デプロイメントのプランニング
Red Hat OpenShift Data Foundation 4.14 をデプロイする際の重要な考慮事項
概要
多様性を受け入れるオープンソースの強化
Red Hat では、コード、ドキュメント、Web プロパティーにおける配慮に欠ける用語の置き換えに取り組んでいます。まずは、マスター (master)、スレーブ (slave)、ブラックリスト (blacklist)、ホワイトリスト (whitelist) の 4 つの用語の置き換えから始めます。この取り組みは膨大な作業を要するため、今後の複数のリリースで段階的に用語の置き換えを実施して参ります。詳細は、Red Hat CTO である Chris Wright のメッセージ をご覧ください。
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第1章 OpenShift Data Foundation の紹介
Red Hat OpenShift Data Foundation は、Red Hat OpenShift Container Platform のクラウドストレージおよびデータサービスの集合です。これは、単純なデプロイメントや管理を容易に実行できるように Operator として同梱されており、Red Hat OpenShift Container Platform サービスカタログの一部として提供されます。
Red Hat OpenShift Data Foundation サービスは、主に以下のコンポーネントを表すストレージクラスを使用してアプリケーションで使用できます。
- ブロックストレージデバイス。主にデータベースのワークロードに対応します。主な例には、Red Hat OpenShift Container Platform のロギングおよびモニタリング、および PostgreSQL などがあります。
ブロックストレージは、複数のコンテナー間でデータを共有する必要がない場合にのみ、ワークロードに使用する必要があります。
- 共有および分散ファイルシステム。主にソフトウェア開発、メッセージング、およびデータ集約のワークロードに対応します。これらの例には、Jenkins ビルドソースおよびアーティファクト、Wordpress のアップロードコンテンツ、Red Hat OpenShift Container Platform レジストリー、および JBoss AMQ を使用したメッセージングが含まれます。
- Multicloud オブジェクトストレージ。複数のクラウドオブジェクトストアからのデータの保存および取得を抽象化できる軽量 S3 API エンドポイントを特長としています。
- オンプレミスオブジェクトストレージ。主にデータ集約型アプリケーションをターゲットとする数十ペタバイトおよび数十億のオブジェクトにスケーリングする堅牢な S3 API エンドポイントを特長としています。これらの例には、Spark、Presto、Red Hat AMQ Streams (Kafka) などのアプリケーションや、TensorFlow や Pytorch などのマシンラーニングフレームワークを使用した行、列、および半構造化データの保存およびアクセスが含まれます。
CephFS 永続ボリューム上での PostgresSQL ワークロードの実行はサポートされていないため、RADOS Block Device (RBD) ボリュームを使用することを推奨します。詳細は、ナレッジベースソリューション ODF Database Workloads Must Not Use CephFS PV/PVC を参照してください。
Red Hat OpenShift Data Foundation バージョン 4.x は、以下を含むソフトウェアプロジェクトのコレクションを統合します。
- Ceph。ブロックストレージ、共有および分散ファイルシステム、およびオンプレミスのオブジェクトストレージを提供します。
- Ceph CSI。永続ボリュームおよび要求のプロビジョニングおよびライフサイクルを管理します。
- NooBaa。Multicloud Object Gateway を提供します。
- OpenShift Data Foundation サービスを初期化し、管理する OpenShift Data Foundation、Rook-Ceph、および NooBaa Operator。
第2章 OpenShift Data Foundation のアーキテクチャー
Red Hat OpenShift Data Foundation は、Red Hat OpenShift Container Platform のサービスを提供し、Red Hat OpenShift Container Platform の内部で実行できます。
図2.1 Red Hat OpenShift Data Foundation アーキテクチャー
Red Hat OpenShift Data Foundation は、インストーラーでプロビジョニングされるインフラストラクチャー、またはユーザーによってプロビジョニングされるインフラストラクチャー でデプロイされる Red Hat OpenShift Container Platform クラスターへのデプロイメントをサポートします。
これら 2 つの方法は、OpenShift Container Platform のインストールプロセス を参照してください。
Red Hat OpenShift Data Foundation と Red Hat OpenShift Container Platform のコンポーネントの相互運用性の詳細は、Red Hat OpenShift Data Foundation のサポート性および相互運用性チェッカー を参照してください。
OpenShift Container Platform のアーキテクチャーおよびライフサイクルの詳細は、OpenShift Container Platform アーキテクチャー を参照してください。
IBM Power は、OpenShift Container Platform-インストールプロセス を参照してください。
2.1. Operator
Red Hat OpenShift Data Foundation は、管理タスクとカスタムリソースを体系化する 3 つの主要な Operator で設定されているため、タスクとリソースの特性を簡単に自動化できます。管理者はクラスターの必要な最終状態を定義し、OpenShift Data Foundation Operator は管理者の介入を最小限に抑えてクラスターをその状態にするか、その状態に近づけるようにします。
OpenShift Data Foundation Operator
サポートされる Red Hat OpenShift Data Foundation のデプロイメントの推奨事項と要件を成文化し、実施するために、特定のテストされた方法で他の Operator を利用するメタ Operator です。rook-ceph および noobaa operator は、これらのリソースをラップするストレージクラスターリソースを提供します。
Rook-ceph operator
この Operator は、永続ストレージおよびファイル、ブロックおよびオブジェクトサービスのパッケージ化、デプロイメント、管理、アップグレード、およびスケーリングを自動化します。これは、すべての環境用にブロックおよびファイルストレージクラスを作成し、オンプレミス環境でオブジェクトストレージクラスおよびサービスオブジェクトバケット要求 (OBC) を作成します。
さらに、内部モードクラスターの場合、以下を表すデプロイメントおよびサービスを管理する ceph クラスターリソースを提供します。
- オブジェクトストレージデーモン (OSD)
- モニター (MON)
- マネージャー (MGR)
- メタデータサーバー (MDS)
- オンプレミスのみの RADOS オブジェクトゲートウェイ (RGW)
Multicloud Object Gateway operator
この Operator は、Multicloud Object Gateway (MCG) オブジェクトサービスのパッケージ化、デプロイメント、管理、アップグレード、およびスケーリングを自動化します。オブジェクトストレージクラスを作成し、それに対して作成された OBC にサービスを提供します。
さらに、これは NooBaa クラスターリソースを提供します。このクラスターリソースは、NooBaa コア、データベースおよびエンドポイントのデプロイメントとサービスを管理します。
2.2. ストレージクラスターのデプロイメントアプローチ
モード数 (operating modalities) が増えていることからも、柔軟性が Red Hat OpenShift Data Foundation の主な特徴であることが分かります。本セクションでは、お使いの環境に最も適した方法を選択するのに役立つ情報を提供します。
Red Hat OpenShift Data Foundation は OpenShift Container Platform 内で完全にデプロイ (内部アプローチ) することも、OpenShift Container Platform 外で実行されるクラスターからサービスを利用可能する方法 (外部アプローチ) を実行することもできます。
2.2.1. 内部アプローチ
Red Hat OpenShift Data Foundation を Red Hat OpenShift Container Platform 内にすべてデプロイすると、Operator ベースのデプロイメントおよび管理からのすべての利点が得られます。グラフィカルユーザーインターフェイス (GUI) で、内部でアタッチされているデバイスのアプローチを使用して、ローカルストレージ Operator とローカルストレージデバイスで、Red Hat OpenShift Data Foundation を内部モードでデプロイできます。
デプロイメントおよび管理の容易性は、OpenShift Data Foundation サービスを OpenShift Container Platform の内部で実行することについての主な特長となっています。Red Hat OpenShift Data Foundation が完全に Red Hat OpenShift Container Platform 内で実行されている場合、以下の 2 つのデプロイメントモードを使用できます。
- Simple (単純)
- Optimized (最適化)
Simple (単純) デプロイメント
Red Hat OpenShift Data Foundation サービスは、アプリケーションと共存する形で実行されます。Red Hat OpenShift Container Platform の operator がこのようなアプリケーションを管理します。
