6.2. JBoss EAP 6.4 管理対象ドメインの JBoss EAP 7.4 への移行
JBoss Server Migration Tool を使用する場合は、ホストを移行する前にドメインコントローラーを移行して、ホストが使用するバージョンよりも新しいバージョンの EAP をドメインコントローラーが使用する必要があることを確認してください。たとえば、EAP 7.3 で実行されているドメインコントローラーは、EAP 7.4 で実行されているホストを処理できません。
JBoss EAP の設定ガイドの JBoss EAP 6 インスタンスを管理するよう JBoss EAP 7.x ドメインコントローラーを設定 を確認します。JBoss EAP 6 インスタンスが JBoss EAP 7 の更新を取得しないようにする というセクションを注意して確認してください。
詳細およびサポートされている設定については、JBoss EAP 設定ガイド の 複数の JBoss EAP バージョンの管理 を参照してください。
JBoss Server Migration Tool はデフォルトで、管理対象ドメイン設定を JBoss EAP 6.4 から JBoss EAP 7.4 に移行するときに以下のタスクを実行します。
- 未対応のサブシステムの削除
- 参照したモジュールの移行
- 参照したパスの移行
-
jacorb
サブシステムの移行 -
web
サブシステムの移行 -
messaging
サブシステムの移行 -
infinispan
サブシステムの更新 -
ee
サブシステムの更新 - Jakarta Enterprise Beans サブシステムの 調整
-
jgroups
サブシステムの更新 -
remoting
サブシステムの更新 -
transactions
サブシステムの更新 -
undertow
サブシステムの更新 -
messaging-activemq
サブシステムの更新 -
batch-jberet
サブシステムの追加 -
core-management
サブシステムの追加 -
elytron
サブシステムの追加 -
request-controller
サブシステムの追加 -
security-manager
サブシステムの追加 -
singleton
サブシステムの追加 -
unsecure
インターフェイスの更新 - プラベートインターフェイスのセットアップ
- ソケットバインディングポート式の追加
- ソケットバインディングマルチキャストアドレス式の追加
- ロードバランサープロファイルの追加
- ホスト除外の設定の追加
-
JVM 設定からの
PermGen
の削除 - デプロイメントの移行
6.2.1. 非対応のサブシステムの削除
以下の JBoss EAP 6.4 サブシステムは JBoss EAP 7.4 ではサポートされません。
サブシステム名 | 設定名前空間 | 拡張モジュール |
---|---|---|
cmp | urn:jboss:domain:cmp:* | org.jboss.as.cmp |
configadmin | urn:jboss:domain:configadmin:* | org.jboss.as.configadmin |
jaxr | urn:jboss:domain:jaxr:* | org.jboss.as.jaxr |
osgi | urn:jboss:domain:osgi:* | org.jboss.as.osgi |
threads | urn:jboss:domain:threads:* | org.jboss.as.threads |
JBoss Server Migration Tool は、サポート対象外のすべてのサブシステム設定と拡張機能を、移行されたサーバー設定から削除します。このツールは各サブシステムとそれらの拡張をログファイルに記録し、削除時にコンソールに記録します。
サポート対象外のサブシステムの削除を省略するには、subsystems.remove-unsupported-subsystems.skip
プロパティーを true
に設定します。
JBoss Server Migration Tool のデフォルト動作を上書きし、以下の環境プロパティーを使用して移行中に含まれるサブシステムと拡張機能を指定することができます。
プロパティー名 | プロパティーの説明 |
---|---|
|
決して移行すべきでない拡張機能のモジュール名の一覧 (例: |
|
常に移行すべき拡張子のモジュール名 (例: |
|
決して移行すべきでないサブシステムの名前空間の一覧 (バージョンを除く) (例: |
|
常に移行すべきサブシステムの名前空間の一覧 (バージョンを除く) (例: |
6.2.2. 参照済みモジュールの移行
ソースサーバーからターゲットサーバーに移行される設定が、ターゲットサーバーにインストールされていないモジュールを参照したり、これに依存する可能性があります。JBoss Server Migration Tool はこれを検知し、参照されるモジュールと、その依存関係モジュールをソースサーバーからターゲットサーバーに自動的に移行します。
管理対象ドメイン設定で参照されるモジュールは、以下のプロセスを使用して移行されます。
- セキュリティーレルム設定で参照されるモジュールは、プラグインモジュールとして移行されます。
-
datasource
サブシステム設定によって参照されるモジュールは、データソースドライバーモジュールとして移行されます。 -
ee
サブシステム設定によって参照されるモジュールはグローバルモジュールとして移行されます。 -
naming
サブシステム設定によって参照されるモジュールは、オブジェクトファクトリーモジュールとして移行されます。 -
messaging
サブシステム設定によって参照されるモジュールは、Jakarta Messaging ブリッジモジュールとして移行されます。 - vault 設定によって参照されるモジュールは、新しい設定に移行されます。
- ターゲット設定にインストールされていないエクステンションは、ターゲットサーバー設定に移行されます。
コンソールは、移行されるモジュールのモジュール ID を示すメッセージをログに記録します。modules.excludes
環境プロパティーにモジュール ID を指定して、特定モジュールの移行を除外できます。詳細は、モジュールの移行の設定 を参照してください。
