3.2.2.3. パッチ管理システムを使用して Zip 形式でパッチ適用をロールバック
概要
JBoss EAP 6 パッチ管理システムを使用して、管理 CLI または管理コンソールを介して以前に適用された zip パッチの適用をロールバックできます。
警告
パッチ管理システムを使用したパッチ適用のロールバックは、一般的なアンインストール機能として意図されていません。これは、望ましくない結果をもたらしたパッチの適用直後にのみ使用することを目的としています。
重要
パッチ管理システムは、JBoss EAP 6.2 で追加された機能です。6.2 より前のバージョンの JBoss EAP の場合、パッチを zip 形式でロールバックするプロセスは異なります。https://access.redhat.com/documentation/ja-jp/red_hat_jboss_enterprise_application_platform/?version=6.4 で関連バージョンのドキュメントを参照してください。
前提条件
- 以前に JBoss EAP 6 パッチ管理システムを使用して適用されたパッチ。
- JBoss EAP 6 サーバーの管理 CLI または管理コンソールへのアクセス。カスタマーポータル (https://access.redhat.com/documentation/ja-jp/red_hat_jboss_enterprise_application_platform/?version=6.4) で、『管理および設定ガイド』 の 『管理 CLI の起動』 または 『管理コンソールへのログイン』 を参照してください。
警告
いずれかの手順を行場合は、
Reset Configuration
オプションの値を指定する際に注意して行ってください。
TRUE
に設定した場合、パッチロールバックプロセスによって JBoss EAP 6 サーバー設定ファイルもパッチ適用前の状態にロールバックされます。パッチの適用後に JBoss EAP 6 サーバー設定ファイルに追加された変更はすべて失われます。
FALSE
に設定すると、サーバー設定ファイルはロールバックされません。この状況では、パッチによって名前空間などの構成が変更されている可能性があるため、ロールバック後にサーバーが起動しない可能性があります。名前空間は無効になり、手動で修正する必要があります。
手順3.3 管理 CLI を使用して JBoss EAP 6 サーバーインスタンスからパッチをロールバック
- 管理 CLI から、patch info コマンドを使用して、ロールバックするパッチの ID を見つけます。
- 累積パッチの場合、パッチ ID は patch info 出力に表示された最初の
cumulative-patch-id
の値です。 - 個々のセキュリティーまたはバグ修正パッチ ID は、patch info 出力に表示された最初の
patches
の情報としてリストされます。その際に、最後に適用された個別パッチが最初にリストされます。
- 管理 CLI から、前の手順の適切なパッチ ID を使用してパッチをロールバックします。
patch rollback --patch-id=PATCH_ID --reset-configuration=TRUE
パッチのロールバック時に競合が存在する場合は、patch ツールによって警告が表示されます。コマンドを再実行して競合を解決する際に使用できるpatch については、「パッチ管理システム」 を参照してください。 - パッチロールバックを有効にするには、JBoss EAP 6 サーバーを再起動します。
shutdown --restart=true
手順3.4 管理コンソールを使用して JBoss EAP 6 サーバーインスタンスからパッチをロールバック
- 管理コンソールで以下を実行します。
- スタンドアロンサーバーの場合: 画面上部の Administration タブをクリックし、Patch Management をクリックします。
- 管理対象ドメインの場合: 画面上部の Administration タブをクリックし、Patch Management をクリックします。
Patch Management
テーブルから関連するホストを選択し、View をクリックします。
- Recent Patch History テーブルで、ロールバックするパッチを選択し、 をクリックします。
図3.4 パッチ管理の最近パッチ履歴テーブル
- 管理対象ドメインホストの場合は、次の画面で、ホストのサーバーをシャットダウンするかどうかを選択し、をクリックします。
- ロールバックプロセスのオプションを選択して、をクリックします。
図3.5 オプションダイアログの選択
- ロールバックするオプションとパッチを確認してからをクリックします。
- Override all オプションが選択されておらず、パッチのロールバック時に競合が発生した場合、警告が表示されます。View error details をクリックして、競合の詳細を確認します。競合が存在する場合は、操作をキャンセルするか、 をクリックし、Override all チェックボックスを選択して操作を再試行します。競合を上書きすると、ロールバック操作でユーザーの変更がオーバーライドされます。
- パッチが正常にロールバックされたら、変更を有効にするために JBoss EAP 6 サーバーを再起動するかどうかを選択し、をクリックします。
結果
パッチ、およびオプションでサーバー設定ファイルも、JBoss EAP 6 サーバーインスタンスでロールバックされます。