Simple (単純) デプロイメントは、以下のような場合に最も適しています。
- ストレージ要件が明確ではない。
- Red Hat OpenShift Data Foundation サービスは、アプリケーションと共存して実行されている。
- 特定のサイズのノードインスタンスを作成することが困難である (例: ベアメタル)。
Red Hat OpenShift Data Foundation をアプリケーションと共存させるには、ノードにローカルストレージデバイス、または EC2 の EBS ボリューム、VMware の vSphere 仮想ボリューム、SAN ボリュームなどのポータブルストレージデバイスを動的に接続する必要があります。
PowerVC は SAN ボリュームを動的にプロビジョニングします。
Optimized (最適化) デプロイメント
Red Hat OpenShift Data Foundation サービスは、専用のインフラストラクチャーノードで実行します。Red Hat OpenShift Container Platform がこのようなインフラストラクチャーノードを管理します。
最適化アプローチは、以下の場合に最も適しています。
- ストレージ要件が明確である。
- Red Hat OpenShift Data Foundation サービスが、専用のインフラストラクチャーノードで実行されている。
- 特定サイズのノードインスタンスの作成が容易である (例: クラウド、仮想化環境など)。
2.2.2. 外部アプローチ
Red Hat OpenShift Data Foundation は、OpenShift Container Platform クラスター外で実行されている Red Hat Ceph Storage サービスをストレージクラスとして公開します。
以下の場合に外部アプローチが最も適しています。
- ストレージ要件の規模が大きい (600 以上のストレージデバイス)。
- 複数の OpenShift Container Platform クラスターが共通の外部クラスターからストレージサービスを使用する必要がある。
- 別のチームであるサイトリライアビリティーエンジニアリング (SRE)、ストレージなどは、ストレージサービスを提供する外部クラスターを管理する必要がある。(すでに存在している場合があります)
2.3. ノードのタイプ
ノードはコンテナーランタイムとサービスを実行し、コンテナーが実行中の状態にし、Pod 間のネットワーク通信および分離を保ちます。OpenShift Data Foundation には、3 種類のノードがあります。
ノードタイプ | 説明 |
---|---|
マスター | これらのノードは、Kubernetes API を公開し、新たに作成された Pod を監視およびスケジュールし、ノードの正常性および数量を維持し、基礎となるクラウドプロバイダーとの対話を制御するプロセスを実行します。 |
インフラストラクチャー (インフラ) | インフラストラクチャーノードは、ロギング、メトリクス、レジストリー、およびルーティングなどのクラスターレベルのインフラストラクチャーサービスを実行します。これらは OpenShift Container Platform クラスターではオプションです。OpenShift Data Foundation レイヤーワークロードをアプリケーションから分離するには、仮想化環境およびクラウド環境で OpenShift Data Foundation に infra ノードを使用することを確認します。
|
ワーカー | ワーカーノードは、アプリケーションを実行するため、アプリケーションノードとしても知られています。 OpenShift Data Foundation が内部モードでデプロイされている場合、3 つのワーカーノードの最小クラスターが必要です。可用性を確保するために、ノードが 3 つの異なるラックまたはアベイラビリティーゾーンに分散していることを確認してください。OpenShift Data Foundation をワーカーノードで実行するには、ローカルストレージデバイスまたはポータブルストレージデバイスをワーカーノードに動的に接続する必要があります。 OpenShift Data Foundation が外部モードでデプロイされている場合、複数のノードで実行されます。これにより、Kubernetes は、障害が発生した場合に使用可能なノードでスケジュールを変更できます。 |
OpenShift Data Foundation には、OpenShift Container Platform と同じ数のサブスクリプションが必要です。ただし、OpenShift Data Foundation がインフラノードで実行されている場合、OpenShift はこれらのノードに OpenShift Container Platform サブスクリプションを必要としません。したがって、OpenShift Data Foundation コントロールプレーンには、追加の OpenShift Container Platform および OpenShift Data Foundation サブスクリプションは必要ありません。詳細は、6章サブスクリプション を参照してください。
第3章 内部ストレージサービス
Red Hat OpenShift Data Foundation サービスは、以下のインフラストラクチャーで実行されている Red Hat OpenShift Container Platform の内部で利用できます。
- Amazon Web Services (AWS)
- ベアメタル
- VMware vSphere
- Microsoft Azure
- Google Cloud
- Red Hat OpenStack 13 以降 (インストーラーがプロビジョニングしたインフラストラクチャー) [テクノロジープレビュー]
- IBM Power
- IBM Z および IBM® LinuxONE
内部クラスターリソースを作成すると、OpenShift Data Foundation ベースサービスの内部プロビジョニングが実行され、追加のストレージクラスがアプリケーションで使用可能になります。
第4章 外部ストレージサービス
Red Hat OpenShift Data Foundation は、IBM Flash Systems を使用するか、外部の Red Hat Ceph Storage クラスターからのサービスを以下のプラットフォームで実行されている OpenShift Container Platform クラスターを介して利用できるようにします。
- VMware vSphere
- ベアメタル
- Red Hat OpenStack Platform (テクノロジープレビュー)
- IBM Power
- IBM Z
OpenShift Data Foundation Operator は、外部サービスに対する永続ボリューム (PV) およびオブジェクトバケット要求 (OBC) を満たすためにサービスを作成し、管理します。外部クラスターは、OpenShift Container Platform で実行されているアプリケーションのブロック、ファイル、およびオブジェクトストレージクラスを提供できます。Operator は、外部クラスターをデプロイまたは管理しません。
第5章 セキュリティーに関する考慮事項
5.1. FIPS-140-2
FIPS-140-2 (Federal Information Processing Standard Publication 140-2) は、暗号モジュールの使用についての一連のセキュリティー要件を定義する標準です。法律は、米国政府機関および請負業者にこの基準を義務付けており、他の国際および業界固有の基準でも参照されています。
Red Hat OpenShift Data Foundation は、FIPS 検証済みの暗号化モジュールを使用するようになりました。Red Hat Enterprise Linux OS/CoreOS(RHCOS) は、これらのモジュールを提供します。
現在、暗号化モジュール検証プログラム (CMVP) は暗号化モジュールを処理します。これらのモジュールの状態は、プロセスリストのモジュール で確認できます。最新情報は、Red Hat ナレッジベースソリューションの RHEL コア暗号化コンポーネント を参照してください。
OpenShift Data Foundation をインストールする前に、OpenShift Container Platform で FIPS モードを有効にします。この機能は Red Hat Enterprise Linux 7 (RHEL 7) での OpenShift Data Foundation デプロイメントをサポートしていないため、OpenShift Container Platform は RHCOS ノードで実行する必要があります。
詳細は、OpenShift Container Platform ドキュメントの インストールガイド に記載されている FIPS モードでのクラスターのインストール および FIPS 暗号化のサポートを参照してください。
5.2. プロキシー環境
プロキシー環境は、インターネットへの直接アクセスを拒否し、代わりに利用可能な HTTP または HTTPS プロキシーを提供する実稼働環境です。Red Hat Openshift Container Platform は、既存クラスターのプロキシーオブジェクトを変更するか、新規クラスターについて install-config.yaml ファイルでプロキシーを設定してプロキシーを使用するように設定されます。
Red Hat では、OpenShift Container Platform がクラスター全体のプリキシーの設定に応じて設定されている場合に、プロキシー環境での Openshift Data Foundation のデプロイメントをサポートします。
5.3. データ暗号化オプション
暗号化を使用すると、必要な暗号化キーがなければデータを読み取ることができないようにデータをエンコードできます。このメカニズムは、物理メディアが手元から離れるような物理的なセキュリティー違反の発生時にもデータの機密性を保護できます。PV ごとの暗号化は、同じ OpenShift Container Platform クラスター内の他の namespace からのアクセス保護も提供します。データはディスクに書き込まれる際に暗号化され、ディスクから読み取られる際に復号化されます。暗号化されたデータを使用すると、パフォーマンスに小規模なペナルティーのみが発生する可能性があります。