6.2.3. 参照パスの移行
ソースサーバーからターゲットサーバーへの移行される設定は、ターゲットサーバーにも移行する必要があるファイルパスとディレクトリーを参照したり、これらに依存する可能性があります。JBoss Server Migration Tool は絶対パス参照を移行しません。ソース設定との関連として設定されるファイルやディレクトリーのみを移行します。コンソールは、移行される各パスを示すメッセージをログに記録します。
JBoss Server Migration Tool は以下のパス参照を自動的に移行します。
- vault キーストアおよび暗号化されたファイルのディレクトリー。
参照パスの移行を省略するには、paths.migrate-paths-requested-by-configuration.vault.skip
環境プロパティーを true
に設定します。
6.2.4. Jacorb サブシステムの移行
jacorb
サブシステムは JBoss EAP 7.4 で非推奨となり、iiop-openjdk
サブシステムに置き換えられました。デフォルトでは、JBoss Server Migration Tool は自動的に jacorb
サブシステム設定を置換の iiop-openjdk
サブシステム設定に移行し、結果をログファイルとコンソールに記録します。
iiop-openjdk
サブシステム設定への自動移行を省略するには、subsystem.jacorb.migrate.skip
環境プロパティーの値を true
に設定します。
6.2.5. Web サブシステムの移行
web
サブシステムは JBoss EAP 7.4 で非推奨となり、undertow
サブシステムに置き換えられました。デフォルトでは、JBoss Server Migration Tool は web
サブシステム設定を代替の undertow
サブシステム設定に自動的に移行し、結果をログファイルとコンソールに記録します。
web
サブシステムの自動移行を省略するには、subsystem.web.migrate.skip
環境変数の値を true
に設定します。
6.2.6. messaging サブシステムの移行
messaging
サブシステムは JBoss EAP 7.4 で非推奨となり、messaging-activemq
サブシステムに置き換えられました。JBoss Server Migration Tool は自動的に messaging
サブシステム設定を代替の messaging-activemq
サブシステム設定に移行し、結果をログファイルとコンソールに記録します。
messaging
サブシステムの自動移行を省略するには、subsystem.messaging.migrate.skip
環境プロパティーの値を true
に設定します。
6.2.7. Infinispan サブシステムの更新
JBoss Server Migration Tool は、デフォルトの JBoss EAP 7.4 設定に合わせて infinispan
サブシステム設定を更新します。
- JBoss EAP 7.4 のデフォルト設定に存在する Jakarta Enterprise Beans キャッシュコンテナーを、まだ含まれていない設定に追加します。
- JBoss EAP 7.4 のデフォルト設定にあるサーバーキャッシュコンテナーを追加します。
- Hibernate キャッシュコンテナー設定でモジュール名を更新します。
- JBoss EAP 7.4 のデフォルト設定にある Web キャッシュコンテナーに同時キャッシュを追加します。
JBoss Server Migration Tool は infinispan
サブシステム設定を自動的に更新し、そのログファイルとコンソールに結果を記録します。
以下の環境プロパティーを設定して、infinispan
システムの更新をカスタマイズできます。
プロパティー名 | プロパティーの説明 |
---|---|
subsystem.infinispan.update.skip |
|
subsystem.infinispan.update.add-infinispan-ejb-cache.skip <<<<<<< HEAD |
|
| subsystem.infinispan.update.add-infinispan-server-cache.skip |
| subsystem.infinispan.update.fix-hibernate-cache-module-name.skip |
| subsystem.infinispan.update-infinispan-web-cache |
6.2.8. EE サブシステムの更新
JBoss Server Migration Tool は ee
サブシステムを更新し、JBoss EAP 7.4 でサポートされる Jakarta EE 機能を設定します。
- JBoss EAP 7.4 のデフォルト設定にある container-managed executors などの Jakarta EE コンカレンシーユーティリティーのインスタンスを設定し、結果をログファイルおよびコンソールに記録します。
これは、デフォルトの JBoss EAP 6.4 設定にあるデフォルトのデータソースなどのデフォルトのリソースを定義します。リソースが見つからなかった場合、ツールは設定の利用可能な全リソースを一覧表示し、一覧からリソースを選択するか、デフォルトとして設定する必要のあるリソースの Java Naming and Directory Interface アドレスを示すプロンプトを提供します。
注記指定した Java Naming and Directory Interface 名が有効であると想定されます。Java Naming and Directory Interface 名はツールによって検証されません。
JBoss Server Migration Tool は ee
サブシステム設定を自動的に更新し、結果をログファイルとコンソールに記録します。
以下の環境プロパティーを設定して、ee
システムの更新をカスタマイズできます。
プロパティー名 | プロパティーの説明 |
---|---|
subsystem.ee.update.skip |
|
