Red Hat Insights Task を使用したシステムの問題の評価および修復
事前定義された Insights Task Playbook を使用してシステムの問題を解決する
概要
第1章 Insights for Red Hat Enterprise Linux タスクの概要
タスクは、Insights for Red Hat Enterprise Linux の Automation Toolkit の一部です。タスクは、事前定義された Playbook を提供します。この Playbook は、自動化されたタスクにより複雑な問題を簡素化して解決することで、インフラストラクチャーの健全性を維持するのに役立ちます。タスクは特定の問題を解決します。通常はシステムで 1 回実行され、システムの注目度の高い脆弱性の検出や、システムのメジャーアップグレードの準備などを実行します。タスクは、Red Hat Hybrid Cloud Console > Red Hat Insights > RHEL > Automation Toolkit > Tasks にあります。
Insights for Red Hat Enterprise Linux は、インフラストラクチャーで問題を解決して作業を行う必要性を予測し、特定のタスクを Automation Toolkit に継続的に追加します。タスクには次のものが含まれます。
- RHEL アップグレード前分析ユーティリティータスク
- 変換前分析ユーティリティータスク
- CentOS Linux 7 から RHEL への変換
タスクの実行を開始するにあたって必要となる重要な情報は次のとおりです。
- Red Hat Hybrid Cloud Console のユーザーアクセス設定。タスクを完了するために必要なロールまたはユーザーアクセスのレベルを確認します。
- タスクの実行に向けた Red Hat Insights へのシステムの登録および接続。タスクを使用するには、システムを Insights に登録して接続する必要があります。
- Red Hat Insights を使用したタスクの実行。タスクを見つけて実行する方法を確認します。
タスクを実行するためのシステム要件は、タスクにより異なる場合があります。
1.1. Red Hat Hybrid Cloud Console のユーザーアクセス設定
ユーザーアクセスは、ロールベースのアクセス制御 (RBAC) の Red Hat 実装です。組織管理者は、ユーザーアクセスを使用して、Red Hat Hybrid Cloud Console (コンソール) でユーザーが表示および実行できる内容を設定します。
- ユーザーに権限を個別に割り当てるのではなく、ロールを編成してユーザーアクセスを制御します。
- ロールとそれに対応する権限を含むグループを作成します。
- これらのグループにユーザーを割り当て、グループのロールに関連付けられた権限を継承できるようにします。
1.1.1. 定義済みのユーザーアクセスグループとロール
グループとロールを管理しやすくするために、Red Hat は 2 つの定義済みグループと一連の定義済みロールを提供しています。
1.1.1.1. 定義済みグループ
Default access group には、組織内のすべてのユーザーが含まれます。このグループには、多くの定義済みロールが割り当てられています。Red Hat によって自動的に更新されます。
組織管理者が Default access グループに変更を加えると、名前が Custom default access グループに変更され、Red Hat による更新の対象外となります。
Default admin access グループには、組織管理者権限を持つユーザーのみが含まれます。このグループは自動的に維持され、このグループ内のユーザーとロールは変更できません。
Hybrid Cloud Console で Red Hat Hybrid Cloud Console > Settings アイコン (⚙) > Identity & Access Management > User Access > Groups に移動し、アカウント内の現在のグループを表示します。このビューは組織管理者に限定されています。
1.1.1.2. グループに割り当てられた定義済みロール
Default access グループには、定義済みロールが多数含まれています。組織内のすべてのユーザーは Default access グループのメンバーであるため、そのグループに割り当てられているすべての権限を継承します。
Default admin access グループには、更新権限や削除権限を付与する多くの (ただしすべてではない) 定義済みロールが含まれています。通常、このグループのロールの名前には administrator が含まれます。
Hybrid Cloud Console で Red Hat Hybrid Cloud Console > Settings アイコン (⚙) > Identity & Access Management > User Access > Roles に移動し、アカウント内の現在のロールを表示します。各ロールが割り当てられているグループの数を確認できます。このビューは組織管理者に限定されています。
1.1.2. アクセス権限
各手順の Prerequisites には、必要な権限を提供する定義済みロールがリストされています。ユーザーは、Red Hat Hybrid Cloud Console > Settings アイコン (⚙) > My User Access に移動して、現在継承しているロールとアプリケーションの権限を表示できます。