暗号化は、Red Hat OpenShift Data Foundation 4.6 以降を使用してデプロイされる新規クラスターでのみサポートされます。外部鍵管理システム (KMS) を使用していない既存の暗号化されたクラスターは、外部 KMS を使用するように移行できません。
以前は、HashiCorp Vault はクラスター全体の暗号化および永続ボリュームの暗号化で唯一サポートされている KMS です。OpenShift Data Foundation 4.7.0 および 4.7.1 では、HashiCorp Vault Key/Value (KV) シークレットエンジン API (バージョン 1) のみがサポートされます。OpenShift Data Foundation 4.7.2 以降では、HashiCorp Vault KV シークレットエンジン API (バージョン 1 および 2) がサポートされるようになりました。OpenShift Data Foundation 4.12 の時点で、サポートされる追加の KMS として Thales CipherTrust Manager が導入されました。
- KMS は StorageClass 暗号化に必須であり、クラスター全体の暗号化にはオプションです。
- まず、ストレージクラスの暗号化には、有効な Red Hat OpenShift Data Foundation Advanced サブスクリプションが必要です。詳細は、OpenShift Data Foundation サブスクリプションに関するナレッジベースの記事 を参照してください。
Red Hat はテクノロジーパートナーと連携して、本書をお客様へのサービスとして提供します。ただし、Red Hat では、Hashicorp 製品のサポートを提供していません。この製品に関するテクニカルサポートについては、Hashicorp にお問い合わせください。
5.3.1. クラスター全体の暗号化
Red Hat OpenShift Data Foundation は、ストレージクラスター内のディスクおよび Multicloud Object Gateway 操作のすべてに対して、クラスター全体の暗号化 (保存時の暗号化、encryption-at-rest) をサポートします。OpenShift Data Foundation は、キーのサイズが 512 ビットの Linux Unified Key System (LUKS) バージョン 2 ベースの暗号化と、各デバイスが異なる暗号化キーを持つ aes-xts-plain64
暗号を使用します。このキーは Kubernetes シークレットまたは外部 KMS を使用して保存されます。どちらのメソッドも同時に使用できず、メソッド間の移行はできません。
ブロックおよびファイルストレージの暗号化は、デフォルトで無効になっています。デプロイメント時にクラスターの暗号化を有効にできます。MultiCloud Object Gateway は、デフォルトで暗号化をサポートしています。詳細は、デプロイメントガイドを参照してください。
クラスター全体の暗号化は、鍵管理システム (KMS) を使用しない OpenShift Data Foundation 4.6 でサポートされます。OpenShift Data Foundation 4.7 以降では、HashiCorp Vault KMS の有無にかかわらずサポートされます。OpenShift Data Foundation 4.12 以降では、HashiCorp Vault KMS および Thales CipherTrust Manager KMS の有無にかかわらずサポートされます。
有効な Red Hat OpenShift Data Foundation Advanced サブスクリプションが必要です。OpenShift Data Foundation のサブスクリプションがどのように機能するかを知るには、OpenShift Data Foundation subscriptions に関するナレッジベースの記事 を参照してください。
HashiCorp Vault KMS を使用したクラスター全体の暗号化には、次の 2 つの認証方法があります。
- トークン: このメソッドでは、vault トークンを使用した認証が可能です。Vault トークンを含む kubernetes シークレットは、openshift-storage namespace で作成され、認証に使用されます。この認証方法を選択した場合、管理者は、暗号化キーが保存されている Vault のバックエンドパスへのアクセスを提供する Vault トークンを提供する必要があります。
Kubernetes: このメソッドでは、serviceaccounts を使用して Vault で認証できます。この認証方法を選択した場合、管理者は、暗号化キーが保存されているバックエンドパスへのアクセスを提供する Vault で設定されたロールの名前を指定する必要があります。次に、このロールの値が
ocs-kms-connection-details
Config Map に追加されます。このメソッドは、OpenShift Data Foundation 4.10 から利用できます。現時点で、HashiCorp Vault は唯一サポートされている KMS です。OpenShift Data Foundation 4.7.0 および 4.7.1 では、HashiCorp Vault KV シークレットエンジン API (バージョン 1) のみがサポートされます。OpenShift Data Foundation 4.7.2 以降では、HashiCorp Vault KV シークレットエンジン API (バージョン 1 および 2) がサポートされるようになりました。
IBM Cloud プラットフォーム上の OpenShift Data Foundation は、HashiCorp Vault KMS に加えて、暗号化ソリューションとして Hyper Protect Crypto Services (HPCS)Key Management Services (KMS) をサポートします。
Red Hat はテクノロジーパートナーと連携して、本書をお客様へのサービスとして提供します。ただし、Red Hat では、Hashicorp 製品のサポートを提供していません。この製品に関するテクニカルサポートについては、Hashicorp にお問い合わせください。
5.3.2. ストレージクラスの暗号化
デバイスの暗号化キーを保存するために外部の鍵管理システム (KMS) を使用して、ストレージクラスの暗号化で永続ボリューム (ブロックのみ) を暗号化できます。永続ボリュームの暗号化は RADOS Block Device (RBD) 永続ボリュームでのみ利用できます。永続ボリュームの暗号化を使用したストレージクラスの作成方法 を参照してください。
ストレージクラスの暗号化は、HashiCorp Vault KMS を使用する OpenShift Data Foundation 4.7 以降でサポートされます。ストレージクラスの暗号化は、HashiCorp Vault KMS と Thales CipherTrust Manager KMS の両方を使用する OpenShift Data Foundation 4.12 以降でサポートされます。
有効な Red Hat OpenShift Data Foundation Advanced サブスクリプションが必要です。OpenShift Data Foundation のサブスクリプションの仕組みを確認するには、OpenShift Data Foundation subscriptions に関するナレッジベースの記事 を参照してください。
5.3.3. CipherTrust マネージャー
Red Hat OpenShift Data Foundation バージョン 4.12 では、デプロイメントの追加の鍵管理システム (KMS) プロバイダーとして Thales CipherTrust Manager が導入されています。Thales CipherTrust Manager は、一元化された鍵のライフサイクル管理を提供します。CipherTrust Manager は、鍵管理システム間の通信を可能にする Key Management Interoperability Protocol (KMIP) をサポートしています。
CipherTrust Manager は、デプロイメント時に有効になります。
5.3.4. Red Hat Ceph Storage のメッセンジャーバージョン 2 プロトコルを使用したデータの暗号化
OpenShift Data Foundation バージョン 4.14 以降、Red Hat Ceph Storage のメッセンジャーバージョン 2 プロトコルを使用して、転送中のデータを暗号化できるようになりました。これにより、インフラストラクチャーに重要なセキュリティー要件が提供されます。転送中の暗号化は、デプロイメント中に有効化できます。
5.4. 転送中での暗号化
OVN-Kubernetes Container Network Interface (CNI) クラスターネットワーク上のノード間のすべてのネットワークトラフィックが暗号化されたトンネルを通過するように、IPsec を有効にする必要があります。
デフォルトでは、IPsec は無効になっています。クラスターのインストール中またはインストール後に有効化できます。クラスターのインストール後に IPsec を有効にする必要がある場合は、IPsec ESP IP ヘッダーのオーバーヘッドを考慮して、まずクラスター MTU のサイズを変更する必要があります。
IPsec 暗号化の設定方法の詳細は、OpenShift Container Platform ドキュメントの ネットワークガイド の IPsec 暗号化の設定 を参照してください。
第6章 サブスクリプション
6.1. サブスクリプションのオファリング
Red Hat OpenShift Data Foundation のサブスクリプションは、OpenShift Container Platform と同様にコアのペアをベースとして提供されます。Red Hat OpenShift Data Foundation 2 コアサブスクリプションは、OpenShift Container Platform が実行されるシステムの CPU 上の論理コア数をベースとしています。
以下の点は、OpenShift Container Platform と同様です。
- OpenShift Data Foundation サブスクリプションは、大規模なホストに対応するようにスタック可能です。