subsystem.ee.update.setup-ee-concurrency-utilities.skip |
|
subsystem.ee.update.setup-javaee7-default-bindings.skip |
|
subsystem.ee.update.setup-javaee7-default-bindings.defaultDataSourceName | ソース設定で検索するデフォルトデータソースの名前を指定します。 |
subsystem.ee.update.setup-javaee7-default-bindings.defaultDataSourceJndiName | デフォルトデータソースの Java Naming and Directory Interface 名を指定します。 |
subsystem.ee.update.setup-javaee7-default-bindings.defaultJmsConnectionFactoryName | デフォルトの Jakarta Messaging 接続ファクトリーの名前を指定します。 |
subsystem.ee.update.setup-javaee7-default-bindings.defaultJmsConnectionFactoryJndiName | デフォルトの Jakarta Messaging 接続ファクトリーの Java Naming and Directory Interface 名を指定します。 |
EE サブシステムでのコンカレンシーユーティリティーの設定
Jakarta EE コンカレンシーユーティリティーの設定を選択すると、このツールはデフォルトの JBoss EAP 7.4 設定にあるインスタンスを自動的に設定し、結果をログファイルおよびコンソールに記録します。
INFO [ServerMigrationTask#49] Default ContextService added to EE subsystem configuration. INFO [ServerMigrationTask#49] Default ManagedThreadFactory added to EE subsystem configuration. INFO [ServerMigrationTask#49] Default ManagedExecutorService added to EE subsystem configuration. INFO [ServerMigrationTask#49] Default ManagedScheduledExecutorService added to EE subsystem configuration.
EE サブシステムでのデフォルトリソースの設定
このツールは、Jakarta EE のデフォルトリソースを定義する時に、デフォルトの JBoss EAP 7.4 設定にあるリソースを自動的に選択します。
INFO [ServerMigrationTask#50] Java EE Default Datasource configured with Java Naming and Directory Interface and name java:jboss/datasources/ExampleDS.
デフォルトリソースが見つからない場合、ツールは設定で利用可能なすべてのリソースを一覧表示し、デフォルトのリソースを選択するか、デフォルトとして設定する必要のあるリソースの Java Naming and Directory アドレスを示すプロンプトを提供します。
以下は、ExampleDS
データソースの設定ファイルを移行する際に発生する対話例です。
INFO [ServerMigrationTask#22] Default datasource not found. 0. ExampleDS 1. Unconfigured data source, I want to enter the Java Naming and Directory Interface name... Please select Java EE's Default Datasource: (0): 0 INFO [ServerMigrationTask#22] Java EE Default Datasource configured with Java Naming and Directory Interface name java:jboss/datasources/ExampleDS. Save this Java EE Default Datasource Java Naming and Directory Interface name and use it when migrating other config files? yes/no? y
非対話モードで JBoss Server Migration Tool を実行し、デフォルトの Jakarta Messaging 接続ファクトリーなどの JBoss EAP 6.4 のデフォルトリソースが利用できない場合、このツールはこれらのリソースを設定しません。
6.2.9. Jakarta Enterprise Beans サブシステムの更新
JBoss Server Migration Tool は、デフォルトの JBoss EAP 7.4 設定とさらに整合性を保てるように Jakarta Enterprise Beans サブシステムに以下の更新を行います。
- HTTP コネクターを参照するリモートサービス設定を更新します。
-
default-sfsb-cache
を使用するようにdefault-sfsb-passivation-disabled-cache
属性を設定します。 - レガシーパッシベーションストアおよびキャッシュ設定を JBoss EAP 7.4 のデフォルト値に置き換えます。
JBoss Server Migration Tool は Jakarta Enterprise Beans サブシステム設定を自動的に更新し、結果をログファイルとコンソールに記録します。
Jakarta Enterprise Beans サブシステム設定の更新に成功すると、JBoss Server Migration Tool は結果をログファイルとコンソールに記録します。
INFO Subsystem ejb3 updated.
