4.2. MCG コマンドラインインターフェイスを使用したハイブリッドまたはマルチクラウドのストレージリソースの追加
Multicloud Object Gateway (MCG) は、クラウドプロバイダーおよびクラスター全体にまたがるデータの処理を単純化します。
MCG で使用できるバッキングストレージを追加します。
デプロイメントのタイプに応じて、以下のいずれかの手順を選択してバッキングストレージを作成できます。
- AWS でサポートされるバッキングストアを作成する方法については、「AWS でサポートされるバッキングストアの作成」 を参照してください。
- IBM COS でサポートされるバッキングストアを作成する方法については、「IBM COS でサポートされるバッキングストアの作成」 を参照してください。
- Azure でサポートされるバッキングストアを作成する方法については、「Azure でサポートされるバッキングストアの作成」 を参照してください。
- GCP でサポートされるバッキングストアを作成する方法については、「GCP でサポートされるバッキングストアの作成」 を参照してください。
- ローカルの永続ボリュームでサポートされるバッキングストアを作成する方法については、「ローカル永続ボリュームでサポートされるバッキングストアの作成」 を参照してください。
VMware デプロイメントの場合、「s3 と互換性のある Multicloud Object Gateway バッキングストアの作成」 に進み、詳細の手順を確認します。
4.2.1. AWS でサポートされるバッキングストアの作成
前提条件
Multicloud Object Gateway (MCG) コマンドラインインターフェイスをダウンロードします。
# subscription-manager repos --enable=rh-odf-4-for-rhel-8-x86_64-rpms # yum install mcg
注記サブスクリプションマネージャーを使用してリポジトリーを有効にするための適切なアーキテクチャーを指定します。たとえば、IBM Z インフラストラクチャーの場合は、以下のコマンドを使用します。
# subscription-manager repos --enable=rh-odf-4-for-rhel-8-s390x-rpms
または、MCG パッケージを、https://access.redhat.com/downloads/content/547/ver=4/rhel---8/4/x86_64/packages にある OpenShift Data Foundation RPM からインストールできます。
注記お使いのアーキテクチャーに応じて、正しい製品バリアントを選択します。
手順
MCG コマンドラインインターフェイスから、以下のコマンドを実行します。
noobaa backingstore create aws-s3 <backingstore_name> --access-key=<AWS ACCESS KEY> --secret-key=<AWS SECRET ACCESS KEY> --target-bucket <bucket-name> -n openshift-storage
-
<backingstore_name>
を、バッキングストアの名前に置き換えます。 -
<AWS ACCESS KEY>
および<AWS SECRET ACCESS KEY>
を、作成した AWS アクセスキー ID およびシークレットアクセスキーに置き換えます。 <bucket-name>
を既存の AWS バケット名に置き換えます。この引数は、MCG に対して、バッキングストア、およびその後のデータストレージおよび管理のためのターゲットバケットとして使用するバケットについて指示します。出力は次のようになります。
INFO[0001] ✅ Exists: NooBaa "noobaa" INFO[0002] ✅ Created: BackingStore "aws-resource" INFO[0002] ✅ Created: Secret "backing-store-secret-aws-resource"
YAML を使用してストレージリソースを追加することもできます。
認証情報でシークレットを作成します。
apiVersion: v1 kind: Secret metadata: name: <backingstore-secret-name> namespace: openshift-storage type: Opaque data: AWS_ACCESS_KEY_ID: <AWS ACCESS KEY ID ENCODED IN BASE64> AWS_SECRET_ACCESS_KEY: <AWS SECRET ACCESS KEY ENCODED IN BASE64>
-
Base64 を使用して独自の AWS アクセスキー ID およびシークレットアクセスキーを指定し、エンコードし、その結果を
<AWS ACCESS KEY ID ENCODED IN BASE64>
および<AWS SECRET ACCESS KEY ENCODED IN BASE64>
に使用する必要があります。 -
<backingstore-secret-name>
を一意の名前に置き換えます。
-
Base64 を使用して独自の AWS アクセスキー ID およびシークレットアクセスキーを指定し、エンコードし、その結果を
特定のバッキングストアについて以下の YAML を適用します。
apiVersion: noobaa.io/v1alpha1 kind: BackingStore metadata: finalizers: - noobaa.io/finalizer labels: app: noobaa name: bs namespace: openshift-storage spec: awsS3: secret: name: <backingstore-secret-name> namespace: openshift-storage targetBucket: <bucket-name> type: aws-s3
-
<bucket-name>
を既存の AWS バケット名に置き換えます。この引数は、MCG に対して、バッキングストア、およびその後のデータストレージおよび管理のためのターゲットバケットとして使用するバケットについて指示します。 -
<backingstore-secret-name>
を直前の手順で作成したシークレットの名前に置き換えます。
-
4.2.2. IBM COS でサポートされるバッキングストアの作成
前提条件
