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7.2. JBoss EAP 7.3 管理対象ドメインの JBoss EAP 7.4 への移行

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警告

JBoss Server Migration Tool を使用する場合は、ホストを移行する前にドメインコントローラーを移行して、ホストが使用するバージョンよりも新しいバージョンの EAP をドメインコントローラーが使用する必要があることを確認してください。たとえば、EAP 7.3 で実行されているドメインコントローラーは、EAP 7.4 で実行されているホストを処理できません。

詳細およびサポートされている設定については、JBoss EAP 設定ガイド複数の JBoss EAP バージョンの管理 を参照してください。

JBoss Server Migration Tool はデフォルトで、管理対象ドメイン設定を JBoss EAP 7.3 から JBoss EAP 7.4 に移行するときに以下のタスクを実行します。

7.2.1. 非対応のサブシステムの削除

JBoss Server Migration Tool は、サポート対象外のすべてのサブシステム設定と拡張機能を、移行されたサーバー設定から削除します。このツールは各サブシステムとそれらの拡張をログファイルに記録し、削除時にコンソールに記録します。

注記
JBoss EAP 7.3 でサポートされていないにも拘らず、管理者がサーバーに追加したサブシステムは、JBoss EAP 7.4 でもサポートされず、削除されます。

サポート対象外のサブシステムの削除を省略するには、subsystems.remove-unsupported-subsystems.skip プロパティーを true に設定します。

JBoss Server Migration Tool のデフォルト動作を上書きし、以下の環境プロパティーを使用して移行中に含まれるサブシステムと拡張機能を指定することができます。

プロパティー名プロパティーの説明

extensions.excludes

決して移行すべきでない拡張機能のモジュール名の一覧 (例: com.example.extension1,com.example.extension3)。

extensions.includes

常に移行すべき拡張子のモジュール名 (例: com.example.extension2,com.example.extension4) のリスト。

subsystems.excludes

決して移行すべきでないサブシステムの名前空間の一覧 (バージョンを除く) (例: urn:jboss:domain:logging、urn:jboss:domain:ejb3)

subsystems.includes

常に移行すべきサブシステムの名前空間の一覧 (バージョンを除く) (例: urn:jboss:domain:security, urn:jboss:domain:ee)

7.2.2. 参照済みモジュールの移行

ソースサーバーからターゲットサーバーに移行される設定が、ターゲットサーバーにインストールされていないモジュールを参照したり、これに依存する可能性があります。JBoss Server Migration Tool はこれを検知し、参照されるモジュールと、その依存関係モジュールをソースサーバーからターゲットサーバーに自動的に移行します。

管理対象ドメイン設定で参照されるモジュールは、以下のプロセスを使用して移行されます。

  • セキュリティーレルム設定で参照されるモジュールは、プラグインモジュールとして移行されます。
  • datasource サブシステム設定によって参照されるモジュールは、データソースドライバーモジュールとして移行されます。
  • ee サブシステム設定によって参照されるモジュールはグローバルモジュールとして移行されます。
  • naming サブシステム設定によって参照されるモジュールは、オブジェクトファクトリーモジュールとして移行されます。
  • messaging サブシステム設定によって参照されるモジュールは、Jakarta Messaging ブリッジモジュールとして移行されます。
  • vault 設定によって参照されるモジュールは、新しい設定に移行されます。
  • ターゲット設定にインストールされていないエクステンションは、ターゲットサーバー設定に移行されます。

コンソールは、移行されるモジュールのモジュール ID を示すメッセージをログに記録します。modules.excludes 環境プロパティーにモジュール ID を指定して、特定モジュールの移行を除外できます。詳細は、モジュールの移行の設定 を参照してください。

7.2.3. 参照パスの移行

ソースサーバーからターゲットサーバーへの移行される設定は、ターゲットサーバーにも移行する必要があるファイルパスとディレクトリーを参照したり、これらに依存する可能性があります。JBoss Server Migration Tool は絶対パス参照を移行しません。ソース設定との関連として設定されるファイルやディレクトリーのみを移行します。コンソールは、移行される各パスを示すメッセージをログに記録します。

JBoss Server Migration Tool は以下のパス参照を自動的に移行します。

  • vault キーストアおよび暗号化されたファイルのディレクトリー。

参照パスの移行を省略するには、paths.migrate-paths-requested-by-configuration.vault.skip 環境プロパティーを true に設定します。

7.2.4. ホスト除外の追加

JBoss EAP 7.4 ドメインコントローラーには、以前のバージョンのサーバーで実行しているホストでサポートされていない機能が含まれる可能性があります。host-exclude 設定は、これらの旧バージョンから非表示にすべきリソースを指定します。

ドメインコントローラーの設定を移行する場合に、JBoss Server Migration Tool はソースサーバーの host-exclude 設定にターゲット JBoss EAP 7.4 サーバーの設定を追加するか、この設定に置き換えます。

JBoss Server Migration Tool は host-exclude サブシステム設定を自動的に更新し、結果をログファイルとコンソールに記録します。

  INFO  Host-excludes configuration added.