- コアは、必要に応じて多数の仮想マシン (VM) に分散できます。たとえば、10 の 2 コアサブスクリプションは 20 コアを提供し、IBM Power の場合、SMT レベル 8 の 2 コアのサブスクリプションは、任意の数の仮想マシンで使用できる 2 コアまたは 16 vCPU が提供されます。
- OpenShift Data Foundation サブスクリプションは、Premium または Standard サポートで利用できます。
6.2. 障害復旧サブスクリプションの要件
Red Hat OpenShift Data Foundation でサポートされる障害復旧機能では、障害復旧ソリューションを正常に実装するために以下の前提条件をすべて満たす必要があります。
- 有効な Red Hat OpenShift Data Foundation Advanced エンタイトルメント
- 有効な Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes サブスクリプション
ソースまたは宛先としてアクティブレプリケーションに参加している PV を含む Red Hat OpenShift Data Foundation Cluster には、OpenShift Data Foundation Advanced エンタイトルメントが必要です。このサブスクリプションは、ソースクラスターと宛先クラスターの両方でアクティブにする必要があります。
OpenShift Data Foundation のサブスクリプションがどのように機能するかを知るには、OpenShift Data Foundation subscriptions に関するナレッジベースの記事 を参照してください。
6.3. コア対 vCPU およびハイパースレッディング
現時点で特定のシステムが 1 つまたは複数のコアを消費するかどうかについての決定は、そのシステムでハイパースレッディング機能を利用できるかどうかによって異なります。ハイパースレッディングは Intel CPU のみの機能です。Red Hat カスタマーポータルにアクセスし、特定のシステムがハイパースレッディングをサポートしているかどうかを判断します。
ハイパースレッディングが有効にされており、1 つのハイパースレッドが 1 つの利用可能なシステムコアに等しいシステムの場合、コアの計算 は 2 コア対 4 vCPU の比率になります。したがって、2 コアのサブスクリプションは、ハイパースレッドシステムの 4 vCPU に対応します。大規模な仮想マシン (VM) には、4 サブスクリプションコアに相当する 8 vCPU がある場合があります。サブスクリプションは 2 コア単位で提供されるため、4 コアまたは 8 vCPU に対応するには 2 つの 2 コアサブスクリプションが必要になります。
ハイパースレッディングが有効にされていない場合や、表示される各システムのコアが基礎となる物理コアに直接相関する場合、コアの計算は 2 コア対 2 vCPU の比率になります。
6.3.1. IBM Power のコア対 vCPU および同時マルチスレッド (SMT)
現時点で特定のシステムが 1 つまたは複数のコアを消費するかどうかについての決定は、同時マルチスレッド (SMT) のレベルによって異なります。IBM Power は、以下の表にあるように、各コアの同時マルチスレッドレベルの 1、2、4、または 8 を提供します。これは vCPU の数に対応します。
SMT レベル | SMT=1 | SMT=2 | SMT=4 | SMT=8 |
---|---|---|---|---|
1 コア | # vCPU=1 | # vCPU=2 | # vCPU=4 | # vCPU=8 |
2 コア | # vCPU=2 | # vCPU=4 | # vCPU=8 | # vCPU=16 |
4 コア | # vCPU=4 | # vCPU=8 | # vCPU=16 | # vCPU=32 |
SMT が設定されたシステムでは、サブスクリプションに必要なコア数の計算は SMT レベルによって異なります。したがって、2 コアのサブスクリプションは、上記の表に示すように SMT レベル 1 の 2 vCPU に対応し、SMT レベル 2 の 4 vCPU に、SMT レベル 4 では 8 vCPU に、SMT レベル 8 では 16 vCPU に対応します。大規模な仮想マシン (VM) には 16 vCPU が含まれる場合があります。この場合、SMT レベル 8 では SMT レベルで vCPU の # を除算した計算により 2 コアサブスクリプションが必要になります (SMT-8 の場合: 16 vCPU/8 = 2)。サブスクリプションは 2 コア単位で提供されるため、これらの 2 コアまたは 16 vCPU に対応するには 1 つの 2 コアサブスクリプションが必要になります。
6.4. コアの分割
奇数のコアを必要とするシステムの場合でも、2 コアのサブスクリプションを使用する必要があります。たとえば、必要なコアが 1 つだけであると計算されたシステムは、登録およびサブスクライブされると、最終的に 2 コアのサブスクリプションを完全に消費することになります。
2 vCPU を持つ単一の仮想マシン (VM) がハイパースレッディング機能を使用し、1 vCPU が計算される場合、2 コアサブスクリプションが必要になります。単一の 2 コアサブスクリプションは、ハイパースレッディングを使用する 2 vCPU を持つ 2 仮想マシン間で分割することはできません。詳細は コアと vCPU およびハイパースレッディング セクションを参照してください。
そのため、仮想インスタンスは偶数のコアを必要とするようにサイズ設定することが推奨されます。
6.5. サブスクリプションの要件
Red Hat OpenShift Data Foundation コンポーネントは、Red Hat CoreOS (RHCOS) または Red Hat Enterprise Linux (RHEL) 8.4 のいずれかをホストのオペレーティングシステムとして使用できる OpenShift Container Platform ワーカーまたはインフラストラクチャーノードのいずれかで実行できます。RHEL 7 は非推奨になりました。OpenShift Data Foundation サブスクリプションは、すべての OpenShift Container Platform をサブスクライブするコアに 1:1 の割合で必要です。
インフラストラクチャーノードを使用する場合、OpenShift Container Platform または OpenShift Data Foundation サブスクリプションが必要でなくても、OpenShift Data Foundation のすべての OpenShift ワーカーノードコアをサブスクライブするルールが適用されます。ラベルを使用して、ノードがワーカーノードまたはインフラストラクチャーノードであるかどうか示すことができます。
詳細は、ストレージリソースの管理および割り当て ガイドの Red Hat OpenShift Data Foundation に専用のワーカーノードを使用する方法 を参照してください。
第7章 インフラストラクチャーの要件
7.1. プラットフォーム要件
Red Hat OpenShift Data Foundation 4.14 は、OpenShift Container Platform バージョン 4.14 およびその次のマイナーバージョンでのみサポートされます。
以前のバージョンの Red Hat OpenShift Data Foundation に関するバグ修正は、バグ修正バージョンとしてリリースされます。詳細は、Red Hat OpenShift Container Platform ライフサイクルポリシー を参照してください。
外部クラスターのサブスクリプション要件については、Red Hat ナレッジベースの記事 OpenShift Data Foundation Subscription Guide を参照してください。
サポートされているプラットフォームバージョンの完全なリストについては、Red Hat OpenShift Data Foundation Supportability and Interoperability Checker を参照してください。
7.1.1. Amazon EC2
内部 Red Hat OpenShift Data Foundation クラスターのみをサポートします。
内部クラスターは、ストレージデバイス要件 の両方を満たし、aws-ebs プロビジョナー経由で EBS ストレージを提供するストレージクラスを備えている必要があります。
OpenShift Data Foundation は、Amazon Web Services (AWS) によって導入された gp2-csi
および gp3-csi
ドライバーをサポートします。これらのドライバーは、より優れたストレージ拡張機能と割引された月額料金 (gp3-csi
) を提供します。ストレージクラスを選択するときに、新しいドライバーを選択できるようになりました。高いスループットが必要な場合は、OpenShift Data Foundation をデプロイするときに gp3-csi
を使用することを推奨します。
高い 1 秒あたりの入出力操作 (IOPS) が必要な場合、推奨される EC2 インスタンスタイプは D2
または D3
です。
7.1.2. ベアメタル
内部クラスターをサポートし、外部クラスターの使用をサポートします。
内部クラスターは、ストレージデバイスの要件 を満たし、ローカルストレージ Operator 経由でローカル SSD (NVMe/SATA/SAS、SAN) を提供するストレージクラスを備えている必要があります。
7.1.3. VMware vSphere
内部クラスターをサポートし、外部クラスターの使用をサポートします。
推奨されるバージョン:
- vSphere 6.7、Update2 以降
- vSphere 7.0 以降
詳細は、VMware vSphere インフラストラクチャーの要件 を参照してください。
VMware ESXi がデバイスをフラッシュとして認識しない場合は、それらをフラッシュデバイスとしてマークします。Red Hat OpenShift Data Foundation をデプロイする前に、ストレージデバイスをフラッシュとしてマーク を参照してください。
さらに、内部クラスターは ストレージデバイスの要件 を満たし、以下のいずれかを提供するストレージクラスがなければなりません。
- vSAN または VMFS データストア (vsphere-volume プロビジョナー経由)、または
- VMDK、RDM、または DirectPath ストレージデバイス (Local Storage Operator 経由)
7.1.4. Microsoft Azure
