する必要があります。 Red Hat OpenStack Platform で RHEL for Real Time または Real Time for Network Functions Virtualization (NFV) を使用している場合は、
--enablerepo
オプションを使用してデプロイメントを有効にします。以下に例を示します。# leapp upgrade --enablerepo rhel-9-for-x86_64-rt-rpms
詳細は、Real-Time Compute の設定 を参照してください。
アップグレードプロセスの開始時に、
Leapp
は、アップグレード前のレポートの確認 で説明されているアップグレード前のフェーズを実行します。-
システムをアップグレードできる場合は、
Leapp
が必要なデータをダウンロードし、アップグレード用の RPM トランザクションを作成します。 -
システムで、信頼できるアップグレードの設定要因が満たされていない場合は、
Leapp
がアップグレードプロセスを中止し、問題を説明する記録と、推奨される解決策を/var/log/leapp/leapp-report.txt
ファイルに出力します。詳細は、Troubleshooting を参照してください。
-
システムをアップグレードできる場合は、
システムを手動で再起動します。
# reboot
このフェーズでは、システムは RHEL 9 ベースの初期 RAM ディスクイメージ initramfs で起動します。
Leapp
は、すべてのパッケージをアップグレードして、自動的に RHEL 9 システムを再起動します。または、
--reboot
オプションを指定してleapp upgrade
コマンドを実行し、この手動の手順を省略することもできます。障害が発生した場合は、トラブルシューティング で説明されているように、ログと既知の問題を調査してください。
- RHEL 9 システムにログインし、アップグレード後の状態の確認 の説明に従ってその状態を確認します。
- アップグレードレポートおよび アップグレード後のタスクの実行 で説明されているすべてのアップグレード後のタスクを実行します。