3.3. ユーザーシナリオ


このセクションには、インベントリーグループの機能を説明する 2 つのサンプルシナリオが含まれています。これらのシナリオは手順の形式で記述されています。必要に応じて必須のステップを実行してテストできます。

3.3.1. シナリオ 1: 2 つの異なる IT チームが Insights を使用してシステムを管理する必要がある場合

このシナリオでは、同じ会社で働く 2 つの異なる IT チームが、Red Hat アカウント内で同じ Insights 組織を共有します。

  • 各 IT チームは Red Hat Hybrid Cloud Console で自チームのシステムを完全に制御する必要がありますが、他のチームに属するシステムを表示したり変更したりすることはできません。
  • 同じチーム内のすべてのユーザーは、インベントリーグループとシステムの両方に対して同じレベルのアクセス権を持ちます。アクセスレベルは必要に応じて調整できます。
  • 両方の IT チームに属する通常のユーザーは、どのインベントリーグループにも属していないシステムを表示したり変更したりすることはできません。
  • 組織管理者、またはインベントリーグループ管理者およびインベントリーホスト管理者のロールを持つユーザーは、インベントリー全体にアクセスできます。これらのロールを持たない他のユーザーは、インベントリー全体にはアクセスできません。

3.3.1.1. 初期段階

デフォルトでは、Red Hat Hybrid Cloud Console の組織管理者 (デフォルト管理者アクセスグループのメンバー) は、常にすべてのインベントリーグループへの読み取り/書き込みアクセス権と、すべてのシステムへの読み取り/書き込みアクセス権を持ちます。これには、インベントリーグループのオブジェクトとそれらに割り当てられたシステムに対して権限がどのように定義されているかは関係ありません。

これらのユーザーは、インベントリーグループのユーザーアクセスを設定できる唯一のユーザーです。通常のユーザーがユーザーアクセスを管理する必要がある場合、管理者はそのユーザーにインベントリーグループ管理者ロールとインベントリーホスト管理者ロールを個別に付与できます。

デフォルトでは、組織管理者ではないユーザーには、Default access グループから Inventory Hosts administrator ロールが割り当てられます。Default access グループは、これらのユーザーにインベントリー全体に対する inventory:hosts:read アクセス権および inventory:hosts:write アクセス権を付与します。これらの権限は、すべてのシステムおよびすべてのインベントリーグループに対する読み取り権限と書き込み権限を付与するものです。

注記

Default access グループの詳細は、Default access グループ を参照してください。

3.3.1.2. アクセスの制限

前提条件

  • デフォルト管理者アクセスグループのメンバーである。

ステップ 1: インベントリーグループの作成

まず、2 つの個別のインベントリーグループを作成します。(この例では 2 つのインベントリーグループを示していますが、必要な数だけ作成できます。)

  • インベントリーグループ 1: IT team A - Systems
  • インベントリーグループ 2: IT team B - Systems
画像: インベントリーグループ、グループの作成

ステップ 2: インベントリーグループへのシステムの追加

インベントリーグループが作成されたので、それらにシステムを追加します。各インベントリーグループをクリックし、Add systems を選択します。

画像: インベントリーグループ、システムの追加

この段階では、所属するインベントリーグループに関係なく、すべてのユーザーがすべてのシステムにアクセスできます。これは、インベントリーホスト管理者のロールがまだ保持されており、インベントリーグループにグループ化されているかどうかに関係なく、すべてのシステムを表示できるためです。

ステップ 3: カスタムロールの作成

さまざまなインベントリーグループのアクセスをカスタマイズするには、それらのインベントリーグループのカスタムロールを作成します。カスタムロールを作成するには、User Access > Roles に移動し、Create role をクリックします。ウィザードが開きます。ロールに名前を付け (例: IT Team - A Role)、Next をクリックします。

画像: インベントリーグループ、最初から作成

ステップ 3a: カスタムロールに追加する権限の選択

ウィザードに Add permissions ステップが表示されます。このステップには 4 つのインベントリー権限オプションがあります。付与するアクセスのレベルに応じて選択します。

インベントリーグループとそのシステムに完全にアクセスするには、以下を選択してください。

  • inventory:groups:read
  • inventory:groups:write
  • inventory:hosts:read
  • inventory:hosts:write
画像: インベントリーグループ、権限の追加

権限を選択したら、Next をクリックします。必要に応じて権限を調整できます。

ステップ 3b: 選択したインベントリーグループへの権限の割り当て

このステップでは、権限を付与するインベントリーグループを選択します。この例では、現在のロールに対応するインベントリーグループを選択する方法を示します。たとえば、ロール IT team A - Role を作成し、各権限にインベントリーグループ IT team A - Systems を指定します。

画像: インベントリーグループ、アクセスの定義

詳細を確認し、Submit をクリックします。

画像: インベントリーグループ、詳細の確認

このセクションの手順を繰り返して、IT team B - Role という 2 番目のカスタムロールを作成し、IT team B - Systems インベントリーグループを選択します。

画像: インベントリーグループ、team B の詳細のレビュー
注記

インベントリーグループに属さないシステムへのアクセスを、一方または両方の IT チームに許可できます。このようなシステムを追加するには、ホスト権限のグループ定義に表示される、グループ化されていないシステムをカスタムロールに追加します。

画像: インベントリーグループ、グループ化されていないシステムの詳細

ステップ 4: User Access グループを作成してユーザーにカスタムロールを割り当てる

カスタムロールを作成したら、User Access グループを作成してカスタムロールをユーザーに割り当てます。

新しいグループを作成するには、User Access > Groups に移動し、Create group をクリックします。グループに名前を付け、新しく作成したロールを選択し、ロールを付与するユーザーを選択します。

