OpenShift への Red Hat Integration Operator のインストール
Red Hat Integration Operator
概要
前書き
多様性を受け入れるオープンソースの強化
Red Hat では、コード、ドキュメント、Web プロパティーにおける配慮に欠ける用語の置き換えに取り組んでいます。まずは、マスター (master)、スレーブ (slave)、ブラックリスト (blacklist)、ホワイトリスト (whitelist) の 4 つの用語の置き換えから始めます。これは大規模な取り組みであるため、これらの変更は今後の複数のリリースで段階的に実施されます。詳細は、Red Hat CTO である Chris Wright のメッセージをご覧ください。
第1章 Red Hat Integration Operator のインストール
Red Hat Integration は、ハイブリッド環境およびマルチクラウド環境全体でコンテナーベースの統合サービスを作成、拡張、デプロイするための包括的な統合およびイベント処理技術です。Red Hat Integration は、デジタル環境のアプリケーションとシステム間でデータを接続および共有するために組織が使用できる、アジャイルで API 中心の分散ソリューションを提供します。
Red Hat Integration Operator を使用すると、Red Hat Integration コンポーネントを管理する Operator を選択およびインストールできます。
1.1. OLM を使用した Red Hat Integration Operator のインストール
Operator Lifecycle Manager (OLM) を使用して、OpenShift Container Platform (OCP) クラスターに Red Hat Integration Operator をインストールします。この際に、OCP コンソールの OperatorHub を使用します。
ネットワークが制限された環境や接続されていないクラスター上で OCP を使用する場合、OLM では OperatorHub を使用できなくなります。『Operator』の「ネットワークが制限された環境での Operator Lifecycle Manager の使用」に記載されている手順にしたがって、OLM を設定および使用してください。
前提条件
-
cluster-admin
パーミッションを持つアカウントを使用して OpenShift Container Platform クラスター (4.6 以上) にアクセスできること。cluster-admin
(または同等) のスーパーユーザーパーミッションを持つユーザー は、プロジェクトですべてのアクションを実行できます。
手順
- OpenShift Container Platform コンソールで、管理者権限を持つアカウントを使用してログインします。
- → に移動します。
- Red Hat Integration Operator を選択します。
-
Operator の詳細を確認し、Install をクリックします。プロバイダータイプは
Red Hat
です。 Install Operator ページで、デフォルトの設定をすべて受け入れ、Install をクリックします。
注記デフォルトは、Operator をクラスター全体で利用可能にしますが、必要な場合は特定の namespace にデプロイできます。
integration-operator の詳細ページが表示されるので、Subscription Overview を確認します。
- イメージがダウンロードされ、インストールの状態が使用可能として表示されたら、View Operator をクリックします。
ClusterServiceVersion (CSV) の詳細の状態が、対象の namespace またはすべての namespace に対して Succeeded と表示されていることを確認します。
Red Hat Integration Operator で、Red Hat Integration コンポーネントの Operator をインストールする準備ができました。
第2章 Red Hat Integration コンポーネントの Operator のインストール
Red Hat Integration の Operator は、OpenShift Container Platform での Red Hat Integration コンポーネントのデプロイメントおよび管理を自動化します。Red Hat Integration Operator を使用して Operator をインストールおよびアップグレードします。Red Hat Integration Operator は、各 Operator の現行バージョンをインストールし、新規のバージョンが利用可能になると自動更新を実行します。
2.1. インテグレーション Operator のインストール
Red Hat Integration Operator が Openshift Container Platform クラスターにインストールされると、Installation と呼ばれる CRD (カスタムリソース定義、Custom Resource Definition) が提供されます。CRD は、Red Hat Integration コンポーネントの Operator のインストールをトリガーします。
Operator をインストールするために Installation CRD のインスタンスを作成します。
インストールに利用できる Operator:
- 3scale
- 3scale APIcast
- AMQ Broker
- AMQ Interconnect
- AMQ Streams
- API Designer
- Camel K
- Fuse Console
- Fuse Online
- Service Registry
前提条件
- Red Hat Integration Operator が OpenShift Container Platform (OCP) クラスターにインストールされている。
手順
- Installed Operators に移動し、Red Hat Integration をクリックして Operator Details ページを表示します。
Provided APIs から、Installation リソースの Create Instance をクリックします。
インストールで利用可能な Red Hat Integration Operator の完全セットが、Create Installation ページに表示されます。
デフォルトでは、すべての Operator のインストールが有効になっています。Operator がインストールされるデフォルトのインストールモードおよび namespace は Operator によって異なります。Operator は namespace を作成します。namespace が指定されていない場合、