Insights for Red Hat Enterprise Linux 機能にアクセスしようとしたときに、そのアクションの実行権限がないというメッセージが表示された場合は、追加の権限を取得する必要があります。それらの権限は、組織の組織管理者またはユーザーアクセス管理者が設定します。
Red Hat Hybrid Cloud Console 仮想アシスタントに、"Contact my Organization Administrator" と依頼します。アシスタントがあなたに代わって組織管理者にメールを送信します。
関連情報
ユーザーアクセスと権限の詳細は、ロールベースのアクセス制御 (RBAC) でのユーザーアクセス設定ガイド を参照してください。
1.1.3. Insights Task ユーザーの User Access ロール
次のロールにより、Insights for Red Hat Enterprise Linux の修復機能への拡張アクセスが有効になります。
- Tasks administrator。Tasks administrator ロールでは、Insights に接続されたシステムでタスクをリモートで実行するための全タスク機能へのアクセスが許可されます。
Default Admin Access グループに属するすべてのメンバーも Task を実行できます。
Task ビューアーのロールは存在しません。
第2章 Insights タスクイベントの通知と統合の設定
Red Hat Hybrid Cloud Console で通知サービスを設定すると、タスクの開始時および実行時に発生する特定のイベントが Red Hat Insights タスクサービスによって検出されるたびに通知が送信されます。通知サービスを使用すると、タスクのステータスに関連するイベントをタスクの Activity タブで継続的に確認する必要がなくなります。通知サービスの設定は、Red Hat Hybrid Cloud Console > Settings > Notifications で確認できます。
Insights タスクの通知が必要なイベントの設定を検討し始めるときは、Insights タスク、Insights タスク実行、および Insights タスクジョブの各相違点と、特定のタスクを達成するためにそれらがどのように機能するかを理解することが重要です。
- Insights タスク: 特定のタスクを実行するために設計された定義済みのスクリプトまたは Playbook。
- Insights タスク実行: 1 つ以上のシステムでスクリプトまたは Playbook を実行するインスタンス。
- Insights タスクジョブ: 特定のシステム上での特定のタスクの実行。
たとえば、Insights タスクが開始、完了、または失敗したときにメールメッセージを自動的に送信するように通知サービスを設定できます。別の例として、Insights タスクジョブが開始または完了したときにメールメッセージを自動的に送信するように通知サービスを設定できます。
メールメッセージの送信に加え、他の方法でイベントデータを送信するように通知サービスを設定できます。
- 認証済みクライアントを使用して Red Hat Insights API にイベントデータをクエリーする。
- Webhook を使用して受信要求を受け入れるサードパーティーのアプリケーションにイベントを送信する。
- 通知を Splunk などのアプリケーションと統合して、タスクイベントをアプリケーションダッシュボード、または Slack や Microsoft Teams などの好みのメッセージングアプリケーションにルーティングします。
タスクイベントを Red Hat アカウントのメンバーに通知するための通知サービスを設定するには、主に次の 3 つの手順が必要です。
- 組織管理者は通知管理者ロールを持つユーザーアクセスグループを作成し、そのグループにアカウントメンバーを追加します。
- 通知管理者は通知サービス内のイベントの動作グループを設定します。動作グループは、通知ごとに配信方法を指定します。通知管理者は、指定されたユーザーグループで使用できるようにするイベントタイプを選択します。たとえば、動作グループでは、メール通知をすべてのユーザーに送信するか、組織管理者にのみ送信するかを指定できます。
- イベントに関するメール通知を受信したいアカウントのメンバーは、イベントごとに個別のメールを受信するようにユーザー設定を変更する必要があります。
設定可能なタスクイベントを表示するには、通知管理者である必要があります。
次の関連情報セクションで、イベントと通知に関する詳細情報を参照してください。
関連情報
- タスクイベントの通知を設定する方法の詳細は、Red Hat Hybrid Cloud Console での通知の設定 を参照してください。
第3章 タスクの実行に向けた Red Hat Insights へのシステムの登録および接続
Red Hat Insights を使用するには、システムを Insights に登録し、Insights とのシステム通信を有効にする必要があります。Insights との通信に加えて、Satellite 6.11 以降、リモートホスト設定 (rhc)、rhc-worker-playbook
、および ansible