内部 Red Hat OpenShift Data Foundation クラスターのみをサポートします。
内部クラスターは、ストレージデバイス要件 の両方を満たし、azure-disk プロビジョナー経由で Azure ディスクを提供するストレージクラスを備えている必要があります。
7.1.5. Google Cloud Platform
内部 Red Hat OpenShift Data Foundation クラスターのみをサポートします。
内部クラスターは、ストレージデバイス要件 の両方を満たし、gce-pd プロビジョナー経由で GCE Persistent Disk を提供するストレージクラスを備えている必要があります。
7.1.6. Red Hat OpenStack Platform [テクノロジープレビュー]
内部 Red Hat OpenShift Data Foundation クラスターをサポートし、外部クラスターを使用します。
内部クラスターは、ストレージデバイス要件 の両方を満たし、Cinder プロビジョナー経由で標準ディスクを提供するストレージクラスを備えている必要があります。
7.1.7. IBM Power
内部 Red Hat OpenShift Data Foundation クラスターをサポートし、外部クラスターを使用します。
内部クラスターは、ストレージデバイスの要件 を満たし、ローカルストレージ Operator 経由でローカル SSD (NVMe/SATA/SAS、SAN) を提供するストレージクラスを備えている必要があります。
7.1.8. IBM Z および IBM® LinuxONE
内部 Red Hat OpenShift Data Foundation クラスターをサポートします。また、Red Hat Ceph Storage が x86 上で実行される外部モードもサポートします。
内部クラスターは、ストレージデバイスの要件 を満たし、ローカルストレージ Operator 経由でローカル SSD (NVMe/SATA/SAS、SAN) を提供するストレージクラスを備えている必要があります。
7.2. 外部モード要件
7.2.1. Red Hat Ceph Storage
外部モードの Red Hat OpenShift Data Foundation および Red Hat Ceph Storage (RHCS) のサポートと相互運用性を確認するには、Red Hat OpenShift Data Foundation サポートおよび相互運用性チェッカー のラボにアクセスします。
-
ODF as Self-Managed Service
として Service Type を選択します。 - ドロップダウンから適切な Version を選択します。
- Versions タブで、Supported RHCS Compatibility タブをクリックします。
RHCS クラスターのインストール方法は、インストールガイド を参照してください。
7.2.2. IBM FlashSystem
IBM FlashSystem を他のプロバイダーのプラグ可能な外部ストレージとして使用するには、最初に OpenShift Data Foundation をデプロイする必要があります。これは、IBM FlashSystem ストレージクラスをバッキングストレージとして使用します。
サポートされている最新の FlashSystem ストレージシステムとバージョンについては、IBM ODF FlashSystem ドライバーのドキュメント を参照してください。
OpenShift Data Foundation をデプロイする方法については、外部 IBMFlash System ストレージ用の Creating an OpenShift Data Foundation Cluster for external IBM FlashSystem storage を参照してください。
7.3. リソース要件
Red Hat OpenShift Data Foundation サービスは、ベースサービスの初期セットで設定され、追加のデバイスセットで拡張できます。これらの Red Hat OpenShift Data Foundation サービス Pod はすべて、OpenShift Container Platform ノード上の kubernetes によってスケジュールされます。クラスターを (障害ドメインごとに 1 ノード) 3 の倍数に拡張する方法は、Pod の配置ルールを簡単に満たす方法です。
これらの要件は、OpenShift Data Foundation サービスのみに関連し、これらのノードで実行している他のサービス、Operator、またはワークロードには関連しません。
デプロイメントモード | ベースサービス | 追加のデバイスセット |
---|---|---|
内部 |
|
|
外部 |
| 該当なし |
例: 単一デバイスセットを持つ内部モードデプロイメントの 3 ノードクラスターの場合、最小の 3 x 10 = 30 ユニットの CPU が必要です。
詳細は、6章サブスクリプション および CPU ユニット を参照してください。
Red Hat OpenShift Data Foundation クラスターの設計に関する追加のガイダンスは、ODF Sizing Tool を参照してください。
CPU ユニット
本セクションでは、1 CPU ユニットは Kubernetes コンセプトの 1 CPU ユニットにマップされます。
- CPU の 1 ユニットは、ハイパースレッディングされていない CPU の 1 コアに相当します。
- CPU の 2 ユニットは、ハイパースレッディングされている CPU の 1 コアに相当します。
- Red Hat OpenShift Data Foundation コアベースのサブスクリプションは常にペア (2 コア) で提供されます。
デプロイメントモード | ベースサービス |
---|---|
内部 |
|
外部 |
|
例: 内部接続デバイスモードのデプロイメントの 3 ノードクラスターの場合、最小の 3 x 16 = 48 ユニットの CPU、および 3 x 64 = 192 GB が必要です。
7.3.1. IBM Z および IBM LinuxONE インフラストラクチャーのリソース要件
Red Hat OpenShift Data Foundation サービスは、ベースサービスの初期セットで設定され、追加のデバイスセットで拡張できます。
これらの Red Hat OpenShift Data Foundation サービス Pod はすべて、OpenShift Container Platform ノード上の kubernetes によってスケジュールされます。クラスターを (障害ドメインごとに 1 ノード) 3 の倍数に拡張する方法は、Pod の配置ルールを簡単に満たす方法です。
デプロイメントモード | ベースサービス | 追加のデバイスセット | IBM Z および IBM® LinuxONE の最小ハードウェア要件 |
---|---|---|---|
内部 |
|
| 1 IFL |
外部 |
| 該当なし | 該当なし |
- CPU
- ハイパーバイザー、IBM Z/VM、カーネル仮想マシン (KVM)、またはその両方で定義されている仮想コアの数です。
- IFL(Linux 向けの統合機能)
- IBM Z および IBM® LinuxONE の物理コアです。
最小システム環境
- 1 つの論理パーティション (LPAR) で最小クラスターを動作させるには、6 つの IFL の上に追加の IFL が必要です。OpenShift Container Platform は、これらの IFL を使用します。
7.3.2. デプロイメントリソースの最小要件
OpenShift Data Foundation クラスターは、標準のデプロイメントリソース要件を満たしていない場合に、最小の設定でデプロイされます。
これらの要件は、OpenShift Data Foundation サービスのみに関連し、これらのノードで実行している他のサービス、Operator、またはワークロードには関連しません。
デプロイメントモード | ベースサービス |
---|---|
内部 |
|
デバイスセットを追加する場合は、最小デプロイメントを標準デプロイメントに変換することが推奨されます。
7.3.3. コンパクトなデプロイメントリソース要件
Red Hat OpenShift Data Foundation は、3 ノードの OpenShift のコンパクトなベアメタルクラスターにインストールできます。ここでは、すべてのワークロードが 3 つの強力なマスターノードで実行されます。ワーカーノードまたはストレージノードは含まれません。
これらの要件は、OpenShift Data Foundation サービスのみに関連し、これらのノードで実行している他のサービス、Operator、またはワークロードには関連しません。
デプロイメントモード | ベースサービス | 追加のデバイスセット |
---|---|---|
内部 |
|
|
コンパクトのベアメタルクラスターで OpenShift Container Platform を設定するには、3 ノードクラスターの設定 について、また エッジデプロインメントの 3 ノードアーキテクチャーの提供 について参照してください。
7.3.4. MCG のみのデプロイメントのリソース要件
Multicloud Object Gateway (MCG) コンポーネントのみを使用してデプロイされた OpenShift Data Foundation クラスターは、デプロイメントに柔軟性を提供し、リソース消費を削減するのに役立ちます。
デプロイメントモード | Core | データベース (DB) | Endpoint (エンドポイント) |
---|---|---|---|
内部 |
|
|
注記 デフォルトオートスケールは 1〜2 です。 |
7.3.5. ネットワークファイルシステムを使用するためのリソース要件
Network File System (NFS) を使用してエクスポートを作成すると、OpenShift クラスターから外部からアクセスできます。この機能を使用する場合、NFS サービスは 3 つの CPU と 8Gi の RAM を消費します。NFS はオプションであり、デフォルトでは無効になっています。
NFS ボリュームには、次の 2 つの方法でアクセスできます。
- クラスター内: Openshift クラスター内のアプリケーション Pod による。
- cluster: Openshift クラスター外から。
NFS 機能の詳細は、NFS を使用したエクスポートの作成 を参照してください。
7.4. Pod の配置ルール
