1.3. 概念
1.3.1. SAP NetWeaver または S/4HANA の高可用性 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
一般的な SAP NetWeaver または S/4HANA 環境は、次の 3 つの特徴的なコンポーネントで構成されます。
-
SAP
(A)SCSインスタンス - SAP アプリケーションサーバーインスタンス (Primary Application Server (PAS) および Additional Application Server (AAS) インスタンス)
- データベースインスタンス
(A)SCS インスタンスとデータベースインスタンスは単一障害点 (SPOF) です。したがって、データの損失や破損、および SAP システムの不必要な停止を避けるために、それらのインスタンスを HA ソリューションで確実に保護することが重要です。SPOF の詳細は、Single point of failure を参照してください。
アプリケーションサーバーの場合、エンキューサーバーが管理するエンキューロックテーブルが最も重要なコンポーネントです。これを保護するために、SAP はエンキューロックテーブルのバックアップコピーを保持する “Enqueue Replication Server“ (ERS) を開発しました。(A)SCS が 1 つのサーバーで実行されている間、ERS は常に、現在のエンキューテーブルのコピーを別のサーバー上に保持する必要があります。
このドキュメントでは、SAP と Red Hat が確立した高可用性のガイドラインに準拠する (A)SCS および ERS インスタンスを管理するための HA クラスターソリューション (2 ノードまたは 3 ノード) をセットアップする方法を説明します。HA ソリューションは、通常 SAP NetWeaver で使用される “Standalone Enqueue Server” (ENSA1) と、SAP S/4HANA で使用される “Standalone Enqueue Server 2” (ENSA2) のいずれにも使用できます。
さらに、同じ HA クラスターの一部として管理できる、または別個の HA クラスター上で管理できる Primary Application Server (PAS) や Additional Application Server (AAS) インスタンスなど、他の SAP インスタンスタイプを管理できるように HA クラスターリソースをセットアップするにあたってのガイドラインも提供します。
1.3.2. ENSA1 vs.ENSA2 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
1.3.2.1. Standalone Enqueue Server (ENSA1) リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
Standalone Enqueue Server (ENSA1) の (A)SCS インスタンスに問題がある場合は、(A)SCS インスタンスが ERS インスタンスの "後に続く" 必要があります。つまり、HA クラスターは、ERS インスタンスが現在実行されているホストで (A)SCS インスタンスを起動する必要があります。(A)SCS インスタンスを実行していたホストがフェンスされるまで、両方のインスタンスが同じノード上で実行されたままになります。(A)SCS インスタンスを以前に実行していた HA クラスターノードがオンラインに戻ったら、エンキューレプリケーションを再開できるように、HA クラスターは ERS インスタンスをその HA クラスターノードに移動する必要があります。
次の図は、Standalone Enqueue Server (ENSA1) を使用して SAP NetWeaver セットアップを管理するための Pacemaker HA クラスターの一般的なアーキテクチャーを示しています。
この図では、必要に応じて Primary Application Server および Additional Application Server (PAS/AAS) インスタンスを別のサーバーで管理できることが示されています。ただし、これらのインスタンスを (A)SCS インスタンスや ERS インスタンスと同じ HA クラスターノードで実行し、当該クラスターで管理することもサポートされています。
Standalone Enqueue Server (ENSA1) の動作の詳細は、SAP ドキュメントの Standalone Enqueue Server を参照してください。
1.3.2.2. Standalone Enqueue Server 2 (ENSA2) リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
上記で ENSA1 に関して説明したように、フェイルオーバーが発生した場合、Standalone Enqueue Server は Enqueue Replication Server の "後に続く" 必要があります。つまり、HA ソフトウェアは、ERS インスタンスが現在実行されているホストで (A)SCS インスタンスを起動する必要がありました。
Standalone Enqueue Server (ENSA1) とは対照的に、新しい Standalone Enqueue Server 2 (ENSA2) および Enqueue Replicator 2 にはこれらの制限がなくなりました。つまり、障害が発生した場合、ASCS インスタンスを同じクラスターノードで再起動できます。または、別の HA クラスターノードに移動することもできます。移動先のノードは、ERS インスタンスが実行されている HA クラスターノードである必要はありません。これにより、Standalone Enqueue Server 2 (ENSA2) を使用する場合に、3 つ以上の HA クラスターノードを持つマルチノード HA クラスターセットアップを使用できるようになります。
3 つ以上の HA クラスターノードを使用する場合、次の図に示すように、ASCS はスペアノードにフェイルオーバーします。
ENSA2 の詳細は、SAP Note の 2630416 - Support for Standalone Enqueue Server 2 を参照してください。
次の図は、Standalone Enqueue Server 2 (ENSA2) で SAP S/4HANA セットアップを管理するために使用できる 3 ノードクラスターのアーキテクチャーを示しています。
この図では、必要に応じて Primary Application Server および Additional Application Server (PAS/AAS) インスタンスを別のサーバーで管理できることが示されています。ただし、これらのインスタンスを ASCS インスタンスや ERS インスタンスと同じ HA クラスターノードで実行し、当該クラスターで管理することもサポートされています。
SAP S/4HANA の場合、“コスト最適化“ がなされた HA クラスターセットアップを使用することもできます。この場合、HANA システムレプリケーションセットアップの管理に使用するクラスターノードは、ASCS および ERS インスタンスの管理にも使用されます。