の依存関係の有効化およびインストールを行い、タスクサービスや Automation Toolkit のその他のサービスを使用できるようにする必要があります。
Insights とのシステム通信の有効化および依存関係の対処に関する詳細は、以下を参照してください。
第4章 Red Hat Insights を使用したタスクの実行
Red Hat Hybrid Cloud Console で、Red Hat Insights Tasks から直接リモートシステムに対してタスクを実行できます。
実行できるタスクは次のとおりです。
- RHEL アップグレード前分析ユーティリティータスク
- 変換前分析ユーティリティータスク
- CentOS Linux 7 から RHEL への変換
特定の Insights タスクの実行に必要な前提条件とアクションは、それぞれ異なります。
タスクを実行するための一般的な手順は次のとおりです。
前提条件
- Red Hat Hybrid Cloud Console にログインしている。
- Tasks administrator ロールを持つ User Access グループのメンバーである。
-
システムを接続し、必要に応じてリモートホスト設定 (rhc)、
rhc-worker-playbook
、およびansible-core
の依存関係に対処済みである。Red Hat Insights 修復ガイド の Insights とのホスト通信の有効化 を参照してください。 Satellite 6.11 以降の依存関係に対処済みである。Red Hat Insights 修復ガイドの Insights とのホスト通信の有効化 を参照してください。
Insights Automation Toolkit のサービスにも同様の依存関係要件があります。Red Hat Insights のユーザーが修復とタスク用の Playbook を実行できるようにするには、その要件を満たす必要があります。
手順
- Automation Toolkit > Tasks に移動します。
- 実行するタスクを選択し、Run Task をクリックします。
オプション: デフォルトのタスク名を編集して、必要に応じてカスタマイズします。
注記タスクの実行後にタスク名を再度変更することはできません。
- タスクの簡単な説明に示されるタスク固有の前提条件をメモします。
タスクを実行するシステムを選択します。フィルターを使用すると、以下の要素でシステムを検索およびフィルタリングできます。
- 名前
- オペレーティングシステム
タグ
Execute task をクリックします。選択したシステムでタスクが実行されます。タスクが実行中であることを示すポップアップが表示される場合があります。
View Progress をクリックするとタスクの詳細ページが表示され、選択した各システムでタスクがどのように実行されているかが表示されます。
- Status と Message の詳細を確認します。
- システム名の横に Show more アイコンが表示されている場合、アイコンをクリックするとメッセージに関する詳細情報が表示されます。
- Tasks をクリックしてタスク詳細ビューに移動すると、選択したシステムでタスクがどのように実行されたかに関する詳細情報が表示されます。
Activity tab をクリックすると、実行したすべてのタスクのステータスが表示されます。タスクは最新の日時に基づいて時系列で表示されます。
注記Completed ステータスは、タスクが実行されたことを示しますが、タスクが目的を達成したことを示すものではありません。
- オプション: 実行したタスクをクリックすると、タスク詳細ビューに戻り、選択したシステムでタスクがどのように実行されたかに関する詳細情報が表示されます。
次の手順
エラーを解決することが必要な場合があります。エラーには、タスクを正常に実行するために、ソフトウェアパッケージをシステムにインストールする必要がある場合に発生するものなどがあります。これらのエラーを解決したら、同じシステムでタスクを再度実行できます。
オプション: タスクを再度実行するには、Run Task again をクリックします。以前に選択したシステムは引き続き選択されますが、必要に応じてシステムを追加することもできます。
第5章 CentOS Linux 7 から RHEL 7 への変換に役立つ Insights タスクの使用
Red Hat Insights を使用すると、CentOS Linux 7 から RHEL 7 への変換に役立ちます。
Insights タスクを使用してシステムを変換する方法の詳細は、Convert2RHEL ユーティリティーを使用した Linux ディストリビューションから RHEL への変換 ドキュメント の Insights を使用した変換 を参照してください。
関連情報
変換関連の Insights タスクのトラブルシューティング
タスクは、Insights を使用する Red Hat Enterprise Linux インフラストラクチャーを更新、管理、または保護するのに役立ちます。各タスクは、タスクを最初から最後まで実行する事前定義された Playbook です。変換関連の Insights タスクの完了に問題がある場合は、以下を参照してください。
第6章 アップグレード前分析タスクによるシステムアップグレードの準備状況の評価