Kubernetes は、宣言型の配置ルールに基づいて Pod の配置を行います。内部クラスターの Red Hat OpenShift Data Foundation ベースサービスの配置ルールは、以下のように要約できます。
-
ノードには
cluster.ocs.openshift.io/openshift-storage
キーでラベルが付けられます。 - ノードは、擬似障害ドメインに分類されます (何も存在しない場合)。
- 高可用性が必要なコンポーネントは障害ドメインに分散されます。
- ストレージデバイスはそれぞれの障害ドメインでアクセスできる必要があります。
これにより、少なくとも 3 つのノードがあり、既存の トポロジーラベル が存在する場合にノードは 3 つの異なるラックまたはゾーン障害ドメインにある必要があります。
追加のデバイスセットについては、3 つの障害ドメインのそれぞれにストレージデバイスがあり、Pod が消費するのに十分なリソースが必要になります。手動の配置ルールはデフォルトの配置ルールを上書きするのに使用できますが、通常この方法はベアメタルのデプロイメントにのみ適しています。
7.5. ストレージデバイスの要件
このセクションでは、内部モードのデプロイメントおよびアップグレードの計画時に考慮できる各種のストレージ容量の要件について説明します。通常、ノードごとにデバイスを 12 個以下にすることを推奨します。この推奨事項により、ノードがクラウドプロバイダーの動的ストレージデバイスの割り当て制限下にあり、ローカルストレージデバイスに関連してノードに障害が発生した後の復旧時間を制限できます。クラスターを (障害ドメインごとに 1 ノード) 3 の倍数に拡張する方法は、Pod の配置ルール を簡単に満たす方法です。
ストレージノードには少なくとも 2 つのディスクが必要です。1 つはオペレーティングシステム用で、残りのディスクは OpenShift Data Foundation コンポーネント用です。
ストレージ容量は、インストール時に選択した容量の増分値でのみ拡張できます。
7.5.1. 動的ストレージデバイス
Red Hat OpenShift Data Foundation では、動的ストレージデバイスサイズの要求サイズとして 0.5 TiB、2 TiB または 4 TiB の容量を選択できます。ノードごとに実行できる動的ストレージデバイスの数は、ノードサイズ、基礎となるプロビジョナー制限、および リソース要件 の関数です。
7.5.2. ローカルストレージデバイス
ローカルストレージのデプロイメントの場合、16 TiB 以下のディスクサイズを使用でき、すべてのディスクが同じサイズおよび種類である必要があります。ノードごとに実行できるローカルストレージデバイスの数は、ノードのサイズと リソース要件 によって決まります。クラスターを (障害ドメインごとに 1 ノード) 3 の倍数に拡張する方法は、Pod の配置ルール を簡単に満たす方法です。
ディスクのパーティション設定はサポートされません。
7.5.3. 容量のプランニング
使用する前に、利用可能なストレージ容量を必ず確保するようにしてください。利用可能なストレージ容量が完全に使い切られる場合はリカバリーが難しく、単に容量を追加したり、コンテンツを削除したり、移行したりするよりも多くの介入が必要になります。
容量アラートは、クラスターストレージ容量が合計容量の 75% (ほぼ一杯) および 85% (一杯) になると発行されます。容量についての警告に常に迅速に対応し、ストレージを定期的に確認して、ストレージ領域が不足しないようにします。75% (ほぼフル) に達したら、スペースを解放するか、クラスターを拡張します。85% (フル) アラートに達すると、ストレージ領域が完全に不足していて、標準コマンドを使用して領域を解放できないことが示唆されます。この時点で、Red Hat カスタマーサポート にお問い合わせください。
次の表は、動的ストレージデバイスを使用した Red Hat OpenShift Data Foundation のノード設定の例を示しています。
ストレージデバイスのサイズ | ノードあたりのストレージデバイス | 合計容量 | 利用可能なストレージ容量 |
---|---|---|---|
0.5 TiB | 1 | 1.5 TiB | 0.5 TiB |
2 TiB | 1 | 6 TiB | 2 TiB |
4 TiB | 1 | 12 TiB | 4 TiB |
ストレージデバイスのサイズ (D) | ノードごとのストレージデバイス (M) | 合計容量 (D * M * N) | 使用可能なストレージ容量 (D*M*N/3) |
---|---|---|---|
0.5 TiB | 3 | 45 TiB | 15 TiB |
2 TiB | 6 | 360 TiB | 120 TiB |
4 TiB | 9 | 1080 TiB | 360 TiB |
第8章 ネットワーク要件
このセクションを使用して、デプロイメントを計画する際のさまざまなネットワークの考慮事項を理解してください。
8.1. IPv6 サポート
Red Hat OpenShift Data Foundation バージョン 4.12 では、IPv6 のサポートが導入されました。IPv6 はシングルスタックでのみサポートされ、IPv4 と同時に使用することはできません。Openshift Container Platform で IPv6 がオンになっている場合は、IPv6 が OpenShift Data Foundation のデフォルトの動作です。
Red Hat OpenShift Data Foundation バージョン 4.14 では、IPv6 の自動検出と設定が導入されています。IPv6 を使用するクラスターは、それに応じて自動的に設定されます。
Red Hat OpenShift Data Foundation IPv4 を使用した OpenShift Container Platform デュアルスタックは、バージョン 4.13 以降でサポートされます。Red Hat OpenShift Data Foundation IPv6 でのデュアルスタックはサポートされていません。
8.2. マルチネットワークプラグイン (Multus) のサポート
OpenShift Data Foundation は、ベアメタルインフラストラクチャー上でマルチネットワークプラグイン Multus を使用する機能をサポートし、さまざまなタイプのネットワークトラフィックを分離することでセキュリティーとパフォーマンスを向上させます。Multus を使用すると、OpenShift Data Foundation 専用に、ホスト上の 1 つ以上のネットワークインターフェイスを予約できますが、
Multus を使用するには、まず Multus 前提条件検証ツールを実行します。ツールの使用方法は、OpenShift Data Foundation - Multus 前提条件検証ツール を参照してください。Multus ネットワークの詳細は、複数のネットワーク を参照してください。
8.2.1. Multus を使用したストレージトラフィックの分離
デフォルトで、Red Hat OpenShift Data Foundation は Red Hat OpenShift Software Defined Network (SDN) を使用するように設定されています。デフォルトの SDN には、以下のトラフィックタイプがあります。
- Pod 間のトラフィック
- Pod からストレージへのトラフィック (ストレージが OpenShift Data Foundation の場合は パブリックネットワークトラフィックと呼ばれます)
- OpenShift Data Foundation の内部レプリケーションおよびリバランストラフィック (クラスターネットワークトラフィックと呼ばれます)
OpenShift Data Foundation を OpenShift のデフォルトネットワークから分離する方法は 3 つあります。
OpenShift Data Foundation のパブリックネットワーク用にホスト上でネットワークインターフェイスを予約する
- Pod からストレージへのトラフィックと内部ストレージのレプリケーショントラフィックは、Pod 間のネットワークトラフィックから分離されたネットワーク上に共存します。
- OpenShift Data Foundation クラスターが正常な場合、アプリケーション Pod は最大のパブリックネットワークストレージ帯域幅にアクセスできます。
- ただし、OpenShift Data Foundation クラスターが障害から回復している場合、進行中のレプリケーションとトラフィックの再バランスにより、アプリケーション Pod の帯域幅が減少します。
OpenShift Data Foundation のクラスターネットワーク用にホスト上のネットワークインターフェイスを予約します。
- Pod 間のトラフィックと Pod からストレージへのトラフィックはどちらも OpenShift のデフォルトネットワークを使用し続けます。
- Pod からストレージまでの帯域幅は、OpenShift Data Foundation クラスターの正常性の影響をあまり受けません。
- Pod 間および Pod からストレージへの OpenShift Data Foundation トラフィックは、OpenShift クラスターがビジーな場合に、ネットワーク帯域幅をめぐって競合する可能性があります。
- ストレージの内部ネットワークには、障害時の使用のために予約された、未使用の帯域幅が過剰に存在することがよくあります。
OpenShift Data Foundation 用にホスト上で 2 つのネットワークインターフェイス (1 つはパブリックネットワーク用で、もう 1 つはクラスターネットワーク用) を予約します。
- Pod から Pod、Pod からストレージ、ストレージの内部トラフィックはすべて分離されており、どのトラフィックタイプもリソースをめぐって競合することはありません。
- すべてのトラフィックタイプのサービスレベルアグリーメントを確保できます。
- 正常な実行時には、より多くのネットワーク帯域幅が予約されますが、3 つのネットワークすべてで使用されません。
デュアルネットワークインターフェイスの分離設定の概略例:
デュアルネットワークインターフェイスの分離設定の概略例:
8.2.2. Multus を使用する場合
以下が必要な場合は、OpenShift Data Foundation に Multus を使用します。
遅延の改善 - ODF を使用した Multus は常に遅延を改善します。ホストインターフェイスをホストネットワークに近い速度で使用し、OpenShift のソフトウェア定義の Pod ネットワークをバイパスします。各インターフェイスのインターフェイスレベルごとの Linux チューニングを実行することもできます。
