移行ガイド
Red Hat Fuse 7.6 への移行
概要
はじめに
本ガイドでは、Red Hat Fuse および Fuse アプリケーションの更新に関する情報を提供します。
Fuse 6 から最新の Fuse 7 リリースに移行する場合は、本ガイドの手順に従う前に、Red Hat Fuse 7.0 Migration Guide の手順に従う必要があります。
2章Spring Boot スタンドアロンでの Fuse アプリケーションのアップグレード
3章JBoss EAP スタンドアロンでの Fuse アプリケーションのアップグレード
第1章 Fuse Online のアップグレード
Fuse Online のアップグレードプロセスは、Fuse Online が Red Hat OpenShift Online または OpenShift Container Platform (OCP) にインストールされているかによって異なります。
- OpenShift Online の場合: Fuse 7.6 のリリース時に、OpenShift Online の Fuse Online インフラストラクチャーは自動的にアップグレードされます。Upgrading Fuse Online integrations that are running on OpenShift Online の説明にしたがって、稼働中のインテグレーションを再パブリッシュする必要があります。
- OCP の場合: オンサイトの OpenShift Container Platform で稼働している Fuse Online 環境をアップグレードするには、最新の Fuse Online リリースをダウンロードし、スクリプトを更新する必要があります。さらに Upgrading Fuse Online on OCP の説明どおりに稼働中のインテグレーションを再パブリッシュする必要があります。
1.1. OpenShift Online で実行されている Fuse Online インテグレーションのアップグレード
Fuse 7.2 のリリース時、OpenShift Online の Fuse Online インフラストラクチャーは自動的にアップグレードされます。インフラストラクチャーのアップグレード中、OpenShift Online で実行されている既存のインテグレーションはすべてアップグレード中とアップグレード後の実行が継続されます。しかし、既存のインテグレーションは古いバージョンの Fuse ライブラリーおよび依存関係で実行を継続します。
Fuse Online のインフラストラクチャーが新しいリリースにアップグレードされたことを知らせる電子メールのメッセージを受け取った後、既存のインテグレーションを再パブリッシュ (再起動だけではなく) してアップグレードします。これはできるだけ早期に行ってください。
Fuse Online 環境でインテグレーションを再パブリッシュするには、左側のナビゲーションパネルで Integrations をクリックします。その後、インテグレーションごとに以下を行います。
- インテグレーションエントリーの右側で をクリックし、Edit を選択します。
- Fuse Online で編集するインテグレーションが表示されたら、右上の Publish をクリックします。
パブリッシュを行うと、最新の Fuse Online 依存関係を使用して再ビルドが強制されます。
インテグテーションの要素に、更新の必要がある新しい依存関係がある場合、Fuse Online ユーザーインターフェイスに警告が表示されます。
1.2. OCP での Fuse Online のアップグレード
オンサイトで OCP で Fuse Online をアップグレードするには、最新の Fuse Online リリースをダウンロードして、クラスター管理者から Fuse Online をアップグレードする権限を取得し、更新スクリプトを実行します。
時々、パッチとセキュリティー修正が組み込まれた新しいアプリケーションイメージが Fuse Online に対してリリースされます。これらの更新は、Red Hat のエラータ更新チャネルを介して通知されます。その後、Fuse Online イメージをアップグレードできます。
下記条件のアップグレード手順は同じです。
- Fuse Online 7.5 から Fuse Online 7.6
- Fuse Online 7.6 の古いバージョンから Fuse Online 7.6 の新しいバージョン
前提条件
オンサイトで Fuse Online バージョン 7.5 が OCP にインストールされ、稼働している。または、オンサイトで Fuse Online 7.6 のあるバージョンが OCP にインストールされ、稼働しており、新しいアプリケーションイメージへのアップグレードを考えている。
以前のバージョンの場合は以下が必要になります。
- OCP で Fuse Online バージョン 7.4 を実行している場合は、7.5 にアップグレード してから 7.6 にアップグレードする必要があります。
- OCP で Fuse Online バージョン 7.3 を実行している場合は、7.4 にアップグレード してから 7.5 にアップグレードする必要があります。
- OCP で Fuse Online バージョン 7.2 を実行している場合は、7.3 にアップグレード する必要があります。
- OCP で Fuse Online バージョン 7.1 を実行している場合は、7.2 にアップグレード する必要があります。
-
oc
クライアントツールをインストール済みであり、Fuse Online がインストールされている OCP クラスターに接続されている。 - クラスター管理者権限がある (この手順の最初の 5 つの手順で必要です)。
手順
クラスター管理者は、Fuse Online パッケージをダウンロードしてして、特定のプロジェクトでユーザーに対して Fuse Online のアップグレード権限を割り当てる必要があります。
以下の場所から Fuse Online インストールスクリプトが含まれるパッケージをダウンロードします。