このタスクは、Leapp ツールを使用した Red Hat Enterprise Linux のインプレースアップグレード機能の一部を成しています。Leapp ツールの詳細と、このツールを使用したアップグレードの準備状況を手動で確認する方法については、RHEL 8 から RHEL 9 へのアップグレード、Red Hat Enterprise Linux 8 から Red Hat Enterprise Linux 9 へのインプレースアップグレードの手順 を参照してください。
アップグレード前分析タスクは、Red Hat Enterprise Linux (RHEL) 8 から RHEL 9 にアップグレードするシステムの準備状況を確認します。Insights がアップグレードを妨げる問題を検出した場合、Red Hat Hybrid Cloud Console (コンソール) の Insights for Red Hat Enterprise Linux で、問題の詳細情報 (解決手順を含む) を確認できます。
アップグレード前分析タスクは、リモートホスト設定 (rhc) ソリューションを使用して Red Hat Insights に接続されている任意の RHEL 8 システムで実行できます。システムが Insights に接続されていることは、コンソールの Insights システムインベントリー でシステムを見つけることにより確認できます。システムがインベントリーにない場合に、システムを Insights に接続する方法については、リモートホストの設定および管理 ドキュメントを参照してください。
システム上で Leapp ユーティリティーを手動で実行することもできます。Insights に接続されたシステムのアーカイブに Leapp レポートがある場合、ユーティリティーが手動で実行されたか Insights タスクとして実行されたかに関係なく、Insights でレポートの結果を確認できます。
6.1. 要件および前提条件
アップグレード前分析タスクには、次の要件と前提条件が適用されます。
- このガイドでは、Red Hat Insights を使用してアップグレード関連のアクションを実行する前に、インプレースアップグレードのドキュメント を読んで理解していることを前提としています。
- システムがインプレースアップグレードに対応している必要があります。システム要件と制限については、インプレースアップグレードのドキュメントを参照してください。
RHEL システムは、Insights for Red Hat Enterprise Linux UI の修復計画の Playbook で Insights タスクとその他のアクションを実行するため、リモートホスト設定ソリューションを使用して Red Hat Insights に接続されている必要があります。
- 詳細は、リモートホストの設定および管理 ドキュメントを参照してください。
User Access で付与された Tasks administrator 権限を使用して console.redhat.com にログインしている必要があります。
注記デフォルトの管理者アクセスグループ のすべてのメンバーには、Tasks administrator アクセス権があります。このロールを持つ User Access グループのメンバーでない場合、Tasks ページにタスクが表示されません。Insights 機能へのアクセス拡大を要求する方法など、User Access の詳細は、ロールベースアクセス制御 (RBAC) のユーザーアクセス設定ガイド を参照してください。
6.2. アップグレード前分析タスクの実行
RHEL 8 から RHEL 9 へのアップグレードに向けた RHEL システムの準備状況を分析するには、次の手順に従います。
前提条件
- 前提条件は、この章の「要件および前提条件」セクションに記載されています。
手順
- Red Hat Hybrid Cloud Console > Red Hat Insights > RHEL > Automation Toolkit > Tasks に移動します。
Pre-upgrade analysis for in-place upgrade from RHEL 8 を見つけます。
注記ページにタスクが表示されない場合は、適切な User Access がない可能性があります。詳細は、ロールベースのアクセス制御 (RBAC) のユーザーアクセス設定ガイド を参照してください。
- オプション: Download preview of playbook をクリックすると、アップグレード前分析ユーティリティーの詳細を表示できます。
- Run task をクリックします。
Pre-upgrade analysis for in-place upgrade from RHEL 8 ポップアップで、各システムの横にあるボックスをオンにして、アップグレード前分析を実行するシステムを選択します。
注記デフォルトでは、システムのリストがフィルタリングされ、タスクの実行に対応したシステムのみが表示されます。フィルターを変更または追加することで、インベントリーに含めるシステムのパラメーターを拡張できます。
- Execute task クリックし、選択したシステムでタスクを実行します。
検証
タスクが正常に実行されたことを確認するには、次の手順に従います。
- Red Hat Hybrid Cloud Console > Red Hat Insights > RHEL > Automation Toolkit > Tasks ページに移動し、Activity タブをクリックします。ここでタスクのステータス (進行中か完了か) を確認できます。
実行日時に基づいてタスクを見つけます。タスクが完了したか失敗したかを確認できます。
