第18章 Ceph OSD のフルしきい値の設定
ODF CLI ツールを使用するか、StorageCluster CR を更新して、Ceph OSD のフルしきい値を設定できます。
18.1. ODF CLI ツールを使用した Ceph OSD のフルしきい値の設定
ODF CLI ツールを使用して、Ceph OSD のフルしきい値を一時的に設定できます。これは、クラスターがいっぱいの状態になり、しきい値をすぐに増やす必要がある場合に必要です。
前提条件
- OpenShift Data Foundation コマンドラインインターフェイス (CLI) ツールをダウンロードします。Data Foundation CLI ツールを使用すると、ターミナルから Data Foundation 環境を効果的に管理およびトラブルシューティングできます。互換性のあるバージョンを見つけて、カスタマーポータル から CLI ツールをダウンロードできます。
手順
Ceph のフルしきい値を調整するには、set
コマンドを使用します。set
コマンドは、サブコマンド full
、backfillfull
、および nearfull
をサポートします。各サブコマンドの使用方法は、以下の例を参照してください。
full
このサブコマンドを使用すると、Ceph で、指定された容量に達した OSD で IO 操作ができなくなった場合に、Ceph OSD の full 比率を更新できます。デフォルトは 0.85
です。
値が 1.0
に近すぎると、OSD がいっぱいになり、拡張する場所がなくなり、クラスターは回復不能になります。
たとえば、Ceph OSD のフル比率を 0.9
に設定し、容量を追加します。
$ odf set full 0.9
特定のユースケース用に容量を追加する手順は、ストレージのスケーリングガイド を参照してください。
OSD が stuck
している、pending
、またはまったく起動しない場合は、以下を行います。
- すべての IO を停止します。
full
の比率を0.92
に増やします。$ odf set full 0.92
クラスターリバランスが発生するまで待ちます。クラスターのリバランスが完了したら、
full
の比率を元の値 0.85 に変更します。$ odf set full 0.85
backfillfull
このサブコマンドを使用すると、指定された容量に達した OSD へのバックフィルを Ceph が拒否した場合に、Ceph OSDd バックフィルフル比率を更新できます。デフォルト値は 0.80
です。
値が 1.0
に近すぎると、OSD がいっぱいになり、クラスターはバックフィルできなくなります。
たとえば、backfillfull を 0.85
に設定するには、次のようにします。
$ odf set backfillfull 0.85
nearfull
このサブコマンドを使用すると、クラスターが指定された容量に達したときに Ceph が nearfull OSD メッセージを返す場合に、Ceph OSD nearfull 比率を更新できます。デフォルト値は 0.75
です。
たとえば、nearfull を 0.8
に設定するには、以下を実行します。
$ odf set nearfull 0.8