以下の環境プロパティーを設定して、Jakarta Enterprise Beans サブシステムの更新をカスタマイズできます。
プロパティー名 | プロパティーの説明 |
---|---|
subsystem.ejb3.update.skip |
|
subsystem.ejb3.update.add-infinispan-passivation-store-and-distributable-cache.skip |
|
subsystem.ejb3.update.setup-default-sfsb-passivation-disabled-cache.skip |
|
subsystem.ejb3.update.activate-ejb3-remoting-http-connector.skip |
|
6.2.10. JGroups サブシステムの更新
JBoss Server Migration Tool は jgroups
サブシステムを更新し、JBoss EAP 7.4 の設定に合わせます。
-
これは
MERGE2
プロトコルをMERGE3
に置き換えます。 -
これは
FD
プロトコルをFD_ALL
に置き換えます。 -
これは
pbcast.NAKACK
プロトコルをpbcast.NAKACK2
に置き換えます。 -
これは、
UNICAST2
プロトコルをUNICAST3
に置き換えます。 -
RSVP
プロトコルを削除します。 -
これは、
FRAG2
プロトコルをFRAG3
プロトコルに置き換えます。
jgroups
サブシステム設定の移行に成功すると、JBoss Server Migration Tool は結果をログファイルとコンソールに記録します。
INFO Subsystem jgroups updated.
jgroups
サブシステムの自動移行を省略するには、subsystem.jgroups.update.skip
プロパティーを true
に設定します。
6.2.11. Remoting サブシステムの更新
JBoss EAP 7.4 には、単一のポートを使用してすべてのレガシーリモーティングプロトコルおよびポートを置き換える HTTP コネクターが含まれています。JBoss Server Migration Tool は、HTTP コネクターを使用するように remoting
サブシステムを自動的に更新します。
remoting
サブシステムの設定の自動更新を省略するには、subsystem.remoting.update.skip
環境プロパティーを true
に設定します。
6.2.12. transaction サブシステムの更新
JBoss Server Migration Tool は、transactions
サブシステムを更新して、JBoss EAP 7.4 サーバーに必要な設定変更を適用します。
JBoss Server Migration Tool は、transactions
サブシステムから path
および relative-to
属性を削除し、それらを同等の object-store-path
および object-store-relative-to
属性に置き換えます。
transactions
の自動更新をスキップするには、subsystem.transactions.update-xml-object-store-paths.skip
環境プロパティーを true
に設定します。
6.2.13. Undertow サブシステムの調整
JBoss Server Migration Tool は、JBoss EAP 7.4 の web
サブシステムを移行する以外に、後継の undertow
サブシステムを更新してサポート対象機能を追加します。
- これは、デフォルトの HTTP リスナーのリダイレクトソケットを設定します。
- Jakarta WebSocket のサポートが追加されました。
- デフォルトの HTTPS リスナーを設定します。
- HTTP2 のサポートを追加します。
-
Server
応答ヘッダーを削除します。 -
X-Powered-By
応答ヘッダーを削除します。 -
これは、デフォルトの HTTP
Invoker
を設定します。
JBoss Server Migration Tool は undertow
サブシステム設定を自動的に更新し、結果をログファイルとコンソールに記録します。
undertow
サブシステム設定の移行に成功すると、JBoss Server Migration Tool は結果をログファイルとコンソールに記録します。
INFO Subsystem undertow updated.
