第1章 アーキテクチャー
Red Hat Hyperconverged Infrastructure for Virtualization (RHHI for Virtualization) は、1 つのデプロイメントにコンピュート、ストレージ、ネットワーク、および管理機能を組み合わせたものです。
RHHI for Virtualization は 3 台の物理マシンにデプロイされ、Red Hat Gluster Storage 3.4 および Red Hat Virtualization 4.3 を使用して個別のクラスターまたは Pod を作成します。
このデプロイメントの主要なユースケースは、リモートオフィス/ブランチオフィス (ROBO) 環境です。ここでは、リモートオフィスは定期的に中央データセンターにデータを同期しますが、機能するのに中央のデータセンターへの接続を必要としません。
次の図は、1 つのクラスターの基本的なアーキテクチャーを示しています。
1.1. VDO の概要
Red Hat Hyperconverged Infrastructure for Virtualization 1.6 の時点で、VDO (Virtual Data Optimizer) レイヤーを設定して、ストレージのデータ削減と重複排除を提供できます。
VDO は、新規インストールのデプロイ時に有効化された場合にのみサポートされ、RHHI for Virtualization の以前のバージョンからアップグレードされたデプロイメントで有効にすることはできません。
VDO は、以下のタイプのデータ削減を行い、データが必要とする領域を縮小します。
- 重複排除
- ゼロおよび重複するデータブロックを排除します。VDO は、UDS(Universal Deduplication Service) カーネルモジュールを使用して重複データを検出します。重複データを書き込む代わりに、VDO は元のブロックへの参照として記録します。論理ブロックアドレスは、VDO により物理ブロックアドレスにマッピングされます。
- 圧縮
- ディスクに書き込む前に、重複しないブロックを固定の長さ (4 KB) のブロックに一緒にパッキングすることで、データのサイズを縮小します。これにより、ストレージからデータを読み取るパフォーマンスが向上します。
最大で、データは元のサイズの 15% に縮小できます。
データの削減には追加の処理コストが発生するため、圧縮および重複排除を有効にすると書き込みパフォーマンスが低下します。そのため、パフォーマンス重視ワークロードには VDO は推奨されません。Red Hat では、実稼働環境に VDO をデプロイする前に、VDO を有効にしてワークロードが必要なパフォーマンスレベルを達成していることをテストして検証することを強く推奨します。