https://github.com/syndesisio/fuse-online-install/releases/tag/1.9
ファイルシステムの任意の場所で、ダウンロードしたアーカイブを展開します。
fuse-online-install-1.9
ディレクトリーには、Fuse Online のアップグレード用のスクリプトとサポートファイルが含まれます。展開したアーカイブが含まれるディレクトリーに移動します。以下に例を示します。
cd fuse-online-install-1.9
以下のように、クラスター管理者アカウントで OpenShift にログインします。
oc login -u admin -p admin
Fuse Online をアップグレードする必要のある OpenShift プロジェクトに切り替えます。
oc project fuse-online-project
そのプロジェクト内だけで、Fuse Online のアップグレード権限を割り当てます。たとえば、以下のコマンドは、
developer
ユーザーに、Fuse Online のアップグレード権限を割り当てます。クラスター管理者がこのコマンドを実行した後に、developer
ユーザーは対象のプロジェクトでのみ (fuse-online-project
) Fuse Online をアップグレードできます。bash install_ocp.sh --grant developer
Fuse Online のアップグレード権限を割り当てられたユーザーは、アプリケーションを実行できます。
以下のように、OpenShift にログインします。
oc login -u developer
以下のように、Fuse Online をアップグレードするプロジェクトに切り替えます。
oc project fuse-online-project
アップグレードするバージョンを確認するには、以下のように
--version
オプションを指定して更新スクリプトを実行します。bash update_ocp.sh --version
以下のような更新スクリプトを実行します。
bash update_ocp.sh
このスクリプトの詳細を確認するには、
$ bash update_ocp.sh --help
を実行します。インフラストラクチャーのアップグレード中およびアップグレード後も、既存のインテグレーションは引き続き Fuse Online ライブラリーおよび依存関係の古いバージョンで実行されます。
次のように稼働中の Fuse Online インテグレーションをアップグレードします。
- Fuse Online で、アップグレードするインテグレーションを選択します。
- Edit を選択します。
- Publish を選択してインテグレーションを再パブリッシュします。
インテグレーションの再パブリッシュを行うと、最新の Fuse Online 依存関係を使用して再ビルドが強制されます。
第2章 Spring Boot スタンドアロンでの Fuse アプリケーションのアップグレード
Spring Boot で Fuse アプリケーションをアップグレードするには、Fuse プロジェクトの Maven 依存関係を更新し、Fuse の正しいバージョンを使用していることを確認する必要があります。
通常は、Maven を使用して Fuse アプリケーションを構築します。Maven は、Apache の無料のオープンソースビルドツールです。Maven 設定は Fuse アプリケーションプロジェクトの pom.xml
ファイルで定義されます。Fuse プロジェクトのビルド中、Maven が外部リポジトリーを探し、必要なアーティファクトをダウンロードするのがデフォルトの動作になります。Maven ビルドプロセスで Fuse がサポートするアーティファクトの正しいセットを選択できるように、Fuse Bill of Materials (BOM) の依存関係を pom.xml
ファイルに追加します。
以下のセクションでは、Maven の依存関係と Fuse プロジェクトでの更新方法を説明します。
2.1. Maven 依存関係について
Maven BOM (Bill of Materials) ファイルの目的は、正常に動作する Maven 依存関係バージョンのセットを提供し、各 Maven アーティファクトに対して個別にバージョンを定義する必要をなくすことです。
Fuse が実行される各コンテナーには専用の BOM ファイルがあります。
これらの BOM ファイルは https://github.com/jboss-fuse/redhat-fuse にあります。または、BOM ファイル更新の詳細は latest Release Notes を参照してください。
Fuse BOM には以下の利点があります。
-
Maven 依存関係のバージョンを定義するため、依存関係を
pom.xml
ファイルに追加するときにバージョンを指定する必要がありません。 - 特定バージョンの Fuse に対して完全にテストされ、完全にサポートする依存関係のセットを定義します。
- Fuse のアップグレードを簡素化します。
Fuse BOM によって定義される依存関係のセットのみが Red Hat によってサポートされます。
2.2. Fuse プロジェクトの Maven 依存関係の更新
Spring Boot の Fuse アプリケーションをアップグレードするには、プロジェクトの Maven 依存関係を更新します。
手順
-
プロジェクトの
pom.xml
ファイルを開きます。 以下の例のように、プロジェクトの
pom.xml
ファイル (または、場合によっては親pom.xml
ファイル) にdependencyManagement