以下の環境プロパティーを設定して、undertow
システムの更新をカスタマイズできます。
プロパティー名 | プロパティーの説明 |
---|---|
subsystem.undertow.update.skip |
|
subsystem.undertow.update.set-default-http-listener-redirect-socket.skip |
|
subsystem.undertow.update.add-undertow-websockets.skip |
|
subsystem.undertow.update.add-undertow-https-listener.skip |
|
subsystem.undertow.update.enable-http2.skip |
|
subsystem.undertow.update.add-response-header.server-header.skip |
|
subsystem.undertow.update.add-response-header.x-powered-by-header.skip |
|
subsystem.undertow.update.add-http-invoker.skip |
|
6.2.14. messaging-activemq サブシステムの更新
JBoss EAP 7.4 の messaging
サブシステムを移行する以外に、JBoss Server Migration Tool は後継の messaging-activemq
サブシステムを更新してサポート対象の新機能を追加します。
- HTTP ベースのリモートメッセージングクライアントを有効にするために、デフォルトの HTTP コネクターおよびアクセプターを追加します。
JBoss Server Migration Tool は messaging-activemq
サブシステム設定を自動的に更新し、結果をログファイルとコンソールに記録します。
messaging-activemq
サブシステムの自動更新を省略するには、subsystem.messaging-activemq.update.skip
環境プロパティーを true
に設定します。
6.2.15. Batch JBeret サブシステムの追加
JBoss EAP 7.4 の batch-jberet
サブシステムは、Jakarta Batch 1.0 仕様 のサポートを提供します。JBoss Server Migration Tool は、デフォルトの batch-jberet
サブシステム設定を移行された設定に自動的に追加します。
batch-jberet
サブシステム設定の追加を省略するには、subsystem.batch-jberet.add.skip
プロパティーを true
に設定します。
6.2.16. コア管理サブシステムの追加
JBoss EAP 7.4 の core-management
サブシステムは、これまでのリリースでは管理コアサービスで設定していた、管理関連のリソースを提供します。これらのリソースの例には、サーバーに追加された設定変更の履歴やサーバーライフサイクルイベントの監視機能などが含まれます。JBoss Server Migration Tool は、デフォルトの core-management
サブシステム設定を移行された設定ファイルに自動的に追加します。
core-management
サブシステム設定の追加を省略するには、subsystem.core-management.add.skip
環境プロパティーを true
に設定します。
6.2.17. discovery サブシステムの追加
JBoss Server Migration Tool は、デフォルトの discovery
サブシステム設定を移行された設定ファイルに自動的に追加します。
discovery
サブシステム設定の追加を省略するには、subsystem.discovery.add.skip
環境プロパティーを true
に設定します。
6.2.18. EE Security サブシステムの追加
JBoss EAP 7.4 の ee-security
サブシステムは、Jakarta Security のサポートおよびコンプライアンスを提供します。JBoss Server Migration Tool は、デフォルトの ee-security
サブシステム設定を移行された設定ファイルに自動的に追加します。
ee-security
サブシステム設定の追加を省略するには subsystem.ee-security.add.skip
を true
に設定します。
6.2.19. elytron サブシステムの追加
JBoss EAP 7.4 elytron
サブシステムでは、単一の統合フレームワークが使用されるので、スタンドアロンサーバーと管理対象ドメインの両方のアクセスを管理および設定できます。JBoss EAP サーバーにデプロイされたアプリケーションのセキュリティーアクセスを設定するために使用することもできます。JBoss Server Migration Tool は、デフォルトの elytron
サブシステム設定を移行された設定ファイルに自動的に追加します。
elytron
サブシステム設定の追加を省略するには、subsystem.elytron.add.skip
プロパティーを true
に設定します。
6.2.20. Request Controller サブシステムの追加
