2.6. 複数のアイデンティティーストアを使用した認証および承認の設定


異なるアイデンティティーストアにアイデンティティーの属性を保存する場合は、aggregate-realm を使用してアイデンティティー属性を 1 つのセキュリティーレルムにロードし、認証および承認を行います。

2.6.1. Elytron での集約レルム

aggregate-realm では、認証に 1 つのセキュリティーレルムを、Elytron の承認に別のセキュリティーレルム、または複数のセキュリティーレルムの集約を使用できます。たとえば、認証にプロパティーレルムを、承認に JDBC レルムを使用するように、集約レルムを設定できます。

複数の承認レルムを集約するように設定された集約レルムでは、アイデンティティーは以下のように作成されます。

  • 承認用に設定された各セキュリティーレルムの属性値を読み込む。
  • 複数の承認レルムで属性が定義されている場合は、最初に表示される属性の値を使用する。

以下の例では、複数の承認レルムに同じアイデンティティー属性の定義が含まれる場合のアイデンティティーの作成方法を説明します。

集約レルムの設定:

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authentication-realm=properties-realm,
authorization-realms=[jdbc-realm,ldap-realm]
  • JDBC レルムから取得した属性値:

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    e-mail: user@example.com
    groups: Supervisor, User
  • ldap レルムから取得した属性値:

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    e-mail: administrator@example.com
    phone: 0000 0000 0000

集約レルムから取得した生成アイデンティティー:

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e-mail: user@example.com
groups: Supervisor, User
phone: 0000 0000 0000

この例では、e-mail 属性は両方の承認レルムで定義されます。JDBC レルムで定義された値は、集約レルムは、承認レルムを集約するように設定されているため (authorization-realms=[jdbc-realm,ldap-realm])、生成された集約レルムの e-mail 属性に使用されます。

2.6.2. 集約レルムを使用した認証および承認の設定

集約レルムを使用して認証および承認を設定するには、集約レルムを作成し、セキュリティードメインとアプリケーションセキュリティードメインが集約レルムを使用するように設定します。

前提条件

  • 集約するセキュリティーレルムを設定する。

    セキュリティーレルムの設定に関する詳細は、アイデンティティー管理の設定方法ガイドの Elytron サブシステム を参照してください。

  • セキュリティードメインで使用するロールデコーダーを設定する。

    ロールデコーダーの詳細は、サーバーセキュリティーの設定方法Elytron ロールデコーダーの作成 を参照してください。

手順

  1. 集約レルムを作成します。

    • 1 つの承認レルムで集約レルムを作成するには、以下を実行します。

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      /subsystem=elytron/aggregate-realm=exampleAggregateRealm:add(authentication-realm=__SECURITY_REALM_FOR_AUTHENTICATION__, authorization-realm=__SECURITY_REALM_FOR_AUTHORIZATION__)
    • 複数の承認レルムで集約レルムを作成するには、以下を実行します。

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      /subsystem=elytron/aggregate-realm=exampleAggregateRealm:add(authentication-realm=__SECURITY_REALM_FOR_AUTHENTICATION__, authorization-realms=[__SECURITY_REALM_FOR_AUTHORIZATION_1__,__SECURITY_REALM_FOR_AUTHORIZATION_2__,...,__SECURITY_REALM_FOR_AUTHORIZATION_N__])
  2. security-domain を設定します。

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    /subsystem=elytron/security-domain=exampleAggregateRealmSD:add(realms=[{realm=exampleAggregateRealm,role-decoder=__ROLE-DECODER__}],default-realm=exampleAggregateRealm,permission-mapper=default-permission-mapper)
  3. undertow サブシステムで application-security-domain を設定します。

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    /subsystem=undertow/application-security-domain=exampleAggregareRealmApplicationDomain:add(security-domain=exampleAggregateRealmSD)
  4. アプリケーションの web.xml および jboss-web.xml を設定します。

    アプリケーションの web.xml および jboss-web.xml は、JBoss EAP で設定した application-security-domain を使用するように更新する必要があります。このサンプルは、Configure Web Applications to use Elytron or Legacy Security for Authentication で確認できます。

2.6.3. 集約レルムの例

承認レルムと集約レルムの例

この例では、認証に properties-realm を、承認に jdbc-realm を使用します。

以下のレルムを事前設定する必要があります。

  • examplPropertiesRealm という名前の properties-realm
  • exampleJdbcRealm という名前の jdbc-realm

以下のコマンドを実行して、集約レルムを作成します。

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/subsystem=elytron/aggregate-realm:exampleSimpleAggregateRealm:add(authentication-realm=examplPropertiesRealm,authorization-realm=exampleJdbcRealm)

承認レルム 2 つと集約レルムの例

この例では、認証に properties-realm を、承認に ldap-realmjdbc-realm の集約を使用します。

以下のレルムを事前設定する必要があります。

  • examplPropertiesRealm という名前の properties-realm
  • exampleJdbcRealm という名前の jdbc-realm
  • exampleLdapRealm という名前の ldap-realm

以下のコマンドを実行して、集約レルムを作成します。

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/subsystem=elytron/aggregate-realm:exampleSimpleAggregateRealm:add(authentication-realm=examplPropertiesRealm,authorization-realms=[exampleJdbcRealm,exampleLdapRealm])
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