2.8. JBoss Web Server の SELinux ポリシー
Security-Enhanced Linux (SELinux) ポリシーを使用して、JBoss Web Server のアクセス制御を定義できます。これらのポリシーは、製品へのアクセス権を決定する一連のルールです。
2.8.1. jws6-tomcat
の SELinux ポリシー情報
SELinux セキュリティーモデルはカーネルにより適用され、ファイルシステムの場所やポートなどのリソースへのアプリケーションのアクセスが限定されるようにします。SELinux ポリシーは、危険にさらされているか、不適切な設定である誤ったプロセスを制限したり、実行できないようにしたりします。
JBoss Web Server インストールの jws6-tomcat-selinux
パッケージは、jws6_tomcat
ポリシーを提供します。次の表には、提供されている SELinux ポリシーに関する情報が含まれています。
名前 | ポート情報 | ポリシー情報 |
---|---|---|
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関連情報
- RHEL 8: SELinux の使用
- RHEL 9: SELinux の使用
2.8.2. JBoss Web Server アーカイブインストール用の SELinux ポリシーのインストール
このリリースでは、アーカイブパッケージが SELinux ポリシーを提供します。jws-6.1.0-application-server-<platform>-<architecture>.zip
アーカイブの tomcat
フォルダーには、.postinstall.selinux
ファイルが含まれています。必要に応じて、.postinstall.selinux
スクリプトを実行できます。
手順
selinux-policy-devel
パッケージをインストールします。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow dnf install -y selinux-policy-devel
dnf install -y selinux-policy-devel
.postinstall.selinux
スクリプトを実行します。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow cd <JWS_home>/tomcat/ sh .postinstall.selinux
cd <JWS_home>/tomcat/ sh .postinstall.selinux
JBoss Web Server の必要なポートにアクセスパーミッションを追加します。
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow semanage port -a -t http_port_t -p tcp <port>
semanage port -a -t http_port_t -p tcp <port>
注記JBoss Web Server は Red Hat Enterprise Linux システムのポート
8080
、8009
、8443
、8005
にアクセスできます。JBoss Web Server に追加のポートが必要な場合は、前述の
semanage
コマンドを使用して必要な権限を提供し、<port>
を必要なポートに置き換えます。Tomcat を起動します。
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow <JWS_home>/tomcat/bin/startup.sh
<JWS_home>/tomcat/bin/startup.sh
jws6_tomcat
を想定している実行中のプロセスのコンテキストを確認します。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow ps -eo pid,user,label,args | grep jws6_tomcat | head -n1
ps -eo pid,user,label,args | grep jws6_tomcat | head -n1
Tomcat ディレクトリーのコンテキストを確認します。以下に例を示します。
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow ls -lZ <JWS_home>/tomcat/logs/
ls -lZ <JWS_home>/tomcat/logs/
デフォルトでは、JBoss Web Server が提供する SElinux ポリシーはアクティブではなく、Tomcat プロセスは unconfined_java_t
ドメインで実行されます。このドメインは、プロセスを限定するものではありません。
提供されている SELinux ポリシーを有効にしないことを選択した場合は、次のセキュリティー対策を講じることができます。
-
tomcat
ユーザーのファイルアクセスを制限して、Tomcat
ユーザーが JBoss Web Server ランタイムに必要なファイルとディレクトリーのみにアクセスできるようにします。 - root ユーザーで Tomcat を実行しないでください。
JBoss Web Server がアーカイブファイルからインストールされた場合、Red Hat はネットワークファイル共有 (NFS) の使用を正式にサポートしません。JBoss Web Server インストールで NFS マウントのファイルシステムを使用する場合には、このタイプのデプロイメントに対応するために SELinux ポリシーが正しく変更されていることを確認する必要があります。