JBoss EAP 7.4 の request-controller
サブシステムでは、輻輳制御と正常なシャットダウン機能を利用できます。JBoss Server Migration Tool は、デフォルトの request-controller
サブシステム設定を移行された設定ファイルに自動的に追加します。
request-controller
サブシステム設定の追加を省略するには、subsystem.request-controller.add.skip
プロパティーを true
に設定します。
6.2.21. Security Manager サブシステムの追加
JBoss EAP 7.4 の security-manager
サブシステムでは、Jakarta Security パーミッションを利用できます。JBoss Server Migration Tool は、デフォルトの security-manager
サブシステム設定を移行された設定ファイルに自動的に追加します。
security-manager
サブシステム設定の追加を省略するには subsystem.security-manager.add.skip
環境を true
に設定します。
6.2.22. singleton サブシステムの追加
JBoss EAP 7.4 の singleton
サブシステムでは、シングルトン機能を利用できます。JBoss Server Migration Tool は、デフォルトの singleton
サブシステム設定を移行された設定ファイルに自動的に追加します。
singleton
サブシステム設定の追加を省略するには、subsystem.singleton.add.skip
環境プロパティーを true
に設定します。
6.2.23. unsecure インターフェイスの更新
JBoss Server Migration Tool は、JBoss EAP 7.4 のデフォルト設定に合わせて、unsecure
インターフェイス設定を自動的に更新します。
unsecure
インターフェイスの設定をスキップするには、interface.unsecure.update.skip
環境プロパティーを true
に設定します。
6.2.24. プライベートインターフェイスのセットアップ
JBoss EAP 7.4 のデフォルト設定では、すべての jgroups
ソケットバインディングでプライベートインターフェイスが使用されます。JBoss Server Migration Tool は、同じ設定を使用するように、移行された jgroups
ソケットバインディングを自動的に更新します。
プライベートインターフェイスの設定を省略するには、interface.private.setup.skip
環境プロパティーを true
に設定します。
6.2.25. ソケットバインディングポート式の追加
JBoss EAP 7.4 のデフォルト設定では、以下のソケットバインディングの port 属性に値式が使用されます。
-
ajp
-
http
-
https
JBoss Server Migration Tool は、これらの値式を移行されたサーバー設定に自動的に追加します。
ソケットバインディングポート式の更新を省略するには、socket-bindings.add-port-expressions.skip
環境プロパティーを true
に設定します。
6.2.26. ソケットバインディングマルチキャストアドレス式の追加
JBoss EAP 7.4 のデフォルト設定では、mod_cluster ソケットバインディングの multicast-address
属性の値式が使用されます。JBoss Server Migration Tool は、これらの値式を移行された設定ファイルに自動的に追加します。
これらの式の追加を省略するには、socket-bindings.multicast-address.add-expressions.skip
環境プロパティーを true
に設定します。
6.2.27. ロードバランサープロファイルの追加
JBoss EAP 7.4 には、ロードバランサーとして動作するホスト専用のデフォルトのプロファイルが含まれます。JBoss Server Migration Tool は自動的に、このプロファイルを移行されたすべての管理対象ドメイン設定に追加して設定します。
このプロファイルの追加を省略するには、profile.load-balancer.add.skip
環境プロパティーを true
に設定します。
6.2.28. ホスト除外の追加
JBoss EAP 7.4 ドメインコントローラーには、以前のバージョンのサーバーで実行しているホストでサポートされていない機能が含まれる可能性があります。host-exclude
設定は、これらの旧バージョンから非表示にすべきリソースを指定します。
ドメインコントローラーの設定を移行する場合に、JBoss Server Migration Tool はソースサーバーの host-exclude
設定にターゲット JBoss EAP 7.4 サーバーの設定を追加するか、この設定に置き換えます。
JBoss Server Migration Tool は host-exclude
サブシステム設定を自動的に更新し、結果をログファイルとコンソールに記録します。
INFO Host-excludes configuration added.
