Microsoft Azure および Azure Red Hat OpenShift を使用した OpenShift Container Storage のデプロイ
インストールとアンインストールの方法
概要
多様性を受け入れるオープンソースの強化
Red Hat では、コード、ドキュメント、Web プロパティーにおける配慮に欠ける用語の置き換えに取り組んでいます。まずは、マスター (master)、スレーブ (slave)、ブラックリスト (blacklist)、ホワイトリスト (whitelist) の 4 つの用語の置き換えから始めます。この取り組みは膨大な作業を要するため、今後の複数のリリースで段階的に用語の置き換えを実施して参ります。詳細は、Red Hat CTO である Chris Wright のメッセージ を参照してください。
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はじめに
Red Hat OpenShift Container Storage 4.8 では、既存の Red Hat OpenShift Container Platform (RHOCP) Azure クラスターでのデプロイメントをサポートします。
Microsoft Azure では、内部の Openshift Container Storage クラスターのみがサポートされます。デプロイメント要件の詳細は、Planning your deploymentを参照してください。
内部モードで OpenShift Container Storage をデプロイするには、OpenShift Container Storage のデプロイの準備についての章の要件を確認し、デプロイメントプロセスDeploying OpenShift Container Storage on Microsoft Azureを実行します。
第1章 OpenShift Container Storage のデプロイの準備
ダイナミックストレージデバイスを使用して OpenShift Container Storage を OpenShift Container Platform にデプロイすると、内部クラスターリソースを作成するオプションが提供されます。これにより、ベースサービスの内部プロビジョニングが可能になり、追加のストレージクラスをアプリケーションで使用可能にすることができます。
OpenShift Container Storage のデプロイを開始する前に、以下を実行します。
- chrony サーバーをセットアップします。chrony タイムサービスの設定 を参照し、ナレッジベースソリューション を使用して、すべてのトラフィックを許可するルールを作成します。
オプション: 外部鍵管理システム (KMS) を使用してクラスター全体の暗号化を有効にする場合:
- トークンのあるポリシーが存在し、Vault のキー値のバックエンドパスが有効にされていることを確認します。Vault でのキー値のバックエンドパスおよびポリシーの有効化について参照してください。
- Vault サーバーで署名済みの証明書を使用していることを確認します。
ノードの最小要件 [テクノロジープレビュー]
OpenShift Container Storage クラスターは、標準のデプロイメントリソース要件を満たしていない場合に、最小の設定でデプロイされます。プランニングガイドの リソース要件 セクションを参照してください。
1.1. Vault でのキー値のバックエンドパスおよびポリシーの有効化
前提条件
- Vault への管理者アクセス。
-
後に変更することはできないため、命名規則に基づいてバックエンド
path
として一意のパス名を選択します。
手順
Vault で Key/Value (KV) バックエンドパスを有効にします。
Vault KV シークレットエンジン API の場合は、バージョン 1 を使用します。
$ vault secrets enable -path=ocs kv
Vault KV シークレットエンジン API の場合は、バージョン 2 です。
$ vault secrets enable -path=ocs kv-v2
以下のコマンドを使用して、シークレットでの書き込み操作または削除操作の実行をユーザーを制限するポリシーを作成します。
echo ' path "ocs/*" { capabilities = ["create", "read", "update", "delete", "list"] } path "sys/mounts" { capabilities = ["read"] }'| vault policy write ocs -
上記のポリシーに一致するトークンを作成します。
$ vault token create -policy=ocs -format json
第2章 Microsoft Azure での OpenShift Container Storage のデプロイ
Azure のインストーラーでプロビジョニングされるインフラストラクチャー (IPI) (タイプ: managed-premium
) によって提供される動的ストレージデバイスを使用して OpenShift Container Storage を OpenShift Container Platform にデプロイすると、内部クラスターリソースを作成できます。これにより、ベースサービスの内部プロビジョニングが可能になり、追加のストレージクラスをアプリケーションで使用可能にすることができます。
Microsoft Azure では、内部の Openshift Container Storage クラスターのみがサポートされます。デプロイメント要件の詳細は、Planning your deploymentを参照してください。
OpenShift Container Storage のデプロイの準備 についての章にある要件に対応していることを確認してから、動的ストレージデバイスを使用したデプロイについて以下の手順を実行してください。
2.1. Red Hat OpenShift Container Storage Operator のインストール
Red Hat OpenShift Container Storage は、Red Hat OpenShift Container Platform Operator Hub を使用してインストールできます。
前提条件
- cluster-admin および operator インストールのパーミッションを持つアカウントを使用して OpenShift Container Platform クラスターにアクセスできる。
- Red Hat OpenShift Container Platform クラスターにワーカーノードが少なくとも 3 つある。
