第25章 Amazon EC2 での JBoss EAP 6 のデプロイ


25.1. はじめに

25.1.1. Amazon EC2

Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2) は、amazon.com により運用されているサービスであり、顧客にカスタマイズ可能な仮想コンピューティング環境を提供します。そのサービスを使用して Amazon Machine Image (AMI) を起動して仮想マシンまたはインスタンスを作成できます。ユーザーは、インスタンスで必要な任意のソフトウェアをインストールし、使用した機能に応じて請求されます。Amazon EC2 は、柔軟に設計され、ユーザーがデプロイされたアプリケーションを素早くスケールすることを可能にします。
詳細については、Amazon EC2 の Web サイト (http://aws.amazon.com/ec2/) を参照してください。

25.1.2. Amazon Machine Instance (AMI)

Amazon Machine Image (AMI) は、EC2 仮想マシンインスタンス用のテンプレートです。ユーザーは、作成元の適切な AMI を選択して EC2 インスタンスを作成します。AMI の主要なコンポーネントは、インストールされたオペレーティングシステムと他のソフトウェアを含む読み取り専用ファイルシステムです。各 AMI では、さまざまな使用ケースに応じてさまざまなソフトウェアがインストールされます。Amazon EC2 では、amazon.com とサードパーティーが提供する多くの AMI から選択できます。また、ユーザーは、独自のカスタム AMI を作成することもできます。

25.1.3. JBoss Cloud Access

JBoss Cloud Access は、Amazon EC2 などの Red Hat 認定クラウドインフラストラクチャープロバイダーで JBoss EAP 6 をサポートする Red Hat サブスクリプション機能です。JBoss Cloud Access を使用すると、従来のサーバーのリソースとパブリッククラウドベースのリソース間で単純かつ費用効果がある方法でサブスクリプションを移行できます。
詳細については、http://www.redhat.com/solutions/cloud/access/jboss/ を参照してください。

25.1.4. JBoss Cloud Access 機能

JBoss Cloud Access プログラムのメンバーシップにより、Red Hat が作成したサポート対象プライベート Amazon Machine Image (AMI) へのアクセスが提供されます。
Red Hat AMI では、次のソフトウェアが事前にインストールされ、Red Hat により完全にサポートされます。
  • Red Hat Enterprise Linux 6
  • JBoss EAP 6
  • JBoss Operations Network (JON) 3 エージェント
  • Red Hat Update Infrastructure を使用した RPM による製品アップデート
各 Red Hat AMI は開始点にすぎず、アプリケーションの要件を満たすためにさらに設定が必要です。

重要

現在、JBoss Cloud Access はスタンドアロンインスタンスと管理対象ドメインの両方で full-ha プロファイルのサポートを提供しません。

25.1.5. サポートされる Amazon EC2 インスタンスタイプ

JBoss Cloud Access は、次の Amazon EC2 インスタンスタイプをサポートします。各インスタンスタイプの詳細については、『Amazon EC2 User Guide (Amazon EC2 ユーザーガイド)』(http://docs.amazonwebservices.com/AWSEC2/latest/UserGuide/instance-types.html) を参照してください。
表25.1 サポートされる Amazon EC2 インスタンスタイプ
インスタンスタイプ説明
標準インスタンス
標準インスタンスは、メモリーと CPU の比率が調整された汎用的な環境です。
高メモリーインスタンス
高メモリーインスタンスでは、標準インスタンスよりも多いメモリーが割り当てられます。高メモリーインスタンスは、データベースやメモリーキャッシングアプリケーションなどの高スループットアプリケーションに適しています。
高 CPU インスタンス
高 CPU インスタンスでは、メモリーよりも多い CPU リソースが割り当てられるため、これはスループットが比較的低く、CPU リソースを大量に消費するアプリケーションに適しています。

重要

インスタンスタイプ Micro (t1.micro) は、JBoss EAP 6 のデプロイメントに適していません。

25.1.6. サポート対象 Red Hat AMI

サポート対象 Red Hat AMI は、AMI 名により識別できます。
JBoss EAP 6 の AMI は、次の構文を使用して指定されます。
 RHEL-osversion-JBEAP-version-arch-creationdate 
version は、AMI にインストールされた JBoss EAP のバージョン番号です (6.3 など)。
osversion は、AMI にインストールされた Red Hat Enterprise Linux のバージョン番号です (6.2 など)。
arch は、AMI のアーキテクチャーです。これは、x86_64 または i386 です。
creationdate は、AMI が作成された日付 (YYYYMMDD 形式) です (20120501 など)。
AMI 名の例: RHEL-6.2-JBEAP-6.0.0-x86_64-20120501
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