Multicloud Object Gateway (MCG) コマンドラインインターフェイスをダウンロードします。
# subscription-manager repos --enable=rh-odf-4-for-rhel-8-x86_64-rpms # yum install mcg
注記サブスクリプションマネージャーを使用してリポジトリーを有効にするための適切なアーキテクチャーを指定します。たとえば、以下のようになります。
- IBM Power の場合は、次のコマンドを使用します。
# subscription-manager repos --enable=rh-odf-4-for-rhel-8-ppc64le-rpms
- IBM Z インフラストラクチャーの場合は、以下のコマンドを使用します。
# subscription-manager repos --enable=rh-odf-4-for-rhel-8-s390x-rpms
または、MCG パッケージを、https://access.redhat.com/downloads/content/547/ver=4/rhel---8/4/x86_64/packages にある OpenShift Data Foundation RPM からインストールできます。
注記お使いのアーキテクチャーに応じて、正しい製品バリアントを選択します。
手順
MCG コマンドラインインターフェイスから、以下のコマンドを実行します。
noobaa backingstore create ibm-cos <backingstore_name> --access-key=<IBM ACCESS KEY> --secret-key=<IBM SECRET ACCESS KEY> --endpoint=<IBM COS ENDPOINT> --target-bucket <bucket-name> -n openshift-storage
-
<backingstore_name>
を、バッキングストアの名前に置き換えます。 <IBM ACCESS KEY>
,<IBM SECRET ACCESS KEY>
,<IBM COS ENDPOINT>
を IBM アクセスキー ID、シークレットアクセスキー、および既存の IBM バケットの場所に対応する地域のエンドポイントに置き換えます。IBM クラウドで上記のキーを生成するには、ターゲットバケットのサービス認証情報を作成する際に HMAC 認証情報を含める必要があります。
<bucket-name>
を既存の IBM バケット名に置き換えます。この引数は、MCG に対して、バッキングストア、およびその後のデータストレージおよび管理のためのターゲットバケットとして使用するバケットについて指示します。出力は次のようになります。
INFO[0001] ✅ Exists: NooBaa "noobaa" INFO[0002] ✅ Created: BackingStore "ibm-resource" INFO[0002] ✅ Created: Secret "backing-store-secret-ibm-resource"
-
YAML を使用してストレージリソースを追加することもできます。
認証情報でシークレットを作成します。
apiVersion: v1 kind: Secret metadata: name: <backingstore-secret-name> namespace: openshift-storage type: Opaque data: IBM_COS_ACCESS_KEY_ID: <IBM COS ACCESS KEY ID ENCODED IN BASE64> IBM_COS_SECRET_ACCESS_KEY: <IBM COS SECRET ACCESS KEY ENCODED IN BASE64>
-
Base64 を使用して独自の IBM COS アクセスキー ID およびシークレットアクセスキーを指定し、エンコードし、その結果を
<IBM COS ACCESS KEY ID ENCODED IN BASE64>
および<IBM COS SECRET ACCESS KEY ENCODED IN BASE64>
に使用する必要があります。 -
<backingstore-secret-name>
を一意の名前に置き換えます。
-
Base64 を使用して独自の IBM COS アクセスキー ID およびシークレットアクセスキーを指定し、エンコードし、その結果を
特定のバッキングストアについて以下の YAML を適用します。
apiVersion: noobaa.io/v1alpha1 kind: BackingStore metadata: finalizers: - noobaa.io/finalizer labels: app: noobaa name: bs namespace: openshift-storage spec: ibmCos: endpoint: <endpoint> secret: name: <backingstore-secret-name> namespace: openshift-storage targetBucket: <bucket-name> type: ibm-cos
-
<bucket-name>
を既存の IBM COS バケット名に置き換えます。この引数は、MCG に対して、バッキングストア、およびその後のデータストレージおよび管理のためのターゲットバケットとして使用するバケットについて指示します。 -
<endpoint>
を、既存の IBM バケット名の場所に対応する地域のエンドポイントに置き換えます。この引数は、Multicloud Object Gateway に対して、バッキングストア、およびその後のデータストレージおよび管理に使用するエンドポイントについて指示します。 -
<backingstore-secret-name>
を直前の手順で作成したシークレットの名前に置き換えます。
-
4.2.3. Azure でサポートされるバッキングストアの作成
前提条件
Multicloud Object Gateway (MCG) コマンドラインインターフェイスをダウンロードします。
# subscription-manager repos --enable=rh-odf-4-for-rhel-8-x86_64-rpms # yum install mcg
注記サブスクリプションマネージャーを使用してリポジトリーを有効にするための適切なアーキテクチャーを指定します。たとえば、IBM Z インフラストラクチャーの場合は、以下のコマンドを使用します。