- 必要な追加要件をすべて満たしています。詳細は、Planning your deployment を参照してください。
OpenShift Container Storage のクラスター全体でのデフォルトノードセレクターを上書きする必要がある場合は、以下のコマンドを使用し、
openshift-storage
namespace の空のノードセレクターを指定できます (この場合、openshift-storage namespace を作成します)。$ oc annotate namespace openshift-storage openshift.io/node-selector=
-
ノードに Red Hat OpenShift Container Storage リソースのみがスケジュールされるように、そのノードに
infra
のテイントを設定します。これにより、サブスクリプションコストを節約できます。詳細は、ストレージリソースの管理および割り当てガイドの Red Hat OpenShift Container Storage に専用のワーカーノードを使用する方法 の章を参照してください。
手順
- OpenShift Web コンソールにログインします。
- Operators → OperatorHub をクリックします。
- Operator の一覧から OpenShift Container Storage を検索し、これをクリックします。
- Install をクリックします。
Install Operator ページで、以下のオプションを設定します。
- Channel を stable-4.8 として更新します。
- Installation Mode オプションに A specific namespace on the cluster を選択します。
-
Installed Namespace に Operator recommended namespace openshift-storage を選択します。namespace
openshift-storage
が存在しない場合、これは Operator のインストール時に作成されます。 - 承認ストラテジー を Automatic または Manual として選択します。
Install をクリックします。
Automatic (自動) 更新を選択した場合、Operator Lifecycle Manager (OLM) は介入なしに、Operator の実行中のインスタンスを自動的にアップグレードします。
Manual 更新を選択した場合、OLM は更新要求を作成します。クラスター管理者は、operator が新規バージョンに更新されるように更新要求を手動で承認する必要があります。
検証手順
- OpenShift Container Storage Operator に、インストールが正常に実行されたことを示す緑色のチェックマークが表示されていることを確認します。
2.2. 内部モードでの OpenShift Container Storage Cluster Service の作成
以下の手順を使用して、OpenShift Container Storage Operator のインストール後に OpenShift Container Storage Cluster Service を作成します。
前提条件
- OpenShift Container Storage は Operator Hub からインストールする必要があります。詳細は、Operator Hub を使用した OpenShift Container Storage Operator のインストール について参照してください。
手順
- OpenShift Web コンソールにログインします。
Operators → Installed Operators をクリックし、インストールされた Operator をすべて表示します。
選択された Project が
openshift-storage
であることを確認します。- Storage Cluster の OpenShift Container Storage > Create Instance リンクをクリックします。
-
Mode がデフォルトで
Internal
に設定されます。 Capacity and nodesを選択します。
-
Storage Class を選択します。デフォルトでは、
managed-premium
に設定されます。 ドロップダウンリストから Requested Capacity を選択します。デフォルトで、これは
2 TiB
に設定されます。ドロップダウンを使用して容量の値を変更できます。注記初期ストレージ容量を選択すると、クラスターの拡張は、選択された使用可能な容量を使用してのみ実行されます (raw ストレージの 3 倍)。
Select Nodes セクションで、少なくとも 3 つの利用可能なノードを選択します。
複数のアベイラビリティーゾーンを持つクラウドプラットフォームの場合は、ノードが異なる場所/アベイラビリティーゾーンに分散されていることを確認します。
選択したノードが集約された 30 CPU および 72 GiB の RAM の OpenShift Container Storage クラスターの要件と一致しない場合は、最小クラスターがデプロイされます。ノードの最小要件については、プランニングガイドの リソース要件 セクションを参照してください。
- Next をクリックします。
-
Storage Class を選択します。デフォルトでは、
(オプション) Security and network 設定を設定します。
- Enable encryption チェックボックスを選択して、ブロックおよびファイルストレージを暗号化します。
1 つまたは両方の Encryption level を選択します。
- クラスター全体の暗号化 クラスター全体 (ブロックおよびファイル) を暗号化します。
- Storage class encryption(ストレージクラスの暗号化): 暗号化対応のストレージクラスを使用して暗号化された永続ボリューム (ブロックのみ) を作成します。
Connect to an external key management service チェックボックスを選択します。これはクラスター全体の暗号化の場合はオプションになります。
-
Key Management Service Provider はデフォルトで
Vault
に設定されます。 - Vault Service Name、Vault サーバーのホスト Address('https://<hostname または ip>')、Port number および Token を入力します。