たとえば、2 つの IT グループが次の権限を持っているとします。

  • IT team A - user group
  • IT team A - role
  • IT team B - user group
  • IT team B - role

これらのグループは次のように表示されます。

画像: インベントリーグループ、team A の確認
画像: インベントリーグループ、team B の確認

ステップ 5: Default Access グループから Inventory Hosts administrator ロールを削除する

上記のすべての手順を実行しても、この段階では、ユーザーが所属するインベントリーグループに関係なく、すべてのユーザーがすべてのシステムにアクセスできます。これは、Inventory Hosts administrator のロールがまだ保持されており、インベントリーグループにグループ化されているかどうかに関係なく、すべてのシステムを表示できるためです。

システムへのアクセスを制限するには、User Access > Groups に移動し、Default Access グループを選択します。このグループから Inventory Hosts administrator ロールを削除します。

画像: インベントリーグループ、ロールの削除メニュー
画像: インベントリーグループ、ロールの削除ダイアログ
画像: インベントリーグループ、ロールの削除に関する警告

ユーザーがその他の User Access グループのメンバーでもある場合は、必要に応じて、必ずそれらのグループから Inventory Hosts administrator ロールを確認して削除してください。

ロールを削除すると、User Access 制御が期待どおりに動作します。特定のインベントリーグループおよびシステムに表示を制限するカスタムロールを付与したユーザーには、それらのインベントリーグループおよびシステムのみが表示されます。

3.3.1.3. 調整に関する考慮事項

  • 3 つ以上の IT グループがある場合は、必要な数のカスタムロールとユーザーグループを作成できます。
  • 同じユーザーに複数のインベントリーグループへの同じアクセス権を付与する場合は、複数のインベントリーグループを選択して、同じカスタムロール内で権限を付与できます。
  • どのインベントリーグループにも属さないシステムへのアクセスを許可できます。ホスト権限のグループ定義のグループ化されていないシステムをカスタムロールに追加します。
  • インベントリーホスト管理者ロールが Default Access グループ内にある限り、そのロールを持つすべてのユーザーは引き続きすべてにアクセスできることに注意してください。
  • カスタムロールでグループ化されていないシステムを選択しない場合、Default access グループから Inventory Hosts administrator 権限を削除すると、そのカスタムロールを持つユーザーはグループ化されていないシステムを表示できなくなります。

3.3.2. シナリオ 2: グループ化されていないシステムへのアクセス

この例では、グループ化されたシステムではなく、グループ化されていないシステムへのアクセス権を、管理者がユーザーのグループに付与します。

ステップ 1: カスタムロールの作成

  1. User Access > Roles に移動し、Create role をクリックします。Create Role ウィザードが表示されます。
画像: インベントリーグループ、カスタムロールの作成
  1. ロール名と説明を設定し、Next をクリックします。
  2. inventory:hosts 権限を追加し、Next をクリックします。
画像: インベントリーグループ、権限の追加シナリオ 2

両方の権限を、Ungrouped systems という名前のグループ定義に適用するように設定します。Next をクリックします。

画像: インベントリーグループ、Ungrouped の選択

ロールの詳細を確認し、Submit をクリックします。

画像: インベントリーグループ、Ungrouped の詳細の確認

ステップ 2: RBAC グループへのカスタムロールの追加

  1. カスタムロールを作成したら、User Access > Groups に移動し、Create Group をクリックして User Access (RBAC) グループを作成します。
  2. グループに名前を付け、新しいカスタムロールを選択し、このロールを割り当てるユーザーを選択します。
画像: インベントリーグループ、サポートチームの詳細の確認
注記

上記の手順は、ユーザーが Default Access グループから割り当てられる Inventory Hosts administrator ロールを 持っていない 場合にのみ機能します。これを確認するには、User Access > Groups に移動し、上部の Default Access グループをクリックします。インベントリーホスト管理者ロールがグループ内にある場合は、これを削除します。このロールにより、グループ化されていないシステムとグループ化されているシステムの両方を含むインベントリー全体へのアクセスがユーザーに付与されるためです。

ロールを削除すると、選択した一連のユーザーが、インベントリー内のグループ化されていないシステムにのみアクセスできるようになります。

3.3.3. 既知の制限

  • Organization Administrator (デフォルトの管理者アクセスグループのメンバー) であるユーザーは、常にシステムとインベントリーグループへのフルアクセス権を持ちます。
  • システムに対する権限のないユーザーは、システムを修復に追加できません。ただし、アクティブなシステムを使用した既存の修復が過去に作成されている場合は、そのシステムで現在のユーザーに対して権限が削除されていても、ユーザーは引き続きそれを実行できます。
注記

組織でインベントリーグループを有効にする前に、通知設定を確認して、適切なユーザーグループのみがメール通知を受信するように設定されていることを確認してください。通知設定を確認しないと、ユーザーのインベントリーグループからはアクセスできないシステムによってトリガーされたアラートをユーザーが受信する可能性があります。

関連情報

Red Hat logoGithubRedditYoutubeTwitter

詳細情報

試用、購入および販売

コミュニティー

Red Hat ドキュメントについて

Red Hat をお使いのお客様が、信頼できるコンテンツが含まれている製品やサービスを活用することで、イノベーションを行い、目標を達成できるようにします。

多様性を受け入れるオープンソースの強化

Red Hat では、コード、ドキュメント、Web プロパティーにおける配慮に欠ける用語の置き換えに取り組んでいます。このような変更は、段階的に実施される予定です。詳細情報: Red Hat ブログ.

会社概要

Red Hat は、企業がコアとなるデータセンターからネットワークエッジに至るまで、各種プラットフォームや環境全体で作業を簡素化できるように、強化されたソリューションを提供しています。

© 2024 Red Hat, Inc.