帯域幅の向上 - OpenShift Data Foundation クライアントデータトラフィックと内部データトラフィックの専用インターフェイス。これらの専用インターフェイスは、完全な帯域幅を予約します。
セキュリティーの向上 - Multus は、ストレージネットワークトラフィックをアプリケーションネットワークトラフィックから分離して、セキュリティーを強化します。ネットワークがインターフェイスを共有している場合、帯域幅またはパフォーマンスが分離されない場合がありますが、QoS またはトラフィックシェーピングを使用して、共有インターフェイス上の帯域幅に優先順位を付けることができます。
8.2.3. Multus 設定
Multus を使用するには、OpenShift Data Foundation クラスターをデプロイする前にネットワーク接続定義 (NAD) を作成する必要があります。これは後でクラスターに接続されます。詳細は、ネットワークアタッチメント定義の作成 を参照してください。
追加のネットワークを Pod に割り当てるには、インターフェイスの割り当て方法を定義する設定を作成する必要があります。それぞれのインターフェイスは、NetworkAttachmentDefinition
カスタムリソース (CR) を使用して指定します。これらの各 CR 内のコンテナーネットワークインターフェイス (CNI) 設定は、対象のインターフェイスの作成方法を定義します。
OpenShift Data Foundation は、2 種類のドライバーをサポートします。次の表では、ドライバーとその機能について説明します。
|
|
各接続は、独自の MAC アドレスを持つ親インターフェイスのサブインターフェイスを取得し、ホストネットワークから分離されます。 | 各接続は独自の IP アドレスを取得し、同じ MAC アドレスを共有します。 |
Linux ブリッジや |
|
ほとんどの場合、ブリッジモードが必要です。 |
|
ネットワークインターフェイスカード (NIC) がハードウェアで仮想ポート/仮想ローカルエリアネットワーク (VLAN) をサポートする場合の、ホストに近いパフォーマンス。 |
NIC がハードウェアで VLAN をサポートしていない場合、パフォーマンスは |
OpenShift Data Foundation は、次の 2 つのタイプの IP アドレス管理をサポートします。
| DHCP |
OpenShift/Kubernetes |
|
Pod に IP を提供するために DHCP サーバーを必要としません。 | ネットワーク DHCP サーバーは、Multus Pod および同じネットワーク上の他のホストに同じ範囲を割り当てることができます。 |
DHCP サーバーがある場合は、ネットワーク上の複数の MAC アドレスに同じ IP が割り当てられないように、Multus で設定された IPAM により、同じ範囲が設定されないようにします。
8.2.4. Multus 設定の要件
前提条件
- パブリックネットワークに使用されるインターフェイスは、各 OpenShift ストレージノードとワーカーノードで同じインターフェイス名を持つ必要があり、インターフェイスはすべて同じ基盤ネットワークに接続されている必要があります。
- クラスターネットワークに使用されるインターフェイスは、各 OpenShift ストレージノード上で同じインターフェイス名を持つ必要があり、インターフェイスはすべて同じ基盤ネットワークに接続されている必要があります。クラスターネットワークインターフェイスは OpenShift ワーカーノード上に存在する必要はありません。
- パブリックネットワークまたはクラスターネットワークに使用される各ネットワークインターフェイスは、少なくとも 10 ギガビットのネットワーク速度に対応できる必要があります。
- 各ネットワークには、個別の仮想ローカルエリアネットワーク (VLAN) またはサブネットが必要です。
ベアメタルで Multus ベースの設定に必要な手順については、Multus ネットワークの作成 を参照してください。
第9章 障害復旧
障害復旧 (DR) は、中断または障害が発生する場合に、組織がビジネスクリティカルな機能または通常の運用を回復し、再開するのに役立ちます。OpenShift Data Foundation は、ステートフルアプリに高可用性 (HA) および DR ソリューションを提供します。これらのソリューションは、大きく 2 つのカテゴリーに分類されます。
- Metro-DR: データ損失のない単一リージョンおよびクロスデータセンターの保護
- ストレッチクラスターを使用する Disaster Recovery: 単一の OpenShift Data Foundation クラスターが 2 つの異なる場所間でストレッチされ、ストレージインフラストラクチャーにディザスターリカバリー機能を提供します。
- Regional-DR データ損失の可能性を最小限に抑えたクロスリージョン保護。
9.1. Metro-DR
Metropolitan disaster recovery (Metro-DR) は、Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes (RHACM)、Red Hat Ceph Storage、および OpenShift Data Foundation コンポーネントで設定され、OpenShift Container Platform クラスター全体でアプリケーションとデータのモビリティーを提供します。
このリリースの Metro-DR ソリューションは、地理的に分散しているサイト間でボリュームの永続的なデータとメタデータのレプリケーションを提供します。パブリッククラウドでは、これらはアベイラビリティーゾーンの障害からの保護に似ています。Metro-DR は、データセンターが利用できない場合でも、データを失うことなくビジネスの継続性を保証します。このソリューションには、Red Hat Advanced Cluster Management (RHACM) と OpenShift Data Foundation Advanced SKU および関連するバンドルが含まれています。
前提条件
Red Hat OpenShift Data Foundation でサポートされる障害復旧機能では、障害復旧ソリューションを正常に実装するために以下の前提条件をすべて満たす必要があります。
- 有効な Red Hat OpenShift Data Foundation Advanced エンタイトルメント
- 有効な Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes サブスクリプション
OpenShift Data Foundation のサブスクリプションがどのように機能するかを知るには、OpenShift Data Foundation subscriptions に関するナレッジベースの記事 を参照してください。
詳細なソリューション要件は、Metro-DR 要件、arbiter を備えた Red Hat Ceph Storage ストレッチクラスターのデプロイメント要件 および RHACM 要件 を参照してください。
9.2. ストレッチクラスターを使用した障害復旧
この例では、3 番目のゾーンを Arbiter の場所とした上で、単一クラスターが 2 つのゾーンにデプロイメントされます。この機能は現在、オンプレミスおよび同じ場所にある OpenShift Container Platform へのデプロイメントを目的としています。このソリューションは、複数のデータセンターにわたるデプロイメントには推奨できません。代わりに、複数のデータセンターにデプロイされており、ネットワークのレイテンシーが低く、データ損失がない DR ソリューションの 1 番のオプションとして、Metro-DR を検討してください。
ストレッチクラスターソリューションは、データボリュームを含むゾーン間の遅延が 10 ミリ秒の最大ラウンドトリップ時間 (RTT) を超えないデプロイメント向けに設計されています。Arbiter ノードは、etcd に指定されたレイテンシー要件に従います。詳細は、Guidance for Red Hat OpenShift Container Platform Clusters - Deployments Spanning Multiple Sites (Data Centers/Regions) を参照してください。より高いレイテンシーでデプロイする予定がある場合は、Red Hat カスタマーサポート にお問い合わせください。
ストレッチクラスターを使用するには、以下を実行します。
3 つのゾーンには、最低でも 5 つのノードが必要です。ここでは、以下のようになります。
- データセンターゾーンごとに 2 つのノードが使用され、arbiter ゾーンにはノードが 1 つ含まれる、追加ゾーンが 1 つ使用されます (arbiter はマスターノード上にある場合があります)。
すべてのノードには、クラスターの作成前にゾーンのラベルを手動で付ける必要があります。
たとえば、ゾーンには以下のようにラベル付けできます。
-
topology.kubernetes.io/zone=arbiter
(マスターまたはワーカーノード) -
topology.kubernetes.io/zone=datacenter1
(2 つ以上のワーカーノード) -
topology.kubernetes.io/zone=datacenter2
(2 つ以上のワーカーノード)
-
詳細は、ストレッチクラスター用の OpenShift Data Foundation の設定 を参照してください。
OpenShift Data Foundation のサブスクリプションの仕組みを確認するには、OpenShift Data Foundation subscriptions に関するナレッジベースの記事 を参照してください。
9.3. Regional-DR
Regional disaster recovery (Regional-DR) は、Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes (RHACM) と OpenShift Data Foundation コンポーネントで設定され、OpenShift Container Platform クラスター全体でアプリケーションとデータのモビリティーを提供します。非同期データレプリケーションに基づいて構築されているため、データが失われる可能性がありますが、さまざまな障害に対する保護を提供します。