要素を追加します。<?xml version="1.0" encoding="UTF-8" standalone="no"?> <project ...> ... <properties> <project.build.sourceEncoding>UTF-8</project.build.sourceEncoding> <!-- configure the versions you want to use here --> <fuse.version>7.6.0.fuse-760027-redhat-00001</fuse.version> </properties> <dependencyManagement> <dependencies> <dependency> <groupId>org.jboss.redhat-fuse</groupId> <artifactId>fuse-springboot-bom</artifactId> <version>${fuse.version}</version> <type>pom</type> <scope>import</scope> </dependency> </dependencies> </dependencyManagement> ... </project>
注記Spring Boot バージョンも更新するようにしてください。これは通常、
pom.xml
ファイルの Fuse バージョンにあります。<properties> <!-- configure the versions you want to use here --> <fuse.version>7.6.0.fuse-760027-redhat-00001</fuse.version> <spring-boot.version>1.5.22.RELEASE</spring-boot.version> </properties>
-
pom.xml
ファイルを保存します。
BOM を pom.xml
ファイルで依存関係として指定した後、アーティファクトのバージョンを 指定せずに Maven 依存関係を pom.xml
ファイルに追加できるようになります。たとえば、camel-velocity
コンポーネントの依存関係を追加するには、以下の XML フラグメントを pom.xml
ファイルの dependencies
要素に追加します。
<dependency> <groupId>org.apache.camel</groupId> <artifactId>camel-velocity</artifactId> <scope>provided</scope> </dependency>
この依存関係の定義では、version
要素が省略されることに注意してください。
第3章 JBoss EAP スタンドアロンでの Fuse アプリケーションのアップグレード
JBoss EAP で Fuse アプリケーションをアップグレードするには、Fuse プロジェクトの Maven 依存関係を更新し、Fuse の正しいバージョンを使用するようにする必要があります。
通常は、Maven を使用して Fuse アプリケーションを構築します。Maven は、Apache の無料のオープンソースビルドツールです。Maven 設定は Fuse アプリケーションプロジェクトの pom.xml
ファイルで定義されます。Fuse プロジェクトのビルド中、Maven が外部リポジトリーを探し、必要なアーティファクトをダウンロードするのがデフォルトの動作になります。Maven ビルドプロセスで Fuse がサポートするアーティファクトの正しいセットを選択できるように、Fuse Bill of Materials (BOM) の依存関係を pom.xml
ファイルに追加します。
以下のセクションでは、Maven の依存関係と Fuse プロジェクトでの更新方法を説明します。
3.1. Maven 依存関係について
Maven BOM (Bill of Materials) ファイルの目的は、正常に動作する Maven 依存関係バージョンのセットを提供し、各 Maven アーティファクトに対して個別にバージョンを定義する必要をなくすことです。
Fuse が実行される各コンテナーには専用の BOM ファイルがあります。
これらの BOM ファイルは https://github.com/jboss-fuse/redhat-fuse にあります。または、BOM ファイル更新の詳細は latest Release Notes を参照してください。
Fuse BOM には以下の利点があります。
-
Maven 依存関係のバージョンを定義するため、依存関係を
pom.xml
ファイルに追加するときにバージョンを指定する必要がありません。 - 特定バージョンの Fuse に対して完全にテストされ、完全にサポートする依存関係のセットを定義します。
- Fuse のアップグレードを簡素化します。
Fuse BOM によって定義される依存関係のセットのみが Red Hat によってサポートされます。
3.2. Fuse プロジェクトの Maven 依存関係の更新
JBoss EAP の Fuse アプリケーションをアップグレードするには、プロジェクトの Maven 依存関係を更新します。
手順
-
プロジェクトの
pom.xml
ファイルを開きます。 以下の例のように、プロジェクトの
pom.xml
ファイル (または、場合によっては親pom.xml
ファイル) にdependencyManagement
要素を追加します。<?xml version="1.0" encoding="UTF-8" standalone="no"?> <project ...> ... <properties> <project.build.sourceEncoding>UTF-8</project.build.sourceEncoding> <!-- configure the versions you want to use here --> <fuse.version>7.6.0.fuse-760027-redhat-00001</fuse.version> </properties> <dependencyManagement> <dependencies> <dependency> <groupId>org.jboss.redhat-fuse</groupId> <artifactId>fuse-eap-bom</artifactId> <version>${fuse.version}</version> <type>pom</type> <scope>import</scope> </dependency> </dependencies> </dependencyManagement> ... </project>