Advanced Settings を展開して、Vault 設定に基づいて追加の設定および証明書の詳細を入力します。
- OpenShift Container Storage 専用かつ特有のキー値のシークレットパスを Backend Path に入力します。
- (オプション) TLS Server Name および Vault Enterprise Namespace を入力します。
- それぞれの PEM でエンコードされた証明書ファイルをアップロードして、CA Certificate、Client Certificate、および Client Private Key を指定します。
- Save をクリックします。
-
Key Management Service Provider はデフォルトで
単一のネットワークを使用する場合は Default (SDN) を選択し、複数のネットワークインターフェイスを使用する場合は Custom (Multus) ネットワークを選択します。
- ドロップダウンメニューから Public Network Interface を選択します。
ドロップダウンメニューから Cluster Network Interface を選択します。
注記1 つの追加ネットワークインターフェイスのみを使用する場合は、パブリックネットワークインターフェイス (例: ocs-public-cluster) の単一の NetworkAttachementDefinition を選択し、Cluster Network Interface を空白のままにします。
- Next をクリックします。
- 設定の詳細を確認します。設定を変更するには、Back をクリックして以前の設定ページに戻ります。
- Create をクリックします。
Vault Key/Value (KV) シークレットエンジン API の場合に configmap を編集します。バージョン 2 は、鍵管理システム (KMS) のクラスター全体の暗号化に使用されます。
- OpenShift Web コンソールで Workloads → ConfigMaps に移動します。
- KMS 接続の詳細を表示するには、ocs -kms-connection-details をクリックします。
configmap を編集します。
- Action menu(⋮)→ Edit ConfigMap をクリックします。
VAULT_BACKEND
パラメーターをv2
に設定します。kind: ConfigMap apiVersion: v1 metadata: name: ocs-kms-connection-details [...] data: KMS_PROVIDER: vault KMS_SERVICE_NAME: vault [...] VAULT_BACKEND: v2 [...]
- Save をクリックします。
検証手順
- ストレージクラスターの詳細ページで、ストレージクラスター名の横に緑色のチェックマークが表示され、クラスターが正常に作成されたことを示します。
インストールされたストレージクラスターの最後の Status が緑色のチェックマークと共に
Phase: Ready
と表示されていることを確認します。- Operators → Installed Operators → Storage Cluster のリンクをクリックして、ストレージクラスターのインストールのステータスを表示します。
- または、Operator Details タブで、Storage Cluster タブをクリックすると、ステータスを表示できます。
- OpenShift Container Storage のすべてのコンポーネントが正常にインストールされていることを確認するには、OpenShift Container Storage インストールの確認 を参照してください。
第3章 OpenShift Container Storage デプロイメントの検証
このセクションを使用して、OpenShift Container Storage が正常にデプロイされていることを確認します。
3.1. Pod の状態の確認
OpenShift Containers Storage の Pod が実行状態にあることを確認するには、以下の手順に従います。
手順
- OpenShift Web コンソールにログインします。
- OpenShift Web コンソールの左側のペインから Workloads → Pods をクリックします。
Project ドロップダウンリストから openshift-storage を選択します。
各コンポーネントについて予想される Pod 数や、これがノード数によってどのように異なるかについての詳細は、表3.1「OpenShift Container Storage クラスターに対応する Pod」 を参照してください。
Running タブと Completed タブをクリックして、Pod が実行中で完了状態になっていることを確認します。
表3.1 OpenShift Container Storage クラスターに対応する Pod コンポーネント 対応する Pod OpenShift Container Storage Operator
-
ocs-operator-*
(任意のワーカーノードに 1 Pod) -
ocs-metrics-exporter-*
Rook-ceph Operator
rook-ceph-operator-*
(任意のワーカーノードに 1 Pod)
Multicloud Object Gateway
-
noobaa-operator-*
(任意のワーカーノードに 1 Pod) -
noobaa-core-*
(任意のストレージノードに 1 Pod) -
noobaa-db-pg-*
(任意のストレージノードに 1 Pod) -
noobaa-endpoint-*
(任意のストレージノードに 1 Pod)
MON
rook-ceph-mon-*
(ストレージノードに分散する 3 Pod)
MGR
rook-ceph-mgr-*
(任意のストレージノードに 1 Pod)
MDS
rook-ceph-mds-ocs-storagecluster-cephfilesystem-*
(ストレージノードに分散する 2 Pod)
CSI
cephfs
-
csi-cephfsplugin-*
(各ワーカーノードに 1 Pod) -
csi-cephfsplugin-provisioner-*
(ワーカーノードに分散する 2 Pod)
-
rbd
-
csi-rbdplugin-*
(各ワーカーノードに 1 Pod) -
csi-rbdplugin-provisioner-*
(ストレージノードに分散する 2 Pod)