Red Hat OpenShift Data Foundation は、ストレージプロバイダーとして Ceph に支えられており、そのライフサイクルは Rook によって管理されており、次の機能で強化されています。
- ミラーリングのプールを有効にする
- RBD プール間でイメージを自動的にミラーリングする
- Persistent Volume Claim ミラーリングごとに管理する csi アドオンを提供する
このリリースの Regional-DR は、さまざまなリージョンおよびデータセンターにデプロイメントされるマルチクラスター設定をサポートします。たとえば、2 つの異なるリージョンまたはデータセンターにある 2 つのマネージドクラスターでの 2 方向のレプリケーションをサポートします。このソリューションには、Red Hat Advanced Cluster Management (RHACM) と OpenShift Data Foundation Advanced SKU および関連するバンドルが含まれています。
Regional-DR は、OpenShift Data Foundation 4.14 と Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes 2.9 の組み合わせでのみサポートされます。
前提条件
Red Hat OpenShift Data Foundation でサポートされる障害復旧機能では、障害復旧ソリューションを正常に実装するために以下の前提条件をすべて満たす必要があります。
- 有効な Red Hat OpenShift Data Foundation Advanced エンタイトルメント
- 有効な Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes サブスクリプション
OpenShift Data Foundation のサブスクリプションがどのように機能するかを知るには、OpenShift Data Foundation subscriptions に関するナレッジベースの記事 を参照してください。
詳細なソリューション要件は、Regional-DR 要件 および RHACM 要件 を参照してください。
第10章 非接続環境
非接続環境は、Operator Lifecycle Manager (OLM) がインターネット接続が必要なデフォルトの Operator Hub およびイメージレジストリーにアクセスできないネットワークが制限された環境です。
Red Hat は、OpenShift Container Platform がネットワークが制限された環境にインストールされた非接続環境での OpenShift Data Foundation のデプロイメントをサポートします。
切断された環境に OpenShift Data Foundation をインストールするには、OpenShift Container Platform のドキュメントの Operator ガイド の 制限付きネットワークでの Operator Lifecycle Manager の使用を参照してください。
OpenShift Data Foundation をネットワークが制限された環境でインストールする場合は、デフォルトでインターネット接続が OpenShift Container Platform で想定され、chronyd
が *.rhel.pool.ntp.org
サーバーを使用するように設定されるため、カスタム Network Time Protocol (NTP) 設定をノードに適用します。
詳細は、Red Hat ナレッジベースソリューションの A newly deployed OCS 4 cluster status shows as "Degraded", Why?、および、OpenShift Container Platform ドキュメントの インストールガイド の chrony の時間サービスの設定 を参照してください。
Red Hat OpenShift Data Foundation バージョン 4.12 では、非接続環境のデプロイメント用にエージェントベースのインストーラーが導入されています。エージェントベースのインストーラーを使用すると、非接続インストールにミラーレジストリーを使用できます。詳細は、エージェントベースのインストーラーによるインストールの準備 を参照してください。
OpenShift Data Foundation に含まれるパッケージ
redhat-operator
インデックスイメージをプルーニングするときは、OpenShift Data Foundation デプロイメント用の以下のパッケージのリストを含めます。
-
ocs-operator
-
odf-operator
-
mcg-operator
-
odf-csi-addons-operator
-
odr-cluster-operator
-
odr-hub-operator
オプション:
local-storage-operator
ローカルストレージデプロイメントの場合のみ。
オプション:
odf-multicluster-orchestrator
リージョナル障害復旧 (Regional-DR) 設定の場合のみ。
CatalogSource
に redhat-operators
という名前を付けます。
第11章 IBM Power および IBM Z でサポートされている機能およびサポートされていない機能
機能 | IBM Power | IBM Z |
---|---|---|
コンパクトなデプロイメント | サポート対象外 | サポート対象外 |
動的ストレージデバイス | サポート対象外 | サポート対象 |
ストレッチクラスター - arbiter | サポート対象 | サポート対象外 |
Federal Information Processing Standard Publication (FIPS) | サポート対象外 | サポート対象外 |
プール圧縮メトリクスを表示する機能 | サポート対象 | サポート対象外 |
Multicloud Object Gateway (MCG) エンドポイント Pod の自動スケーリング | サポート対象 | サポート対象外 |
オーバープロビジョニングを制御するアラート | サポート対象 | サポート対象外 |
Ceph Monitor がスペースを使い果たしたときにアラート | サポート対象 | サポート対象外 |
IBM Flashsystem などのプラグ可能な外部ストレージを可能にする拡張 OpenShift Data Foundation コントロールプレーン | サポート対象外 | サポート対象外 |
IPV6 サポート | サポート対象外 | サポート対象外 |
Multus | サポート対象外 | サポート対象外 |
Multicloud Object Gateway (MCG) バケットのレプリケーション | サポート対象 | サポート対象外 |
オブジェクトデータのクォータサポート | サポート対象 | サポート対象外 |
最小限のデプロイメント | サポート対象外 | サポート対象外 |
Red Hat Advanced Cluster Management (RHACM) を使用した Regional-Disaster Recovery (Regional-DR) | サポート対象 | サポート対象外 |
RHACM を使用した Metro-DisasterRecovery (Metro-DR) 複数クラスター | サポート対象 | サポート対象 |
無線アクセスネットワーク (RAN) のシングルノードソリューション | サポート対象外 | サポート対象外 |
ネットワークファイルシステム (NFS) サービスのサポート | サポート対象 | サポート対象外 |
Multicloud Object Gateway (MCG) アカウントの認証情報を変更する機能 | サポート対象 | サポート対象外 |
Red Hat Advanced Cluster Management コンソールでのマルチクラスター監視 | サポート対象 | サポート対象外 |
Multicloud Object Gateway ライフサイクルでの期限切れオブジェクトの削除 | サポート対象 | サポート対象外 |
OpenShift でサポートされているプラットフォームでの OpenShift Data Foundation の依存デプロイメント | サポート対象外 | サポート対象外 |
ベアメタルインフラストラクチャーを使用した OpenShift Data Foundation のインストーラープロビジョニングデプロイメント | サポート対象外 | サポート対象外 |
IPv4 を使用した OpenShift Data Foundation による Openshift デュアルスタック | サポート対象外 | サポート対象外 |
デプロイメント時に Multicloud Object Gateway 外部サービスを無効にする機能 | サポート対象外 | サポート対象外 |
デフォルトの NooBaa バッキングストアの上書きを許可する機能 | サポート対象 | サポート対象外 |
ocs-operator による 1 つのアクティブおよび 1 つのスタンバイ Pod の 2 つの MGR Pod のデプロイを許可する機能 | サポート対象外 | サポート対象外 |
第12章 次のステップ
OpenShift Data Foundation のデプロイを開始するには、OpenShift Container Platform 内で内部モードを使用するか、外部モードを使用して OpenShift Container Platform の外部で実行されているクラスターからサービスを使用できるようにします。
要件に応じて、それぞれのデプロイメントガイドを参照します。
内部モード
- Amazon Web サービスを使用した OpenShift Data Foundation のデプロイ
- ベアメタルを使用した OpenShift Data Foundation のデプロイ
- VMWare vSphere を使用した OpenShift Data Foundation のデプロイ
- Microsoft Azure を使用した OpenShift Data Foundation のデプロイ
- Google Cloud を使用した OpenShift Data Foundation のデプロイ
- Red Hat OpenStack Platform を使用した OpenShift Data Foundation のデプロイ [テクノロジープレビュー]
- IBM Power での OpenShift Data Foundation のデプロイ
- IBM Z での OpenShift Data Foundation のデプロイ