-
pom.xml
ファイルを保存します。
BOM を pom.xml
ファイルで依存関係として指定した後、アーティファクトのバージョンを 指定せずに Maven 依存関係を pom.xml
ファイルに追加できるようになります。たとえば、camel-velocity
コンポーネントの依存関係を追加するには、以下の XML フラグメントを pom.xml
ファイルの dependencies
要素に追加します。
<dependency> <groupId>org.apache.camel</groupId> <artifactId>camel-velocity</artifactId> <scope>provided</scope> </dependency>
この依存関係の定義では、version
要素が省略されることに注意してください。
3.3. 既存の Fuse on JBoss EAP インストールのアップグレード
以下の手順で、既存の Fuse on JBoss EAP インストールをアップグレードする方法を説明します。
手順
- ある JBoss EAP マイナーリリースから別のマイナーリリースにアップグレードするには、JBoss EAP Patching and Upgrading Guide の手順に従う必要があります。
- Fuse を更新するには、Installing on JBoss EAP ガイドの説明に従って、Fuse on JBoss EAP インストーラーを実行する必要があります。
Fuse アプリケーションの再コンパイルまたは再デプロイは必要ありません。
第4章 Karaf スタンドアロンでの Fuse アプリケーションのアップグレード
Karaf で Fuse アプリケーションをアップグレードするには、Fuse プロジェクトの Maven 依存関係を更新し、Fuse の正しいバージョンを使用するようにする必要があります。
通常は、Maven を使用して Fuse アプリケーションを構築します。Maven は、Apache の無料のオープンソースビルドツールです。Maven 設定は Fuse アプリケーションプロジェクトの pom.xml
ファイルで定義されます。Fuse プロジェクトのビルド中、Maven が外部リポジトリーを探し、必要なアーティファクトをダウンロードするのがデフォルトの動作になります。Maven ビルドプロセスで Fuse がサポートするアーティファクトの正しいセットを選択できるように、Fuse Bill of Materials (BOM) の依存関係を pom.xml
ファイルに追加します。
以下のセクションでは、Maven の依存関係と Fuse プロジェクトでの更新方法を説明します。
4.1. Maven 依存関係について
Maven BOM (Bill of Materials) ファイルの目的は、正常に動作する Maven 依存関係バージョンのセットを提供し、各 Maven アーティファクトに対して個別にバージョンを定義する必要をなくすことです。
Fuse が実行される各コンテナーには専用の BOM ファイルがあります。
これらの BOM ファイルは https://github.com/jboss-fuse/redhat-fuse にあります。または、BOM ファイル更新の詳細は latest Release Notes を参照してください。
Fuse BOM には以下の利点があります。
-
Maven 依存関係のバージョンを定義するため、依存関係を
pom.xml
ファイルに追加するときにバージョンを指定する必要がありません。 - 特定バージョンの Fuse に対して完全にテストされ、完全にサポートする依存関係のセットを定義します。
- Fuse のアップグレードを簡素化します。
Fuse BOM によって定義される依存関係のセットのみが Red Hat によってサポートされます。
4.2. Fuse プロジェクトの Maven 依存関係の更新
Karaf の Fuse アプリケーションをアップグレードするには、プロジェクトの Maven 依存関係を更新します。
手順
-
プロジェクトの
pom.xml
ファイルを開きます。 以下の例のように、プロジェクトの
pom.xml
ファイル (または、場合によっては親pom.xml
ファイル) にdependencyManagement
要素を追加します。<?xml version="1.0" encoding="UTF-8" standalone="no"?> <project ...> ... <properties> <project.build.sourceEncoding>UTF-8</project.build.sourceEncoding> <!-- configure the versions you want to use here --> <fuse.version>7.6.0.fuse-760027-redhat-00001</fuse.version> </properties> <dependencyManagement> <dependencies> <dependency> <groupId>org.jboss.redhat-fuse</groupId> <artifactId>fuse-karaf-bom</artifactId> <version>${fuse.version}</version> <type>pom</type> <scope>import</scope> </dependency> </dependencies> </dependencyManagement> ... </project>
-
pom.xml
ファイルを保存します。
BOM を pom.xml