-
rook-ceph-crashcollector
rook-ceph-crashcollector-*
(各ストレージノードに 1 Pod)
OSD
-
rook-ceph-osd-*
(各デバイス用に 1 Pod) -
rook-ceph-osd-prepare-ocs-deviceset-*
(各デバイス用に 1 Pod)
-
3.2. OpenShift Container Storage クラスターが正常であることの確認
OpenShift Container Storage のクラスターが正常であることを確認するには、手順の手順に従います。
手順
- Storage → Overview をクリックし、Block and File タブをクリックします。
- Status カードで、Storage Cluster および Data Resiliency に緑色のチェックマークが表示されていることを確認します。
- Details カード で、クラスター情報が表示されていることを確認します。
ブロックおよびファイルダッシュボードを使用した OpenShift Container Storage クラスターの正常性については、OpenShift Container Storage のモニターリングを参照してください。
3.3. Multicloud Object Gateway が正常であることの確認
OpenShift Container Storage Multicloud Object Gateway が正常であることを確認するには、手順のステップに従います。
手順
- OpenShift Web コンソールから Storage → Overview をクリックし、Object タブをクリックします。
-
Status card で、Object Service と Data Resiliency の両方が
Ready
状態 (緑のチェックマーク) にあることを確認します。 - Details カード で、Multicloud Object Gateway 情報が表示されることを確認します。
オブジェクトサービスダッシュボードを使用した OpenShift Container Storage クラスターの正常性については、OpenShift Container Storage のモニターリング を参照してください。
3.4. OpenShift Container Storage 固有のストレージクラスが存在することの確認
ストレージクラスがクラスターに存在することを確認するには、手順のステップに従います。
手順
- OpenShift Web コンソールから Storage → Storage Classes をクリックします。
以下のストレージクラスが OpenShift Container Storage クラスターの作成時に作成されることを確認します。
-
ocs-storagecluster-ceph-rbd
-
ocs-storagecluster-cephfs
-
openshift-storage.noobaa.io
-
第4章 OpenShift Container Storage のアンインストール
4.1. 内部モードでの OpenShift Container Storage のアンインストール
このセクションの手順に従って OpenShift Container Storage をアンインストールします。
アノテーションのアンインストール
Storage Cluster のアノテーションは、アンインストールプロセスの動作を変更するために使用されます。アンインストールの動作を定義するために、ストレージクラスターに以下の 2 つのアノテーションが導入されました。
-
uninstall.ocs.openshift.io/cleanup-policy: delete
-
uninstall.ocs.openshift.io/mode: graceful
以下の表は、これらのアノテーションで使用できる各種値に関する情報を示しています。
Annotation | 値 | デフォルト | 動作 |
---|---|---|---|
cleanup-policy | delete | はい |
Rook は物理ドライブおよび |
cleanup-policy | Retain | いいえ |
Rook は物理ドライブおよび |
mode | graceful | はい | Rook および NooBaa は PVC および OBC が管理者/ユーザーによって削除されるまでアンインストールプロセスを一時停止します。 |
mode | forced | いいえ | Rook および NooBaa は、Rook および NooBaa を使用してプロビジョニングされた PVC/OBC がそれぞれ存在している場合でもアンインストールを続行します。 |
以下のコマンドを使用してアノテーションの値を編集し、クリーンアップポリシーまたはアンインストールモードを変更できます。
$ oc annotate storagecluster -n openshift-storage ocs-storagecluster uninstall.ocs.openshift.io/cleanup-policy="retain" --overwrite storagecluster.ocs.openshift.io/ocs-storagecluster annotated
$ oc annotate storagecluster -n openshift-storage ocs-storagecluster uninstall.ocs.openshift.io/mode="forced" --overwrite storagecluster.ocs.openshift.io/ocs-storagecluster annotated
前提条件
- OpenShift Container Storage クラスターの状態が正常であることを確認します。リソースまたはノードの不足により一部の Pod が正常に終了されないと、アンインストールプロセスに失敗する可能性があります。クラスターが状態が正常でない場合は、OpenShift Container Storage をアンインストールする前に Red Hat カスタマーサポートにお問い合わせください。
- アプリケーションが OpenShift Container Storage によって提供されるストレージクラスを使用して永続ボリューム要求 (PVC) またはオブジェクトバケット要求 (OBC) を使用していないことを確認します。
- カスタムリソース (カスタムストレージクラス、cephblockpools など) が管理者によって作成された場合、それらを消費したリソースを削除した後に管理者によって削除される必要があります。
