第3章 JBoss EAP のアップグレード
本章では、 JBoss EAP 7.0 から JBoss EAP 7.1 のように、JBoss EAP 7 のミラーリリースを別のミラーリリースにアップグレードする方法について説明します。
JBoss EAP 6 から JBoss EAP 7 のように、JBoss EAP の以前のメジャーリリースから移行する場合は、『移行ガイド』を参照してください。
3.1. アップグレードの準備
JBoss EAP をアップグレードする前に、以下の潜在的な問題について認識しておく必要があります。
- 新しいポイントリリースにアップグレードするときに設定ファイルをバックアップおよびリストアする場合、新しいリリースに含まれる新しい設定を上書きし、新機能が自動的に有効にならないようにすることができます。この場合、旧設定と新設定を比較し、維持する必要のある特定の設定のみを再適用することが推奨されます。これは、手作業で行うことができ、複数のサーバー設定ファイルに変更を一貫して適用できるスクリプトを作成して行うこともできます。
- アップグレードのために既存の設定をバックアップおよびリストアする場合、サーバーが再起動し、設定ファイルが更新されると、更新された設定は旧バージョンとの互換性を失う可能性があります。
-
アップグレードによって一時フォルダーが削除されることがあります。アップデートを行う前に
data/content/
ディレクトリーに保存されたデプロイメントをバックアップし、アップデートの完了後にリストアする必要があります。この作業を怠ると、コンテンツの不足によりサーバーが起動しません。 -
アップグレードを適用する前に、オープントランザクションを処理し、
data/tx-object-store/
トランザクションディレクトリーを削除します。 -
The persistent timer data in
data/timer-service-data
must be checked to determine whether it will still be applicable after the upgrade. Before the upgrade, review thedeployment-*
files in that directory to determine which timers are still in use.
3.2. ZIP/インストーラーインストールのアップグレード
前提条件
- ベースのオペレーティングシステムが最新の状態であるようにしてください。
- 設定ファイル、デプロイメント、およびユーザーデータをすべてバックアップします。
- アップグレードする JBoss EAP バージョンの ZIP ファイルをダウンロードします。
管理対象ドメインでは、JBoss EAP ドメインコントローラーを最初にアップグレードする必要があります。
アップグレードした JBoss EAP 7 ドメインコントローラーは、他のドメインと同じまたはそれ以降のバージョンを実行していれば、管理対象ドメインの他の JBoss EAP 7 ホストを管理できます。
ダウンロードした ZIP ファイルを希望の場所に移動します。既存の JBoss EAP インストールとは別の場所を選択することが推奨されます。
注記アップグレードしたバージョンの JBoss EAP を既存のインストールと同じディレクトリーにインストールする場合は、既存のインストールを別の場所に移してから作業を続行する必要があります。これは、変更した設定ファイル、デプロイメント、およびアップグレードの損失を防ぎます。
- ZIP アーカイブを展開します。これにより、新しい JBoss EAP リリースのインスタンスがクリーンインストールされます。
以前のインストールの
EAP_HOME/domain/
およびEAP_HOME/standalone/
ディレクトリーを新しいインストールディレクトリーにコピーします。重要設定ファイルが以前の JBoss EAP インストールからコピーされると、新しいサブシステムなどの新リリースの新機能はアクティベートされないことがあります。これらの新機能を使用するには、以前の設定ファイルを新バージョンの設定ファイルと比較し、アップデートする必要があります。
以前のインストールの
bin
ディレクトリーに加えられた変更を確認し、同等の変更を新しいディレクトリーに追加します。警告bin
ディレクトリーのファイルは、以前のバージョンのファイルに上書きされていないはずです。変更は手作業で行う必要があります。以前のインストールで変更された残りのファイルを確認し、変更内容を新しいインストールに移動します。このようなファイルには以下のファイルが含まれることがあります。
-
welcome-content
ディレクトリー。 -
modules
ディレクトリーのカスタムモジュール。
-
- 任意設定: JBoss EAP がサービスとして実行されるよう設定されていた場合は、既存のサービスを削除し、アップグレードしたインストールに新しいサービスを設定します。
3.3. RPM インストールのアップグレード
前提条件
- ベースのオペレーティングシステムが最新の状態で、標準の Red Hat Enterprise Linux リポジトリーにサブスクライブし、更新を取得できるようにしてください。
アップグレードに関連する JBoss EAP リポジトリーにサブスクライブしていることを確認してください。
「現行」の JBoss EAP リポジトリーにサブスクライブしている場合、アップグレードするバージョンのリリース直後にアップグレードを利用できます。以前の「マイナー」JBoss EAP リポジトリーにサブスクライブしている場合、最新のマイナーリポジトリーにサブスクライブしてアップグレードを取得する必要があります。
JBoss EAP リポジトリーに関する詳細は、『インストールガイド』の「リポジトリーの選択」および「リポジトリーの変更」を参照してください。
- 設定ファイル、デプロイメント、およびユーザーデータをすべてバックアップします。
管理対象ドメインでは、JBoss EAP ドメインコントローラーを最初にアップグレードする必要があります。
アップグレードした JBoss EAP 7 ドメインコントローラーは、他のドメインと同じまたはそれ以降のバージョンを実行していれば、管理対象ドメインの他の JBoss EAP 7 ホストを管理できます。
関連する JBoss EAP リポジトリーにサブスクライブし、アップグレードが利用できるようになった後、以下のコマンドを実行して JBoss EAP インストールをアップグレードします。
# yum update
RPM のアップグレードプロセスでは、変更された設定ファイルは置き換えられず、新バージョンの JBoss EAP のデフォルト設定用に
.rpmnew
ファイルが作成されます。新しいサブシステムなど、新リリースの新機能をアクティベートするには、各
.rpmnew
ファイルを手作業で既存の設定ファイルにマージする必要があります。
3.4. クラスターのアップグレード
JBoss EAP は、異なるバージョンの JBoss EAP サーバーでノードが構成されたクラスターの作成をサポートしません。クラスター内のすべてのノードは同じ JBoss EAP バージョンである必要があります。
クラスターのアップグレードプロセスでは、新しいバージョンの JBoss EAP を実行するノードで構成される新規の JBoss EAP クラスターを作成し、すべてのクラスタートラフィックを以前のクラスターから新しいクラスターに移行します。この作業の完了後、以前の JBoss EAP クラスターをシャットダウンし、削除することができます。
新規クラスターの作成については『設定ガイド』の「高可用性の設定」、旧クラスターから新クラスターへのトラフィックの移行については「クラスター間のトラフィックの移行」を参照してください。
Revised on 2018-08-29 12:46:17 EDT