6.3. アップグレード前分析タスクのレポートの確認
システムでアップグレード前分析タスクを実行した後、各システムの具体的な詳細と、アップグレードを妨げる問題に関する推奨事項を確認できます。
前提条件
- 前提条件は、この章の「要件および前提条件」セクションに記載されています。
手順
- Red Hat Hybrid Cloud Console > Red Hat Insights > RHEL > Automation Toolkit > Tasks に移動し、Activity タブをクリックします。
- タスク名をクリックし、タスクの結果を表示します。正しいレポートを選択できるように、実行日時をメモします。
システム名の横にあるキャレットをクリックし、そのシステムのアラートのリストを表示します。
白い感嘆符を含む赤い円と赤いアラートテキストが表示されているアラートの横にあるキャレットをクリックし、アップグレードを妨げているアラートに関する情報を表示します。
注記阻害アラートに加えて、修復しなくてもアップグレードを続行できる重大度の低いアラートや情報アラートも表示される場合があります。
レポートをよく確認します。一部の推奨事項は情報提供のみを目的としたものですが、エラーや警告が発生した場合は対処することが重要です。このような問題が発生した場合は、システム上で問題に対処し、アップグレード前のタスクを再実行して、修復作業の効果を評価します。
注記一部のエラーは正規の阻害要因として分類されています。このようなエラーを修復するまで、アップグレードを続行することはできません。
6.4. アップグレードを妨げる問題に関する推奨事項の表示
アップグレード前分析タスクを実行するか、個々のシステムで Leapp ツールを手動で実行すると、インフラストラクチャー内のアップグレードを妨げる問題に関する推奨事項のリストを表示できます。
アップグレード前の推奨事項のリストを使用すると、各推奨事項に関する次の情報を表示できます。
- 推奨事項の詳細
- 該当するシステムの情報
- 総合的なリスクと影響に関する詳細情報
- 解決アクション実行中のシステム可用性に対するリスク
前提条件
- デフォルトのアクセス権 (すべてのユーザーのデフォルト) を持つユーザーであれば、インプレースアップグレードの推奨事項のリストを表示できます。
手順
Red Hat Insights > Operations > Advisor > Topics > In-place upgrade に移動し、インプレースアップグレードの成功に影響する推奨事項を表示します。
注記現在、インプレースアップグレードの推奨事項リストには、Insights によってアップグレードの阻害要因として特定された推奨事項のみが表示されます。非阻害要因を含むすべてのインプレースアップグレードの推奨事項は、実行された各タスクの詳細ビューで確認できます。
6.5. アップグレードを妨げる問題に関する推奨事項の修復
インプレースアップグレードの推奨事項リストは、インフラストラクチャー内のシステムでアップグレードを妨げる問題の修復するための土台として使用できます。
一部の推奨事項には、Insights for Red Hat Enterprise Linux UI からの直接修復の実行を自動化するための Playbook があります。ただし、推奨事項によっては手動での解決が必要です。その手順は、システムと推奨事項のペアに合わせてカスタマイズされ、推奨事項とともに提供されます。推奨事項テーブルの Remediation type 列を表示することで、利用可能な Playbook がある推奨事項を確認できます。
実行可能な Playbook がある推奨事項を見つけるには、表の上部にあるフィルターとソートオプションを使用して、リストを絞り込みます。
- 推奨事項をフィルタリングするには、検索バーを使用するか、ドロップダウンメニューから特定のアイテムを選択します。
- 推奨事項をソートするには、Remediation type 列ヘッダーをクリックします。
Insights の修復の詳細は、Red Hat Insights 修復ガイド を参照してください。
6.5.1. Insights で修復計画を作成して RHEL アップグレード禁止の推奨事項を修正する
Insights で修復計画を作成することにより、アップグレード禁止の推奨事項の修復を自動化できます。修復計画を作成すると、Insights は Ansible Playbook を生成して、選択したシステムまたはシステムのグループで問題を修正するために必要なアクションを実行します。
次の手順を使用して、阻害要因を特定し、推奨事項と修復するシステムを選択します。
前提条件
- 前提条件は、この章の「要件および前提条件」セクションに記載されています。
手順
- Red Hat Insights > Operations > Advisor > Topics > In-place upgrade に移動します。インプレースアップグレードの成功に影響を及ぼすすべての推奨修復がリストされた表が表示されます。
表の上部にあるフィルターとソートオプションを使用して、推奨事項一覧を絞り込みます。
- 推奨事項をフィルタリングするには、検索バーを使用するか、ドロップダウンメニューから特定のアイテムを選択します。
- 推奨事項をソートするには、Name、Remediation type、Systems、Total risk などの列ヘッダーをクリックします。
Playbook の Remediation の種類 で推奨事項を選択し ます。