手順
OpenShift Container Storage を使用しているボリュームスナップショットを削除します。
すべての namespace からボリュームスナップショットを一覧表示します。
$ oc get volumesnapshot --all-namespaces
直前のコマンドの出力から、OpenShift Container Storage を使用しているボリュームスナップショットを特定し、削除します。
$ oc delete volumesnapshot <VOLUME-SNAPSHOT-NAME> -n <NAMESPACE>
OpenShift Container Storage を使用している PVC および OBC を削除します。
デフォルトのアンインストールモード (graceful) では、アンインストーラーは OpenShift Container Storage を使用するすべての PVC および OBC が削除されるまで待機します。
PVC を事前に削除せずに Storage Cluster を削除する場合は、アンインストールモードのアノテーションを
forced
に設定し、この手順を省略できます。これを行うと、システム内に孤立した PVC と OBC が発生します。OpenShift Container Storage を使用して、OpenShift Container Platform モニターリングスタック PVC を削除します。
詳細は、「OpenShift Container Storage からのモニターリングスタックの削除」 を参照してください。
OpenShift Container Storage を使用して、OpenShift Container Platform レジストリー PVC を削除します。
詳細は、「OpenShift Container Storage からの OpenShift Container Platform レジストリーの削除」 を参照してください。
OpenShift Container Storage を使用して、OpenShift Container Platform ロギング PVC を削除します。
詳細は、「OpenShift Container Storage からのクラスターロギング Operator の削除」 を参照してください。
OpenShift Container Storage を使用してプロビジョニングした PVC および OBC を削除します。
次のスクリプトは、OpenShift Container Storage を使用してプロビジョニングされた PVC および OBC を識別するためのサンプルスクリプトです。このスクリプトは、OpenShift Container Storage によって内部で使用される PVC を無視します。
#!/bin/bash RBD_PROVISIONER="openshift-storage.rbd.csi.ceph.com" CEPHFS_PROVISIONER="openshift-storage.cephfs.csi.ceph.com" NOOBAA_PROVISIONER="openshift-storage.noobaa.io/obc" RGW_PROVISIONER="openshift-storage.ceph.rook.io/bucket" NOOBAA_DB_PVC="noobaa-db" NOOBAA_BACKINGSTORE_PVC="noobaa-default-backing-store-noobaa-pvc" # Find all the OCS StorageClasses OCS_STORAGECLASSES=$(oc get storageclasses | grep -e "$RBD_PROVISIONER" -e "$CEPHFS_PROVISIONER" -e "$NOOBAA_PROVISIONER" -e "$RGW_PROVISIONER" | awk '{print $1}') # List PVCs in each of the StorageClasses for SC in $OCS_STORAGECLASSES do echo "======================================================================" echo "$SC StorageClass PVCs and OBCs" echo "======================================================================" oc get pvc --all-namespaces --no-headers 2>/dev/null | grep $SC | grep -v -e "$NOOBAA_DB_PVC" -e "$NOOBAA_BACKINGSTORE_PVC" oc get obc --all-namespaces --no-headers 2>/dev/null | grep $SC echo done
注記クラウドプラットフォームの
RGW_PROVISIONER
を省略します。OBC を削除します。
$ oc delete obc <obc name> -n <project name>
PVC を削除します。
$ oc delete pvc <pvc name> -n <project-name>
注記クラスターに作成されているカスタムバッキングストア、バケットクラスなどを削除していることを確認します。
Storage Cluster オブジェクトを削除し、関連付けられたリソースが削除されるのを待機します。
$ oc delete -n openshift-storage storagecluster --all --wait=true
uninstall.ocs.openshift.io/cleanup-policy
がdelete
(default) に設定されている場合にクリーンアップ Pod の有無を確認し、それらのステータスがCompleted
していることを確認します。$ oc get pods -n openshift-storage | grep -i cleanup NAME READY STATUS RESTARTS AGE cluster-cleanup-job-<xx> 0/1 Completed 0 8m35s cluster-cleanup-job-<yy> 0/1 Completed 0 8m35s cluster-cleanup-job-<zz> 0/1 Completed 0 8m35s
/var/lib/rook
ディレクトリーが空であることを確認します。このディレクトリーは空になるのは、uninstall.ocs.openshift.io/cleanup-policy
