第6章 Microsoft Azure OpenShift Data Foundation クラスターのストレージのスケーリング


6.1. Microsoft Azure OpenShift Data Foundation クラスターのストレージ容量のスケールアップ

user-provisioned infrastructure 上で動的に作成された Microsoft Azure ストレージクラスターのストレージ容量を増やすには、設定済みの Red Hat OpenShift Data Foundation ワーカーノードにストレージ容量とパフォーマンスを追加できます。

Microsoft Azure Red Hat OpenShift Data Foundation クラスターのストレージ容量は、次の 2 つの方法でスケールアップできます。

6.1.1. 新しい OSD セットを追加してクラスターのストレージ容量をスケールアップする

設定済みの Red Hat OpenShift Data Foundation ワーカーノードのストレージ容量をスケーリングするには、一度に 3 つのディスクを追加して容量を増やすことができます。OpenShift Data Foundation はレプリカ数 3 を使用して高可用性を維持するため、3 つのディスクが必要です。したがって、消費されるストレージの量は、使用可能なスペースの 3 倍になります。

注記

暗号化が有効になっている場合、または 2 つのプールのレプリカが使用されている場合は、使用可能なスペースが異なる場合があります。ユーザーがプロビジョニングしたインフラストラクチャー上に動的に作成したストレージクラスターのストレージ容量を増やすために、設定済みの Red Hat OpenShift Data Foundation ワーカーノードにストレージ容量およびパフォーマンスを追加できます。

前提条件

  • OpenShift Container Platform に管理者権限がある。
  • 実行中の OpenShift Data Foundation ストレージクラスターがある。
  • ディスクが、最初のデプロイメント時に使用したものと同じサイズおよびタイプである。

手順

  1. OpenShift Web コンソールにログインします。
  2. Operators Installed Operators をクリックします。
  3. OpenShift Data Foundation Operator をクリックします。
  4. Storage Systems タブをクリックします。

    1. ストレージシステム名の右側にある Action Menu (⋮) をクリックし、オプションメニューを拡張します。
    2. オプションメニューから Add Capacity を選択します。
    3. Storage Class を選択します。新しいストレージデバイスのプロビジョニングに使用するストレージクラスを選択します。
    4. Add をクリックします。
  5. ステータスを確認するには、Storage Data Foundation に移動し、Status カードの Storage System に緑色のチェックマークが表示されていることを確認します。

検証手順

  • Raw Capacity カードを確認します。

    1. OpenShift Web コンソールで、Storage Data Foundation をクリックします。
    2. Overview タブの Status カードで Storage System をクリックし、表示されたポップアップからストレージシステムリンクをクリックします。
    3. Block and File タブで、Raw Capacity カードを確認します。

      容量は選択に応じて増大することに注意してください。

      注記

      Raw 容量はレプリケーションを考慮せず、フル容量を表示します。

  • 新しいオブジェクトストレージデバイス (OSD) とそれに対応する新しい永続ボリューム要求 (PVC) が作成されたことを確認します。

    • 新規作成された OSD の状態を表示するには、以下を実行します。

      1. OpenShift Web コンソールから Workloads Pods をクリックします。
      2. Project ドロップダウンリストから openshift-storage を選択します。

        注記

        Show default projects オプションが無効になっている場合は、切り替えボタンを使用して、すべてのデフォルトプロジェクトをリスト表示します。

    • Pod の状態を確認します。

      1. OpenShift Web コンソールで、Storage Persistent Volume Claims をクリックします。
      2. Project ドロップダウンリストから openshift-storage を選択します。

        注記

        Show default projects オプションが無効になっている場合は、切り替えボタンを使用して、すべてのデフォルトプロジェクトをリスト表示します。

  • (オプション) クラスターでクラスター全体の暗号化が有効な場合は、新規 OSD デバイスが暗号化されていることを確認します。

    1. 新規 OSD Pod が実行しているノードを特定します。

      $ oc get -n openshift-storage -o=custom-columns=NODE:.spec.nodeName pod/<OSD-pod-name>
      <OSD-pod-name>

      これは OSD Pod の名前です。

      以下に例を示します。

      $ oc get -n openshift-storage -o=custom-columns=NODE:.spec.nodeName pod/rook-ceph-osd-0-544db49d7f-qrgqm

      出力例:

      NODE
      compute-1
    2. 直前の手順で特定された各ノードに以下を実行します。

      1. デバッグ Pod を作成し、選択したホストの chroot 環境を開きます。

        $ oc debug node/<node-name>
        <node-name>

        ノードの名前。

        $ chroot /host
      2. ocs-deviceset 名の横にある crypt キーワードを確認します。

        $ lsblk
重要

クラスターの削減は、Red Hat サポートチーム の支援がある場合にのみサポートされます。

6.1.2. 既存の OSD のサイズを変更してクラスターのストレージ容量をスケールアップする

クラスターのストレージ容量を増やすには、既存の OSD のサイズを変更してストレージ容量を追加できます。

前提条件

  • OpenShift Container Platform に管理者権限がある。
  • 実行中の OpenShift Data Foundation ストレージクラスターがある。

手順

  1. oc patch コマンドを使用して、storageDeviceSetsdataPVCTemplate サイズを新しい希望のサイズに更新します。

      storageDeviceSets:
      - name: example-deviceset
        count: 3
        resources: {}
        placement: {}
        dataPVCTemplate:
          spec:
            storageClassName:
            accessModes:
            - ReadWriteOnce
            volumeMode: Block
            resources:
              requests:
                storage: 512Gi

    この YAML の例では、storageDeviceSets の下の storage パラメーターは現在のサイズ 512Gi を反映しています。

    1. oc patch コマンドの使用:

      ストレージを増やす storageDeviceSets の現在の OSD ストレージを取得します。

       oc get storagecluster ocs-storagecluster -n openshift-storage -o jsonpath='
      {.spec.storageDeviceSets[0].dataPVCTemplate.spec.resources.requests.storage}
      '
      
      512Gi
    2. ストレージを希望の値に増やします (次の例は 2Ti のサイズ変更を反映しています)。

      oc patch storagecluster ocs-storagecluster -n openshift-storage --type merge --patch "$(oc get storagecluster ocs-storagecluster -n openshift-storage -o jsonpath='
      
      {.spec.storageDeviceSets[0]}
      ' | jq '.dataPVCTemplate.spec.resources.requests.storage="2Ti"' | jq -c '{spec: {storageDeviceSets: [.]}}')"
      
      storagecluster.ocs.openshift.io/ocs-storagecluster patched
  2. OSD が再起動するまで待ちます。
  3. サイズ変更が有効になったことを確認します。

    $ oc get pvc -l ceph.rook.io/DeviceSet -n openshift-storage

    サイズが変更されたすべての OSD で、サイズ変更が完了し、コマンド出力の CAPACITY 列に正しく反映されていることを確認します。

  4. サイズ変更が有効にならない場合は、OSD Pod を再起動してください。サイズ変更が完了するまでに複数回の再起動が必要になる場合があります。
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