2.3. 非推奨および未サポート機能リストの確認
アプリケーションをに移行する前に、以前のリリースの JBoss EAP で利用できた機能の一部が非推奨またはサポート対象外となった可能性があることに注意してください。包括的なリストは、カスタマーポータルの JBoss EAP 6 の 『Release Notes』 の 『Unsupported Features』 を参照してください (https://access.redhat.com/documentation/ja-jp/red_hat_jboss_enterprise_application_platform/?version=6.4)。
サポート対象外となった機能の一部を以下に示します。
- サーバー起動の -b コマンドライン引数
- 以前のバージョンでは、JBoss EAP は IP アドレスに関係なく、
-b
起動パラメーターで指定されたアドレスを自動的に使用していました。JBoss EAP 6 では、サーバー<inet-address>
設定は、一致する IP アドレスで設定されたネットワークインターフェースを検索します。IPアドレス127.0.0.1
は機能しますが、127.*.*.*
は機能しなくなりました。127.*.*.*
IP アドレスにバインドする-b
コマンドライン引数を使用して JBoss EAP 6 サーバーを起動した場合は、まずサーバー設定ファイルでインターフェースを<inet-address>
から<loopback-address>
に変更する必要があります。管理 CLI を使用してサーバーを設定する方法は、カスタマーポータルの JBoss Enterprise Application Platform の 『Administration and Configuration Guide』 の 『Management CLI Operations』 を参照してください (https://access.redhat.com/documentation/ja-jp/red_hat_jboss_enterprise_application_platform/?version=6.4)。 - EJB 依存関係
- これまでのバージョンの JBoss EAP では、他の EJB を含むサービスの EJB 依存関係は、
jboss.xml
デプロイメント記述子の<depends>
タグを使用して指定できました。以下に例を示します。<depends>jboss.j2ee:jndiName=com/myorg/app/Foo,service=EJB</depends> <depends>jboss.mq.destination:service=Queue,name=queue/HelloworldQueue</depends>
JBoss EAP 6 では、@EJB
アノテーションを使用して EJB 参照を注入し、@Resource
アノテーションを使用してデータソースやその他のリソースにアクセスする必要があります。以下に例を示します。@EJB(lookup="java:global/MyApp/FooImpl!com.myorg.app.Foo") @Resource(mappedName = "java:/queue/HelloworldQueue")
JNDI ルックアップも変更になりました。詳細は、本ガイドの 『JNDI の変更』 セクションを参照してください。EJB 参照の詳細は、カスタマーポータルの JBoss Enterprise Application Platform の 『Development Guide』 の 『EJB Reference Resolution』 セクションを参照してください (https://access.redhat.com/documentation/ja-jp/red_hat_jboss_enterprise_application_platform/?version=6.4)。 - HTTPInvoker
- これまでのバージョンの JBoss EAP では、HTTPInvoker を使用して EJB、JNDI、または JMS を設定して HTTP プロトコルを使用することができました。これは JBoss EAP 6 では不可能になりました。
- HA Singleton デプロイメントおよび BarrierController サービス
- HA SingletonService は、クラスター内で実行されるサービスのインスタンスが 1 つだけであることを保証します。JBoss EAP 5 は、HASingletonDeployer サービス、HASingletonController を使用した POJO デプロイメント、BarrierController サービスを使用した HASingleton デプロイメントなど、HA Singleton デプロイメントの複数の方式をサポートしていました。これらの方式は、クラスター内の異なるノードが起動および停止した際の通知を提供するのにすべて HAPartition に依存していたので、利用できなくなりました。JBoss EAP 6 では、HA Singleton デプロイメントが完全に変更になりました。シングルトンデプロイヤーは Modular Service Container (MSC)サービスでのみ動作するようになりました。SingletonService を使用すると、ターゲットサービスはクラスター内のすべてのノードにインストールされますが、常に1つのノード上でのみ起動されます。この方法では、デプロイメント要件を単純化し、シングルトンマスターサービスをノード間で再配置するために必要な時間を最小限にします。ただし、同じ機能を実現するには、カスタムコードを作成する必要があります。HA Singleton デプロイメントの例は、製品に同梱される JBoss EAP クイックスタートサンプルアプリケーションに含まれています。HA Singleton に関する詳細は、「HA シングルトンの実装」 を参照してください。
- JAAS Security Manager サービス
- JBoss EAP 5 には JAAS Security Manager が同梱されており、データソースパスワード暗号化サービスを提供し、パスワードベースの暗号化(PBE)でアイデンティティーを設定していました。このサービスは JBoss EAP 6 には含まれていません。JBoss EAP 6 では、データソースパスワードの暗号化にパスワード vault を使用することを推奨しています。JAAS Security Manager サービスと JBoss EAP 5 を使用したパスワード暗号化アルゴリズムは、JBoss EAP 6 でパスワード vault を使用してパスワードを暗号化するときに使用されるアルゴリズムと互換性がありません。管理者は、以前のリリースでパスワードベースの暗号化を使用して暗号化されたパスワードを再生成する必要があります。以前のバージョンの JBoss EAP でクレデンシャルを動的にデプロイするのに DynamicLoginConfig サービスを使用した場合、JBoss EAP 6 ではクレデンシャルを動的にデプロイするための同様の方法はありません。広く知られた既知のマスク値以外の方法で vault パスワードをセキュアにする機能は、JBoss EAP 6.4 以降でのみ利用できます。