アノテーションがdelete
(デフォルト) に設定されている場合に限られます。$ for i in $(oc get node -l cluster.ocs.openshift.io/openshift-storage= -o jsonpath='{ .items[*].metadata.name }'); do oc debug node/${i} -- chroot /host ls -l /var/lib/rook; done
暗号化がインストール時に有効にされている場合は、すべての OpenShift Container Storage ノードの OSD デバイスから
dm-crypt
で管理されるdevice-mapper
マッピングを削除します。デバッグ
Pod を作成し、ストレージノードのホストに対してchroot
を作成します。$ oc debug node/<node name> $ chroot /host
デバイス名を取得し、OpenShift Container Storage デバイスについてメモします。
$ dmsetup ls ocs-deviceset-0-data-0-57snx-block-dmcrypt (253:1)
マップ済みデバイスを削除します。
$ cryptsetup luksClose --debug --verbose ocs-deviceset-0-data-0-57snx-block-dmcrypt
注記権限が十分にないため、コマンドがスタックした場合には、以下のコマンドを実行します。
-
CTRL+Z
を押して上記のコマンドを終了します。 スタックしたプロセスの PID を検索します。
$ ps -ef | grep crypt
kill
コマンドを使用してプロセスを終了します。$ kill -9 <PID>
デバイス名が削除されていることを確認します。
$ dmsetup ls
-
namespace を削除し、削除が完了するまで待機します。
openshift-storage
がアクティブなプロジェクトである場合は、別のプロジェクトに切り替える必要があります。以下に例を示します。
$ oc project default $ oc delete project openshift-storage --wait=true --timeout=5m
以下のコマンドが NotFound エラーを返すと、プロジェクトが削除されます。
$ oc get project openshift-storage
注記OpenShift Container Storage のアンインストール時に、
namespace
が完全に削除されず、Terminating
状態のままである場合は、トラブルシューティングおよびアンインストール時の残りのリソースの削除 の記事に記載の手順を実行して namespace の終了をブロックしているオブジェクトを特定します。ストレージノードのラベルを解除します。
$ oc label nodes --all cluster.ocs.openshift.io/openshift-storage- $ oc label nodes --all topology.rook.io/rack-
ノードにテイントのマークが付けられている場合に OpenShift Container Storage テイントを削除します。
$ oc adm taint nodes --all node.ocs.openshift.io/storage-
OpenShift Container Storage を使用してプロビジョニングした PV がすべて削除されていることを確認します。
Released
状態のままの PV がある場合は、これを削除します。$ oc get pv $ oc delete pv <pv name>
Multicloud Object Gateway storageclass を削除します。
$ oc delete storageclass openshift-storage.noobaa.io --wait=true --timeout=5m
CustomResourceDefinitions
を削除します。$ oc delete crd backingstores.noobaa.io bucketclasses.noobaa.io cephblockpools.ceph.rook.io cephclusters.ceph.rook.io cephfilesystems.ceph.rook.io cephnfses.ceph.rook.io cephobjectstores.ceph.rook.io cephobjectstoreusers.ceph.rook.io noobaas.noobaa.io ocsinitializations.ocs.openshift.io storageclusters.ocs.openshift.io cephclients.ceph.rook.io cephobjectrealms.ceph.rook.io cephobjectzonegroups.ceph.rook.io cephobjectzones.ceph.rook.io cephrbdmirrors.ceph.rook.io --wait=true --timeout=5m
オプション: vault キーが完全に削除されるようにするには、vault キーに関連付けられているメタデータを手動で削除する必要があります。
注記このステップは、Vault Key/Value (KV) シークレットエンジン API バージョン 2 が、OpenShift Container Storage のアンインストール中に Vault キーが削除済みとしてマークされ、完全に削除されないため、Key Management System (KMS) によるクラスター全体の暗号化に使用される場合にのみ実行してください。必要に応じて、後でいつでも復元できます。
Vault 内のキーを一覧表示します。
$ vault kv list <backend_path>
<backend_path>
暗号化キーが保存されている Vault 内のパスです。
以下に例を示します。
$ vault kv list kv-v2
出力例:
Keys ----- NOOBAA_ROOT_SECRET_PATH/ rook-ceph-osd-encryption-key-ocs-deviceset-thin-0-data-0m27q8 rook-ceph-osd-encryption-key-ocs-deviceset-thin-1-data-0sq227 rook-ceph-osd-encryption-key-ocs-deviceset-thin-2-data-0xzszb