6.2.29. JVM 設定からの PermGen の削除
JVM 設定の PermGen
属性の使用は JBoss EAP 7 では非推奨となりました。JBoss Server Migration Tool は、すべてのサーバーグループのすべての JVM 設定から自動的に削除します。
PermGen
属性の削除を省略するには、JVMs .remove-permgen-attributes.skip
環境プロパティーの値を true
に設定します。
6.2.30. デプロイメントの移行
JBoss Server Migration Tool は以下のタイプの管理対象ドメインディプロイメント設定を移行できます。
- 永続的なデプロイメント としても知られる、参照を行うデプロイメント
- 参照を行う デプロイメントオーバーレイ
デプロイメントの移行は、ターゲットサーバーへの関連ファイルリソースのインストールと、移行した設定の更新から成ります。
JBoss Server Migration Tool は、非対話モードで実行するとデフォルトでデプロイメントを省略するように事前設定されています。デプロイメントの移行を有効にするには、deployments.migrate-deployments.skip
環境プロパティーを false
に設定します。
インタラクティブモードで JBoss Server Migration Tool を実行し、無効な入力を入力すると、その結果の動作は deployments.migrate-deployments
環境プロパティーの値に依存することに注意してください。
-
deployments.migrate-deployments.skip
をfalse
に設定し、無効な入力を入力すると、このツールはデプロイメントの移行を試行します。 -
deployments.migrate-deployments.skip
がtrue
に設定され、無効な入力を入力すると、このツールはデプロイメントの移行を省略します。
特定のタイプのデプロイメントの移行を有効にするには、以下のセクションを参照してください。
JBoss Server Migration Tool は、デプロイされたリソースがターゲットサーバーと互換性があるかどうかを判別しません。つまり、アプリケーションやリソースはデプロイされない可能性があり、期待通りに機能しないか、全く機能しない可能性があります。また、JBoss EAP 6.4 *-jms.xml
設定ファイルなどのアーティファクトは変更なしでコピーされ、JBoss EAP サーバーがエラーで起動する可能性があることに注意してください。
Red Hat は、Migration Toolkit for Applications (MTA) を使用してデプロイメントを分析し、異なる JBoss EAP サーバー間の互換性を判断することを推奨します。詳細は、Product Documentation for Migration Toolkit for Applications を参照してください。
6.2.30.1. 永続デプロイメントの移行
非対話モードでの実行時に永続的なデプロイメントを移行できるようにするには、deployments.migrate-persistent-deployments.skip
環境プロパティーを false
に設定します。
JBoss Server Migration Tool は、すべての永続的なデプロイメント参照を検索し、それらをコンソールに一覧表示します。
INFO [ServerMigrationTask#67] Persistent deployments found: [cmtool-helloworld3.war, cmtool-helloworld4.war, cmtool-helloworld2.war, cmtool-helloworld1.war]
その後の処理ワークフローは以下で説明するように、対話モード または 非対話モード でツールを実行しているかどうかによります。
非対話モードでの永続デプロイメントの移行
非対話モードでツールを実行する場合、このツールは事前設定されたプロパティーを使用して、永続的なデプロイメントを移行するかどうかを決定します。永続的なデプロイメントは、deployments.migrate-deployments.skip
および deployments.migrate-persistent-deployments.skip
プロパティーが両方とも false
に設定されている場合にのみ移行されます。
対話モードでの永続デプロイメントの移行
対話モードでツールを実行する場合は、JBoss Server Migration Tool が以下のワークフローを使用してディプロイメントごとにプロンプトを表示します。
検出した永続的なデプロイメントをコンソールに出力すると、次のプロンプトが表示されます。
This tool is not able to assert if persistent deployments found are compatible with the target server, skip persistent deployments migration? yes/no?
-
永続的なデプロイメントの移行を省略する場合は、
yes
で応答します。すべてのデプロイメント参照は移行された設定から削除され、移行プロセスが終了します。 -
移行を続行するには、
no
と応答します。
-
永続的なデプロイメントの移行を省略する場合は、
続行する場合は、以下のプロンプトが表示されます。
Migrate all persistent deployments found? yes/no?
-
移行プロセスですべてのデプロイメントを自動的に移行し、終了させる場合は
yes
で応答します。 -
移行を続行するには、
no
と応答します。
-
移行プロセスですべてのデプロイメントを自動的に移行し、終了させる場合は
続行する場合には、参照される各デプロイメントの移行を確認するプロンプトが表示されます。
Migrate persistent deployment 'helloworld01.war'? yes/no?
-
デプロイメントを移行するには
yes
で応答します。 移行した設定からディプロイメントを削除するには、
no
で応答します。INFO [ServerMigrationTask#68] Removed persistent deployment from configuration /deployment=helloworld01.war
-
デプロイメントを移行するには
6.2.30.2. デプロイメントオーバーレイの移行
デプロイメントオーバーレイの移行は、完全に自動化されたプロセスです。deployments.migrate-deployments.skip
環境プロパティーを false
に設定してデプロイメントの移行を有効にしている場合、JBoss Server Migration Tool は移行されたデプロイメントにリンクされているスタンドアロンサーバー設定で参照されるデプロイメントオーバーレイを検索します。見つかったものを自動的に移行し、参照されていないものを削除して、結果をそのログファイルおよびコンソールに記録します。