注記: Remediation type 列を表示して並べ替えることで、利用可能な Playbook がある推奨事項を確認できます。
Playbook が利用可能 な推奨事項ごとに、次のアクションを実行します。
- 推奨事項をクリックして、影響を受けるシステムなど、問題に関する詳細情報を表示します。
Playbook に追加する各システムの横にあるチェックボックスにチェックを入れ、Plan remediation をクリックします。
- ポップアップで Create a new playbook を選択し、Playbook の名前を入力してから Next をクリックします。
- オプション: または、選択したシステムの解決策を既存の Playbook に追加することもできます。
- 対象となるシステムを確認し、Next をクリックします。
対象となる推奨事項を確認します。推奨事項の名前の横にあるキャレットをクリックし、対象となるシステムを表示します。
重要解決策によっては、システムの再起動が必要になります。デフォルトでは自動再起動が有効になっていませんが、推奨事項のリストの上にある Turn on autoreboot をクリックして有効にできます。
- Submit をクリックします。最終的なポップアップビューで、Playbook が正常に作成されたことを確認します。アプリケーションに戻るか、Playbook を開くかを選択できます。
- Automation Toolkit > Remediations で Playbook を見つけ、それをクリックして開きます。
- Playbook にはアクションのリストが含まれています。各アクションの横にあるボックスをチェックして、実行するアクションを選択します。
- Execute playbook クリックし、指定したシステムで Playbook を実行します。
- ポップアップで Execute playbook on systems ボタンをクリックします。Playbook がそのシステムで実行されます。
6.5.2. RHEL のアップグレードを妨げる問題に関する推奨事項を手動で修復する
該当するシステムに解決手順を手動で適用することで、アップグレードを妨げる問題に関する推奨事項を修復できます。次の手順は、システムと推奨事項のペアに合わせた解決手順を見つける方法を示しています。
前提条件
- 前提条件は、この章の「要件および前提条件」セクションに記載されています。
手順
- Red Hat Insights > Operations > Advisor > Topics > In-place upgrade に移動し、インプレースアップグレードの成功に影響する推奨事項を表示します。
*Remediation タブで "Manual" という単語を含む推奨事項を選択します。これは、問題を手動で修復する必要があることを示しています。
手動修復が必要な推奨事項ごとに、次のアクションを実行します。
推奨事項をクリックし、推奨事項の詳細ページを開きます。該当するシステムが表示されます。
- システム名をクリックします。
- 手動で解決する推奨事項を選択し、キャレットをクリックして、システム上で推奨事項を解決するための手順 (Steps to resolve) を表示します。
- システム上で解決手順を実行します。
- 該当するシステムごとに、ステップ b、c、および d を繰り返します。
第7章 Insights タスクを使用して image-mode RHEL システムを更新する
Image Mode for RHEL を使用してシステムを構築する際に、システムを Red Hat Insights に接続できます。接続した後、Red Hat Insights タスクの イメージモード RHEL ホストの更新を開始する を使用して、Insights に接続されたシステムを最新バージョンの RHEL に更新します。Red Hat Enterprise Linux バージョン 9.4 以降には、Image Mode for RHEL が含まれています。
Image Mode for RHEL では、更新 と アップグレード という用語を同じ意味で使用します。
7.1. タスクを使用して RHEL イメージモードホストの更新を開始する
Insights タスクを使用して、image-mode RHEL システムのアップグレードを開始できます。更新する image-mode RHEL システムが多数ある場合は、Image Mode for RHEL ホストの更新開始 タスクを実行できます。または、システムの更新に自動更新オプションを使用しない場合、このタスクを実行できます。
タスクを実行すると、次のアクションが実行されます。
- コンテナーリポジトリーで新しいコンテナーイメージを確認します。
- イメージをダウンロードし、次回の起動時に使用するためにコンテンツを展開します。
- 更新済みコンテンツが利用可能な場合は、ホストを再起動して新しいイメージコンテンツをプルします。
- イメージが更新されたかどうかの結果を提供します。
Image Mode for RHEL 更新は、bootc
更新と呼ばれることもあります。
Image Mode for RHEL はテクノロジープレビュー機能です。テクノロジープレビュー機能は、Red Hat 製品のサービスレベルアグリーメント (SLA) の対象外であり、機能的に完全ではないことがあります。Red Hat は、実稼働環境でこれらを使用することを推奨していません。テクノロジープレビューの機能は、最新の製品機能をいち早く提供して、開発段階で機能のテストを行いフィードバックを提供していただくことを目的としています。
