第3章 OpenShift Data Foundation 向けの Metro-DR ソリューション


このガイドのこのセクションでは、アプリケーションを OpenShift Container Platform クラスターから別のクラスターにフェイルオーバーし、そのアプリケーションを元のプライマリークラスターにフォールバックできるようにするために必要な Metro Disaster Recovery (Metro DR) の手順とコマンドを詳しく説明します。この場合、OpenShift Container Platform クラスターは Red Hat Advanced Cluster Management (RHACM) を使用して作成またはインポートされ、OpenShift Container Platform クラスター間の距離は 10 ミリ秒未満の RTT レイテンシーに制限されます。

アプリケーションの永続ストレージは、2 つの場所に拡張された外部 Red Hat Ceph Storage (RHCS) クラスターによって提供され、OpenShift Container Platform インスタンスはこのストレージクラスターに接続されます。サイトが停止した場合に RHCS クラスターのクォーラムを確立するには、3 番目の場所 (OpenShift Container Platform インスタンスがデプロイされている場所とは異なる場所) にストレージモニターサービスを備えた arbiter ノードが必要になります。この 3 番目の場所は、OpenShift Container Platform インスタンスに接続されたストレージクラスターから約 100 ミリ秒の RTT の範囲内に配置できます。

以下は、2 つの異なる OpenShift Container Platform クラスター間で、OpenShift Data Foundation および RHACM を使用して、OpenShift Disaster Recovery (ODR) 機能を設定および実行するために必要な Metro DR 手順の概要です。マネージドクラスターと呼ばれるこれら 2 つのクラスターに加えて、Red Hat Advanced Cluster Management (RHACM) ハブクラスターとなる 3 つ目の OpenShift Container Platform クラスターが必要です。

重要

OpenShift Data Foundation を使用して、OpenShift 仮想化テクノロジーに基づいたワークロード用の Metro-DR ソリューションを簡単に設定できるようになりました。詳細は、ナレッジベースの記事 を参照してください。

3.1. Metro-DR ソリューションのコンポーネント

Metro-DR は、Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes、Red Hat Ceph Storage、および OpenShift Data Foundation コンポーネントで構成されており、OpenShift Container Platform クラスター全体のアプリケーションとデータのモビリティーを実現します。

Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes

Red Hat Advanced Cluster Management (RHACM) は、複数のクラスターとアプリケーションのライフサイクルを管理する機能を提供します。したがって、マルチクラスター環境でのコントロールプレーンとして機能します。

RHACM は 2 つの部分に分かれています。

  • RHACM Hub: マルチクラスターコントロールプレーンで実行されるコンポーネント
  • マネージドクラスター: マネージドクラスターで実行されるコンポーネント

この製品の詳細は、RHACM のドキュメント および RHACM のアプリケーションの管理 を参照してください。

Red Hat Ceph Storage

Red Hat Ceph Storage は、非常にスケーラブルでオープンなソフトウェア定義のストレージプラットフォームであり、最も安定したバージョンの Ceph ストレージシステムと Ceph 管理プラットフォーム、デプロイメントユーティリティー、およびサポートサービスを組み合わせたものです。エンタープライズデータの保存コストを大幅に削減し、組織が指数関数的なデータの成長を管理できるようにします。このソフトウェアは、パブリックまたはプライベートのクラウドデプロイメント向けの堅牢かつ最新のペタバイトスケールのストレージプラットフォームです。

詳細な製品情報については、Red Hat Ceph Storage を参照してください。

OpenShift Data Foundation

OpenShift Data Foundation は、OpenShift Container Platform クラスターでステートフルなアプリケーション用のストレージをプロビジョニングし、管理する機能を提供します。これは、OpenShift Data Foundation コンポーネントスタックで Rook によって管理されるストレージプロバイダーとして Ceph によってサポートされ、Ceph-CSI はステートフルアプリケーションの永続ボリュームのプロビジョニングおよび管理を行います。

OpenShift DR

OpenShift DR は、RHACM を使用してデプロイおよび管理される一連のピア OpenShift クラスター全体のステートフルアプリケーションの障害復旧オーケストレーターであり、永続ボリュームでのアプリケーションの状態のライフサイクルのオーケストレーションを行うためのクラウドネイティブインターフェイスを提供します。これには以下が含まれます。

  • OpenShift クラスター全体でアプリケーションとその状態関係を保護する
  • アプリケーションとその状態をピアクラスターにフェイルオーバーする
  • アプリケーションとその状態を以前にデプロイされたクラスターに再配置する

OpenShift DR は 3 つのコンポーネントに分類されます。

  • ODF マルチクラスターオーケストレーター: マルチクラスターコントロールプレーン (RHACM ハブ) にインストールされ、メトロおよびリージョナル DR 関係のために OpenShift Data Foundation クラスターの設定とピアリングを調整します。
  • OpenShift DR Hub Operator: ハブクラスターに ODF Multicluster Orchestrator インストールの一部として自動的にインストールされ、DR 対応アプリケーションのフェイルオーバーまたは再配置を調整します。
  • OpenShift DR Cluster Operator: Metro および Regional DR 関係の一部である各マネージドクラスターに自動的にインストールされ、アプリケーションのすべての PVC のライフサイクルを管理します。
Red Hat logoGithubRedditYoutubeTwitter

詳細情報

試用、購入および販売

コミュニティー

Red Hat ドキュメントについて

Red Hat をお使いのお客様が、信頼できるコンテンツが含まれている製品やサービスを活用することで、イノベーションを行い、目標を達成できるようにします。

多様性を受け入れるオープンソースの強化

Red Hat では、コード、ドキュメント、Web プロパティーにおける配慮に欠ける用語の置き換えに取り組んでいます。このような変更は、段階的に実施される予定です。詳細情報: Red Hat ブログ.

会社概要

Red Hat は、企業がコアとなるデータセンターからネットワークエッジに至るまで、各種プラットフォームや環境全体で作業を簡素化できるように、強化されたソリューションを提供しています。

© 2024 Red Hat, Inc.