Vault キーに関連付けられているメタデータを一覧表示します。
$ vault kv get kv-v2/<key>
Multicloud Object Gateway (MCG) キーの場合:
$ vault kv get kv-v2/NOOBAA_ROOT_SECRET_PATH/<key>
<key>
暗号化キーです。
以下に例を示します。
$ vault kv get kv-v2/rook-ceph-osd-encryption-key-ocs-deviceset-thin-0-data-0m27q8
出力例:
====== Metadata ====== Key Value --- ----- created_time 2021-06-23T10:06:30.650103555Z deletion_time 2021-06-23T11:46:35.045328495Z destroyed false version 1
メタデータを削除します。
$ vault kv metadata delete kv-v2/<key>
MCG キーの場合:
$ vault kv metadata delete kv-v2/NOOBAA_ROOT_SECRET_PATH/<key>
<key>
暗号化キーです。
以下に例を示します。
$ vault kv metadata delete kv-v2/rook-ceph-osd-encryption-key-ocs-deviceset-thin-0-data-0m27q8
出力例:
Success! Data deleted (if it existed) at: kv-v2/metadata/rook-ceph-osd-encryption-key-ocs-deviceset-thin-0-data-0m27q8
- これらの手順を繰り返して、すべての Vault キーに関連付けられているメタデータを削除します。
OpenShift Container Platform Web コンソールで、OpenShift Container Storage が完全にアンインストールされていることを確認するには、以下を実行します。
- Storage をクリックします。
- Overview が Storage に表示されていないことを確認します。
4.2. OpenShift Container Storage からのモニターリングスタックの削除
このセクションでは、モニターリングスタックを OpenShift Container Storage からクリーンアップします。
モニターリングスタックの設定の一部として作成される PVC は openshift-monitoring
namespace に置かれます。
前提条件
PVC は OpenShift Container Platform モニタリングスタックを使用できるように設定されます。
詳細は、モニタリングスタックの設定 を参照してください。
手順
openshift-monitoring
namespace で現在実行されている Pod および PVC を一覧表示します。$ oc get pod,pvc -n openshift-monitoring NAME READY STATUS RESTARTS AGE pod/alertmanager-main-0 3/3 Running 0 8d pod/alertmanager-main-1 3/3 Running 0 8d pod/alertmanager-main-2 3/3 Running 0 8d pod/cluster-monitoring- operator-84457656d-pkrxm 1/1 Running 0 8d pod/grafana-79ccf6689f-2ll28 2/2 Running 0 8d pod/kube-state-metrics- 7d86fb966-rvd9w 3/3 Running 0 8d pod/node-exporter-25894 2/2 Running 0 8d pod/node-exporter-4dsd7 2/2 Running 0 8d pod/node-exporter-6p4zc 2/2 Running 0 8d pod/node-exporter-jbjvg 2/2 Running 0 8d pod/node-exporter-jj4t5 2/2 Running 0 6d18h pod/node-exporter-k856s 2/2 Running 0 6d18h pod/node-exporter-rf8gn 2/2 Running 0 8d pod/node-exporter-rmb5m 2/2 Running 0 6d18h pod/node-exporter-zj7kx 2/2 Running 0 8d pod/openshift-state-metrics- 59dbd4f654-4clng 3/3 Running 0 8d pod/prometheus-adapter- 5df5865596-k8dzn 1/1 Running 0 7d23h pod/prometheus-adapter- 5df5865596-n2gj9 1/1 Running 0 7d23h pod/prometheus-k8s-0 6/6 Running 1 8d pod/prometheus-k8s-1 6/6 Running 1 8d pod/prometheus-operator- 55cfb858c9-c4zd9 1/1 Running 0 6d21h pod/telemeter-client- 78fc8fc97d-2rgfp 3/3 Running 0 8d NAME STATUS VOLUME CAPACITY ACCESS MODES STORAGECLASS AGE persistentvolumeclaim/my-alertmanager-claim-alertmanager-main-0 Bound pvc-0d519c4f-15a5-11ea-baa0-026d231574aa 40Gi RWO ocs-storagecluster-ceph-rbd 8d persistentvolumeclaim/my-alertmanager-claim-alertmanager-main-1 Bound pvc-0d5a9825-15a5-11ea-baa0-026d231574aa 40Gi RWO ocs-storagecluster-ceph-rbd 8d persistentvolumeclaim/my-alertmanager-claim-alertmanager-main-2 Bound pvc-0d6413dc-15a5-11ea-baa0-026d231574aa 40Gi RWO ocs-storagecluster-ceph-rbd 8d persistentvolumeclaim/my-prometheus-claim-prometheus-k8s-0 Bound pvc-0b7c19b0-15a5-11ea-baa0-026d231574aa 40Gi RWO ocs-storagecluster-ceph-rbd 8d persistentvolumeclaim/my-prometheus-claim-prometheus-k8s-1 Bound pvc-0b8aed3f-15a5-11ea-baa0-026d231574aa 40Gi RWO ocs-storagecluster-ceph-rbd 8d