# subscription-manager repos --enable=rh-odf-4-for-rhel-8-s390x-rpms
または、MCG パッケージを、https://access.redhat.com/downloads/content/547/ver=4/rhel---8/4/x86_64/packages にある OpenShift Data Foundation RPM からインストールできます。
注記お使いのアーキテクチャーに応じて、正しい製品バリアントを選択します。
手順
MCG コマンドラインインターフェイスから、以下のコマンドを実行します。
noobaa backingstore create azure-blob <backingstore_name> --account-key=<AZURE ACCOUNT KEY> --account-name=<AZURE ACCOUNT NAME> --target-blob-container <blob container name> -n openshift-storage
-
<backingstore_name>
を、バッキングストアの名前に置き換えます。 -
<AZURE ACCOUNT KEY>
および<AZURE ACCOUNT NAME>
は、この目的のために作成した AZURE アカウントキーおよびアカウント名に置き換えます。 <blob container name>
を既存の Azure blob コンテナー名に置き換えます。この引数は、MCG に対して、バッキングストア、およびその後のデータストレージおよび管理のためのターゲットバケットとして使用するバケットについて指示します。出力は次のようになります。
INFO[0001] ✅ Exists: NooBaa "noobaa" INFO[0002] ✅ Created: BackingStore "azure-resource" INFO[0002] ✅ Created: Secret "backing-store-secret-azure-resource"
-
YAML を使用してストレージリソースを追加することもできます。
認証情報でシークレットを作成します。
apiVersion: v1 kind: Secret metadata: name: <backingstore-secret-name> type: Opaque data: AccountName: <AZURE ACCOUNT NAME ENCODED IN BASE64> AccountKey: <AZURE ACCOUNT KEY ENCODED IN BASE64>
-
Base64 を使用して独自の Azure アカウント名およびアカウントキーを指定し、エンコードし、その結果を
<AZURE ACCOUNT NAME ENCODED IN BASE64>
および<AZURE ACCOUNT KEY ENCODED IN BASE64>
に使用する必要があります。 -
<backingstore-secret-name>
を一意の名前に置き換えます。
-
Base64 を使用して独自の Azure アカウント名およびアカウントキーを指定し、エンコードし、その結果を
特定のバッキングストアについて以下の YAML を適用します。
apiVersion: noobaa.io/v1alpha1 kind: BackingStore metadata: finalizers: - noobaa.io/finalizer labels: app: noobaa name: bs namespace: openshift-storage spec: azureBlob: secret: name: <backingstore-secret-name> namespace: openshift-storage targetBlobContainer: <blob-container-name> type: azure-blob
-
<blob-container-name>
を既存の Azure blob コンテナー名に置き換えます。この引数は、MCG に対して、バッキングストア、およびその後のデータストレージおよび管理のためのターゲットバケットとして使用するバケットについて指示します。 -
<backingstore-secret-name>
を直前の手順で作成したシークレットの名前に置き換えます。
-
4.2.4. GCP でサポートされるバッキングストアの作成
前提条件
Multicloud Object Gateway (MCG) コマンドラインインターフェイスをダウンロードします。
# subscription-manager repos --enable=rh-odf-4-for-rhel-8-x86_64-rpms # yum install mcg
注記サブスクリプションマネージャーを使用してリポジトリーを有効にするための適切なアーキテクチャーを指定します。たとえば、IBM Z インフラストラクチャーの場合は、以下のコマンドを使用します。
# subscription-manager repos --enable=rh-odf-4-for-rhel-8-s390x-rpms
または、MCG パッケージを、https://access.redhat.com/downloads/content/547/ver=4/rhel---8/4/x86_64/packages にある OpenShift Data Foundation RPM からインストールできます。
注記お使いのアーキテクチャーに応じて、正しい製品バリアントを選択します。
手順
MCG コマンドラインインターフェイスから、以下のコマンドを実行します。
noobaa backingstore create google-cloud-storage <backingstore_name> --private-key-json-file=<PATH TO GCP PRIVATE KEY JSON FILE> --target-bucket <GCP bucket name> -n openshift-storage
-
<backingstore_name>
を、バッキングストアの名前に置き換えます。 -
<PATH TO GCP PRIVATE KEY JSON FILE>
を、この目的で作成された GCP プライベートキーへのパスに置き換えます。 <GCP bucket name>
を、既存の GCP オブジェクトストレージバケット名に置き換えます。この引数は、MCG に対して、バッキングストア、およびその後のデータストレージおよび管理のためのターゲットバケットとして使用するバケットについて指示します。出力は次のようになります。