ファイルで依存関係として指定した後、アーティファクトのバージョンを 指定せずに Maven 依存関係を pom.xml
ファイルに追加できるようになります。たとえば、camel-velocity
コンポーネントの依存関係を追加するには、以下の XML フラグメントを pom.xml
ファイルの dependencies
要素に追加します。
<dependency> <groupId>org.apache.camel</groupId> <artifactId>camel-velocity</artifactId> <scope>provided</scope> </dependency>
この依存関係の定義では、version
要素が省略されることに注意してください。
第5章 Karaf での Fuse スタンドアロンのアップグレード
Fuse on Apache Karaf のアップグレードメカニズムを使用すると、更新バージョンの Fuse on Karaf を再インストールする必要なく、Apache Karaf コンテナーに修正を適用できます。アップグレードによりデプロイされたアプリケーションで問題が発生した場合に、アップグレードをロールバックすることもできます。
アップグレードインストーラーファイルは、Fuse on Apache Karaf をインストールのに使用するファイルと 同じもの です。
アップグレードのインストーラーファイルを取得するには、Red Hat カスタマーポータルの Downloads ページに移動し、Fuse on Apache Karaf の最新バージョンの Fuse on Apache Karaf 用インストールアーカイブをダウンロードします (例: fuse-karaf-7.9.0.fuse-790071-redhat-00001.zip
)。
5.1. Fuse on Karaf のアップグレードによる影響
アップグレードのメカニズムは、バンドル JAR および 静的ファイル (たとえば etc/
ディレクトリー下の設定ファイルなど) を含む、すべての インストールファイルへの更新を行うことができます。Fuse on Apache Karaf のアップグレードプロセス:
- バンドル JAR、設定ファイル、および静的ファイルを含むすべてのファイルを更新します。
-
現在のコンテナーインスタンス (および
data/
ディレクトリー下のランタイムストレージ) とベースのインストール両方にパッチを適用します。したがって、パッチはコンテナーインスタンスの削除後に維持されます。 - 機能リポジトリーファイルおよび機能自体を含む、Karaf 機能に関連するすべてのファイルを更新します。そのため、ロールアップパッチ後にインストールされる機能はすべて、パッチが適用された正しい依存関係を参照します。
-
必要な場合は、設定ファイル (例:
etc/
にあるファイル) を更新し、パッチによる設定変更に伴う設定変更を自動的にマージします。マージの競合が発生した場合は、処理方法の詳細についてパッチログを確認してください。 - マージの競合のほとんどは、自動的に解決されます。たとえば、パッチメカニズムはプロパティーファイルのプロパティーレベルで競合を検出します。プロパティーを変更したのがユーザーなのかパッチなのかを検出します。一方だけがプロパティーを変更している場合、変更が保持されます。
(静的ファイルを含む) インストールに加えられた すべての 変更を追跡し、パッチをロールバックできるようにします。
注記ロールアウトパッチメカニズムは、内部の git リポジトリー (
patches/.management/history
の場所にある) を使用して、変更を追跡します。
5.2. Karaf での Fuse スタンドアロンのアップグレード
以下の手順で、Fuse on Apache Karaf をアップグレードする方法を順を追って説明します。アップグレード手順を開始する前に、すべての前提条件が満たされていることを確認します。
前提条件
- アップグレードする前に、Fuse on Apache Karaf インストールの完全バックアップを作成している。
- コンテナーがまだ実行されていない場合は起動している。
コンテナーがバックグラウンド (またはリモート) で実行されている場合は、SSH コンソールクライアント bin/client
を使用してコンテナーに接続します。
patch:add
コマンドを呼び出して、アップグレードのインストーラーファイルをコンテナーの環境に追加します。たとえば、fuse-karaf-7.9.0.fuse-790071-redhat-00001.zip アップグレードインストーラーファイルを追加するには、次のようにします。patch:add file:///path/to/fuse-karaf-7.6.0.fuse-760025-redhat-00001.zip
手順
patch:update
コマンドを実行します。コンテナーを再起動する必要はありません。karaf@root()> patch:update Current patch mechanism version: 7.1.0.fuse-710023-redhat-00001 New patch mechanism version detected: 7.2.0.fuse-720035-redhat-00001 Uninstalling patch features in version 7.1.0.fuse-710023-redhat-00001 Installing patch features in version 7.2.0.fuse-720035-redhat-00001
patch:list
コマンドを呼び出し、アップグレードインストーラーの一覧を表示します。このリストで、[name]
見出しの下にあるエントリーはアップグレード ID です。以下に例を示します。karaf@root()> patch:list [name] [installed] [rollup] [description] fuse-karaf-7.2.0.fuse-720035-redhat-00001 false true fuse-karaf-7.2.0.fuse-720035-redhat-00001
