2.3. ファイルシステムパス
2.3.1. ファイルシステムパス
JBoss EAP 6 では、ファイルシステムパスに論理名を使用します。
domain.xml
、host.xml
、および standalone.xml
の設定には、パスを宣言できるセクションが含まれます。設定の他のセクションは、各インスタンスの絶対パスを宣言せず論理名を使用することにより、これらのパスを参照できます。これにより、特定のホスト設定をユニバーサルな論理名に解決できるため、設定や管理がしやすくなります。
たとえば、ロギングサブシステム設定には、サーバーの
log
ディレクトリーを示す jboss.server.log.dir
パスへの参照が含まれます。
例2.10 ロギングディレクトリーの相対パス例
<file relative-to="jboss.server.log.dir" path="server.log"/>
JBoss EAP 6 では、複数の標準的なパスが自動的に提供されるため、ユーザーが設定ファイルでこれらのパスを設定する必要はありません。
Value | 説明 |
---|---|
jboss.home.dir | JBoss EAP 6 ディストリビューションのルートディレクトリー。 |
user.home | ユーザーのホームディレクトリー。 |
user.dir | ユーザーのカレントワーキングディレクトリー。 |
java.home | Java インストールディレクトリー。 |
jboss.server.base.dir | 各サーバーインスタンスのルートディレクトリー。 |
jboss.server.data.dir | サーバーが永続データファイルストレージに使用するディレクトリー。 |
jboss.server.config.dir | サーバー設定が含まれるディレクトリー。 |
jboss.server.log.dir | サーバーがファイルストレージに使用するディレクトリー。 |
jboss.server.temp.dir | サーバーが一時ファイルストレージに使用するディレクトリー。 |
jboss.controller.temp.dir | ホストコントローラーが一時的なファイルストレージとして使用するディレクトリー。 |
パスのオーバーライド
スタンドアロンサーバーを実行している場合は、以下の 2 つの方法の 1 つを用いて jboss.server.base.dir
、jboss.server.log.dir
、または jboss.server.config.dir
パスをオーバーライドできます。
- サーバーの起動時に、コマンドラインで引数を渡すことができます。例は次のとおりです。
bin/standalone.sh -Djboss.server.log.dir=/var/log
- サーバー設定ファイルの
JAVA_OPTS
変数を編集できます。EAP_HOME/bin/standalone.conf
ファイルを開き、ファイルの最後に以下の行を追加します。JAVA_OPTS="$JAVA_OPTS Djboss.server.log.dir=/var/log"
カスタムパスの追加
カスタムパスを作成することも可能です。たとえば、以下のようにロギングに使用する相対パスを定義できます。
my.relative.path=/var/log
my.relative.path
を使用するよう、ログハンドラーを変更します。