INFO[0001] ✅ Exists: NooBaa "noobaa" INFO[0002] ✅ Created: BackingStore "google-gcp" INFO[0002] ✅ Created: Secret "backing-store-google-cloud-storage-gcp"
-
YAML を使用してストレージリソースを追加することもできます。
認証情報でシークレットを作成します。
apiVersion: v1 kind: Secret metadata: name: <backingstore-secret-name> type: Opaque data: GoogleServiceAccountPrivateKeyJson: <GCP PRIVATE KEY ENCODED IN BASE64>
-
Base64 を使用して独自の GCP サービスアカウントプライベートキー ID を指定し、エンコードし、その結果を
<GCP PRIVATE KEY ENCODED IN BASE64>
の場所で使用する必要があります。 -
<backingstore-secret-name>
を一意の名前に置き換えます。
-
Base64 を使用して独自の GCP サービスアカウントプライベートキー ID を指定し、エンコードし、その結果を
特定のバッキングストアについて以下の YAML を適用します。
apiVersion: noobaa.io/v1alpha1 kind: BackingStore metadata: finalizers: - noobaa.io/finalizer labels: app: noobaa name: bs namespace: openshift-storage spec: googleCloudStorage: secret: name: <backingstore-secret-name> namespace: openshift-storage targetBucket: <target bucket> type: google-cloud-storage
-
<target bucket>
を、既存の Google ストレージバケットに置き換えます。この引数は、MCG に対して、バッキングストア、およびその後のデータストレージおよび管理のためのターゲットバケットとして使用するバケットについて指示します。 -
<backingstore-secret-name>
を直前の手順で作成したシークレットの名前に置き換えます。
-
4.2.5. ローカル永続ボリュームでサポートされるバッキングストアの作成
前提条件
Multicloud Object Gateway (MCG) コマンドラインインターフェイスをダウンロードします。
# subscription-manager repos --enable=rh-odf-4-for-rhel-8-x86_64-rpms # yum install mcg
注記サブスクリプションマネージャーを使用してリポジトリーを有効にするための適切なアーキテクチャーを指定します。たとえば、IBM Z インフラストラクチャーの場合は、以下のコマンドを使用します。
# subscription-manager repos --enable=rh-odf-4-for-rhel-8-s390x-rpms
または、MCG パッケージを、https://access.redhat.com/downloads/content/547/ver=4/rhel---8/4/x86_64/packages にある OpenShift Data Foundation RPM からインストールできます。
注記お使いのアーキテクチャーに応じて、正しい製品バリアントを選択します。
手順
MCG コマンドラインインターフェイスから、以下のコマンドを実行します。
注記このコマンドは、
openshift-storage
namespace 内から実行する必要があります。noobaa backingstore create pv-pool <backingstore_name> --num-volumes=<NUMBER OF VOLUMES> --pv-size-gb=<VOLUME SIZE> --storage-class=<LOCAL STORAGE CLASS> -n openshift-storage
-
<backingstore_name>
を、バッキングストアの名前に置き換えます。 -
<NUMBER OF VOLUMES>
を、作成するボリューム数に置き換えます。ボリュームの数を増やすと、ストレージが拡大することに注意してください。 -
<VOLUME SIZE>
を、各ボリュームに必要なサイズ (GB 単位) に置き換えます。 <LOCAL STORAGE CLASS>
をローカルストレージクラスに置き換えます。これは、ocs-storagecluster-ceph-rbd
を使用する際に推奨されます。出力は次のようになります。
INFO[0001] ✅ Exists: NooBaa "noobaa" INFO[0002] ✅ Exists: BackingStore "local-mcg-storage"
-
YAML を使用してストレージリソースを追加することもできます。
特定のバッキングストアについて以下の YAML を適用します。
apiVersion: noobaa.io/v1alpha1 kind: BackingStore metadata: finalizers: - noobaa.io/finalizer labels: app: noobaa name: <backingstore_name> namespace: openshift-storage spec: pvPool: numVolumes: <NUMBER OF VOLUMES> resources: requests: storage: <VOLUME SIZE> storageClass: <LOCAL STORAGE CLASS> type: pv-pool
-
<backingstore_name>
を、バッキングストアの名前に置き換えます。 -
<NUMBER OF VOLUMES>
を、作成するボリューム数に置き換えます。ボリュームの数を増やすと、ストレージが拡大することに注意してください。 -
<VOLUME SIZE>
を、各ボリュームに必要なサイズ (GB 単位) に置き換えます。文字 G はそのままにする必要があることに注意してください。 -
<LOCAL STORAGE CLASS>
をローカルストレージクラスに置き換えます。これは、ocs-storagecluster-ceph-rbd
を使用する際に推奨されます。
-