openshift-operators
namespace がクラスター全体のインストールに使用されます。各 Operator の設定は、
Installation
カスタムリソースのspec
プロパティーにカプセル化されます。表2.1 Red Hat Integration コンポーネントのデフォルトの Operator インストールモード Operator 名 CRD 仕様プロパティー デフォルトのインストールモード デフォルトの namespace 3scale
3scale-installation
namespace
rhi-3scale
3scale APIcast
3scale-apicast-installation
namespace
rhi-3scale-apicast
AMQ Broker
amq-broker-installation
namespace
rhi-amq-broker
AMQ Interconnect
amq-interconnect-installation
namespace
rhi-amq-interconnect
AMQ Streams
amq-streams-installation
cluster
openshift-operators
Camel K
camel-k-installation
cluster
openshift-operators
(Fuse) API Designer
api-designer-installation
namespace
rhi-api-designer
Fuse Console
fuse-console-installation
namespace
rhi-fuse-console
Fuse Online
fuse-online-installation
namespace
rhi-fuse-online
Service Registry
service-registry-installation
cluster
openshift-operators
任意設定: インストールを実行する前に、form または YAML ビューからインストールの指定内容を設定します。
以下を設定できます。
- インストールからの Operator を含めるまたは除外できます。
- Operator に指定された namespace 名を変更できます。
camel-k-installation
およびamq-streams-installation
Operator をnamespace
モードに切り替えることができます。この場合、namespace も指定する必要があります。Installation CRD の設定例
# … kind: Installation spec 3scale-apicast-installation: enabled: false 1 mode: namespace namespace: rhi-3scale-apicast amq-streams-installation: enabled: true mode: namespace 2 namespace: rhi-streams 3
Create をクリックし、有効な Operator のインストールを開始します。
状態が Succeeded に変わるまで待ちます。
- rhi-installation をクリックし、有効なすべての Operator がインストールされたことを確認します。
- Installed Operators に移動し、インストールされた Operator、デプロイ先の namespace、およびバージョンのリストを確認します。
その他のリソース
Red Hat Integration コンポーネントで提供される Operator の詳細。
2.2. インテグレーション Operator のアップグレード
Red Hat Integration Operator をアップグレードすると、インストールされた Red Hat Integration コンポーネントの Operator もアップグレードされます。
Integration Operator によってインストールされた Operator のアップグレード承認ストラテジーは、デフォルトで automatic に設定されます。現在の更新チャネルに新しいバージョンの Red Hat Integration Operator がデプロイされると、各 Operator に適用可能な最新バージョンが使用されるように、インストールされた Operator がアップグレードされます。Red Hat Integration Operator の承認ストラテジーを manual に変更できますが、Red Hat Integration Operator によってインストールされる Operator のストラテジーは常に自動になります。
メジャーリリースなどで更新チャネルが変更された場合は、Operator Lifecycle Manager (OLM) を使用して Red Hat Integration Operator のチャネル名を変更します。インストールされた Operator のデフォルトの更新チャネルを変更することもできます。
サブスクリプションの更新チャネルは Operator 間で異なる可能性がありますが、通常は標準の命名規則に従います。
- stable チャネル (デフォルト) には最新の更新とリリースがすべて含まれます。これには、十分なテストを行った上、安定していることが想定される、メジャー、マイナー、およびマイクロリリースが含まれます。
- X.x チャネルには、メジャーリリースのマイナーリリースの更新およびマイクロリリースの更新が含まれます。X は、メジャーリリースのバージョン番号に置き換えられます。
- X.Y.x チャネルには、マイナーリリースのマイクロリリースの更新が含まれます。X はメジャーリリースのバージョン番号、Y はマイナーリリースのバージョン番号に置き換えられます。
OpenShift Container Platform のサポートされるバージョンに対応する Operator の更新チャネルを選択するようにしてください。たとえば、サポートされていないバージョンの OpenShift Container Platform を使用している場合は、特に自動更新が有効な状態で stable チャネルから Operator をインストールすることは 安全ではありません。これは、クラスターが OpenShift Container Platform リリースでサポートされない新規コンポーネントを自動更新で受け取るためです。
チャネルの更新に従うと、選択したアップグレードストラテジーに応じて、以下のいずれかが行われます。
- 自動アップグレードが開始されます。
- 手動アップグレードを利用できます。この場合、インストールを開始する前に承認が必要です。
その他のリソース
- OperatorHub を使用した Operator のアップグレードについての詳細は、「インストールされた Operator のアップグレード」を参照してください。