25.2. Ansible を使用した非対称 vault へのメンバーサービスの追加
以下の手順に従って、Ansible Playbook を使用してメンバーサービスをサービス vault に追加し、これらすべてが vault に保存されているシークレットを取得できるようにします。以下の手順で使用する例では、IdM の管理者は HTTP/webserver2.idm.example.com と HTTP/webserver3.idm.example.com のサービスプリンシパルを HTTP/webserver1.idm.example.com が所有する secret_vault vault に追加します。
前提条件
次の要件を満たすように Ansible コントロールノードを設定した。
- Ansible バージョン 2.14 以降を使用している。
-
Ansible コントローラーに
ansible-freeipa
パッケージがインストールされている。 - ~/MyPlaybooks/ ディレクトリーに、IdM サーバーの完全修飾ドメイン名 (FQDN) を使用して Ansible インベントリーファイル を作成している (この例の場合)。
-
この例では、secret.yml Ansible vault に
ipaadmin_password
が保存されていることを前提としています。
-
ターゲットノード (
ansible-freeipa
モジュールが実行されるノード) が、IdM クライアント、サーバー、またはレプリカとして IdM ドメインに含まれている。 - IdM 管理者 パスワードが分かっている。
- サービスシークレットの保存先の 非対称 vault を作成している。
手順
/usr/share/doc/ansible-freeipa/playbooks/vault
ディレクトリーに移動します。$ cd /usr/share/doc/ansible-freeipa/playbooks/vault
オプション: inventory.file など、存在しない場合はインベントリーファイルを作成します。
$ touch inventory.file
インベントリーファイルを開き、
[ipaserver]
セクションに、設定する IdM サーバーを定義します。たとえば、Ansible に対して server.idm.example.com を設定するように指示するには、次のコマンドを実行します。[ipaserver] server.idm.example.com
Ansible Playbook ファイル (data-archive-in-asymmetric-vault.yml) を作成します。以下に例を示します。
$ cp data-archive-in-asymmetric-vault.yml add-services-to-an-asymmetric-vault.yml
- data-archive-in-asymmetric-vault-copy.yml ファイルを開いて編集します。
ファイルを変更するには、
ipavault
タスクセクションに以下の変数を設定します。-
ipaadmin_password
変数は IdM 管理者パスワードに設定します。 -
name
変数は vault の名前 (例: secret_vault) に設定します。 -
service
変数は vault のサービス所有者に設定します (例: HTTP/webserver1.idm.example.com)。 -
services 変数を使用して、vault シークレットにアクセスできる
サービス
を定義します。 action
変数はmember
に設定します。今回の例で使用するように変更した Ansible Playbook ファイル:
--- - name: Tests hosts: ipaserver gather_facts: false vars_files: - /home/user_name/MyPlaybooks/secret.yml tasks: - ipavault: ipaadmin_password: "{{ ipaadmin_password }}" name: secret_vault service: HTTP/webserver1.idm.example.com services: - HTTP/webserver2.idm.example.com - HTTP/webserver3.idm.example.com action: member
-
- ファイルを保存します。
Playbook を実行します。
$ ansible-playbook --vault-password-file=password_file -v -i inventory.file add-services-to-an-asymmetric-vault.yml