以下のように、
patch:simulate
コマンドを呼び出し、適用するアップグレードのアップグレード ID を指定して、アップグレードをシミュレートします。karaf@root()> patch:simulate fuse-karaf-7.2.0.fuse-720035-redhat-00001 INFO : org.jboss.fuse.modules.patch.patch-management (226): Installing rollup patch "fuse-karaf-7.2.0.fuse-720035-redhat-00001" ========== Repositories to remove (9): - mvn:io.hawt/hawtio-karaf/2.0.0.fuse-710018-redhat-00002/xml/features ... ========== Repositories to add (9): - mvn:io.hawt/hawtio-karaf/2.0.0.fuse-720044-redhat-00001/xml/features ... ========== Repositories to keep (10): - mvn:org.apache.activemq/artemis-features/2.4.0.amq-711002-redhat-1/xml/features ... ========== Features to update (100): [name] [version] [new version] aries-blueprint 4.2.0.fuse-710024-redhat-00002 4.2.0.fuse-720061-redhat-00001 ... ========== Bundles to update as part of features or core bundles (100): [symbolic name] [version] [new location] io.hawt.hawtio-log 2.0.0.fuse-710018-redhat-00002 mvn:io.hawt/hawtio-log/2.0.0.fuse-720044-redhat-00001 ... ========== Bundles to reinstall as part of features or core bundles (123): [symbolic name] [version] [location] com.fasterxml.jackson.core.jackson-annotations 2.8.11 mvn:com.fasterxml.jackson.core/jackson-annotations/2.8.11 ... Simulation only - no files and runtime data will be modified. karaf@root()>
これにより、アップグレードの実行時にコンテナーに加えられる変更のログが生成されますが、実際にはコンテナーに何の変更も加えません。シミュレーションログを確認し、コンテナーに加えられる変更を確認します。
patch:install
コマンドを呼び出し、適用するアップグレードのアップグレード ID を指定して、コンテナーをアップグレードします。以下に例を示します。karaf@root()> patch:install fuse-karaf-7.6.0.fuse-760025-redhat-00001
アップグレードアーティファクトのいずれかを検索して、アップグレードを検証します。たとえば、Fuse 7.1.0 を Fuse 7.2.0 にアップグレードしたばかりの場合、ビルド番号 7_11_0-00023-redhat-00001 のバンドルを次のように検索できます。
karaf@root()> bundle:list -l | grep 760032 22 │ Active │ 80 │ 7.6.0.fuse-760025-redhat-00001 │ mvn:org.jboss.fuse.modules/fuse-pax-transx-tm-narayana/7.6.0.fuse-760025-redhat-00001 188 │ Active │ 80 │ 7.6.0.fuse-760025-redhat-00001 │ mvn:org.jboss.fuse.modules.patch/patch-commands/7.6.0.fuse-760025-redhat-00001
アップグレード後にコンテナーを再起動すると、新しいバージョンとビルド番号が Welcome バナーにも表示されます。
5.3. Fuse on Karaf のアップグレードのロールバック
アップグレードが機能しない場合や、コンテナーに新たな問題が発生することがあります。このような場合は、patch:rollback
コマンドを使用して、簡単にアップグレードをロールバックし、システムを以前の状態に復元することができます。この一連の手順で、そのステップを順を追って説明します。
前提条件
- 最近 Fuse on Karaf がアップグレードされている。
- アップグレードをロールバックする必要がある。
手順
-
patch:list
コマンドを呼び出し、最近インストールされたパッチのアップグレード IDUPGRADE_ID
を取得します。 以下のように
patch:rollback
コマンドを実行します。patch:rollback UPGRADE_ID
注記場合によっては、アップグレードをロールバックするためにコンテナーを再起動する必要があります。そのような場合には、コンテナーが自動的に再起動します。OSGi ランタイムの非常に動的な性質上、再起動時に互換性のないクラスに関連するエラーが表示される場合があります。これらのエラーは、起動または停止したばかりの OSGi サービスに関連しており、無視しても問題はありません。