モニタリング
configmap
を編集します。$ oc -n openshift-monitoring edit configmap cluster-monitoring-config
以下の例が示すように、OpenShift Container Storage ストレージクラスを参照する
config
セクションを削除し、これを保存します。編集前
. . . apiVersion: v1 data: config.yaml: | alertmanagerMain: volumeClaimTemplate: metadata: name: my-alertmanager-claim spec: resources: requests: storage: 40Gi storageClassName: ocs-storagecluster-ceph-rbd prometheusK8s: volumeClaimTemplate: metadata: name: my-prometheus-claim spec: resources: requests: storage: 40Gi storageClassName: ocs-storagecluster-ceph-rbd kind: ConfigMap metadata: creationTimestamp: "2019-12-02T07:47:29Z" name: cluster-monitoring-config namespace: openshift-monitoring resourceVersion: "22110" selfLink: /api/v1/namespaces/openshift-monitoring/configmaps/cluster-monitoring-config uid: fd6d988b-14d7-11ea-84ff-066035b9efa8 . . .
編集後
. . . apiVersion: v1 data: config.yaml: | kind: ConfigMap metadata: creationTimestamp: "2019-11-21T13:07:05Z" name: cluster-monitoring-config namespace: openshift-monitoring resourceVersion: "404352" selfLink: /api/v1/namespaces/openshift-monitoring/configmaps/cluster-monitoring-config uid: d12c796a-0c5f-11ea-9832-063cd735b81c . . .
この例では、
alertmanagerMain
およびprometheusK8s
モニターリングコンポーネントは OpenShift Container Storage PVC を使用しています。関連する PVC を削除します。ストレージクラスを使用するすべての PVC を削除してください。
$ oc delete -n openshift-monitoring pvc <pvc-name> --wait=true --timeout=5m
4.3. OpenShift Container Storage からの OpenShift Container Platform レジストリーの削除
OpenShift Container Storage から OpenShift Container Platform レジストリーをクリーンアップするには、手順のステップに従います。
代替ストレージを設定する必要がある場合は、イメージレジストリー を参照してください。
OpenShift Container Platform レジストリーの設定の一部として作成される PVC は openshift-image-registry
namespace に置かれます。
前提条件
- イメージレジストリーは、OpenShift Container Storage PVC を使用するように設定する必要があります。
手順
configs.imageregistry.operator.openshift.io
オブジェクトを編集し、storage セクションのコンテンツを削除します。$ oc edit configs.imageregistry.operator.openshift.io
編集前
. . . storage: pvc: claim: registry-cephfs-rwx-pvc . . .
編集後
. . . storage: . . .
この例では、PVC は
registry-cephfs-rwx-pvc
と呼ばれ、これは安全に削除できます。PVC を削除します。
$ oc delete pvc <pvc-name> -n openshift-image-registry --wait=true --timeout=5m
4.4. OpenShift Container Storage からのクラスターロギング Operator の削除
OpenShift Container Storage からクラスターロギングオペレーターを削除するには、手順のステップに従います。
クラスターロギング Operator の設定の一部として作成される PVC は openshift-logging
namespace にあります。
前提条件
- クラスターロギングインスタンスは、OpenShift Container Storage PVC を使用するように設定する必要があります。
手順
namespace の
ClusterLogging
インスタンスを削除します。$ oc delete clusterlogging instance -n openshift-logging --wait=true --timeout=5m
openshift-logging
namespace の PVC は安全に削除できます。PVC を削除します。
$ oc delete pvc <pvc-name> -n openshift-logging --wait=true --timeout=5m