Red Hat のテクノロジープレビュー機能のサポート範囲に関する詳細は、テクノロジープレビュー機能のサポート範囲 を参照してください。
前提条件
- Red Hat Hybrid Cloud Console にログインしている。
- Tasks administrator ロールを持つユーザーアクセスグループのメンバーである。
Insights に接続されたシステムがあり、次のいずれかの依存関係に対処済みである。
-
リモートホスト設定 (RHC)、
rhc-worker-playbook
、およびansible-core
。 - Satellite 6.11 以降。Red Hat Insights 修復ガイド の Insights とのホスト通信の有効化 を参照してください。
-
リモートホスト設定 (RHC)、
-
bootc
Image Builder を使用して image-mode RHEL システムを構築し、それらのシステムを識別できます。(Red Hat Enterprise Linux 9.4 以降の RHEL ブート可能コンテナーイメージを使用する Image Mode for RHEL の詳細は、Image Mode for RHEL を使用した Red Hat Enterprise Linux 9 オペレーティングシステムの構築、デプロイ、管理 を参照してください。)
手順
- Automation Toolkit > Tasks に移動し、必要に応じて Red Hat Hybrid Cloud Console にログインします。Available タブ (デフォルトビュー) には、実行可能なタスクのリストが表示されます。Activity タブをクリックすると、そのアカウントで実行されたすべてのタスクの履歴が表示されます。
Initiate Update for image mode for RHEL host を見つけます。
- Select systems をクリックします。
- タスクを実行するシステムを選択します。フィルターを使用して、Name、Operating System、Group、Tags、Task Eligibility でシステムを検索およびフィルタリングできます (デフォルトのフィルターでは、RHC 経由で登録されたシステムが表示されます)。
このフィルターは、Image Mode for RHEL (または bootc
) システムをフィルタリングしません。9.4 以降を実行しているシステムをフィルタリングして、タスクを実行するシステムの適切なリストを作成できます。必要があれば、システム名をクリックして bootc
情報を含むシステムファクトがあるか確認します。
この例では、1 つのシステムが選択されています。
次の手順を完了すると、選択したシステムが再起動されます。さらに、システムを以前の状態にロールバックする必要がある場合は、第 5 章、RHEL ブート可能イメージ Red Hat Enterprise Linux 9 を、Image Mode for RHEL を使用したオペレーティングシステムの構築、デプロイ、管理 で確認してください。。
Run Task をクリックします。タスクが実行中であることを通知するポップアップが表示されます。
Activity ページの、Status フィールドと Message フィールドの情報を確認します。この例のメッセージは、Bootc upgrade complete.Expand for details です。
タスクの詳細を表示するには、システム名の横にあるドロップダウン矢印をクリックします。イメージハッシュなど、タスクの結果に関する詳細が表示されます。
システムは最新であるため、タスクを実行しても更新が行われない可能性があります。
トラブルシューティング
タスクに関する問題を解決する必要がある場合、いくつかの一般的な問題の回答がについては、他のタスクのドキュメントに記載されている場合があります。Red Hat Insights タスクは、サービス内のツール、言語、リソースの共通フレームワークを使用します。このタスクを完了できない場合は、
もう一度タスクを実行してみてください。
- タスクが失敗した場合は、タスクの詳細ページに移動し、Run task again をクリックします。
- Red Hat Insights を使用した変換に関する問題のトラブルシューティング で、同様のエラーメッセージが表示される問題の解決方法をを参照してください。
Red Hat ドキュメントへのフィードバック (英語のみ)
Red Hat ドキュメントに関するフィードバックをお寄せください。いただいたご要望に迅速に対応できるよう、できるだけ詳細にご記入ください。
前提条件
- Red Hat カスタマーポータルにログインしている。
手順
フィードバックを送信するには、以下の手順を実施します。
- Create Issue にアクセスします。
- Summary テキストボックスに、問題または機能拡張に関する説明を入力します。
- Description テキストボックスに、問題または機能拡張のご要望に関する詳細を入力します。
- Reporter テキストボックスに、お客様のお名前を入力します。
- Create ボタンをクリックします。
これによりドキュメントに関するチケットが作成され、適切なドキュメントチームに転送されます。フィードバックをご提供いただきありがとうございました。