7.2.5. デプロイメントの移行

JBoss Server Migration Tool は以下のタイプの管理対象ドメインディプロイメント設定を移行できます。

デプロイメントの移行は、ターゲットサーバーへの関連ファイルリソースのインストールと、移行した設定の更新から成ります。

JBoss Server Migration Tool は、非対話モードで実行するとデフォルトでデプロイメントを省略するように事前設定されています。デプロイメントの移行を有効にするには、deployments.migrate-deployments.skip 環境プロパティーを false に設定します。

重要

インタラクティブモードで JBoss Server Migration Tool を実行し、無効な入力を入力すると、その結果の動作は deployments.migrate-deployments 環境プロパティーの値に依存することに注意してください。

  • deployments.migrate-deployments.skipfalse に設定し、無効な入力を入力すると、このツールはデプロイメントの移行を試行します。
  • deployments.migrate-deployments.skiptrue に設定され、無効な入力を入力すると、このツールはデプロイメントの移行を省略します。

特定のタイプのデプロイメントの移行を有効にするには、以下のセクションを参照してください。

警告

JBoss Server Migration Tool は、デプロイされたリソースがターゲットサーバーと互換性があるかどうかを判別しません。つまり、アプリケーションやリソースはデプロイされない可能性があり、期待通りに機能しないか、全く機能しない可能性があります。また、JBoss EAP 7.3 *-jms.xml 設定ファイルなどのアーティファクトは変更なしでコピーされ、JBoss EAP サーバーがエラーで起動する可能性があることに注意してください。

Red Hat は、Migration Toolkit for Applications (MTA) を使用してデプロイメントを分析し、異なる JBoss EAP サーバー間の互換性を判断することを推奨します。詳細は、Product Documentation for Migration Toolkit for Applications を参照してください。

7.2.5.1. 永続デプロイメントの移行

非対話モードでの実行時に永続的なデプロイメントを移行できるようにするには、deployments.migrate-persistent-deployments.skip 環境プロパティーを false に設定します。

JBoss Server Migration Tool は、すべての永続的なデプロイメント参照を検索し、それらをコンソールに一覧表示します。

INFO  [ServerMigrationTask#67] Persistent deployments found: [cmtool-helloworld3.war, cmtool-helloworld4.war, cmtool-helloworld2.war, cmtool-helloworld1.war]

その後の処理ワークフローは以下で説明するように、対話モード または 非対話モード でツールを実行しているかどうかによります。

非対話モードでの永続デプロイメントの移行

非対話モードでツールを実行する場合、このツールは事前設定されたプロパティーを使用して、永続的なデプロイメントを移行するかどうかを決定します。永続的なデプロイメントは、deployments.migrate-deployments.skip および deployments.migrate-persistent-deployments.skip プロパティーが両方とも false に設定されている場合にのみ移行されます。

対話モードでの永続デプロイメントの移行

対話モードでツールを実行する場合は、JBoss Server Migration Tool が以下のワークフローを使用してディプロイメントごとにプロンプトを表示します。

  1. 検出した永続的なデプロイメントをコンソールに出力すると、次のプロンプトが表示されます。

    This tool is not able to assert if persistent deployments found are compatible with the target server, skip persistent deployments migration?
    yes/no?
    • 永続的なデプロイメントの移行を省略する場合は、yes で応答します。すべてのデプロイメント参照は移行された設定から削除され、移行プロセスが終了します。
    • 移行を続行するには、no と応答します。
  2. 続行する場合は、以下のプロンプトが表示されます。

    Migrate all persistent deployments found?
    yes/no?
    • 移行プロセスですべてのデプロイメントを自動的に移行し、終了させる場合は yes で応答します。
    • 移行を続行するには、no と応答します。
  3. 続行する場合には、参照される各デプロイメントの移行を確認するプロンプトが表示されます。

    Migrate persistent deployment 'helloworld01.war'?
    yes/no?
    • デプロイメントを移行するには yes で応答します。
    • 移行した設定からディプロイメントを削除するには、no で応答します。

      INFO  [ServerMigrationTask#68] Removed persistent deployment from configuration /deployment=helloworld01.war

7.2.5.2. デプロイメントオーバーレイの移行

デプロイメントオーバーレイの移行は、完全に自動化されたプロセスです。deployments.migrate-deployments.skip 環境プロパティーを false に設定してデプロイメントの移行を有効にしている場合、JBoss Server Migration Tool は移行されたデプロイメントにリンクされているスタンドアロンサーバー設定で参照されるデプロイメントオーバーレイを検索します。見つかったものを自動的に移行し、参照されていないものを削除して、結果をそのログファイルおよびコンソールに記録します。

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